マレーシアで売っている「鶏の手羽」に不満を持っている日本人は多くはないのかも知れませんが、私はずーっとイマイチだと思っていました。
まずスーパーで買ったり専門店からデリバリしてもらっても、なぜか鶏手羽に胸肉が付いているんですよ。「手羽元」はあまり好きじゃないし、おまけに嫌いな胸肉がほんのちょっと付いてくるなんて最悪。
だから「手羽中」だけ売っているとそれを買うことが多いのですが、そもそもマレーシアの鶏肉って日本に比べると小型なのね。そして「手羽は痩せている」のが普通で、なおかつ大中小が混ざっているのも普通。
これじゃ「お店じゃ使えないだろう」と思うし、どうなっているんだろうといつも疑問に思っていました。
そんな時に、いつもの「まめとん」からトンカツをデリバリしてもらったのですが、注文をした長男が「鶏の唐揚げ」も頼んだのね。
その唐揚げが、なぜか「手羽中だけ」という珍しい唐揚げで、それも「そこそこ大きくて肉もたっぷりついている」という逸品。
なんじゃこれは~~~と思いました。
店で使うのに、私がいつも買っているような「大きさがバラバラの手羽中」だったら駄目だし、小さくて痩せているのもあるなんてことだったら店の評判を落とすだけですもんね。
ということでまたネットで調べたんですよ。
でも出てくる店はほぼ注文をしたことがある店ばかりで、中には生産者もあるのだけれど、今回は「卸業者」に絞って調べてみたのね。その場合、「冷凍もの」が殆どになるけれど、店舗相手が主の卸業者なら「規格もあるはず」だと考えました。
その辺に注目して調べていて、手羽にも「3 joint」「2 joint」という呼び方があるのがわかった。3 joint とは「手羽元がついている」タイプで、2 jointはいわゆる「手羽先」ね。そして「mid joint」というのが手羽中。
この2 jointがいわゆる手羽先なわけだけれど、私が良く行くスーパーでこれを見たことはありません。
また我が家は昔から「骨付き皮付きもも肉」を買うことが多くて(骨付きのほうが間違いなく美味しい)、それはメリーランドと呼ばれる「斧」みたいな形のあれですが、マレーシアの場合、それの上部に「背骨」が付いているのが普通。これが邪魔くさいのですが、このタイプは「MC」と呼ばれ、その骨がないのは「JC」と呼ばれるのもわかった。このJCとは「Japanese Cut」なんだそう。それはまさに私が欲しかった、私達には普通のタイプ。
またそういうのを売っている店は、手羽もL、M、Sという大きさの区別があるのもわかった。
ビンゴ~~!!
そういう店って何件かあって、私は「手羽中のLサイズ」が欲しいのだけれど、残念ながらそれは見つからなかった。
ただし、ネットで一般向けに販売しているってことは、彼らが持っている様々な規格の鶏肉が全て出ているとは考えづらく、とりあえず、ネットに出ている「手羽の3 joint」を買ってみました。サイズは「L」です。2キロパックで冷凍。
これは「手羽元」が付いているタイプですが、全体的にどんな手羽なのか知りたかったし、手羽元がどれほど硬いかとか、手羽中と手羽元と切り離して使えばどんな使い道があるのか試したかったから。
2キロパックで手羽は18本入っていましたが、かなり大きい。これなら手羽中だけを切って使っても「十分食べごたえはある」感じ。手羽元は手羽元だけでシチューやカレーの煮込みに使えば良いかと。そこそこ大きな先っぽの「チップ」はまとめて冷凍して「鶏ガラスープ」を作る時に使える。
どう調理しようかいろいろ考えたのですが、まずは「そのまま唐揚げ」にして全体を見てみようと決めました。ただ大きな手羽ですし、硬いかもしれず、包丁で手羽先も手羽元も骨まで切込みを入れて、ちょっと開くようにして「薄味の醤油ベースのタレ」を作って3時間ほど漬け込むことに。
それに片栗粉だけを付けて、ちょっと低めの温度の160度でじっくり揚げてみました。二度揚げはせずに最後に温度を190度近くに上げただけ。
しかしデカい。(笑)
18本を揚げるのに4回に分けて揚げましたが、かなり良い感じ。
大きすぎる感じはありますが、食べごたえ抜群で、まるで骨付きモモ肉にかぶりつくみたいな感じ。そして肉はたっぷりで、「手羽元」も全く硬くなくて、これならイケると確信を持ちました。
お店はこちら。
この会社は「鶏肉専門店ではない」ですが、牛やラム、魚介類も扱っていていわゆる「一般レストランで使う」ようなものが多く、【レベルの高いもの】が欲しい人向きではないと思いますが、我が家では十分なものがいろいろあって、魚介類や牛肉も買ってみました。
「レストラン相手の卸業」なのは間違いがなくて、小売のサイトには載っていないものも持っているはずですので、そのうち、「Chiken wing Midjoint Large」が無いかとか聞いてみようと思います。今回、手羽元も付いてる「3 joint」の手羽を買いましたが、2 jointがあればそれでも良いし、今後が楽しみです。
他の似たような業者もそうですが、小売のサイトは「一般向け」ですから、「卸で捌ききれないものを安く売る」ような傾向があると思いました。たとえば「手羽中だけ」もわざわざ「Free size」と書いているものがあったり、それは逆を返せば「決まったサイズのものも持っている」と判断できると思います。
先ほど時間をかけてこの業者のサイトを見ていましたが、スーパーや他の業者では扱っていない「珍しいものがいろいろある」のに気が付きました。そのうち、いろいろ買ってみようと思います。
ただちょっと気になったのは、この鶏肉は「どこ産」なのかがわからないこと。
これはスーパーも同じで、「産地表示はない」のが普通。で、調べてみますとブラジルを含めて各国から輸入しているのがわかるし、それは豚肉も同じで、一体どうなっているのかは闇の中。
ちなみに今回、美味しかった手羽は「手羽元も硬くなかった」のですが、ブラジル産の鶏肉の特徴は「柔らかい」という記述をネットで見つけました。今回の手羽はブラジル産かもですね。
私は産地に拘るわけじゃありませんが、そういう「表示義務もない」ところに違和感を感じています。また輸入検査しかり、「品質検査」がどうなっているのかが気になります。それは「マレーシア産も同じ」で、当然、マレーシアなりの基準があるにしても、それがしっかり行われているのかどうか。
鶏肉も「オーガニック認定を取った生産者はマレーシアに一つしかない」ですし、野菜も含めてどうなっているのかさっぱりわからず。それは養豚も魚介類の養殖も同じで、世界中で「抗生物質やホルモン剤」が多用されて問題になっている業界。野菜類も「中国産」のが大問題になったのは日本でも報道されていたじゃないですか。あれも「検査をして初めてわかったこと」で、基準や規制、そして検査がマレーシアでどうなっているのかはわからない。
私がいわゆる「マーケット」で買い物をしない理由の一つはそれがあるから。
ま、そんなことを気にしだしたら東南アジアで生活なんかできませんが、無防備で良いとも思っていません。
「生で食べられます」と謳っている卵を売っていますが、その生産者のホームページを見てもその「根拠」は書かれていないし、生産現場、工場の写真さえないのね。でも「細菌検査」をした結果は公的なものが出ているのですが、それはどこの生産者も同じ。
それでも多くの日本人はその言葉を信じてるし、「あの卵なら生で食べられる」という。
確かにその卵は「黄身の色が濃くて美味しそう」なのですが、それは【餌にアスタキサンチンを混ぜているだけ】の話で、黄身の色は餌でどうにでも変えられるのを多くの人は知らないのかもね。(アスタキサンチンが身体に良いのは間違いがない。親鳥も健康なんでしょう。笑)
あの卵はあちこちで売れているようですが、疑い深い私にしてみると「マーケティングの勝利」って感じがしています。生産者の「美味しくて安全な卵を世に出したい」という思いがあるにしてもです。
そういえば、あの生産者に日本人のアドバイザーが付いているとどこかで読んだ覚えがあります。だから「日本人の心を掴む」のも上手いのかもしれない。
日本人って本当に「信じやすい国民性がある」と思います。海外に出ても、なんでも「日本の常識を基準で考える」のでしょう。
ちなみに我が家はその卵も食べますし、普通にスーパーで売っている卵を生で食べます。(笑)
マレーシア。面白いです。