まず魚類ですが、普通にスーパーで買うものは「すぐに食べる」から良いようなもの、困るのが「刺身類」なんです。
これらの多くは日本食材の卸商から買うことが多いのですが、「ロットが大きい」のが普通で、例えば「本マグロの赤身」にしても「最低、1キロのブロック」なのね。
例えばこんな。本鮪の赤身で1.2キロ。恐ろしいほど美味しいのだけれど・・・。
これってどうしようもなく「多すぎる」わけで、何日かに分けて食べたいのだけれど、その「数日間」どうやって美味しさをキープするのかがわからないんですよ。
良く一般的に言われているのは「リードペーパーで巻いて、それをラップで巻いて袋に入れて軽く真空パック」ってことなんですが、これをやっても駄目なのね。それどころか「リードペーパーで巻かない方が良い」ケースも有る。
これの理由は「ドリップを吸収する」なら良いし、それは必要なことなんだけれど、「リードペーパーは水分を吸いすぎる傾向がある」のね。だからリードペーパーで巻くと「刺し身の柵が硬く締まった状態になる」ような感じ。水分が抜けすぎなのは多分、間違いがなさそう。
オカモトのピチットシートも我が家では昔から使っていますが、これはまさに「水分を抜くため」に使うわけで、これを「刺し身の柵の保存」に使うとリードペーパーどころの話じゃないのはわかりきっているからやりませんが、ネットを見るとピチットシートを推奨する人もいるのね。
ベチャベチャの身だったり、すでに古くて水分を抜いたほうが良い場合にはピチットシートやリードペーパーが良いと思うのだけれど、状態が良いものを「そのまま保存する」には水分を吸い過ぎたらうまくない。
ではリードパーパーなどを使わないで「ラップで巻く」だけにして袋に入れて軽く真空にするのが良いと思うのだけれど、やっぱりそれだと「ドリップが出ている」感じが強い。
この場合、そのドリップは逃げ道がないから、「元の身に影響を与える」わけで、「ドリップ漬け」みたいな最悪な状態になる。
それと、「我が家の冷蔵庫の問題」もあると思っていて、そもそも魚を冷蔵するにしてもその「温度」、「温度変化」がどうなっているのかがわからない。私は実はこれが一番重要かもしれないと思っていて、「適切な温度」で保持されていないんじゃないかと。
プロは「刺し身の柵」を冷蔵庫にいれる時に、明日使うのなら、リードペーパーに包むだけかもしれないし、もうちょっと長く保存、あるいは熟成させるならリードペーパーやラップで巻いて袋に入れて空気を抜き、【それを氷水に沈める】ことをするケースが多い様子。冷蔵庫の中に発泡スチロールの箱を入れ、それに水と氷を入れるという形。これなら1~2度の温度で安定させることができるし、ここが一番大事なところかもしれない。でも家庭用冷蔵庫でどうするべきか。大きめのタッパで良いと思うけれど、それにしてもかなりの場所を取る。ここが常に満員状態の我が家の冷蔵庫で出来るのかどうか。
どちらにしても、世の中を見ると「熟成が非常に流行っている」のね。これは寿司屋も同じで、素人の個人でも「1週間熟成したら美味しかった」なんて話が氾濫している。
でもやり方はいろいろで、我が家では美味しくなくなる「リードペーパー派」も多いのね。
そもそもマグロは「釣りたての新鮮なものは全く美味しくない」のはテレビで漁師も言っていたし、寿司屋でも「新鮮なのがベストという話は聞かない」のであって、【マグロは熟成してから提供する店は多い】のね。
中にはマグロを裸のままで「冷蔵庫の中の送風口の近くにおいて乾燥させる」ように熟成する方法を推奨する店もある。その場合は当然、そのマグロの回りは黒くなりパリパリに乾くことが起こる。でも提供時にはその部分を削いでだす。で、これがとんでもなく美味しいらしい。
意外に「変色していても美味しい」のは経験しているし、多くは「生臭い」にしても、そこだけ削ると中は見た目も問題なく美味しいことは多いにしても、どういう保存方法が良いのかが私にはわからない。
熟成したら美味しいなんていう前に、まず美味しさを3日~4日だけでも維持できたらそれだけで私は嬉しい。もしも1週間後は熟成して美味しいなんてことになったら、それこそ「瓢箪から駒」で嬉しいなんてもんじゃない。
前に、本マグロを買っても保存がうまく出来ないので困っているとブログに書いたら、「熟成してみるのはどうですか?」というコメントを頂いたんですよ。
実はそれがず~~~~~っと、今でも気になっています。(笑)
その方は熟成の方法も知っているのだろうし、そういう方法で「長持ちさせてもいる」のだろうと思っています。これはマグロに限らず、他の魚も同じで、「買ってきたその日に食べなくては駄目」なんてことはありえないんですよね。
そもそもマレーシアの和食材の輸入卸商だって、日本から鮮魚が届くのは一週間の内に3回ですし、それを店が買って客に出すのに「数日間」はどうしたって掛かるわけで、そりゃ早く提供できれば良いけれど、「その日に食べなければ美味しくない」なんてことはありえないと思うんですよ。それはどんな高級店でも同じだろうと。
そこで出てくる話としては「マイナス60度にまで下がる超低温冷凍庫」なわけで、それをマレーシアでリーズナブルな価格で売っているとブログに書いたところ、「その販売店を教えて欲しい」とある高級和食店の板前さんからWhatsappを頂いたこともある。
日本でもそういう超低温冷凍庫は流行っていて、寿司屋でも導入が進んでいて、個人の中にもそれは広がっているのね。多くは「釣りを趣味とする人たち」だけど、「釣れる時には大量に釣れる魚」って処理に困るのは私も釣り好きだから良くわかります。
近所に分けるとか、自分の家の冷凍庫で凍らすにしても、普通の冷凍庫じゃ「あまりにも劣化が早い」のね。だから多くの人が「低価格の超低温冷凍庫」が売り出されるのを心待ちにしていた。そしてそれが始まった。
マレーシアの和食材の卸商である「千里」でも、本マグロの大トロを販売するページに面白い記述がある。これって冷凍ものだけれど、下の画像をクリックするとその販売ページに飛びます。
そこにはこんな事が書かれている。日本語に翻訳したものを載せます。
重要なお知らせ
商品到着後、そのまま冷凍庫に入れてください。3日以内にお召し上がりください。このマグロの切り身はデリケートなため、サクは真空パックされ、冷凍庫(-70F)で保存されます。一般家庭の冷凍庫では、このマグロの色と味を5日以上保つことはできません。
このマイナス70度って、摂氏じゃなくて華氏なのね。で、摂氏で言えば【約マイナス57度】。
つまり、長く保持するには【超低温で冷凍するしか無い】のであって、普通の家庭の冷凍庫ではお話にならないし、もしそれが我が家にあれば、そして小分けにして超低温で冷凍すれば「美味しいお刺身を1ヶ月間食べられる」なんてことが起きるんでしょう。
あるいは「熟成をするつもりで保存する」しかない。でもその場合はせいぜいうまく行って1~2週間か。調べてみるともっと長期でもイケると言う人は多いのだけれど、まずは1週間でも私は嬉しい。
もしこのノウハウが私にもわかると、かなり食生活が広がるのね。
日本から空輸の魚を買うにしても、「その日に食べなくても大丈夫」「それどころか熟成したら美味しくなる」としたら、真鯛でもヒラメでも大きめの魚を買うことが出来るのね。シマアジじゃキンメダイじゃと想像しただけでワクワクしてきます。
新鮮な魚を「刺し身で食べる良さ」はあると思うんですよ。新鮮でコリコリしているぐらいの刺し身って、それはそれで美味しいのは私にもわかる。でも一般的に言われる「握り寿司には熟成させた魚の方が合う」というのもわかる。
マレーシアでは「今日の朝、水揚げされた魚」でなおかつ美味しい魚を手に入れるのはほぼ不可能に近くて、輸入魚ならすでに最低でも2日は経ってしまうわけで、やっぱり「保存、熟成のノウハウ」は必要不可欠じゃないんですかね。
NSKで買った、とんでもなく美味しかった「スマカツオ」ですが、これももし美味しさを3-4日保つなり、1週間以上熟成させたら美味しくなるなんてことになったら、良い魚を見つけるのは難しいにしてもまたやってみたいと思う。
でも「新鮮な魚だから熟成の意味がある」というのもわかるし、新鮮とは言えない魚を保存、熟成させたらどうなるのかもわからないけれど、【挑戦する価値はある】と思うんです。
それはやっと私も理論的なことが少しずつ理解できるようになってきたからで、そろそろ実験を始めても良い時期に来た。
ということで、これから実験開始をします。
まずはやっぱり本マグロの赤身からですが、実験と言っても結構お金がかかるので、最初に挫けたら、そこで終わりかもしれない。(笑)
どこかの和食店の板さんに「教えて下さい」と頭を下げれば良いことかもしれませんが、それが出来る板さんも思いつかない。最近、というかコロナ以降、外食がどんどん減って、お店にも行かないようになってしまったのに「教えてくれ」もないもんねぇ。
「そんなことはせずに、マグロを食べたくなったうちの店に来てください」なんて言われたら恥ずかしさのあまりに気絶するかもしれない。(笑)
それはそれ、これはこれで別なの~~~~~~~っ!
今のところ、本鮪の赤身で一番美味しいと思ったのは、バンサショッピングセンターの「厨(くりや)」です。何度か食べましたが、本当に美味しかった。
ただし、「ありますけど、オススメできません」なんて言われたこともあって、ではその本鮪の赤身をどうするのか不思議だけれど、事実として「厨」の本鮪の赤身は美味しいと思っています。あああ、オススメできないのは「一度、冷凍したから」と言っていたような・・・。
ちなみに我が家で食べる本鮪(Blue Fin Tuna)の赤身ですが、日本から空輸されたものではなくて、ローカルの販売店から冷凍ものを買ったり、ミナミマグロ(Southern blue fin tuna)の赤身もローカルで冷凍ものを買って何度も食べていますが、大ハズレもあれば大当たりもあって、「全然、安定しない」のね。前回美味しかったけれど今回は駄目みたいなことが普通に起きる。
だから日本からの空輸冷蔵モノは良くて「ハズレがない」のだけれど、ロットが大きすぎる(最低1キロ)のと、あとは価格が・・ ^^;
本当に難しいと思います。
お金に余裕がある人は、「行きつけの和食店」で美味しいものが入っている時に食べるのが一番なのは間違いなし。でも残念ながら我が家にはそんな余裕はないし、食べる量も多いし(笑)、週に一度は食べたいぐらいのマグロ好きだから、どうにかコスパ良く食べる方法を考えるしか無い。でも「諦める」という選択肢はない。(笑)
ローカルのお店から買った冷凍のミナミマグロの赤身(キロ単価RM150程度)でも、こんな中トロみたいで半端じゃなく美味しいこともあるから難しい。
ちょっとイマイチだと思っても「マグロのヅケ丼」にすると、かなり美味しく食べられるのね。
これは本マグロの赤身のヅケが2段重ねで入っています。お店でこんな食べ方をしたらとんでもないことになるので、やっぱりマグロ好きはどこからからコスパが良いのを探すしか無いし、そこそこ美味しいのを見つけたときの満足感って半端じゃないからやめられない。(笑)