BNP(BNPパリバ銀行)の債券が償還したので、次にどうするか思案中。
ANZ(Australia and New Zealand Banking Group Limited)の米ドル建て債券、クーポンは5.731%が最近、起債されたのでそれを買おうかと。
でも償還は10年後なんですわ。でも次回コールは2029年9月。
私はこんな残存期間が長い債券って買ったことがないから不安だけれど、ポートフォリオから考えるとそういうのもあったほうが良いかな、と。
ただこの債券もリスクが有る債券で、劣後債であり、COCO債であり、コーラブル、バリアブルという債券。一般的には敬遠されるタイプでしょう。
実はですね、いつも世界経済やアメリカ経済がどう動くか、為替はどうなるのかと考えているしブログにも書きますが、それって「一般常識」として知っておいた方が良いと思っているだけで、株式市場や為替が長期的にどう動こうと私には全くと言ってよいほど関係ないのね。
基本的には株式投資もETF投資などの「長期投資」もしていないから、それらが上がろうが下がろうが関係ない。
我が家の主な収入源としてのデイトレや超短期売買は「明日、来週、来月、世界がどうなろうと関係ない」し、「相場が上がっても下がっても利益を追求できる」わけだから、世界の大きな動きとは関係ないし、「毎日の売上や利益を重視する商人的な考え方」でやっています。ただ、為替に関しては「デイトレでも為替の比重を大きくして、大きな変動にも耐えられる」状態を作っています。この状態を作ったのはつい最近。
長期投資としては「債券投資のみ」で、なおかつ定期預金を持つみたいな投資方法で「償還日まで持つ」のが基本。
だから困るのは「その発行元の破綻」で、この数十年間、利回りの高い、つまりリスクが大きい債券(劣後債など)を中心に買っていたけれど、どこも大丈夫そうな大企業、金融関係ばかりで、危険を感じたことはありませんでした。
でも去年、利回り10%に回っていたクレディ・スイスのAT1債にかなりまとめた投資をして、それが全て紙切れになって、我が人生最大の「損失」を被りましたが、こういうこともあるのね。
リーマンショックでは大損害を被りましたが、それは損失を出したと言うより、「持っていた資産が大幅に下落した」ということで、それらが戻ることを待ち続けて8年が過ぎましたが、元に戻ることはなく、いつまで待ってもしょうがないので、「たたき売り処分」をしてマレーシアに渡ってきたのが2016年。
私が「長期投資で含み損が出ても我慢しろ」という論者に大反対なのは、こういう経験もしているからなのね。
「待っていればどうにかなる」としても【待てない事情がある】のが普通だと思う。
だから今では「基本的に含み損を受け入れ無い方が良い」という考え方になっていて、「年単位」で考えたら常にプラスになるような生き方をしています。でも当然、クレディ・スイスの損失補填にはうまく行っても数年は掛かる。(笑)
あるいは「下落時にヘッジが出来るもの」しか投資はしない。私が一切不動産投資に興味がないのは「価格の下落時にはどうにもならない」のも理由の一つ。
そういう意味で気になることは、やっぱりリーマンショックのように「金融界に嵐が吹き荒れること」なのね。あのリーマンショックの破綻は本当に驚いたし、もしあの当時、リーマン・ブラザーズの良さそうな債券があったら「絶対に買っていたはず」だと思いますもの。
そういう意味では、大失敗をやらかしたクレディ・スイスは悪い噂は長く続いていて、株も売り叩かれている状態で、冷静に考えれば「投資不適格」なのね。だからこそ既発債が10%に回るなんて状態だったわけだけれど、私は「クレディ・スイス」という【名前】に安心感を持ってしまったのね。アホでした。
実は前にもJALが危ないと噂され、株がどんどん下げている時、「日本の(当時の)民主党はJALを絶対に潰さない、潰せない」という【確信】があったのね。だからJALの株をかなり買ったんですよ。それは歴史的なJALと日本政府の関係からそう考えたわけですが、浅はかでした。JALは破綻。そもそも我が家とJALとの関係もあって、姉はJALのCAでしたし、JALには思い入れもあったのね。利用するのも昔からJALばかりで、ANAには絶対に乗らない私でしたし。
でもそんな思い入れや勘違いなんてまるで関係なくて、破綻するものは破綻する。
だから今の私は「長期投資は債券中心」ですが、「発行体のリスクだけが気になる」状態で、破綻さえしなければ景気が悪くなろうが、株式市場がクラッシュしようが関係ないわけで、でもそれが「金融危機に発展するのだけは怖い」し、もしそれが起きても「破綻しないであろう金融関係の企業」の債券を持つようになりました。でもその代わり、以前のような利回りは期待できないようになってしまった。やっぱりクレディ・スイスの恐怖って後を引いています。
今までは平均して年7%以上の利回りを確保してきましたが(10%の時代もあった)、最近は6%以下になってきてしまっています。
さてANZは大丈夫なのか。
どうなりますかね~。10年で、複利で回せば1.7倍。単利で1.5倍。これが出来るのもマレーシア在住だから。でもそれでも「インフレに勝てるかどうかはわからない」し、オーストラリアに住んでいたらしっかり課税されますから複利で10年回しても1.3倍にしかならないし、インフレに負けるのはほぼ確定じゃないですかね。
1.7倍と1.3倍と「大差はない」ような気がしますが「利益は7と3の違い」です。2倍以上の差があるということ。もしも「その利益で生活費も賄う」としたばあい、純利益は「4と0」とか、下手をすれば「2とマイナス2」の違いがあるということ。これじゃ世の中がインフレだったら遠くない将来に何が起きるのかは簡単にわかること。
本当に資産形成も資産保全も難しいと思います。年間5.7%の利率で回してもそんな程度。
そういう意味では、日本がデフレを脱却するのは良いことですが、自営業者や年寄りは「自分で稼ぐしかない」から大変な時代に突入したと思っています。
人生100年の時代に突入し、自分がバリバリ働いて稼いでいた期間より、主流から外れ、そして退職してどんどん歳を取り萎んでいく期間のほうが長いなんて私には恐怖そのものです。
生活費が安い海外に住むのも「元気な内だけ」で、マレーシアで亡くなった私の母(治療費は1000万円超え)や私自身の医療費、保険などの負担が想像以上に大きいことが実際に体験してわかりましたし(来年から我が家夫婦の保険料だけで年間200万円を超え、なおかつその保険は一つの病気で6ヶ月間しかカバーしない)、これからは深刻な慢性疾患も増えるだろうし、いつか動けなくなるときが必ず来ることを考えれば、いつまでもマレーシアに住むことはまず不可能で、終活を無視することも出来ず、なんだか現役時代より忙しくなったような気さえしています。(笑)
皆が長生きするのは良いことだけれど、具合が悪いまま長生きする問題と、十分な収入がないまま何十年も生きることを考えると、若い時から資産形成を考えないとならないし、また資産保全も重要で、ここをミスると「穴の空いたバケツから水が漏れ続ける」のと同じで、そしてインフレなんてことになったらあっという間に干上がる。
そもそも老後の2000万円問題も「インフレを加味していない」「想定外の支出が入っていない」わけで、人生100年時代になると、私は多くの人の想像以上の厳しさが待っていると思っています。
1991年からANZの株価推移。月足。