トランプが狙っているのは「貿易不均衡の是正ではない」

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毎日毎日、新たな情報が出てきて混乱している「トランプ政策」ですが、私が世の中を見ていると違和感を感じるんですよ。

そりゃ「関税を上げられたら売れなくなる」と諸外国が考えるのは妥当で、それをどうにかしてもらいたいのは当たり前ですが、私は問題はそこではないと考えているのはいつも書いている通り。

貿易不均衡の是正は必要がないと言うのじゃなくて、それを「将来の目標として持つ」のは正しいとは思うけれど、「時間」を無視してそれを言っても意味がないと思うんですよ。

そもそも世界では「分業が進んでいる」わけで、当然、安くて良いものを提供できる国は伸びるし、自国では生産できずに「輸入するしか無い」国は輸入超過になるのが当たり前で、不均衡はどうしても起きる。

じゃ、自国で生産しようなんてのは私にしてみれば「夢物語」でしかなくて、それが出来るならそもそも製造業が衰退することもなかったかもしれない。なぜ輸入が増えるのか、なぜ自国では生産できない、生産しないのかの「根本的な問題がある」わけで、それを横に置いといて「関税が問題だ」なんてのはあまりにもミエミエの嘘か、大馬鹿のどちらかでしかないはず。

それでも自国内の生産を増やすのを目標として持つのは良いとは思いますが、一体それに何年掛かるのか。輸出国は輸出国で進化は進むわけで、「その上を行くことは半端じゃなく難しい」と言っても良いかもしれない。だから「高い関税をかける」のは私は自国防衛のためにはするべきことだと思っています。というか、世界はそうやって動いているわけで、理想論を言っていたら国は自滅する。

トランプの任期は4年。来年はもう中間選挙。

これに勝たないとトランプはレームダックになるし、それまでに「大きな成果を出す必要がある」わけで、当然、「それまでに製造業を国内に戻す」「貿易不均衡を是正する」なんてことが出来るわけがない。

ではトランプが狙っているのはなにかと言えば、私は「莫大なアメリカ政府の借金と利息支払いをどうにかする」ことだと思っていて、それとて「時間がかかる」のが当たり前のことで、トランプは大胆な作戦に出たということだと思っています。

まずは支出の削減が必要で、当然、今までの大統領や特にバイデンがばら撒きをやったようなことはトランプはしない、出来ない。そしてもう一方では「関税を大きく上げる」ことで収入を得ようとしているのは間違いがないと思うんですよ。

そもそも、もしも「貿易不均衡が改善」したとしても、アメリカ政府の莫大な借金と利払いがそのままだったら何の意味もないじゃないですか。

今回の関税を上げるのは、言葉を変えれば「アメリカ史上最大の大増税」なわけで、それを輸出する側が負担しようが、国民が負担することになろうが、「アメリカ政府の歳入は瀑増する」のは間違いがなくて、そもそもアメリカ建国後は「関税が主な収入だった」ことから、我々には違和感があっても「懐古主義」と言っても良いようなトランプは当時のアメリカに戻そうとしているという見方がある。これは文化面でも同じで、「道徳や倫理の基盤を失い、左派思想が蔓延したアメリカを変えようとしている」のも見えるじゃないですか。

だから「問題は関税」だと近視眼的に考えてはならないと思うわけで、「トランプはアメリカを生まれ変わらせようとしている」ところに注目する必要があると思っています。

まさに「MAGA(Make America Great Again)」とはそういう事のはなず。

だからトランプがやっていることは改革とか、一歩進んで革命というより、まさに「REBORN」生まれ変わることを模索していると思う。

その第一の理由は「あまりにも大きくなりすぎた借金」であり「支払利息」をどうにかしないと本当にアメリカそのものが破綻する危険があるから。借金を減らすには「支出を減らす+収入を増やす」しかないわけで、イーロン・マスクが主導したDOGEでも実績は作れたようだしその動きは今後も引き続いて行くんでしょう。

そして「収入を増やす」に関してはどうするのか。増税するしか無いじゃないですか。それが「関税」ということ。

と同時に、「支払い利息を減らす」のも喫緊の課題で、2025年だけで「9兆ドル(約1300兆円)」もの「借金の借り換え」が必要に迫られている。この額って日本の国家予算の10倍以上。それだけのお金を今年中に「返し」「借り換える」必要がある。

私は巷の人たちはここに注目せずに、「関税をどうにかして欲しい」という自国の都合ばかり考えているように思えるのです。

今年中に借り替えるべき9兆ドル(約1300兆円)ですが、当然、「金利が高かったら大変なことになる」わけで、何が何でも金利を下げないとならないのがトランプ。だから今、FRBと揉めに揉めているんですね。でもパウエルFRB議長は、私から見ると「頭が硬い。当たり前すぎる」と感じています。そりゃ理屈で言えばパウエル議長は正しいとは思うけれど、私にしてみると「緊張感が無い」様に見えます。「死ぬか生きるかの瀬戸際なのに、ああじゃこうじゃと理屈をこねる学者」にしか見えない。

トランプはビジネスマンだから「勝負をするべき時」と考えているはずで、「危険かもしれないけれど強力な点滴を打たないと間違いなく死ぬ」と読んでいるように思うし、私もアメリカはその瀬戸際に来ていると見ています。

世間では「関税がどうなるのか」「株価は戻るのか」「為替の行方は?」「インフレ、景気は?」という声ばかりですが、私はその見方は「近視眼的」に見えます。今は世界一の大国が生きるか死ぬかの瀬戸際だという感覚が欠如しているように思えるわけです。

また為替に関してですが、前からブログに書いてきたように私は「ドル安の時代は間違いなく来る」と思っていましたし、まさかのまさかで「プラザ合意の再来」があるだろうと考えていました。つまり各国と「ドルの切り下げ」を認めさせる合意を取るだろうと。それが可能なら、「アメリカの輸出産業は伸びる」のは間違いがないのだから。

でも今はこの考え方もなくなって、もし「トランプが大幅なドル安を望む」としたらとんでもない勘違いかもしれないと思うぐらい。

これは「関税」がどうなるかとも関係しますが、私は基本的に「輸入しなければならないものは多い」と考えますし、それは「関税分はアメリカ国民が支払う」ことを意味する。

これは日本を考えても同じことで、例えば輸入される石油や天然ガスに24%の関税を掛けると日本政府が発表したら、そりゃ国民が大パニックになるわけで、サウジアラビアやオマーンが「関税を上げられては困る」と日本に泣きつきますかね。

これはアメリカも同じだと思っていて、関税率のアップはアメリカ国民を直撃するだろうと思っています。

こんな時に「ドル安」にしたらどうなります?

「輸出増を狙うならドル安が良い」わけですが、「輸入量は多く、関税も上がった」のに、それにドル安がプラスされたら輸入品はどれほどの値上げになるか考えてみればすぐに分かること。「泣きっ面に蜂」じゃないんですかね。

逆に、関税率のアップの国民への影響が少ないようにするには「ドル高」に持っていったほうが良いことになる。

もしそうじゃなくて、例えば関税は24%上がりました。ドルは30%安くなりましたなんてことになったら、物価上昇はとんでもないことになる。でもうまくドル高に誘導できれば、全てを米ドルで考え使うアメリカ国民にしてみれば、「関税率アップはドル高で【相殺される】ことになる」んじゃない?

つまりそのように動けば、アメリカ国民の不満は減り、アメリカ政府の歳入はごっそり増えることになる。

また米ドル高になれば、他国から見れば「自国通貨安」だから輸出業は潤うし「関税率のアップも吸収できる」ことになる。つまり「関税率アップ」を他国も受け入れやすくなる。

私はトランプはそっちを狙うはずだと思うのだけれど、そういう見方をする専門家はいないし、「プラザ合意の再来」を皆が言う。関税率アップの影響を抑えるには「ドル高政策が良い」ことをなぜ誰も言わないのか不思議です。

ま、きっと私の考え方にどこか矛盾、誤解があるのだろうとは思っていますが、今の私にはそれがわからない。

どちらにしても「トランプが何を狙っているのか」は頭を柔らかくして、全体を俯瞰しながら考える必要があって、「関税」ばかりを気にしては駄目だと思うのに変わりはない。

いつも紹介する「レバナス一本リーマンさん」はこんな解説をしている。私も考え方はほぼ同じだけれど、ここには「アメリカの莫大な借金を減らすトランプの構想」の視点が欠けていると思いました。また「来るべきときに備えて副業(動画編集)を勧める」ことに関しては私は無視しています。「投資関連の情報発信」であるならば、「投資でいかに損失を減らし、利益を増やすか」から外れるべきじゃないと思うから。

私はたまに「トランプは本当に狂っているのではないか」と思うこともあるのですが、でもトランプ、ヴァンス、イーロン・マスクを含めたトランプ政権に「世界の明日を託したい」と考えています。逆にもしも大統領選でハリスが勝っていたらどうなっていたかを想像するとゾッとします。

日本に関してですが、「日本は外圧に弱い」のは昔から決まっていますし、日本の未来はアメリカの動向に掛かっていると見ています。

投資方針としては「どうなるかの予想」はしても「その予想に沿って投資行動を決めない」のはいつもの通りで、どんな予想をしようが世間が何を言おうが「真実は眼の前の値動きだけ」ですから、【上がれば買う、下がれば売る】のを機械的にやるだけ。

ただ「予想」としては「もっと大きく下がるだろう」と見ていたのは間違いがなくて、「下げている中で見える強気」は一体なんだろうと不思議に思って見ています。私としては「真っ暗闇の中に見えた一筋の光に必死に群がっている」ように見えます。

今のトランプ、世界情勢を見ればいつ何時何が起きてもおかしくないと思うし、今、買うべきか売るべきかを深堀りしても意味がないように感じています。焦る必要は全く無いわけで、今の動きを近視眼的に見ると買いたくなりますが、私としては「手出し無用」の動きだと思っています。

どちらにしても私は株やインデックスの長期投資はしないので関係ありませんが、もしこのチャートがデイトレの日中足だとしたら、上でも下でもどちらに動いてもおかしくない形で「静観」する場所と考えます。

 
 
 

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