MM2Hビザの取得条件が変わるのではないかという噂が流れていますね。マレーシアの要人が大幅にハードルを高く変更するようなことを言って驚かされ、ええ~~~?と思ったらそれをすぐに否定したり。
MM2Hでの滞在者を増やしたいと言いつつ、もっと良質のロングステイヤーに来てもらいたいみたいな話もでている。良質っていう言い方は我々をモノ扱いしている言い方でカチンと来るのですが、ま、もっと資産も収入もある人に来てもらいたいという気持ちはよくわかる。どの国だってそんなのは同じで、でもビザの取得条件を厳しくして、もっと人数を増やしたいなんてアホじゃないかと私は思う。自信過剰じゃね?
でもま、それを決めるのはマレーシアで我々はそれにとやかくいうことは不可能。
MM2Hをすでに持っているから安心ってこともなくて、「更新条件」も変更されると「更新できない」ことも大いに有り得るから気になりますよね。10年以上滞在する予定はない人には関係ないでしょうが。
私とヨメさんのビザですが、パスポートが切れて新しく更新したのですが、その時にMM2Hビザの移し替えが必要で、いつも個人的なことまでいろいろと面倒を見てもらっているエージェントのペナンのリカさんにお願いしました。
これって持っているビザの移し替えでしかなくて、「更新」ではない。だからこの時点で新しく10年のMM2Hビザがもらえるわけじゃなくて、「本来のビザの残存期間だけ」を発行するだけ。
で、残存期間ってどのくらいあるかというと来年の2月まで。だからその期日が近づいてきたら「本当の更新をしないとならない」わけです。
移し替えはエージェントのリカさんにお願いしたので簡単なんてもんじゃなくて、必要書類をいくつか渡しただけでプトラジャヤにも行きませんでした。
ということで来年の2月には本当の更新しないとなりませんが、この更新条件が将来的に変更になるとかなりうまくないんですね。また「申請時と同じ条件」でもうまくなくて、それをクリアできない人もいるんじゃないですかね。
でもま、前にも書きましたが、国際的な傾向として、「ビザの条件変更をする場合には、変更をするのではなくて、【新しいビザを新設する】」という形をとるのが普通。古いビザはそのまま有効(更新条件も変えない)で複数の同じようなビザが存在することになる。そして古いビザを持つ人は時間と共に減って消滅するわけで、国はそれを待つのが普通。
だから私はさほど心配はしていないのですが、どうするか決めるのはマレーシアであって、我々が何を予想しても全く意味がない。
だから更新条件の変更もありうることを想定して、それに対処できるように準備は必要だと思っています。その時は「帰国する」というのも一つの選択。
で、その更新条件ですが、それを勘違いしている方もいらっしゃっるようで、またその方が心配することをそのまま受け入れると「多くの人の不安が増大する」ので、その必要はないということを書くべきだと思ってこれを書いています。
そもそも最初にMM2Hを所得するのに2種類方法があるんですね。実は私もこれを知ったのは今年に入ってからです。
年令によって金額が違いますが、簡単に言えば、
◯ 資産
◯ 収入
をまず調べられますよね。
そして仮承認がでたら規定の額を「定期預金」にして、それで本申請に進む。
とまぁ、こういうふうになっていると私も思っていたわけです。
ところが、前にもそのことはブログに書きましたが、この人質定期を入れなくても「1ヶ月1万リンギット以上の公的年金の受給をしている」ならば「定期預金はなくてもビザは取れる」んですね。
でも金額的にその条件をクリアするのは簡単ではなくて、多くの申請者は「就労していて十分な給与がある内に、それを収入として申請する」ことが多い。だから「定期を入れなくても公的年金が十分にあれば、その証明だけでもビザが取れることを知らない」んでしょう。私もそうでした。
これは更新時も同じで、定期を入れて取得した人は「更新時にその定期がなければ更新できない」。そして、「公的年金の証明で取得した人はそれの証明が必要」だと、まぁ、当たり前といえば当たり前なんですね。
MM2Hの公式サイトを見てみましょう。(このページ)
この様に更新条件が書かれています。それも二種類、AとBとに別れていて、Aは「定期を作ったケース」で、Bは「公的年金の証明のケース」であることがわかります(赤枠)。そしてAの定期の場合は、「定期の証明」を出さないとならない。Bの年金のケースは「直近の年金の証明」を出さないとならない(黄色枠)。
画像をクリックすると大きくなります。
このBのケースの「直近の年金の証明」の部分だけ見てしまうと、「全てのMM2Hホルダーは年金の証明をださないとならない」と勘違いするんでしょう。
またここで気がつくことですが、年金は年金でも「Government Pension」となっている。つまり「国の公的年金でなければ駄目」ってことなんですね。
私はこれは当たり前だと思っていまして、世界には年金サービスがいろいろあるんですね。マン島とかグランドケイマンみたいなタックスヘイブンにも様々な「私的年金」が存在する。
これらの年金は様々な種類があって、途中解約出来るものもある。つまり、「支払ったまとまったお金を返してもらうことも可能」なものなどいろいろ。
こんな私的年金までも認めてしまったら、いくらでもインチキ出きるわけじゃないですか。だから国が存在する限り未来永劫支払いが続く、つまりその収入の信憑性が確かな「Government Pension」である必要があるってことですね。それだけのことだと思います。
ということで、結論としては「定期預金を入れてビザを取得している人には、この公的年金の受給証明は必要がない」ということははっきりしている。上に紹介した公式サイトに書いてある通りです。
ただし、これは今現在そうであるということだけであって、将来的にどう変わるのか、変わらないのかは誰にもわからない。
ちなみに「年金の受給証明」でMM2Hを取得するスキームは終了したようです。でも過去にそれで取った人はそのまま更新条件も変わらず。
でも年金の証明でビザを取った人って、為替の変動で「毎月1万リンギット以上という金額をクリアできるか出来ないか」ってのもあって、ヒヤヒヤもんですよね。
長い目で見ると為替ってかなり大きく動きますから。
2008年から2018年まで10年の間に必要な「毎月1万リンギット」は日本円で毎月24万~35万の幅がある。
もし更新時にはその時の為替動向によっては更新できないということが起きるかもしれない。
これは「更新条件に変更があった場合」ではなくて、現行の更新条件でもそれが起こりうる。
申請時にはクリアできて、更新時には難しい場合はどうするのか。上のカテゴリーで言う「BからAへの変更ができるのか」。つまり更新時には定期を入れるということでクリアできるのか。これに関する記述はどこにもなく、エージェントに聞いてみるしかないですね。もし「取り直し」が必要だとしても、その再申請時に「毎月1万リンギット以上の収入証明が必要」なわけで、それをどうするのか。年金+利子所得でクリアできれば大丈夫なのかもですね。でもそれでもクリアできないとなれば「出国」ってことになるんでしょう。
為替の動きって相場モノの中でも予想が一番むずかしいと言われていて、この直近10年では35円程度がリンギットの最高値ですが、これが40円、50円となる日がくるのかどうかは誰にもわからない。でもま、そんな日が来たら多くの年金生活者、あるいは円建ての収入しかない場合には「生活維持が不可能」になる可能性が大きい。