オーストラリア流「不動産で儲ける方法」

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今日は、我が家を買いたいという隣家と話をしてきました。で、欲しいことは欲しいのだけれど・・・、結局価格なんですね。

彼らは不動産のプロでした。でも不動産屋とかデベロッパーといういわゆる我々の感覚のプロじゃないんですね。自分でも建築関係の仕事をしていて、それをいかした副業って感じでしょうか。

こういう人ってかなりの数いるみたいで、殆どの人が同じことを考えているかもしれない。(笑)

つまり、安い家を買って、それを「自分で」増築したり、ぴっかぴっかの綺麗な家にして転売するという方法。これはアメリカでも私の叔母が友達と組んでアルバイトでやっていました(タイルや壁紙、外装を自分たちだけで張り替えて綺麗にする)が、日本みたいに「土地」より「家」の価値が高いからこそそれが成り立つんですね。また自宅の場合、キャピタルゲインに課税されませんから、住みながら家を増築し、綺麗にして売れば、全て利益になる。

こちらでは平屋の家に自分だけで二階に一部屋増築してしまうぐらいの技術を持った人はたくさんいて、そういう仲間のネットワークもあるんですね。だから20代にローンを使って2000万の家を買って、1000万ぐらいのコスト、時間を掛けて改造し、4000万で売るみたいな。そのコストも彼らはプロだから、普通の人が業者に頼むよりメチャ安いわけです。だから売値の4000万は決して高いという感じではなくなる。そういう自分の家の改造を仕事の合間にやる。それを何年かに一度やって雪だるま式に大きくして資産を作る。

これって自分のペースで仕事ができるし良いですよね。外から大きな仕事が入ったらそれに集中して、暇な時にはマイペースでコツコツ自分の家を増築、改築する。それを3年に一度のペースでやっていても不動産が値上がりしつづけていれば建築関係の職人でも40代で億の資産はできちゃう。で、いつかそのノウハウを身につけたらそれだけで食えるようになる。でも不動産バブルが弾けると恐ろしいことになるんですね。でも自分の家で、借金がなければ問題がない。またひとり住まいで大きな家では維持できませんが、4-6人家族でそれなりの家なら、時期が来るまでじっと待っていれば良いってことになる。

隣の家の人がまさにそれで本職は電気工事。奥さんと二人三脚で不動産投資をしている。今回、隣の家と話をしたのは、隣の改造許可をシティカウンシルからもらうのに私の承諾が必要だというのがキッカケだったのですが、話を聞いてびっくりしたのは、彼らは多分40代中頃かな、もうすでに何度もそういうことをやっていて、な、な、なんと改築に掛ける費用は1.3億~1.5億だとのこと。

うっそ~~と思いましたよ。丸ごと一軒建ててもその額はコストとしてかなりの額ですし、改築でそれだけ掛けるんですから。でも改築とは名ばかりで、柱と壁の一部を残して建て替えみたいなもんなんですね。そして内装、家具、電気器具も最高のものを入れてハイエンドマーケットを狙っているんでしょう(中国人向け?)。なんでそういうややこしいことをするかというと、それだと改築であって新築じゃないんですね。固定資産税が随分変わるようです。日本人の感覚だとそこがちょっとわからなくて、新築のほうが良いと思いますが、こちらでは古い家に覆いかぶせるように新しい家を建てることが多い。だから新築に見えるのに、水道管は20年以上前のものだったり。

結局彼らは我が家に興味があるのも、自分で住むためじゃなくて、その商売の為に欲しいんですね。うちはボロ屋ですが、彼らが欲しいのはまさにロケーションの良いボロ屋で、そこで話はあうわけですが、当然、彼らは安く買わなければ商売にならない。地上げ屋の一種みたいなものかもしれません。

思い出してみると我が家の反対側の隣家も結局それと同じでした。改築の様子は見ているとわかるわけですが、かなり金を掛けているのはわかりました。半年以上掛けてそれこそ家のすべてを改築するぐらい綺麗にし、普通の家だったのがいまどきのチョ~~モダンな家に生まれ変わりました。その家が一昨年売れたのはデータベースでわかるのですがとんでもない価格。内装は見ていませんがかなりのものを使ったのでしょう。その家と我が家と土地の評価額は同じですし、もしその価格で我が家が売れたら万々歳どころじゃないのですが、家がまるで違う。モダンで綺麗な家と手もかけていないボロ屋と比べるほうがおかしい。

でもやっぱり私は日本人ですから、土地をどうしても主体に考えちゃうんですね。日本の場合、ウワモノは計算外なんてことはよくある話で、家の価値といえば土地の価値。だから隣が高く売れたなら、我が家も・・・なんて思っちゃうんですが、全く違う。土地よりウワモノのほうが高いことも普通。というか、広大な土地がある地域ではそれが当たり前なんでしょうね。土地なんか二束三文というのがこの国の常識かもしれない。

我が家の左右の隣家がそういう感じですから、我が家をターゲットとする半プロは決して少なくないんでしょう。中途半端な家が中途半端な価格で売っていても彼らはどうしようもないわけですから。

ところがですね、我が家はボロ屋ですが両隣より部屋数も多く、キッチンが2つあるような家で、つまり改築するにも半端じゃない金がかかる計算になるだろうと彼らが言っていました。だからといって、使う内装、照明器具、電化製品やキッチンを安くするなんてことは出来ないし、例えばキッチンの電化製品は中国産なんてもっての他で、ドイツのMieleとか使うのでしょう。電子レンジだけで30万ぐらいするようなもの。バスルームも全部タイルを剥がして作りなおすそうですから、下手にバスルームが多い家はカネがかかるだけらしい。だからといって、それだけ高く売れるのかというとそうではなくて、売れ筋ってのがあるんですね。

私としては、大きな家だからその分高く売れるだろうなんて思っていたのですが、実はそうじゃなくて、そういう半端な家だからこそ安く売らないとならないわけです。リノベーションに掛かる金が大きくなるわけですから。

やっぱり簡単にはいきそうもありません。

また我が家みたいなボロ屋を買うのはそういう人たちだけで、今注目の中国人投資家はボロ屋には興味も示さないとのこと。ピッカピカの凄い家でも、一つのお手洗いの改装が済んでいないだけでダメだとのこと。そして専属の代理人を通して買って、オーナーは見もしないで2軒買っちゃうとか。ま、そんなもんでしょうね。結局ゴールドコーストってリゾートで、住宅地でも普通の住宅地と考えたらダメで、不動産がもっと高いシドニー・メルボルンから来た人とか、海外から来る頭に血が上ったままの人とか、そういう人が最終的に高いものを買ってくれるから成り立つ世界なのかもしれません。ババ抜きみたいなものなんでしょう。

こちらの不動産関係のデータベースって面白くて、どの家がいついくらで売買されたか、その土地の評価額はいくらか、そして家付きで売買される時の目安の価格も出るんですね。我が家ももちろんそのデータベースに乗っていて、目安の売買価格を見たら\(^o^)/なんですが、それはそこにちゃんとした家が建っている場合であって、我家の場合はその金額からリノベーションコストを引かなければならない。ましてや業者に売るとなったら彼らの利益も計算しないとならない。

ということはXXXX引いて、XXXXも引いてと計算していくと(T_T)(T_T)(T_T)になってしまう。

でもま、しょうがないですね。背伸びしたツケが今頃やってきたってことでしょう。ゴールドコースト脱落組ですし。で、そういう脱落組が次の商売のネタの供給源でもあるってことなんですね。不動産のデータベースを見ると、近所の家でも過去に高く買った人が安く売るケースがいくらでもある。で、それを叩いて買った地元の人がその時代にあった高級な家に作り変えて、またカモに売りつける。それの繰り返しが起きているってことが今になってわかりました。(笑)

こういう図式があることに20年前に気がついていたら、何か面白いことが出来たかもしれません。今になればどういう家を買ってどうするべきかがわかる。でも後の祭り。海外に出たばかりって頭に血が上っていますし、右も左もわからなくて、冷静さなんか皆無ですから(笑)カモになるんですね。同じことが世界中で起きているんでしょうね。もちろんマレーシアでも。で、本人は「投資だ!」なんて信じ込んでるんでしょう。業者もそう思うようにあの手この手で洗脳するし。

そういう意味でも、24年間ゴールドコーストに住んでいましたが、私はやっぱりなーんも地元のことなんかわかっていない長期旅行者と全く同じだったと思います。

しかしいろいろ思い出してみると、私がおじゃましたことのあるオージーの家ってどこもピッカピカでいつ売りに出してもおかしくないような状態を常に保持していましたっけ。そうやってマーケットバリューをキープするんでしょうね。で、目鼻の効く連中はコストを抑えつつ自分の家の価値をどんどん上げていく。そして頃合いを見て乗り換える。たとえ不動産市場が横ばいだとしてもそこから利益を上げている地元の連中がいるなんて、そこまでは気が付きませんでした。こういう話を過去に聞いたことはあるんですが、なかなか実感として理解できないんですね。話として頭に入っているだけ。そこが出来る奴と出来ない奴の違いなんでしょう。私みたいな能天気は、さて、自分としてはどうするべきかという方向で頭が回転しない。(笑)

20年前にこのことをこんこんと私が理解できるまで話してくれる人がいたら変わっていたかも。

今になれば我が家はボロ屋のお化け屋敷。周りの家はどんどん凄い家に変貌していって、昔は近所の中でも良い家の方だったのが、今では「なんでここにこんな家が?」みたいな感じ。我が家が地域の価値を下げているような状態。でもこの家を自力で今風の家に改築して売る気力も体力も資力もノウハウも経験も、そして何よりも大事な時間が私にはない。

叩き売るしかないんでしょう。負け組ですね。(笑)

 
 
 

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