金(ゴールド)の値上がりが凄いけれど・・

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金(ゴールド)の値上がりが凄いですね。勢いがある。

金先物 米ドル 日足

日本円での値上がりもすごいですが、それは円安があるから。

金先物 日本円 日足

こんなに高くなっても「今からでも金を買え」という専門家がいますが、どんなもんなんでしょうね。

本当にこればかりはわからなくて、私は20代の頃から宝石関係の仕事をしていましたから、金相場は非常に身近でしたが、当時は1000円代。つまり今の10分の一以下の価格でしたが、「金は常に高い」というイメージがあります。安いなんて思ったことは一度もなし。

金先物 日本円 月足

金って宝飾品というより「工業製品の原材料」としての地位があって、その需要は今後も増えるだろうし、今、中国人が金を爆買いしているように「資産保全」のためには一番良いといわれるし、国家の「通貨防衛」の為に金が買われたり、通貨を「金本位制」にするなんて話も出てきていますから、まぁ、下がる要素があるとは思えず。

でも金を持つって困るんですよね。

まず、金を持っていても「お金は生まれない」のね。私はマレーシアに来る前、シンガポールHSBCのリレーショップマネージャーに「ファンドを買え」と勧められて買いましたが(1200ドル当時)、値上がりは嬉しいものの15年以上保持していても、そこからの利益は無し。

まだ「現物」を持っていれば、それを眺めてニヤニヤするなんてこともあるんでしょうが、ファンドだからそれもない。形がない。

そして良く「分散投資として金を持て」なんて言われますが、ごっそり買う人って「裏社会の人か、訳アリの人」だと私は思っていて、普通は「ちょっと買ってみる?」程度だと思うんですよ。

それって、そりゃ値上がりすれば嬉しいけれど、どの程度の含み益があるかを考えると、大喜びするほどじゃないのね。逆に、値下がりしても真っ青にならないし「しょうもないなぁ」と思うレベル。

私は「ヘッジの練習」として、金相場の下落時にはCFDでヘッジ玉をいれていましたので、練習にはなったものの、やっぱり練習でしかない。

じゃぁ、ちょっと多く買ってみる?なんて思っても、「そこから利益が出ない」ってのは問題で、私は15年以上、金ファンドを持っていますが、その金額を「債券投資」に複利で回したと仮定したら、その方が「原資+利息」で、金ファンドより成績は良い試算なのね。そして債券なら今後も「利益を生み続ける」わけです。

ま、それはタラレバ論でしかありませんが、債券投資って「定期預金」みたいなもので「買った時点で利益は確定している」じゃないですか。債券も値動きがありますが、「償還まで持つ」としたら途中の値動きは関係なく「償還時には満額戻って来る」わけで、【値下がりの不安はない】のね。

そして債券投資でも長期で続けていると、「金利で為替差損を埋められる」ことも起きるのね。ちょっと前までは私も平均7%で回せていましたから、為替差損を恐怖だと思ったことはありません。

でも去年、私はクレディ・スイスの債券で大損しましたが、そういう破綻リスクはある。ましてや普通の債券ではなくて、私の場合は劣後債を買うことが多いですから、結構リスクは大きい。

金は金で、「値下がりリスクはある」わけで、「Buy & Holdしていれば良い」なんてのは株式投資と同じで、それもただの妄想だと思っています。

私は「お金は使うためにある」と思っていますし、「使おうと思った時に使えない」ってのは全くだめだとおもうんですよ。それは「想定外の出費」もあるだろうし、「子どもの教育費、結婚費用、自分の定年退職」とか、「お金が必要なイベント」の時に、【値下がりしていたらどうするの?】というのは無視できない大問題だと考えます。

それを話すと「値下がりしていたなら、値下がりしていない他の資産を売却すれば良い」という人がいますが、これも実は意味が無いのね。精神的にはその方が楽ですが、資産のトータルで考えれば「全く同じこと」であるし、もしかすると「値上がりし続けるものを売り」「値下がりし続けるものを保持してしまう」リスクもあるってこと。

だからやっぱり私は「資産保全としての金を保有する」ことには積極的に考えられないのね。

長期投資は「いちいち値下がりを気にしてはならない」なんてのも私には金持ちの道楽にしか思えないのね。

実際に、1980年前後の高値から半分以下に下がり、値が戻るのに25年以上を費やしているのね。その後は上がって1900ドルあたりまで来たけれど、また下がってそれが戻るのにまた10年。

だから「高い時に買っては駄目で、でも世間が【買いだ~】と盛り上がる時は高い時のみ」なのね。でも「そのまま上がり続けることも多い」から相場は難しい。

こういう高値をつけているときって、「長期投資はBuy & Holdに意味がある」という人が増えるのね。でも下げている時には「買い時だ」とも言わないし、話題にも出ない。

冗談じゃないよと私は思います。無駄な10年、20年をどうしてくれる?

日経225と同じじゃないですか。Buy & Holdしていれば大丈夫と言うけれど、高値で買った人が心をなぜおろすまでに30年以上の月日が必要で、途中では5分の1まで下がったんですから。

それでも良いんですよ。元の値に戻って、「そこから5倍10倍になるのなら」。

実際に金でも株式でも「どんどん値下がりを続ける時」に「自信を持って持ち続けた」、あるいは「安値を積極的に拾った」人って多いのかは私は疑問に思っています。

ま、資産がごっそりあって、「資産の保全が何よりも重要」だと考える立場の人には「金投資は良い」とは思いますが、資産の保全どころか【資産形成中】だとしたら、私は「金投資が良い」とは思えないのね。私も「まだまだ資産形成中」ですから、「年間所得をいかに高く保つか」が最重要課題。

多くの人って株でも金でも「高くなると買いだ~~」と騒いで、買うべき安い時には知らん顔。でも私は真逆で、「今、上がっている時は【売り場を探す】作業をする」し、皆が「株も金もだめだ」と言い出す頃に【買い場を探す】ことをします。

暗号通貨も同じで、「高くなると買いだ~」という声が大きくなるのって面白いですよね。

これは「投資家心理は常にこう動く」という大原則があるから。一般大衆が注目しだして「買いだ。取り残されるな」と考えるのは、大体、相場の終盤に入ってからなのが普通。この図の説明はこの動画。必見だと思います。

だから金投資にしても株式投資にしても「下がっても構わない。Buy & Holdしていればいつか必ず良いことがある」なんて、何十年先まで待てないし、もし「元の値にさえ戻らなかったらどうするの?」と思うわけです。

今、金も高い、株も高いから「ほらね、Buy & Holdが正解でしょ」なんて言う人が多いですが、では金も株も安い時にはどう思っていたんですかね。「失敗した・・・」と思っていたんじゃないですか?

あるいは「そういう経験もなく、誰かに聞いたことを言っているだけ」なのかもね。業界はとにかく「Buy & Hold」を勧める業界ですから。大事なカモは逃さない。

実際に金や株を持っていても「お金が必要だ」とか「もうこの値下がりに我慢できない」と手放した人は多かったと私は思うし、「何十年も我慢して持ち続けた人は少ない」のじゃないかなぁ。

だから「長期投資はBuy & Holdに意味がある」というのは、私には金持ちの道楽にしか思えないし、実際に株式投資の神様と言われるウォーレンバフェットだって、「同じ株を何十年も持ち続けてあの資産を作ったのではない」じゃないですか。【流れに乗るのが上手かった】からでしょ。ジム・ロジャーズも同じ。【安い時に買って、高くなったら利食いして利益を確定するのが当たり前】じゃないんですかね。

皆が見向きもしない安値の時に買って、今みたいに高い時に「買いだ~~」なんて彼らは言わないでしょ?

ただ「金の現物を持つことに意味はある」とは思っていて、「究極のリスクマネージメント」にはなると思っています。

それは本当にそれこそ「着の身着のまま逃げなくてならない時」が世界の歴史にはあるわけで、その時、「持って逃げるもの」としての金は価値がある。いつ何時、世界のどこに行っても「簡単に換金できる」のね。

でも「金は半端じゃなく重い」。(笑)

私は「金の現物」には興味がなくて、そんなものを家に置いといたら危なくてしょうがないと思うし(ゴールドコースト時代、5度も空き巣に入られ、現金や財布、クレジットカードからパスポート、ヨメさんの宝石、結婚指輪など結構盗まれました)、万が一の時に金を持って逃げるなんて本当に出来るのかどうかが疑問。金って本当に重いですから。

ま、話が脱線してしまうのは毎度のことで申し訳ないですが、「金投資も良い」とは思うものの、「真剣にやるほどじゃない」と思っています。でも「自分は財産保全を頑張っている」という「気休めにはなる」かもしれない。

これは私自身もそうで、「一応、金ファンドだけれど持っている」のはなんとなく安心感があります。でもそれが「現実的に重要か」となると、関係ないと思っています。逆に「死金になる可能性が大きい」と思うくらい。今はたまたま上がってますから良いですが、金を持っていても何も収入が生まれないのは大問題。

でもトレンドを見ながら売買したり、現物なリファンドを持ちつつ、ちゃんとヘッジもやるなら意味があると思います。

また、金の先物(GC)をデイトレや短期売買の対象としてトレードするのは良いと思っていて(CFDはデイトレ、短期売買には向かない)、最近、私はやっていませんが、昔は結構やっていましたし、一応、値動きは見ていて、トレード候補から外すことはしていません。

あああ、金を持っていれば「円安対策になる」という考え方はあると思います。まさに今、円安の時、金はどんどん上がってますから。

もう一度、チャートを出しますね。日足です。

でも逆に「円高になったらどんどん金は値下がりする」ことになるじゃないですか。

だから円安対策なら、私なら外貨を持つべきだと思うし、そして「債券」でも買っていれば基本的には「元本保証で毎年配当はある」わけで、「財産保全を考えるなら債券」じゃないですかね。

でも米ドルなら米ドルの強弱があるから、米ドル安になったら「債券の価値は下がる」わけで、どうしたって「為替変動にはFXを使った対処が必要となる」と思っていて、そういう意味では「金のほうが良い」かもしれない。

でも「金そのものも上がったり下がったりする」わけで、【常に安心ということはない】んじゃない?

米ドル建ての金価格の推移を出します。1975年から。

気をつけないとならないのは、この金のチャートを出す時に、1980年代に高かった部分を出さずに説明する人もいるってこと。

日本人向けに円建てでこういうチャートを出す。上に出したチャートと同じものです。これをみたら、2000年から上がりっぱなしに見えるじゃないですか。しかし上の米ドル建てのチャートを見ると、1980年頃は高くて2000年まで20年掛けて下がり続けたのがわかる。そして元の値に戻るのには25年も掛かった。

やっぱり利益を出すには「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」しか利益を出す方法はないわけで、「買ったら持ち続ければ良い」なんてことは金でも株式でもあり得ないのは明白じゃないでしょうか。

でもとりあえず過去を見ると10~30年、持ち続ければ「値は戻ったのは確か」ですから、今後も同じことが起きるのかもしれない。

でも私としては「その10年30年にいかに利益を出すか」が重要で、10年20年30年待っていれば「値は戻ります」なんてのは、それが間違いのない事実だとしても冗談じゃないのね。

「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」しか利益を出す方法はないわけだから、いつの時代でも私はそれを実践しようと思います。

もう一度、このチャートをよ~~く見てください。いつ買うべきか、いつ売るべきか、全く検討もつきませんかね?

「全くわかんな~~~い」とするなら、「お金持ちの道楽につきあうしかない」のだろうと思います。

それは「今現在、上昇中のS&P500」も同じなんですね。

1990年から現在までの動きですが、赤丸のところを見てください。パッと見は「小さな下落」に見えますが、50%の下落って半端じゃない恐怖です。貴方はその恐怖に耐えられると思います?その後、また上がったから良いですが、今の高値から50%下落したと仮定してみてください。ゾッとしないですか?

「もしかしたら値は戻らないかもしれない」なんて思いませんかね。アメリカの時代は終わると言われている昨今、何が起きるかわからない。値は戻っても米ドルは大きく下落するかもわからない。まさかの戦争だって起きるかもしれない。

そしてその思いを20年も30年も持ち続けながら、「毎月積み立てる」なんてことが出来ますかね。

積立だろうが何だろうが「売るべき時」はあるわけで、それを逃すと、また次の20年、30年、待たないとならないかもしれない。

私が「長期投資を考えた時」に買うのは【債券のみ】なのはそれが理由。

それでも「金でも株式でも持ち続ける」というのも良いと思うんです。でもそれって「不要不急のお金をごっそり持っている人の考え方」だと思っていて、資産形成を目標としている人の考え方じゃないんですかね。運を天に任せるのと同じですから。

「市場に新たに参加してくれる人」「毎月毎月、どんどん資金を注入してくれる人」ってこの業界で言う「神様」なんですよ。「お客様は神様」ですから、業界人も市場参加者も大歓迎で、「今、投資すべきです」「買ったら売らずに保持するべきです」って必ず言うと思って間違いがない。

私の本音も同じです。

でも縁ある方々には、「これって釣りと同じだ」という事実をお伝えしたい。

それから逃れるにはどうしたら良いのか。それは非常に簡単で、「安く買って高く売る(高く売って安く買い戻す)」しか利益を出す方法はないことを理解すればよいだけ。

投資期間がデイトレの5分だろうが、一日、1週間、1ヶ月、1年だろうが、20年でも30年でも、その真理は変わらない。

そして値動きって、こちらの気持ちなんて全く考えてくれないわけで、「多くは望んだ方向と逆に動く」のが常なのね。面白いと思います。

相場参加者の80%は負けるという現実をご存知ですよね。でも世の中は「勝った人の話だけを大げさにばらまく」から、自分も勝てるんじゃないかと考えてしまう。

80%の参加者が負けるのなら、「多くの人が言うことと逆のことをやれば良い」という意味でもあるのを考えてみるのも良いかもですね。

人の行く 裏に道あり 花の山

大衆は常に間違える

これは有名な相場の格言で、私は全くそのとおりだと思っています。

---(追記)---
 

関係ないですが、凄いニュースがありましたね。

中国の不動産会社で、アメリカで破産申請をした「恒大」ですが、その申請を取り下げたらしい。

債権者は取るべきものも取れずに、今後もっとややこしいことになりそう。額が半端じゃないから、これが世界にどういう影響を与えるのか。それが心配です。

 

 

 

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