とうとう来ましたね~。倒産は秒読み状態だと言われながら、中国特有の延命がなされていたんでしょう。しかしとうとう「アメリカで破産法の適用申請」をしたとのこと。
負債総額はなんと60兆円(諸説は色々ある)を超えていて、直近の二年だけでも「損失は11兆6千億円」もあった。
凄いですね~。60兆円を超える負債って日本の国家予算の半分ぐらい。
ここで忘れてはならないのは、これは「氷山の一角」でしかなくて、似たような状態の大手不動産会社は他にもある。中小もいれると恐ろしい金額が中国の不動産業界だけで焦げ付いている。
どうなりますかね~~。
最近、あえてブログには書きませんが、アメリカもどんどんほころびが見えて来ていて、世界を見渡すと「日本は結構良い状態」かもしれない。でも世界が大嵐になれば日本もただではすまない。今後来るであろう大不況はリーマンショックを超えるという専門家も少なくない。あのリーマンショックではとんでもない影響を受けて「もう俺は終わった」と思った私としては心中穏やかではありません。
アメリカがどんな状態なのかは、データを元に解説しているユーチューブ番組を見ると良いと思っています。すでに何度か紹介していますが・・。
ここからは毎度の与太話。
日本の世間を見ていると【投資をするべき】という論調が大半を占めていると感じます。いわゆる株式投資ですが、政府も後押しをしている。
老後の問題も含めて「新たな収入」を得るためにも資産運用を真剣に考えろという風潮。
私はこれは非常に危険な状態だと思っていて、「株式投資も良いかもしれない」と考えるのは、今までのアメリカ株投資や安倍政権後の日本市場の動きで利益を出した人たちの前例を見ているから「俺も・・」と考えるのだろうし、中には「株式投資は絶対にするべき」だと考える人が増えているのが気になっています。
本当にそれでどうにかなるのなら、世界の長い歴史の中では金持ちだらけになっているはずなのね。
「利益を出した人たちだけを見て、将来を想像する」のは馬鹿げているとしか私は思わないんですよ。
でもこのままじゃどうにもならないから・・・と思う人は多いのだろうし、政府も「あなた達、自己責任でどうにかしてください」という責任逃れにも私には見えるんです。
でも「他の収入を得ることは重要」なのは間違いはない。でも「株式投資をやれば?」というのはあまりにも安直だと思うわけです。
当然、それでうまく利益を出す人も出てくるだろうし、大損する人も出てきて、「なかなかうまく行きませんねぇ」という【毎度のパターン】になるのが世界の歴史だと私は思っています。
これは近年大流行の「不動産投資」も同じで、誰でも参入すれば大家さんにはなれるにしても大きく儲かることばかりじゃないのは報道を見てもわかるじゃないですか。
じゃぁ、株式投資はしないほうが良いのかということでもないわけです。
ただどんな分野でも「素人が簡単に利益を出せることは無い」ということだろうと。
私としては「長期投資が不得手」でもあるからそう思うのかもしれませんが、「どういう企業の株が上がるのか、下がるのか」「株式市場全体が良くなることを期待してインデックスファンドが良い」とか、そんなことが素人にわかるわけがないじゃないですか。そもそも「株が上がる(下がる)理由がわかるのか?」とも思う。この理由、要素は非常に多くて、何をどれほど重視するかで投資判断は真っ二つに分かれるほどややこしいのが普通。そしてそれは刻一刻と変化するのが市場。
そういう複雑怪奇な市場を理解することもなく、判断することさえできないのに「持っていれば儲かる。資産が増える」と考えるのっておかしくないですかね。
でもアメリカの株式市場の今までの動き、日本の近年の動きを見ると、「儲かるかもしれない」と思うのもわかる。
たとえばアメリカのS&P500の月足。1998年から現在まで。
日経225の1982年から現在までの動き。
アメリカの動きは異常ですが、本来、景気は順繰りで変化するし、国そのものの経済も常に変化するのが普通じゃないんでしょうか。
その変化が続く中で「大儲けする、大損する」人たちがいて、その時その時で世の中の風潮も変わるのね。
私みたいに40年もこの世界を見ていると、その世の中の変化もよく分かるんですよ。株が上がっている時代は、本屋に行くと「投資関連の書籍が非常に多い」し、下落が続く時代になるとその手の書籍は姿を消して「株式で利益を出そうなんて安易な考え方は捨てるべき」という論調が世の中に増えてくるのね。
でも「どんな時代でも利益を出す人」もいるし、「大損する人も常に存在する」のがこの世界。
私が「素人は手を出すべきではない」と思う理由は一つだけなんです。
一般的には「売買ポイントを見たり、投資行動をコントロールすることが出来ない」から。
これって車の運転免許も持っていない、車を運転したこともない人が「自家用車があれば便利だよね」と車を買うのと似ている。
「ラーメン屋が流行っている」と、料理経験さえも無いような人がラーメン屋を始めるのに似ている。
これでどうにかなると考えるほうが狂っていると私は思うわけです。
でも世の中はプロや専門家でさえも「投資しろ」と言う。政府までもそれを後押しする。これって「目をつぶってギャンブルに大金を突っ込め」というのと同じじゃないんですかね。
大事なことは「するかしないか」ではなくて、するならするで「ちゃんと学んでノウハウも覚える」ことじゃないんですかね。「投資をしろ」という掛け声ばかりで「どうやったら勝てるか」の【深掘りがない】っておかしくないですかね。これって「カジノに行けば儲かりますよ」というのと全く同じだと思うんですよ。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」なんてことは絶対に考えないほうが良いと私は思います。
昔から「手に職を持つ重要性」を説く人たちは多いですが、今の私もそう思うし、「技術も何もない」のに投資で利益が出るわけがないじゃないですか。これって学校教育を否定しているのと同じで、学歴偏重は良いことではないにしても、【中学を卒業したらすぐに起業したら良い】というのに賛同する人は少ないんじゃない?
でも今の「株式投資をしましょう」という風潮はそれと全く同じだと思う私。
でもどんな仕事でもどんな投資でも「目の付け所」が重要で、そして何をするにも「キモ」があるわけで、それを理解した上で始めるのならチャンスはあるとは思っています。
そして、世の中は「チャレンジなくして何も起きない」のも間違いが無いんじゃないでしょうか。
だから株式投資も良いと思います。ただそれに参戦するのは戦場に出ていく兵士と同じで、「戦い方を知っている」のであれば、というのが大前提。だからしっかり訓練もしないとならないし、研究するにしても「うまく行った良い話」ばかりではなくて、「なぜ失敗したのか」の研究も非常に重要。私は「失敗の研究」のほうが重要だと思っていますが、これってなかなか表には出てこないのね。でも「自分で経験しなくてはわからない」なんて簡単に考えているといくら資金があっても足りない。
人は「うまく行った話」は自慢げに話すけれど、「失敗した話」はしないのを忘れてはならないし、株式投資で損失を出した人のほうが世の中には多いのが現実。
でも「インデックス投資なら大丈夫」となぜ簡単に信じてしまうのかが私には不思議。確かにアメリカのリーマン・ショック後の動きは凄い。でもその前を見てくださいな。
もう一度、アメリカのS&P500の月足を出します。
まずは「負けない方法」「負けても大敗しない方法」を考えるべきだと私は常日頃思っていて、「負けても大丈夫な状態をどう維持するか」がわからない限り、投資に手を出すなんてことはすべきではないと思っています。
ネットの中も書籍も「どうやって儲けるか」の情報が溢れていますが、基本的にネットの情報が見られれば、あるいは書籍が売れれば彼らのビジネスは成功であって、読者がどうなるのかは「自己責任」で終わらされる。ですから、知識も経験も無い人が「本当に重要な情報に出会うことは非常に稀である」のを忘れてはならないと思います。
インデックス投資を毎月積み上げるとか、安くなったら買い増しするとか、それでどうにかなるなら世界から貧乏はいなくなる。
なくなっても構わない資金ならどう使おうと大丈夫でしょうが、「自分の、家族の将来をそこからの利益に依存する」ことがどれほど危険か。
普通に働いていれば普通に生活できる時代ではなくなったのが非常に残念ですが、これは「成り上がる大チャンスでもある」という考え方も重要かもですね。リスクがないところに利益もないのは間違いなし。だから「運に任せる」のではなくて、しっかり学んで経験を積めばどうにかなる、というかそうしているアマチュアやプロがしのぎを削っている世界であることをお忘れなきよう。多くの天才を抱えている大企業や機関投資家とて常勝できるわけじゃない世界。
ちなみに今現在の私は株式の長期投資はしません。経験だけは20年以上ありますが、どう頑張っても私には「将来が全く読めない」わけで、常にギャンブルをやっている状態に耐えられないから。また911テロなどの大きな事変を何度か経験していますと、夜中や土日、休みが怖くなるのね。株式市場が閉まっている間に世界で何かが起きると次の日は「大暴落」なんてのを経験するとその「何か起きるのではないか」という恐怖に耐えられないのね。
長期投資をする場合は、「どこに行くにもパソコンを持参し、世界の動きを見張る」なんてのは普通で、またもしそこまで気にならない投資額だとしたら勝っても負けても大したことはないわけで、なかなか普通の人はそれで大きくなることは難しいと思います。
また私の父もかつては「相場師」で、二度の大敗を経験した(破産はしていない)のを間近に見ていたのも、私が長期投資にのめり込めない理由でもあります。だから私は気楽な「超短期投資」が好きです。「リスクの大きさはポジションを持つ時間に比例する」という考え方が基本にありますし。