最近、相場の話はあまりブログに書かないようになりましたが、相場がらみのキーワードで検索して飛んでくる方々が増えています。それも株式関係。
わかるような気がします。最近の株式の値上がりを見ると、やっぱり株でもやらないと・・・って思う人が増えているんでしょうね。でも株式関連で私のブログに飛んでくるような調べ方をしている方々って、多分、超初心者だと想像しています。今までの相場がらみで飛んでくる方々とは検索キーワードが違いますから。
ネットのニュースを見ていても、こういう市場の動きがあると「株式投資をしないと損」みたいなのが増えるんですね。
今日も早速こんなのが目に付きました。ヤフーから飛んだのですが
年収300万、40代で2億貯めた男の通調履歴 ← クリック
20代の頃に100万円貯めて株式投資を始め、会社を自己の都合で退職した後には貯金も無く、株で生活。でもそれじゃ生活の安定は考えられないので清掃員の仕事に就き年収300万円。自分の時間は十分あるので株式投資に没頭し、今では資産2億円。ではどうやって利益を出したのかといえば、小泉さんの郵政選挙、また民主党野田政権が衆院解散をした1週間後には資産1億円。そしてその後のアベノミクスで今に至ると。株式の選び方は四季報やニュースなどではなくて、身の回りの生活の中で見える企業の姿から伸びる会社をピックアップし、それから詳細を調べるというやり方。随分簡単で、これなら誰にでも出来そうです。(笑)
こういう話や「30代の女性が株式投資で資産1億円」とか、その手の話が増えるんですね。これは書籍も同じで、昔からそうですが、株式市況が活発になってくると本屋の株式投資関連の書籍がドッと増える。当然、需要があるからそういうことになるんでしょうし、このブログに株式投資関連で飛んでくる人が増えるのも同じ理由なのでしょう。
こういう方々は、相場が上向きになると置いていきぼりになる恐怖感から自分もやろうかって考えるのだろうと私は想像しています。またそういう考えですと、相場が下降局面に入ると、株式投資なんかやるやつは馬鹿だとか、やらないで良かったとか思うはず。
結局、釣りで言う「コマセに群がる魚」と同じになっているってことなんですね。コマセがなくなればサーーっと散らばっていく。言葉を換えれば「カモ」と言って良いんじゃ無いでしょうか。
今回の大きな上げは外国勢が中心だとのこと。まだまだ上がると思うから買うわけですが、それを誰かに転売して初めて利益が出る。さて一体誰が買うんでしょうか。これからは株式投資だ!という話が世の中に増えてきて、そんな時にプロ連中が売りさばき、素人衆がそれを買った後、転売しようとしたときに誰がそれを買うんです?
こういう動きは相場というものがこの世に存在してからずーーっと続いているんですね。そしてその雰囲気作りを業界、マスコミがこぞって演出する。これってかなり巧妙な仕掛けで、必ず乗ってくる人がいるんですね。それも半端でない数。でも仕掛ける方は悪いなんて思ってないんですね。株式って経済活動の根源で、株式市場がないと世界の企業は存在し得ないわけですが、株価が上がるのは「全ての人にとって喜ばしいこと」なんですね。株価が上がって困る人はいない。だから株が上がるように煽るのは善であって悪ではないということになる。
でもどんな業種でもプロばかりでは成り立たないのは当たり前。最終消費者がいるから成り立つ。製造者と卸業者、小売店だけじゃ経済は成り立たない。最後に買ってくれる人がいないとどうにもならない。この原則は相場の世界も同じだと思って良いんじゃ無いでしょうか。常に誰かがお金を持って新たに参入してくれないと長続きしない業界。
株式のチャートをチラッと見て、「おお、凄い値上がりだなぁ」と思う人は多いでしょう。でも多くの人は値動きばかりで出来高のグラフを見たことがないのが一般的だと思います。
一度でも過去のチャートを「出来高」と一緒に見てみると面白いことに気がつくはず。それは天井と底。つまり最高値と最安値のところに出来高のピークが来ているのが普通だってこと。それを見てよーーく考えて欲しいと思います。世の中には最高値で買う人、最安値で売る人がたくさんいるってことなんですね。これは人間の心理に基づいていると私は考えていますが、相場の世界にどれほど長くいてもこの心理に変わりはないと思うんです。
「上がり出すともっと上がるのでは無いか」「下げ出すともっと下げるのでは無いか」
こういう心理状態になる。これは全ての人がそうであると言って良いんじゃ無いでしょうか。そして面白いのは、「そんなもので釣られてたまるか!」ってことも皆が考えているのね。でもどんどん上がり、あるいはどんどん下がると、「やっぱり俺は間違えていたのかも・・」と思うわけです。で、我慢をずーっとしていたのにある時、耐えられなくなって買ってしまった。売ってしまったとなる。
これがまさに天井であり、大底なんですね。出来高が非常に大きくなる。
相場って株式相場に限らず、為替でも石油や金銀、あるいは小麦だ小豆だも全く同じで、こういう心理的な動きで「始めようかなぁ」とか「買う」「売る」をすると必ず損するように出来ていると断言して良いと思います。人間の心理は「損するようにしか動かない」。
相場とギャンブルは全く違うと思いますが、相場をギャンブルと同じようにする人も多くいます。というかそれが大多数かもしれません。競馬の馬券でも買うように、「XXX会社は良い会社なのに株価は安いようだ」なんて自分一人が宝物を発見したような気になって買ったり。上がれば万歳、下がれば「外れた」と思うはず。こういう「当てた」「外れた」という感覚で相場に向き合うとギャンブルそのものになるんですね。
もし相場とはそういうものだと思っているとしたら絶対に手を出さない方が良いと思います。それは巷で言うギャンブル狂いと同じことをしようとしているのですから。
でも相場はギャンブルのような「当て物では無い」し、宝くじを買うのとも違う。そして上がっているから買うとか、下がっているから売るとかそういう単純なものでもないわけです。実際に、相場が上がっていないと利益が出ないとか、下がっているときは損して当たり前だとか、そういう考えだったら資産なんか増えませんよね。そういう風に考えている人は、今は「XXX社の株が良い」「円を売れば儲かる」とか言うし、常に「何か上がるものは無いか」と血眼になって探すんですね。
でもそうじゃなくて「XXXX社」の株式しか売買しないとか「米ドル・円」しか売買しないとか、そういうやり方で上がろうと下がろうと、そこから利益を出す方法があるわけで、それが「相場とのつきあい方」だと私は思うんですよ。でも普通の人はそういう風には考えないし、やっている内にそこに行き着くのが普通だと思うのだけれど、大多数の人はそこに至る前にやめてしまうのね。そして
「株式投資なんかに手を出さなければ良かった」
このように、多くの人たちが言う結論を見いだして終わり。
株式投資関連でこのブログに飛んでくる方が増えていますが、その方々は自分が「飛んで火に入る夏の虫」になろうとしていることに気がついて欲しいと思います。宝くじで大きな金額を手に入れた人たちの話を聞いて、自分も宝くじを買おうとしているのと同じだってこと。
でもそうではなくて、相場とちゃんと向き合って、夢を追うのでは無くてきっちり利益を出したいと真剣に考える方だとすれば、このブログには面白いネタがあるはずです。相場関連の過去日記を見てください。もしチンプンカンプンでよくわからないと思うのであれば、きっと相場には近寄らない方が良いタイプの方かもしれません。でもピッと何かひらめくものがあればどうにかなるかもです。 (笑)