マレーシアに2016年に渡ってきてから、マレーシアで私は手術を2回しました。日本に帰って手術・入院をしたこともありますが、医療費そのものは「日本のほうが自費でも安い」のね。
我が家は日本の「海外旅行者保険」に加入していますので、マレーシアでは実費はかなり安かったのですが、それの保険料は家族3人で1年75万円。これが2025年には大幅に値上がりして年間180万円になります。
なおかつ、同じ病気では保険が下りないので、今後、泌尿器、循環器系の「同じ病名」の治療や手術も自費となります。
私がいつもお世話になる病院はパンタイ病院なのですが、今回、循環器系の3ヶ月ぶりの診察を受けました。そして毎日飲む薬を買った。
その支払い合計は3097リンギ(約108000円)で、「保険はもう使えない」のね。つまり今後、3ヶ月毎に同様の金額、月割りにすれば毎月36000円で、年間43万円掛かるということ。
そしてもう同じ病気では使えない海外旅行者保険は3人で2025年から毎年180万円の支払いとなる。
病院に通っているのは私だけですが、もしヨメさんも持病があったらとんでもないことになる。今はヨメさんが病院に行くことはないですが、昔から歯が悪く、現在インプラントの治療中ですが、「骨の移植」も必要でもうすでに40万以上の支払い。当然、保険では下りない。
今後、我が家の治療費が安くなるなんてことはほぼありえなくて、毎年毎年、今まで以上に治療費がかかるようになるんじゃないですかね。
我が家は皆、健康な方だと思っていて、それでもマレーシアでの治療費と保険の掛け金の合計は高く、同じような年代だと「夫婦揃って元気」なんてのは少ないはずで、「持病」を持っていたらどうなるのかと思う。下手すりゃ医療費+保険料だけで「毎年の年金の額を超える」ことも起きるんじゃなかろうか。
2019年に母、そして今年2024年に父がマレーシアで亡くなりましたが、当然、最後は入院していたわけでそして「保険は無し」でした。90歳を超えて入れる健康保険は無くはないにしても「毎年の保険料」はマレーシアの保険でも数百万単位。
それも若い頃から掛けているなら安くなるようだけれど、基本的には90歳を超えてから入れる保険は無いと言っても良いし、入れても掛け金が現実的な額じゃない。
母の場合は病院への支払いだけで1000万円を超えましたし、父の場合は400万円ぐらい。
これには驚きましたが、二人共、持病らしい持病はなくてもそのくらいの額は掛かる。でもま、それとて「毎年掛かるわけではない」から、人生の終わりに近づいた年数で割れば、妥当なのかもしれない。
私はもうすぐ逝くわけじゃないにしても(笑)、保険料と診察、薬だけで、年間100万円を軽く超えてしまうわけで、家族3人の合計でいうと、軽く200万円を超えている。また私の循環器の手術だなんてことになるときっとそれだけで200~300万円程度はかかるはずで(前回は保険が下りたので実費はいくらなのかわからない)、再発や「新たな疾病」を考えるとゾッとします。なおかつ私より6つ年下のヨメさんにもあちこち悪いところが出てきたらどうなることやら。
「老後はマレーシアで~~~~」なんて年寄りが多くマレーシアに渡ってきていたわけですが、それも「健康である」のが条件で、常に医者にかかる必要がある場合は難しいんじゃないですかね。薬だけ飲んでいれば良いならまだしも、新たな疾病が出てきたらどうなるんでしょうか。
前に、「具合が悪くなったら日本に帰る」という話を良く聞きましたし、中には「歳を取ったら治療は受けない」なんて人もいましたが(私の父がそれ)、病気や怪我にしても「救急車で運ばれるようなこと」があれば、「日本にも帰れない」んじゃないですかね。
また、もしも「気を失った状態」「血だらけの状態」で病院に担ぎ込まれても、保険もない、支払いもできないと見捨てられる。
保険に入っていれば良いにしても、海外旅行者保険みたいに「同じ疾病で使えるのは一度だけ、期間は半年間」なんて制約があれば「持病がある」場合には駄目だし、「クレジットカード附帯の保険を使う」にしても、若い頃ならそれも良いかもしれませんが、「長く入院する疾病や怪我」で保険はそれしか無くて済むとも思えず。
日本の健康保険に加入していれば、海外での治療、入院費もある程度は下りるようだけれど、近年、それも簡単ではなくなったと聞いています。
日本って医療のレベルも良いし、社会保障としての「医療費負担」は私は諸外国に比べるとかなり低いと思うし、アメリカみたいに「大きな病気でない限り病院にはいかない」とか「大きな病気に罹ったら持ち家を売るのは当たり前」なんてこともない。
マレーシアはアメリカみたいな異常な医療費の高さはないにしても、「日本の自費での治療より高い」と私は思っていて、「医療費をどうするか」がマレーシアで住む【最大の問題となる】のは今、若いとか健康な人でも同じじゃないですかね。
ちょっと海外旅行をする時に「医療費を考える人はほぼいない」と思うのだけれど、ハワイにでも行って何かあった時に、そして「海外旅行者保険にも入っていない」なんてことも多いはずで、その時には真っ青になるどころじゃないですよね。盲腸の手術でも数百万円、CTスキャンをするだけで60万円とか、そんな話をLA在住の友人から聞いたことがあります。
どうにか「日本まで帰って来る」事が可能なら良いにしても、ハワイで保険もなしに長期入院したら破産するのが普通かもしれない。
そしてそのリスクは「マレーシアに住む」場合も同じかもしれない。
若い家族がマレーシアに移住してきて、毎月の「経費」をオープンにしているのを何度か見たことがあるけれど、そこでは「一ヶ月入院して、経費が1000万掛かる」なんて想定もしていないのね。
当然、「保険ですべてカバーできる」状態なのだろうとは思うけれど、掛け金も「年齢とともに恐ろしいほど高くなる」のは想定しているのかなと疑問に思いました。
日本って本当に安全で、社会保障もかなりきっちりしていて、「医療費」に悩むこともない人が多いのかもしれないけれど、海外のその辺の事情は全く違うのを理解しておかないと大変なことになりますよね。
そういう日本でも「恩恵を受けられない人たち」が存在して、実は私の甥っ子ですが、亡くなった安倍元首相と同じ病気を患っています。「潰瘍性大腸炎」ですが、病状は安倍さんほど酷くはないので「難病指定」からは外れているのね。でも健康な人と同じような生活も仕事もできないわけで、家族が助けるより方法がない。またシングルマザーでうつ病に罹っていてまともな仕事もできない縁者もいる。
自分が、あるいは家族がそうなるかもしれない可能性って誰にでもあって、また治療費も高額な病気って世の中にはゴマンとあるわけで、そうなった時にはどうにかするしかない、なんて考えていても、「その時にはどうにもならない」事が多いんじゃないですかね。
マレーシアの物価は間違いなく安いと思いますが、一般的には必需品である「自家用車」はとんでもなく高いし、「医療費」も同じ様に高い。
つまり、「自家用車も持たない」「健康である」場合のみ【マレーシアの物価の安さを享受出来る】わけで、場合によっては「家族で複数台の自家用車が必要」とか、「持病がある」と、【日本での生活費より高くなる】のは間違いがないと思っています。