私は昔から「グルメ」とは縁遠い生活をしていて、30代で日本を出てオーストラリア、そして今はマレーシアで、昔以上に「グルメ」とは縁が無い。やっぱり40代、50代の「地位や収入も上がって良いものを食べる時期」をどこでどう過ごしたかというのが関係していると思います。
イタリア料理がなぜか好きで、そしてイタリア料理なんて全く流行っていない50数年前に「イタリア料理店の壁の穴」で生まれて初めてのアルバイトを経験しましたが、あの当時のレベルから私は全く進化していないどころか、あの50数年前の「壁の穴の美味しい料理」以上のものも知らない。今じゃあの超有名だった「壁の穴」も普通のイタリア大衆料理なんだろうと思う。でも日本では「イタリア大衆料理」もどんどん進化していて凄いなあと思いつつユーチューブで見るだけ。
ましてやグルメの世界って私に言わせると「異常」としか思えないのね。
でもどんな食べ物でも「食べ続けるうちにどんどん上を目指すようになる」のは当たり前で、日本の発展は目を見張るばかり。私の場合は「30代で日本を出た時点で止まった」と思うし、それどころか「かつて食べた美味しかったもの」を今、食べることも出来ない。でもま、私は昔から「長屋の八さん、熊さん」みたいな生き方が好きで、「庶民の食べ物をどう楽しむか」が我が家の中心。そして私以上に「美味しいものを食べたことがない」のがオーストラリア育ちでもう30代後半になった長男(今はマレーシアで同居してトレーダーとして特訓中)で、なんだか親として申し訳ないような気がして仕方がない。
それでも「今どきの新しい調理方法を知るのは重要」で、それなくして我が家の庶民的な食事も進歩はないのね。だからいつもユーチューブを見て研究はしています。
で、非常に好きな「イタリアンのシェフである【ファビオ君】」も勉学のために「美味しいお店を食べ歩く」のですが、今回のイタリアの3星レストランの食事(ランチ)は凄かった。非常に高価である(24万円)のも驚きだけれど、「グルメの真髄を見た」気がしました。
「美味しい」のは当たり前だけれど、やっぱり料理とは「伝統、文化、地理、歴史、季節そして芸術」の集合体で、それらを理解して初めてグルメであり良さがわかるのだろうと思った。ワインも同じで何年産のどのブドウの種類がどうじゃなんて一般論じゃなくて、その地域の生産者達がどんな思いで作り上げた逸品なのかを知らずして飲んでも意味がないのかもしれない。
そういう意味では私の判断基準は「自分が美味しいと思うか思わないか」だけであって、「伝統、文化、地理、歴史、季節そして芸術」なんてほとんど関係ない。そもそも知識もない。せめて「和食」に関しては多少のウンチクも知っていたいとは思うけれど、その経験も浅い。ただただ「ある季節になると旬のものを食べたい」と思う程度。でも今現在はマレーシア在住で、それさえも出来ない。旬のものと言っても特別なものでもなくて、「そろそろタカベの時期だなぁ」とか「イサキは今、美味しいはず」「上りカツオの時期だけれど、戻りカツオの時期まで待とうか」とか考える程度。ついこの前までは「山菜、タラの芽の天ぷらを食べたいなぁ」なんて考えていた程度。でもそんな小さな望みでもマレーシアでは叶えられない。
かと思えば、今回見た「ファビオ君が食べたイタリア料理」みたいな料理が世界には存在するわけで半端じゃなく凄いと思う。当然、「伝統、文化、地理、歴史、季節そして芸術」の理解があるから美味しさ、感動も大きいのだろうと思うし、そういう「食の楽しみ方」を理解する人達が世界にはごっそりいるのだろうと思った。
こんな動画を見ながらフト自分の頭に浮かぶことは「サンマがまた今年も不漁らしいけど、食べたいなぁ・・」とか。マレーシアに来て9年、大好物のサンマも食べたことはない。(笑)
でもま、そんな生活でも楽しみはいろいろあるわけで、あれもない、これもないという限られた素材の中でも美味しいものはいくらでも作れる。
私がユーチューバーで「家庭料理」として良いと思っていて参考にする事が多いのはこの「くまの限界食堂」です。簡単で「普段の食事のちょっと上を狙える」感じが気に入っています。
「料理研究家リュウジのバズレシピ」も好きで、「手抜きのアイデアが満載」なのね。
私が自分でも得意だと思っている「低温調理」はこの「Sous Vide Everything」がベストで、考えられること全て試してみたみたいなチャンネル。ただ近年は「ネタが無い」のがはっきり見えるようで、数年前の「過去動画」の方が参考になるものが多い。
中華も結構見ますが、ほとんどが「プロの中国人シェフ」のチャンネル。中国人って「喋るのが好きな人が多い」ので「細かいポイントを説明するケース」が多いのね。で、下茹でするにもどうやるのかとか細かいところがユーチューブだとよく分かるから良いと思っています。
ああ、日本人の中華で気に入っているのはこの「とにかく売れたい中華料理屋」で、見ていても面白いし、プロだから本格的で大事なポイントを教えてくれる。でも「家庭では無理な料理ではない」から良いのね。ここは中華料理好きには「必見」かもしれない。
料理というか、私のは「調理実験」から進歩していませんが、やっぱり楽しいですね~~~~。