本物の和牛を売っているWmartというスーパーがあるのは前に書きました。これはしつこいようですが「本物の和牛」で、伊勢丹はLOT10の地下にある田丸屋が売っている「和牛モドキ」ではありません。その詳細を書いた日記はここをクリック。
近年、私の牛肉の好みがかなり変わってきまして、そもそもA5の様なサシが入りすぎの和牛はマグロの大トロと似たようなもので駄目になってきていたのですが、最近はそれが進んできて、さほどサシが入っていない牛肉でも「オェっ」となるようになってしまいました。今までも日本で食べる焼き肉の「特選上カルビ」みたいなのは見ただけでアウトでしたし(並カルビが丁度よい)、昔ならいくらでも食べられた大トロが2貫で十分、それどころか鮪の赤身の美味しさがやっとわかるようになった感じです(でもキハダマグロは食べない)。
だからといって牛肉の赤身が良いとは思わないし(でももも肉のローストビーフは食べる)、自分が望む牛肉って一体どんな肉なのかわからなくなって困っています。
そんな些細なことで悩んでいた時に、読者の方から「WmartでA5和牛の肩バラ(Brisket)を買って、すき焼きにしたら美味しかった」とレポートコメントを頂戴しました。
良いなぁと思ったものの、A5でなおかつ肩バラ(Brisket)じゃ私にはとうてい食べられません(脂が多すぎ)ので、近所の気になっていた肉屋になにか無いか探しに行ったんですよ。ところが、自分がどういう肉が欲しいのか自分でもよくわからないのに気まぐれでリブアイの塊を2キロ弱買い、それが赤身+脂身みたいなリブアイでがっかり。その時の日記はここをクリック。
最近、これほど美味しくなさそうなリブアイって見たことないです。
全く食べる気がしないのでミンチにして冷凍するしかないかと思っているのですが、じゃぁ、自分はどんな牛肉が良いのか、また考えだしたら止まらない。(笑)
おーし、Wmartへ行ってみようと思い立ちました。
私はもうA5のリブアイじゃサーロインじゃには興味が無いというか食べられないので、A5でもトップサイド(もも肉)でもあれば、本来は赤身のところにほんの少しサシが入って「和牛の味」がして、私に合うんじゃないかと思ったわけです。あるいはオーストラリア産Wagyuのランプかトップサイドも良いかもしれないと。
店はガラガラでした。最近、Googleマップで場所を確かめる時に、その店の「混み具合」も見るようになりました。これ便利ですね。何曜日の何時頃が忙しい、暇、ってのがわかるのね。レストランも同じ。
場所はここ。Puduの近く。
で、暇な時間を狙っていきましたら、本当に暇であまりお客さんはいませんでした。このWmartって普通のスーパーではなくて「Unifrozen」という食品卸会社のアウトレットなんですね。だから普通のスーパーみたいになんでもあるわけじゃありませんが、変わったものがあって値段も安く「業務用スーパー」みたいなお店。お店も狭いところに商品を突っ込んであるので、混んでいる時に行ったら身動きが取れません。
左に見えるカウンターは「業者用」で卸をやっているんですね。その手続などはここでやる。
全体をざっと見てから、お目当ての牛肉と海産物売り場に。
肉の量は多かったのですが、日本の(本物の)和牛はショーケースには並んでいませんでした。聞いたところ「冷凍は若干ある」というので見せてもらったところ「A5和牛の肩バラ(Brisket)とShort Rib」がありました。共にキロ単価RM380です。A5でサシが多く入っていて、なおかつバラ肉じゃ私には無理なので、和牛はパス。
「最近、日本人が来てこのBrisketを買ったんじゃない?」と聞いたら、「うんうん、来た来た」ですと。(笑)
オーストラリアWagyuは?と聞くと売り切れ。でも次の入荷を聞いてみてもなんだか返事がはっきりしない。もうこの店は和牛・Wagyuはやらないつもりかなぁ。
じゃぁ、ショーケースに入っているのはなんなんだと、端からじっくり見てみました。
アメリカからのものとオーストラリアからのものがズラ~~~っと並んでいましたが、アメリカからのものはBlack Angusビーフで、ChoiceとPrime両方ありました。
ここでちょっとアメリカの牛肉の説明ですが、簡単に言えば、日本の和牛がアメリカのブラックアンガスと考えても良いと思います。味は全く違いますが、位置づけの話しです。和牛と同じく血統や肉質にこだわりがあるアメリカを代表する牛肉。でも元はというとスコットランドの牛。そしてアメリカの牛肉は大きく3種類に分類されていまして、
一番良い肉=Prime
中間の肉=Choice
普及品=Select
その他、ランクなし
この内の、PrimeとChoiceがWmartのアメリカ産の牛肉ということ。そしてすべて「ハラル認証取得済み」です。
大きなアメリカらしいスペアリブや様々な部位があります。それもPrimeとChoice。これってアメリカの牛肉に慣れている人はかなり嬉しいんじゃないですかね。品質も部位もよりどりみどりですから。ただし、日本人にとってはどうかは疑問。日本人は(なぜか)脂のサシがしっかり入っていて柔らかいのが好きで、赤身の肉本来の味とか歯ごたえを楽しむ人は少ないんですね。でも日本は今、赤身ブームだと聞いていますし、興味がある方はこの店に行ったら面白いかもしれません。価格も安いですし。
ブロックばかりじゃなくて切り分けたものもあります。でもこの店は大きなブロックをそのまま買う必要はなく、自分の好きなように切り分けてくれて、500グラムとか1キロとかそういう買い方ができるから良いと思います。
そしてオーストラリア牛。オーストラリアの牛肉もアンガス牛です。Grain Fedで穀物を出荷前の一定期間食べさせた牛肉。ちなみにアメリカのアンガス牛とオーストラリアのアンガス牛は育て方が違う。味も違う。そして値段も違う(笑)。アメリカの方が高い。
この下の画像の真中のはアメリカ産ブラックアンガスビーフのリブアイですが、そこそこ美味しそうなので、これを1キロ薄切りにしてもらいました。キロ単価はRM245です。アンガスビーフでもオコーナー(生産者?)の良い肉らしくま、一応、ここのアメリカンビーフでは一番良いリブアイってことになりますし、この価格は妥当だと思いました。
この店の牛肉ですが、どのようにカットして欲しいのかを間違いなく伝えるための写真がショーケースの上に置いてあります。ステーキにするなら何センチの厚さにするとか。これで必ず確認を取るんですね。きっと「この切り方じゃな~~~い」なんてトラブルもあったからでしょう。そして「薄切り」に関しては2mmと書いてあります。
2mmって私にしてみると「すき焼きの厚さ」で、シャブシャブはもう少し薄いほうが良い。そこでもっと薄く出来ないかと聞いたところ「可能」ですと。でも「1mmは無理だと思う」というので、出来る限り薄くトライしてみてくれと頼みました。まだ確認していませんが、難しそうなことを言っていたので多分1.5mmぐらいでちょうどいいかもしれない。
こんな肉。アメリカ産ブラックアンガスビーフのPrime。リブアイの薄切り。サシの入り方が和牛みたいに極端じゃないですよね。この程度の脂なら私にも食べられそう。
それとお目当ての「ローストビーフ用」の肉ですが、どれにしようかかなり迷いました。
こちらのほうが今回の本命で、先日買った肉みたいに「ハズレ」を引きたくないなぁと、ケースの中の肉をわざわざ出してもらって表から裏からしっかり見てみました。(笑)
基本はランプ(腰肉)かトップサイド(もも肉)と決めていましたが、オーストラリア産アンガスビーフのランプに目が止まりました。これなら良さそうだと思って値段を聞いてびっくり。キロ単価RM48ですと。こんな安いランプはB.I.G.やビレッジグローサーはもちろん、AEONでも見たことなし。うれしくなっちゃったので大きな塊の半分を買うことに。でも大きすぎました。1.7キロもあった。(笑)
ローストビーフにするには丁度良いサシの入りぐらいだと思う。真っ赤じゃ美味しくないし、サシが入りすぎていてもオェッとなるし、ちょっと長時間低温調理して柔らかく仕上げようと思います。楽しみだ~~。
話は変わって、このWmartの玄関にポスターが貼ってあったんですよ。「Blue Fin Tuna」とそれの写真。これって本マグロですから、それも見てみました。でも大トロと赤身だけで欲しい中トロはなく、どうしようか悩んだんですが、この店でマグロは買ったことがないし小さめの大トロを買いました。でもどれも形が悪く、良いサク状のものは本社がレストランに卸して半端なものをこのアウトレットで売っているんでしょう。買ったのは300グラムちょっとでキロ単価は@RM600。決して安くはないですね。日本の輸入商からちゃんとしたもの、それも日本から空輸される冷蔵物がもう少し安く買える。でも卸商から買うのっていろいろ面倒なんですよ。冷蔵ものは3キロぐらいのブロックですし。冷凍ものはサクもあるのでそちらのほうが良いかもしれない。
中身が見えなくてカチンカチンの状態です。とりあえずは冷凍庫へ。
それと今回、結構良い買い物かもしれないと思ったのが「冷凍ウナギ」です。
かなり大きくてこれほどの大きさのものってマレーシアのスーパーでは見たこと無いかもしれない。最近、スーパーで売っているウナギが小さくなってお子様ようか?みたいな感じになっちゃいましたが、これって長さで言えばそれの1.5倍はあるし、重さで言ったら2倍はあるんじゃないですかね。キロ単価は書いていなくて、一本RM45.30ですからかなり安いと思います。
でも大きいからって喜んじゃ駄目で、日本で食べるウナギとは全く違う種類かもしれない。でもスーパーで売っている冷凍ウナギもそうかもしれませんね。オーストラリアもそうですが、化物みたいに大きなウナギも世界にはいろいろいるんですよね。大根みたいに太くて、脂が乗っているかと思ったらパサパサだったとか。その手のウナギはゴールドコーストでも良く釣れました。でも日本みたいな調理法じゃ美味しくないというか食べられない。聞いてみたら中国人はぶつ切りにしてスープにするとのこと。オーストラリア人は食べない。
もしかしたらこのウナギはその化物みたいなウナギの子供かもしれない。(笑)
さぁて美味しいかな~~。恐ろしく甘いであろうタレをお湯で洗い流してからちゃんと蒸してみようと思います。
今回のWmartの買い物は予定外のものを買いすぎて散財しちゃいましたが、ま、しょうがないです。食べたことがないものばかりですし、やっぱり実際に食べてみないとね~~~。
ハズレがないと良いなぁ・・・。
あ、そうそう。肉売り場でスタッフにいろいろ聞いたのですが、よくあるパターンで英語はあまり通じないしいい加減なことばかり言うんですよ。だからマネージャーと話せないかな?と何度か聞いたら呼んでくれた。(笑)
若い中国人でしたがやっぱりそこらのアンちゃんとは違ってちゃんと話ができる人。(って当たり前か 笑)
日本からの本物の和牛ですが、「次はいつ頃入荷する?」と聞きましたところ、返事はなし。そこで「今まで何度輸入した?」と聞いたらゴニョゴニョ言って話をごまかします。でも話の流れからは2,3回ぐらいじゃないかな。数ヶ月前の輸入時はかなりの量があったのはわかっていますが、あれって「日本でハラル承認が取れた業者から初めて大量に買ってみた」んじゃないですかね。でも思うように売れないってのが真相じゃないかと。
でも聞いてみると真面目で、「ハラル」しか買わないと言っていました。店のポリシーなんでしょうね。っつーか豚肉売り場ってWmartにあったかな?ないかもしれない。
で、和牛はA5しか扱わないと言うので「A5って美味しさの基準じゃないの知ってる?」と聞いたら「知っている。マーブルの度合いだろ?」と半分正解の答え。A4でもB4でも良い和牛はいくらでもあるのに、どうしてそれは買わないのか?と聞いたら、やっぱり和牛はA5じゃないと売れないと思うと。そして出来るなら神戸牛を買いたいのだけれど、神戸牛でハラルは無いんだそう。でもノンハラルの神戸牛は市場で流通していて、前に(自称)神戸牛を輸入商から手に入れて食べた(調理は失敗)レポートは書きました。
やっぱり美味しさというより和牛はブランドで勝負なんでしょうね。他の店(伊勢丹の田丸屋)みたいにハイブリッド牛(交雑種)は扱わないのか?と聞いたらウチはやらないと。
マレーシアではハイブリッド(交雑種、日本国産牛であっても和牛とは呼ばない。当然A5とかのランクは無い)を売り場では和牛と見間違えるような売り方をしている(売場のスタッフはWagyuだという。またラベルも誤解しやすいラベル)けれど、あれは「日本だったら捕まるんだよ」と言ったところ、ウチはそういうことは絶対にしないと彼のスマホに入っていた「A5和牛の証明書(輸入時の書類みたい)」の写真をわざわざ見せてくれました。
オーストラリア牛もアメリカ牛もハラルですし、一応、一番良い肉を仕入れていますし、この店って真面目なんだろうと思いました。でもねぇ、私としてはA5和牛である必要って全く無くて、A4でもB4でも良いから脂がドギツクなくて手頃な和牛、もしくは交雑種が美味しくないわけじゃありませんから、それも仕入れれば良いのにと思いました。Wmartもやろうと思えば可能。仕入れている日本の食肉業者は交雑種も扱っていますから。(田丸屋と出処は同じ)
例えばルイビトンと質的には同じバッグが半額以下であったとしても、ルイビトンしか売らないし、売れないんでしょう。でもインチキ物をルイビトンとして売ることはしない店なんでしょう。大したもんだ。こういう心意気というか誠意、ポリシーが見える店って珍しいと思います。本業は様々な食品の輸入卸業ですがプロとしてのプライドを感じました。
さてさて、冷蔵庫、冷凍庫には牛肉がごっそりあります。さぁてどう仕上げましょうかね。
私が楽しみなのはランプ(腰肉)のローストビーフと、プライム・リブで作る牛丼。(笑)
そのうち、どんなだったかレポートしますね。
WmartってA5和牛はもう期待できないけれど(私としては全く問題なし)、真面目でいい店だと思うし、牛肉はここと決めてもいいかもしれないな~。
でもそれは今回買った牛肉を食べてから決めましょうかね。
ああ、それと和牛にしてもオーストラリアのWgyuにしてもいつ入荷するかはどうやったらわかる?と聞きましたところ、フェイスブックをチェックしていて欲しいと。
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