避難しました=津波

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明け方の何時頃だったでしょうか。気持ちよく寝ているところに突然の電話。

大体明け方に掛かってくる電話なんてのは大体ろくでもないというか、近親者に何かあった時なので、慌ててベッド脇の受話器を取りました。

「あんた達、逃げなくて大丈夫なの!」

私 「はぁ?」

姉からでした。

姉 「私はこれから逃げる所なんだけれど、あんた達も気をつけないとだめよ」

私 「一体全体何があったんだよ。大体、姉貴はどこにいるのさ?」

姉 「ああ、私は今カウワイ島にいるんだけれど、大騒ぎよ。後2時間で津波が来るから、これから逃げるところ。」

私 「へーー、地震でもあったの?」

姉 「あんたは脳天気ね~。チリでマグニチュード9ぐらいの大地震があって、こっちじゃ津波が来ると大騒ぎよ。あんた達は良いにしても、お父さんお母さんに万が一の事があったら大変だから、すぐに電話して避難しなさい。」

だんだんと頭がしっかりしてきて、事態を把握できるようになった。で、私の家はウォーターフロントではあるものの海の近くではなくて、海岸線から3キロぐらいはあるので、多分よほどのことが無い限り大丈夫だけれど、今こちらに遊びに来ている両親がいるのはゴールドコーストの中心地であるサーファーズパラダイスの海岸線から数十メートルの海に面したコンドミニアム。こりゃ、確かにうまくない。

で、早速両親に電話をしてみると、もうすでに姉から電話があったようで、起きていた。で、ハワイへ津波が来るまで2時間という事は、ゴールドコーストに来るにはそれよりまだまだ先なので、両親にはとりあえず避難する用意をするように伝えると共に、私はインターネットで詳細を調べることにした。

太平洋津波センターみたいなものがあって、事細かなデータがわかる。で、ゴールドコーストに津波が到達するのは午前8時15分というのもわかった。充分な時間があるので、女房子どもを起こし、事の次第を告げた。しかしまぁ、うちの女房ってのは何を考えているんだか、こういうことには全く動じない。絶対に大丈夫だと理由もないことを信じている。

説得するのも面倒なので、次男坊に万が一の時にはお母さんを連れて逃げろと伝えた。電話で連絡を取り合うことにして、私は両親の待つコンドミニアムへ向かった。

津波が到達するまでにまだ30分あるので、余裕で両親を車に乗せて、とりあえず内陸に向かった。コンドミニアムは海の真ん前にあるのだけれど、多くの旅行者が海岸線に立って沖を眺めている。バカだと思った。津波の怖さを知らないのか。

車を動かそうとした瞬間、目の前を通る日本人の旅行者らしき夫婦が海岸に向かおうとしているので、窓を開けて声を掛けた。

「日本人の方ですか~?」

「はい。そうですが・・」

「8時15分に津波が来るそうですから、海岸から離れた方がいいと思いますよ。」

「えーーー、本当ですか?そりゃ大変。どうも有り難うございます。」

その夫婦が走るようにして海岸から離れるのを見届けて私たちも出発。

しかし街はいつもの朝と同じで、みんなのんびりしている。プラプラ歩いている観光客も多く、津波だ、大変だという感じの人は皆無。まぁ、実際には何も起こらないだろうとは思ったけれど、テレビで津波の怖さも見ていたし、万が一ってことを考えれば、警戒警報がでているのだから逃げた方が良いと思う。

そのまま車を走らせて、ちょうど津波が来る時間の頃に次男坊に電話を掛けてみた。彼は女房と一緒にリビングから見える川を観察し続けているようで、何もなさそうだから家にいると言う。

「バカやろう」と次男坊に怒鳴った。

川に異常が見えた時にはもう遅いだろうが~~~~~。でもま、そんなもんだろうと思った。

8時15分には何も起こらなかったようだ。その後、30分程度山の中をドライブし続けた。本来、地震じゃないけれど第二波みたいなものもあるらしいが、ゴールドコーストの海岸線は地形が入り込んでいるわけでもなく、反射波が来るようにも思えないし、次男坊が逐一テレビで様子を見ていて、先に津波が来るフィジー、ニューカレドニア、ニュージーランドで何もなかったようだというのを確認し戻ることにした。

後で調べると、ゴールドコーストでは20センチの津波で済んだとのこと。また、警報も途中で解除され、混乱はなかった。しかし姉のいたハワイはかなりパニクった様子で、ワイキキなどは通行禁止、海岸には誰もいなくなり、商店も店を閉め、飲食物を買いだめしようとする客で開いているコンビニは混乱したとのこと。姉はホテルからバスに乗せられて山の方に避難していたらしい。大きな災害にならずに良かった。

まぁ、それだけで終わったのだけれど、正直なところ我が家の対応はまずかったと思う。万が一の時には女房、子どもはやられたはず。でも、もう終わった今になって、今度こういう時にはこうしようという話し合いも出来る雰囲気ではない。これがまさに災害に遭うパターンなんだろうと思った。

非日常的なことは起こりそうで起こらない。また起こって欲しくないという感情が働くのだろう。でも災害というのはそういうもので、皆がちゃんと準備出来て、避難するべき者は避難すれば被害は大きくはならないはず。

何もないのに逃げて損したと考える人は、将来のいつか、逃げずに損したということになるとテレビで説明していたけれど、私もそれには賛成。一応逃げたけれど何もなくて良かったね、と言えるようでありたいと思う。

まぁ、我が家は海岸線から3キロぐらいあるものの、家は運河というか川に面している。この川は何かというのは日本には存在しないものなので説明が難しい。一応川とは言うものの、実体は運河の様に陸地を張り巡る水路のようなものであり、水は海水で潮の満ち引きもある。しかし、上流にはダムもあって、これが川なのには間違いがない。

ちなみにこんな感じになっている。緑色の道路のような川の様なのがそれで、その両側に家が建ち並んでいる様子がわかると思う。

私が我が家のことで今回心配したのは、津波の被害は海岸線だけなのか、それとも川があった場合、その上流まで水が上がってくるのかどうかということ。我が家は回りの家に比べてもかなり低い位置にあるので、ちょっと増水するだけで恐いことになる。今回は家を出る前に調べたらちょうど満潮時でもあったし、もし水位が1メートル以上上がることがあれば、我が家は浸水間違いなしだった。

ちなみに我が家は大雨でも危ないことがある。数年前に大雨があって、どんどん水位が上がって水が庭の中にジワジワと侵入してくるのを怖々見ていたことがある。潮見表を見たところ、大潮の満潮時に向かう途中で2時間後にはその時点から1メートル水位が上がるのがわかった。ということは、間違いなく我が家は浸水。その時の恐怖、苛立ち、そして何も出来ない無力さ悔しさは今でも忘れない。

その時の写真がこれ。水がまさにインベイダーの様にジワジワ侵入してきた。

裏庭から川に出ている桟橋は完全に水没した。あともうちょっとでプールも水没。

この時はもうアウトだと思って、下の階にあるスピーカーなど動かせる物は上にあげたけれど、プールも問題だった。プールに泥が大量に入るとそれを綺麗にするには怖ろしい金が掛かるのは聞いていた。

あと2時間もしないうちに我が家も浸水かと腹をくくった時に偶然雨がやんだ。すると面白いようにどんどん水が引いていっていつもの川に戻った。あと10センチ水が上がればプールはやられ、そしてもう10センチ上がれば下の階は浸水だった。ギリギリセーフ。

まぁ、今日はあの時と同じ恐怖が頭をよぎったけれど、まぁしょうがないと諦めた。とにかく人間さえ安全ならそれでOK。

そんなドタバタした一日でした。

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今回の津波ですが、オーストラリアでの映像は見つかりませんでしたが、ハワイのはありました。

おまけで、この前のスマトラ大地震の時の津波。この規模だとかなり恐いですねー。

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その後いろいろユーチューブで映像を探していたのですが、かつてのスマトラ地震の時の映像を見ていた時に、なんと上にあげたハワイの映像がその中に入っていました。ということは上の映像は今回の津波ではないということ。なんなんでしょうねぇ。そういえば、イメージという言葉が映像のタイトルに入っている。紛らわしいことをしますね。愉快犯でしょうか。あるいはこういうことになるから注意しろということなのかもしれませんが、これがまさにインターネットの怖さだと思いました。

日本でも結構大騒ぎをしたようですが、かつてチリ地震による津波で日本でも死傷者が出た過去があるわけですし、津波を軽視して被害者にはなりたくないと思いました。

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