今日も朝から角煮と格闘

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昨日の夜から夜中に掛けてやった豚バラの下処理はあえなく失敗。というか、私が期待したのとはまるで違う結果。

何を考えていたかというと

1 コンフィ(油で煮て脂を落とす)で60度、3時間。
2 酒と水と半々のヒタヒタ状態で2時間蒸す。75度を狙うも温度は90度。

これで脂は落ちて、コラーゲンでプルプル、身はフワフワの状態が出来ると読んでました。そしてそれから味入れをしようと。

ところが1の脂抜きでつまづきました。期待していたほど脂が落ちませんでした。でも身に火は通り、縮むことなく水分も出ていません。

本来、ここで失敗なんだからこのプラン自体が駄目なんでしょうが、脂が抜けたと仮定して次の蒸し工程に入りました。

蒸していてわかったことは、かなりの脂が出ていたこと。つまり1の工程が無駄だったことが確認できた。でも2時間後のバラ肉は脂は抜けていたものの、プルプルで箸で持てないくらい柔らかくなるなんてことは「全く」ない状態。

そして今日、酒とオイスターソースで約1時間半約80度で煮込みました。そして最後に醤油で味を整えて火を消した。これが冷えるまで待ちましたが、脂が白く浮き上がることもなく脂はかなり抜けているのを確認。そしてまたゆっくり火を入れ、約60度で試食。

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駄目ですわ。全然駄目。味はまぁまぁ、脂身はフルフルとはいかないまでも箸でスッと切れる、崩れる感じ。でも身が全く駄目です。固くはないし箸で切れますが、私が望んでいた柔らかさには遥か及ばず。ちょっとパサつく感じさえあります。食べていて、これがチャーシューだったらOKだと思いました。

今の時点で、では一体どうすれば良いのかさっぱりわからずです。ただ柔らかくするためにかなりの時間を費やしましたが、これは長すぎで、単に味を抜いているだけかもしれませんね。とは言うものの、今までの低温調理実験では3時間、4時間と長く煮ても調理がどんどん進むということはなく、縮むこともなければ水分(旨味も)が出てしまうこともなく、シットリさが増すのは確認できていますし、そこに問題があるとは思えません。ただ、蒸した時には温度が90度に達していますから、長く蒸せば(煮れば)どんどん変質していくのは間違いがない。蒸しの二時間は長すぎたか?

スクラッチから蒸して二時間なら良いのかもしれないけれど、コンフィで3時間やった後の2時間は長すぎかも。ではなぜ肉が柔らかくならない?今回不思議に思うのは、最初のコンフィ、次の蒸し、今日の煮込みを経ても肉の固さは殆ど変わっていないということ。

これってやっぱり肉に問題がある?オーストラリアの豚肉で美味しい角煮は作れないという定説がありますが、肉質がそもそも違うんでしょうか。コラーゲンも少ないとか?

前にウンチクを書いた時に、オーストラリアの水に問題があるかもしれないという指摘を頂戴しました。これはこれで調べてみましたが、同じ国でも地域によってまるで硬度が違うみたいですね。で、肉を煮るには硬水の方が良いということらしいですが、どうもゴールドコーストは近くに大きなダムがあって雨水をためて水道水を作っていますから、日本と同じ軟水かもしれません。でも水道局が手を入れて硬度を調整しているかもしれず、全くわからず。

水耕栽培やペットショップ(熱帯魚など)の専門店では水の硬度を計るキットを売っていますが、そこまでやる?ま、いつかはそれもしないとならないかもしれませんが、それは先送りしようと思っています。ただ、ここの水は軟水であって、硬水のほうが良いという仮定をしたとするならば、豆腐を作る時に使うニガリやこちらで売っているEpsom Saltを入れれば硬度は上がるはずで、いつかそれで実験してみようと思います。ただ、優先順位は決して上のほうじゃありません。

肉ですが、バラ肉にも種類があるのに気が付きました。いつもは切り分けられたバラ肉を買うのですが、板状になって売っているものもあります。これでパンチェッタを作った時に気がついたのですが、切り分けられたバラ肉と部位が違うのか、あるいは豚そのものが若いのか、板状のものは脂も身も薄いんですよ。そして皮の固さが非常に柔らかく、切り分けられているバラ肉の皮のゴワゴワさとはまるで違うのね。

今の私としては、ここにブレイクスルーがあるような気がしています。いつもこれがバラ肉だと思っている肉は、ヒネた年寄りの肉かもしれない。皮も厚く、身も固いですし、コラーゲンも少ないとか?でも脂の乗りは凄い。

板状で売っているバラ肉は厚さが半分以下ぐらいしかないし、付いている皮もフニャフニャなんですよ。それに比べて切り分けて売っているバラ肉の皮は、触ると蝋のような感じ。これって煮ても柔らかくなるのか?という感じで、いつも皮ははずしてしまいます。でも板状のバラ肉なら、皮も薄くて軟らかいですから皮も十分食べられるかもしれない。パンチェッタを作った時には皮ごと食べましたし。

当然、これで角煮を作れば柔らかく上がるのかもしれない。

ではなぜそれを使わないかというと、厚みがまるで無いんですよ。つまり我々が見慣れている角煮とは違う。だから使わなかっただけで他に理由は無し。

私が豚の丸焼きが大好きなのは何度かここに書いていますが、豚の丸焼きってヒネた豚は使わないんですね。50-60センチぐらいの子豚がベストのはず。皮は薄くパリパリになるし、肉も柔らかく美味しい。

まさか、日本の肉のほうが角煮が上手くいくのはこのへんの違いがあったり?日本の豚って子豚じゃないにしても150-200キロもあるようなジジババ豚は使わないとか?

うーーーむ、ここに答えがあるような気がしてきました。そもそも牛にしてもそうですが、こちらの牛は草で育てた牛で、肉質も固く草臭い(つまりウン○臭い)ものが昔は多くありました。最近は和牛だ、アンガス牛だ、穀物飼育だといろいろありますが、基本はあの硬くてまずい牛。豚にしても似たようなものかもしれません。ちなみに日本で売られているオージービーフは日本向けに飼育された牛(出荷前の一定期間を穀物で育てる)で、国内で出回っている牛(穀物で育てた牛も出回っている)とは全くの別物。

あちこちでローストポークは売っていますが、あれだって同じですよね。あのパリパリに焼けた皮が美味しい。でもいつも買うバラ肉に付いているような硬くて厚い皮がああなるとは思えませんもの。そういえば、まずいローストポークの皮は厚くてネチネチしてゴムみたいだっけ。

うーーむ、そもそも使う肉が違うってことかも。

多分そこだわ。実は私、昔は羊を結構食べたんですよ。ところがこちらへ来てから一切食べなくなりました。臭いなんてもんじゃないのね。マトンじゃなくてラム(子供)はそんなでもないのですが、ラムチョップも最初の1本は美味しいと思うんですが、二本目は臭くて食べられない。ちなみにオーストラリアにはあちこちに自由に使って良い公のBBQ設備(鉄板の電熱方式が主)があるんですが、綺麗に見えても私達は洗剤と熱湯でかなりしつこくきっちり洗います。そうじゃないとどんなに美味しい牛肉でも鶏肉でもマトンの匂い(前にBBQをやった人の)がつくのね。それだけこちらのマトンの匂いは強い。

羊を使うならマトンじゃなくてラムを使うべき。つまり豚も同じで、私がいつも使っているバラ肉は羊で言えば肉も硬くて臭いマトンなのかもしれない。こちらの豚肉は臭いという人も結構いるんですが、それが理由かも。

おーーし、次はあの薄べったい板状のバラ肉でやってみましょう。レシピは安全ちゃんのレシピで。(笑)

安全ちゃんのプルプル角煮のレシピ (これはネットでもかなりの評判)  ← クリック

それと余談ですが、角煮を茹でたり、蒸したり、煮たりしながら、わけがわからないと思うようになったのですが、「蒸す」ことと「煮る」ことの違いってなんなんでしょうか。蒸す時に、底に穴の開いた容器に入れて蒸す場合は、まさに「蒸気」によって蒸されるわけですが、では、容器に水なり酒なりを入れて蒸すのだったら「煮る」のと同じじゃないかってこと。食材が液体に沈んでいればその液体で煮てるだけのこと。

蒸気で調理するってことは、蒸気が食材に触れた時に熱を放出して液体(お湯)になるんですね。煮た場合は、お湯の温度がそのまま食材に移るわけですが、ここにどんな違いがあるんでしょう。もしかしたら、蒸気を当てて熱する場合は、材料の旨味が逃げない、溶けづらいとか?多分それは正解だと思うのですが、では容器に食材を入れてそこに酒なり水なり入れて蒸すことの意味って何があるんでしょうか。

私が想像するメリットは、具材に当たる熱ムラがおきない、温度を一定に保てる、お湯の対流による煮崩れが起きない、うーーむ、その程度。

どなたか、ここのところを教えてもらえませんでしょうか。ネットで検索してもわかりませんでした。

出来た角煮を見ながら考えていたのですが、フト気がついたことがあります。肉はホロホロに柔らかくなっていないし、パサ付く感じさえあります。ってことはゼラチンが溶け出てしまっているのだろうと思ったのですが、汁がまるでトロリとしていないんですよ。サラサラしてます。この豚肉ってそもそもゼラチン(コラーゲン)が少ないんじゃないかなぁ。これがオーストラリアの豚肉では角煮がうまく出来ない最大の原因かも。ちょっとお歳を召してるのかな? (笑)

肉屋の中村さんではメスしか扱わない方針(完全には達成できないらしいけれど)なのもそういう理由があるのかもね。年取ったジジーの豚じゃパサパサで加齢臭もするのかもだ。(爆)

子豚の肉って売っているんだろうか。調べてみよう。

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