MM2Hの時代も終わるのか?そもそも海外で生きるということは・・。

マレーシアのMM2Hは観光局の管轄だったのが移民局の管轄に変わったらしいですね。前からその両者でごちゃごちゃやっていたのは聞いていましたが、決着が着いたんでしょうか。

でもま、移民局がビザの主導権を持つのが当たり前だと私は思うし、MM2Hというビザも変化があるのも当たり前。

ところが現在、「申請の100%が却下」という状態だと聞いて驚いています。ま、これもまたマレーシアらしいと言えばその通りですがこれからどんな変化が起きるのか。

そんなことを考えても意味がないとは思いますが、世界的に見ても特殊なMM2Hというビザが、マレーシアを取り巻く環境も変わってきたのに「そのままというのはありえない」かなという気もします。これってどこの国も同じで、状況に合わせてビザも大きく変化するんですね。

私が25年住んだオーストラリアもそうで、昔とは随分違う。かな~~り変わった。というか状況の変化に合わせて「常に変化する」のがビザじゃないんですかね。変わらないほうがおかしいと私は思うくらい。

私が最近、気になっていたのは香港の動きなんですよ。

一国二制度という触れ込みだったのが、約束の期限を待たずに中国が香港を取り込もうとする動きは近年あったわけで、数日前にはとうとう「香港国家安全維持法」が可決されて一国二制度というのが根底から崩れたと言っても良いくらい。

香港人が香港から抜け出そうとする動きはすでにあったわけですが、これからはもっとそれが加速するだろうし、その人数たるや数十万、数百万単位が予想され、イギリスも300万人ぐらいは受け入れる準備はある様子。でもイギリスの海外永住権(?)を取得できるのは、香港がイギリス統治であった時代に生まれた人だけだそうで、今現在、23歳以上にしか適用されない。つまり若者は逃げたくても逃げることが出来ない。

香港の大規模デモも若者が中心だったのはこういう事情もあるんでしょう。すでに金持ちはカナダ、オーストラリア、アメリカ等の永住権を持ち、そして近年の動きでそれが加速するにしても、一般の若者にはそれは難しい。

また小金持ちでも逃げたい場合はどうするか。マレーシアがターゲットになるんじゃないですかね。そしてその兆候はすでに見えていた。

また中国そのものも内情は酷いようで、大金持ちは香港と同じく海外に逃げる、逃げる用意は出来ていても中間クラスはどうするのか。そういう意味でもマレーシアのMM2Hは他の国のビザのように「マレーシアに住まなくてもビザを維持できる」というとんでもなく有利な条件があるので「取っておけばいつでも逃げられる」という非常に便利なビザ。

近年のMM2Hのデータを見ると中国人が圧倒的に多いわけですが、今後これが加速するであろうことをマレーシアは座して見ているだけとも思えない。

またマレーシアの政権が何を考えるかという点も「観光局から移民局へ移した」原因の一つとも言えるわけで、そしてマレーシアの政権と中国とのつながりも想像すれば、今までのような「My Malaysia Second Home」みたいな夢みたいなことをいつまでも言ってられないんじゃないですかね。

そしてMM2Hも「マレーシアに貢献していない」という政府内からの突き上げがあったという話も何年か前に聞いたことがあるのですが、そもそも「どんな国でもどんなビザでも【国の利益を最優先する】のが当たり前」で、「貴方のためにこんなビザを作りました」なんてことはあり得ない。

もしかすると中国から(簡単に国外に逃げることが出来る)「MM2Hを抑えて欲しい」という要請、あるいは圧力があるのかもしれないし、またマレーシアも「もっと国家に利するビザが必要」と考えるかもしれない。これは当然のこと。

となれば、どこの国でも起きたように「簡単に取得できるビザは廃止する」とか「もっと厳しい審査基準にする」、あるいは「新たなビザを新設する」なんてこがマレーシアで起きても全く不思議じゃないし、変化がないほうがおかしいと思うわけです。

MM2Hも取得に必要な資金を「5千万円ぐらい」に上げるべきだという話も聞いたことがあるし、その5千万、50万ドルという数字も複数の国が退職者用滞在ビザで提示していた条件と似ていて、ある意味、「相場」みたいなものかもしれない。

でも5千万円も出してMM2Hを取るか?となれば、一般的な日本人としては「それって無理じゃね?」となるだろうけれど、自分が今、住んでいる国から逃れたい(遊びのロングステイではない)と考えているそこそこの資産を持っている人たち(日本人も)にすれば「真剣に検討しても良い」となるかもしれない。ましてや定期預金にしても「受取利息には税金がかからない」とすれば、「マレーシアを切り札として考える」のは必然と言ってもいいくらいに私は思うんですよ。

現行のMM2Hは「取得のハードルは低く」、なおかつ「マレーシアに住み続ける義務がない」となれば、「とりあえずMM2Hを取っておこう」となるはずで、私にしてみれば「取る必要はないと考えるほうがおかしい」と思うくらい。今の時点で外国に出ようと考えていなくても、マレーシアのMM2Hがあれば「いつでも海外の逃げ場を確保できる」という意味で価値があると私は思うくらい。

最終的にはアメリカ、カナダ、オーストラリア等に行きたいにしても、「すぐに」っていうわけには行かないし、「とりあえずマレーシア」という考え方をする人たちはかなりの数になるはず。ある程度の資産や収入がある人達にとっては、そして海外脱出の計画を持っている世界中の人達にとっては「MM2H」というビザは神様からの贈り物ぐらいに有り難いはず。

でもマレーシアとしては「とりあえずの足場にされたんじゃ面白くない」はずで、厳しくする条件は厳しくし、なおかつ緩和すべき条件は緩和して【新しい時代に合ったビザ】に変えるか、新設するのが道理だと私は思うわけです。マレーシアは間違いなく「シンガポールの動き」を注視しているはずで、金融大国としての道の模索はすでに始まった(Tun Razak Exchangeの開発がそれ)し、本格的にシンガポールのように金持ちを呼び込もうという計画は間違いなく持っているはず。

そもそも現行のMM2Hには「取得条件に大きな問題点がある」と私は考えています。

それは「所得制限」の部分。「月収は1万リッギット以上」というところです。これは「申請時にそれをクリアすれば良い」ことになっていますが、私はこれを知った時になんていい加減なビザなんだろうって思ったくらい。

本来は「マレーシアに来てから生活を維持する為の【収入】が大事」なはずなのにそれは一切調べない。

つまり年齢制限もなく、50歳未満でも「50万リンギ以上の資産」があり、「月収は1万リンギ以上」で「定期預金に30万リンギ作れる」人(50歳以上はそれぞれ35万リンギ、1万リンギ、15万リンギ)なら誰でもオッケイという条件。これはこれで良いのですが、この条件ですと「マレーシアに来てからは収入がゼロでも構わない」ってことなんですね。

他の国では条件が厳しいケースが多いですが、それは「移住後の生活を維持できるのかどうか」が原点にあるからじゃないんでしょうか。例えば「資産が50万ドル以上」、あるいは「年金収入が3万5千ドル以上」という条件で「退職者用長期滞在ビザ(永住権ではない)」をオーストラリアはかつて出していましたが(今は無い)、それは「オーストラリアに渡ってから政府に負担をかけること無く、コミュニティーにも迷惑を掛けずに生きられるという【証明】」が必要ってことなんですね。

もし現地に来てから「収入がゼロ」だとしたら、一体何が起きるのか。

当然、本人は困るでしょうし、政府も放置できませんし、社会的問題も出てくるのは容易に想像できる。だから条件を厳しくして、本人も政府もコミュ二ティーも問題が出ないようなビザにする。

そもそも「収入がないのに行くわけがないじゃないか」と考えるのは一面しか見ていない考え方で、実際にMM2Hを現在保持している日本人でも私や私の息子のように「年金を受け取っていない」「定収入はない」、あるいは「低額の年金、国民年金しか無い」人も結構いるじゃないですか。

そしてMM2Hは「就労を認めない」わけですから、「収入がない、足りない」場合は「違法就労」なり「他の犯罪」を起こす可能性があるし、「もうギリギリで食えない」という人も出てくるようじゃ何のための「長期滞在ビザなのか」問題になるんじゃないですかね。(日本人会館へある日本人の老人が来て、「もう食えない、助けてくれ」と泣きついている場面に遭遇したと、友人から聞いたこともある)

そして中には「自国にはいられない人」「国外に逃げたい人」も世界には多くいるわけで、そういう人たちが「とりあえずマレーシアに行こう」となったら大変なことが起きるんじゃないですかね。

実際に、すでに香港はあんなことになっているし、中国から脱出したい人たちに取っても「マレーシアは最高の逃げ場」になる。マレーシアに来てから収入がなくてもビザは取れるわけだから、とりあえずビザを取ってしまえば「10年の滞在ができる」し、ゆっくりその後の身の振り方を考えるなり、すでにマレーシア在住の「同郷人」を頼って「違法就労する」なんてことになるんでしょう。

私はマレーシア政府はもうその兆候を掴んでいるのだろうと想像しています。

MM2Hの問題点は

○ マレーシアに渡ってからの収入は一切、関知しない。ゼロでもビザは取れる。

○ 年齢制限がない。

○ ビザの有効期限が10年間という非常に長い期間である。そして「更新も簡単」。

○ マレーシアに実際に住まなくてもビザを維持できる。

これほど緩いビザって世界のどこを探しても無いんじゃないかと思うくらいで、でもま、当初はこれだけ条件が良ければ申請者も多いだろうと簡単に考えていたフシがある。

でも現行のMM2Hビザってもうマレーシアにそぐわないと言えるのかもしれない。「便利な長期滞在ビザですよ~~。みなさん、いらっしゃ~い」なんていう「観光局」から本職の「移民局」に変わったのもマレーシアの本音、計画が見えるような気もするわけです。

わざわざ観光局から移民局へ変えたということは「ビザ自体も変えたい」からだと考えるのが妥当で、「移民局に変わっても従来と同じです」だとしたら、私はマヌケだと思うくらい。でも私が知っているマレーシアは「外人、外国をどう使うか」に関しては天才的で、マレーシアの歴史がそれを証明していると思うんですよ。だから何か新たな計画を持っているとしか私には思えないのです。

そもそもMM2Hという世界にも珍しい特殊なビザを作った事自体、マレーシアって天才だと思うくらい。そして今、マレーシアは「MM2Hの次なるもの」を考えているんじゃないですかね。

問題は「すでに持っているMM2Hビザがどうなるか」ですが、「すんなり更新できるのかできないのか」が心配。

これもまた考えても意味がなくて、「更新条件は時代に合わせて変わるものです」と言われればそれで終わり。そしてビザとはそもそもそういうものだから、「文句を言う人はただのクレーマーと同じ」ってことになる。(更新条件は将来も変わらないという【トップの人】から言質を取っているという人もいるけれど、その言葉を信用し自分の将来を預けるのは無謀だと思う)

ただし私の経験上言えることは「更新条件を大きく変えることは少ない」「取得条件、更新条件を大きく変える場合には新たなビザを作る」「古い(現行の)ビザはそのまま(二種類が同時に存在することになる)」ということ。そうじゃないとビザがコロコロ変わるようでは「生活設計が出来ない」し、それは本人にとっても国にとっても良いことではないから。でもそれを決めるのは「その国」であって、外国人が口出しできることではない。

更新条件を変えるにしても「最低、1年前にはその詳細をアナウンスする」のが当たり前だと思いますが、それを決めるのはマレーシア。

だから「自分の意志で住み続けたい」場合は【永住権を取るしか無い】ことになるし、それは私が何度も何度もこのブログで書き続けてきたこと。

でもマレーシアの永住権を取るのは「不可能に近い」わけで、つまり「マレーシアに渡って好きなだけ住むことは【現実的には】不可能」ってことだと私は考えています。

そんな~~なんて思っても、では世界のどこに「永住権も持たない外国人に好きなだけ住み続けさせてくれる国があるのか?」と私は聞きたい。

そもそもMM2Hというビザそのものが「世界的にも異常なぐらい緩いビザ」だという認識が必要で、今後、これが「世界的にも普通のビザ」になったところで何の不思議もないはず。

年寄りのロングステイヤーは長く生きることも無いし、年老いて海外で生き続けるのは簡単ではないし、マレーシアで仕事を続けないと生きていけないわけでもないし、どうにか諦めも付くとは思いますが、「若くしてMM2Hを取り、家族で住む人達」は真剣に考えないと【根底から計画が崩れる】可能性もあるんじゃないですかね。またMM2Hは子どもたちが成人したら「新たなビザ」を取らないとならないし、やっぱりマレーシアに住むのは「足がかかりとして」以上のものにはならないんじゃないですかね。

じゃ、マレーシアが駄目ならどこへ行くのか、あるいは最終目的地はどこなのかってのが大事で、どこの国でも「簡単に長期滞在が出来るビザ」なんて無いのが普通だし、「永住権も年々、取得が難しくなる」のが当たり前で、本来は「マレーシアを足がかかりとする事自体が間違い」かもしれないと考えるのも大事だと思います。グズグズ準備をしている間に、本当に行きたい国との距離はどんどん開いていくという現実を見る必要があるんじゃないですかね。

いやいや、適当なところで日本に帰ります。というのならノープロブレム。

海外で住み続ける。しかも家族もいて子供の将来も考えると、なかなか簡単にはいかないのが現実。特に子供は「小さい頃から住んでいる土地を【故郷】と考える」傾向が強いし、日本人として育てても「中身はローカル」なんてことが普通に起きる。そういう子どもたちが、ある日ある時「海外に出ないとならない」とした場合、それって日本に住む日本生まれの日本人が「ある時、日本から出ろと言われるのと同じ」だということも考えないとならないんですね。

ここのところに気が付かずに「海外で子育て~~~♫」なんて考えていると、子供が可愛そう。

我が家の場合は、「いつか日本に帰らないとならないかもしれないから、日本語の勉強はもちろん、日本の学校の勉強に遅れるようなことは無いように」と子どもたちを脅かしながら育てました。でもゴールドコーストで3歳、1歳からずーっと育ち住み続けていた子どもたち(現在は二人共30代)は「バナナ」になりました。皮は黄色だけれど、一皮剥くと白です。そして二人共「俺達の故郷はゴールドコースト」だと言いますし、「日本で住む?絶対に嫌だ」と言います。でも彼らも永住権を持っていますし、オーストラリアに住み続けたければそれは可能。

私みたいな根っからの日本人には「いつか日本に帰る。帰っても良い。それも仕方がない」というような考え方があるのが普通だと思いますが、【海外で育った子供にはそういう考え方はない】んですね。それどころか親が気まぐれで決めた海外生活のその国を故郷と思い、愛し、いつまでもそこで住み続けたいと思うようになる子供も多い。それって私達日本人が祖国愛、郷土愛を持っているのと全く同じ。(だからそうならないように一つの国に長期で住まないように考える親もいる)

自由を求めて海外に出たとすれば、その自由を子どもたちにも確保するのが親の責任(永住権を取る)で、「僕はこの国に一生住みたい」というのであれば、それも出来るようにしてやるべきだと思うんですよ。「それは自分で考えろ」なんて突き放すとしたら、それは親の責任の放棄だし、子供は「難民と全く同じ」になる。では「子供にもMM2Hを取らせる」なんてのは論外で、就労の自由もなく、社会保障も全く無い、【長期観光ビザと同じ】のMM2Hで子どもたちが暮らし続けられるわけがない。

でも海外の子育ても「留学に毛が生えたもの」で止めておくならそれはそれで良いと思うんです。

子供って小さいうちは「親のおまけ」みたいなもので、何でも言うことを聞くけれど、ある時期から「自分はこうしたい」という自我が強くなる。

ま、その時はその時で「好きにすれば?」「自分でどうにかしろ」というのも一つの道からもしれないけれど、私が子供ならそういう親を恨むと思う。「チャンスを作ってくれて有難う」なんて絶対に思わない。

海外で暮らす駐在組もこういうことはよーく知っているから、「ある時期になると日本に子供だけ返す」とか「将来的に永住権が取れる先進国に子供だけ留学させる」とかやるんじゃないですかね。

「市民権」「永住権」が無い限り、自分の好きなようにその地で生きることは【絶対に不可能】という事実を元に計画は練るべきで、それは遊ぶために来たロングステイヤーも同じだと思います。

海外に出たら「命の次に大事なのは【ビザ】」だと思ってる私。

これって日本に住んでいて、もし「日本の国籍、永住許可もないとしたらどうなるか」を想像すれば誰にでもわかるはず。

 

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