マレーシアの鶏肉には概ね満足しているのですが、ある和食店で食べた鶏肉が美味しかったのが忘れられず(聞いたらカンポンチキンだとのこと)、またフリーレンジの鶏(丸鶏)もRedtickから買ったら美味しかったこと(今、もうそれは売っていない)もあって、美味しい鶏を売っている店を見つけて、いつでも家で食べられるようにしたいとずーっと思っていました。
でも探すのは難しいですよね。その時その時、当たり外れもあるだろうし、我が家の場合は「通販」ですから現物を見ることも出来ません。
ところで、以前から興味を持っていた「鶏肉店」があります。
鶏肉店というか、様々な種類の「地鶏」を扱っている店(農場?)で、いつか食べてみようと思いつつ月日が経ってしまいました。
そしてその店は「オーダーのあった鶏は【朝締めしてその日に出荷】する」のが売りみたいで、鶏は牛や豚と違って「寝かせてない新鮮なのが一番」ですから気になっていました。
この店。
そういう地鶏は「一羽まるごと」買わないとなりませんが、我が家は「胸肉は大嫌い」「食べるのはもも肉だけ」ですから、一羽まるごとって困るんですよね。胸肉はいらないし、でももも肉は一羽に二本しかありませんから。(笑)
我が家が鶏肉を買うときには、基本的には「ドラムスティック」なんですが、一度に16本以上は買います。ってことは8羽分。また料理によっても使い分けるのですが、「骨なしのもも肉」を買うにしても8枚(4羽分)以上は買います。マレーシアのブロイラーは日本に比べて小型で出荷するので、どうしても本数は多くなる。日本みたいに骨なしのもも肉が300グラムというのは売っていない。ドラムスティックも手羽も日本より一周り小さいのが普通。
小型であるのは「まだ若すぎる」と私は考えていて、その方が柔らかいにしても「いわゆる【若鶏】でまだ味がちゃんと乗っていない」んじゃないかと思っています。
どちらにしても丸ごと一羽ってどうにもならないのね。大量に残る胸肉をどうするべきかがわからない。
でもその店は「普通のブロイラー」も売っていて、それは【部位ごと】に買える。
とりあえず、鶏の専門店だから、ブロイラーも他とは違うかもしれないと思って買ってみたんです。
これが大当たり!\(^o^)/
骨なしのもも肉は1キロ4-6枚なので2キロ買いました(2キロで31リンギ)。後日、唐揚げに使うつもりで冷凍しましたが、最近、ドラムスティックに代わって上もも肉(骨付き)も良いと思うようになって、それも買ってみました。これは1キロで5-7枚(1キロ12リンギ)。
5枚ありましたが、とりあえずこれを一晩マリネしてから唐揚げにしてみたんです。骨付きのままです。
これがジューシーなんてもんじゃなくて、噛んだときにスープが出てきて、「ジュルっとすすらないと垂れちゃう」くらい(笑)。そして美味しい。これだけ美味しい鶏肉(普通のブロイラー)を家で食べたのは初めてかもしれない。(写真は撮っていません)
そしてその肉とは別に、「カンポンチキン」も一羽だけ買ってみたんです(一羽丸ごと33リンギ)。
3人で食べるのに一羽って中途半端なんですが、とりあえず「トライアル」ということで。
丸々一羽ですから、久しぶりに丸ごとローストチキンにしようと思ったのですが、オーブンで焼く一羽丸ごとのローストチキンって私には難しすぎて美味しく焼けないんですよ。せめて半身とか、平らにしてしまえば焼きやすいので、どう調理するか決めないまま、とりあえずペッチャンコに。
背骨をハサミで切り落とし、裏返して胸を上にして「両手で押し付ける」とペッチャンコになる。これならオーブンでも焼きやすい。(この状態を【Spatchcock Chicken】と呼ぶ)
それをどう調理するかしばし悩んだのですが、この鶏の美味しさがダイレクトにわかるのは蒸し鶏でしょうし、あるいは水炊きだろうと思ったので、結局、全てバラバラにして「チキンストックで茹でて食べる」ことに。
これも美味しかった~~~。
味がしっかりしていて、身はブロイラーに比べて硬めということでしたがそれを感じることはなく、やっぱりジューシーでした。この肉も「骨付き」で調理しましたが、骨付きなのも美味しい理由の一つだと思います。手を入れていないほど良いし、また骨付きだと肉が縮まらないのね。
また鶏の皮好きとしては嬉しくなってしまうくらい、皮がしっかりしていて美味しかった。マレーシアの鶏肉の皮って薄くてペラペラなのが普通なので、これは特筆すべきことだと思う。(笑)
大当たりでした。鶏肉ってこうじゃなくちゃと思いました。
マレーシアの鶏肉の多くは小型なのね。日本に比べても鶏肉が小さい。これはマレーシアではそれが好まれるのか、生育時間を短くすれば回転率が上がるわけで、ちょうどこの小ささで出荷してしまうのが一番効率が良いのかと思ったり。日本の養鶏業者の「なぜ、貴方の鶏は美味しいのですか?」という質問に「一週間程度、普通の鶏より生育時間が長く、それだけでかなり違う」と言っていたのが忘れられません。ブロイラーは成長が早いわけですが、この一週間伸ばすというのは「採算が悪くなる」のは間違いがなく、「もうちょっと育てればよいのに」という理屈は通らないんでしょうね。(ブロイラーは日本では一般的に40-50日で出荷。地鶏は倍近い生育期間を掛けて育てるそう)
だからフリーレンジやカンポンチキンって、育てる環境が違うだけではなくて、生育期間が長いのが特徴で(ブロイラーとは生育スピードも違う)、当然、それだけでも「味の違い」「価格の違い」として出てくる。でもかつて、マレーシア人はそういう鶏ばかり食べていたんでしょうね。ユーチューブで調理関係を良く見ますが、使っている鶏肉が普通のブロイラーとは違うのが見ただけでもわかることがあるし(まず身の色が違う)、そういう昔ながらの鶏を使う個人、お店って多いのかもしれない。もしかしたら鶏が美味しい店はこれが理由かもしれない。
でも丸鶏、しかもカンポンチキンは、我が家ではちゃんと水炊きでもやるときぐらいしか出番はなさそうです。上にも書いた通り、唐揚げにするとしたら4羽は買わないとならないし、大量に余るであろう胸肉をどうするべきかもわからない。ちなみに、今は撤退しましたが、水炊きが美味しかったLOT10にあった「博多水炊き とり田」は「普通のブロイラーの鶏肉を使っている」と言っていましたっけ。
これは水炊きにしても同じですが、ちょっと調べたところ、胸肉は鶏皮と合わせて【鶏団子にする】という手があると。丸鳥を買うということはヤゲンナンコツもあるわけですから、美味しい鶏団子になるかもしれない。
またカンポンチキンですが、丸鶏じゃなくても2、4,8,16,24分割もサービスでやってくれるので、次回は8分割で注文するのもよいかと思いました。それが2羽、あとはスープ用に鶏ガラ、ひね鶏、鳥の脚(モミジ)があれば、我が家3人でも十分かもしれない。
8分割だとこんな感じになるのかな?胸肉は全てミンチにして「鶏団子」を作るか、別にとっておいて「水晶鶏」にすればどうにか使えるかも。(水晶鶏にすると胸肉でも美味しく食べられる。基本は、薄切りにして片栗粉をまぶして茹でるだけ。こんな風になる。)
久しぶりに「将来が楽しみな鶏肉」を手に入れることができました。
このお店は「7-8種類の地鶏」を扱っていますので、それもまた順次食べてみたいなぁ。