とらふぐコースを【吉成@ハタマス】で食べてきた

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ハタマスにある「吉成」というお店は結構気に入っている店なのですが、その店でやっている「とらふぐコース」を食べてきました。一週間前に予約ね。

私は江戸っ子ですし、そもそも【白身の魚】は得意じゃないのね。バカ舌ということもあって、どうも白身の魚の美味しさがわからない。それはフグもおなじで、今まで感動したこともなければ「こんなもん?」って感じなのね。

ふぐちりは美味しいと思うけれど、てっさ(刺し身)で美味しいと思った覚えがない。きっと安いサバフグでも違いはわからないかもしれない。

でもヨメさんは福岡の内陸部出身で、刺し身はほとんど食べないのだけれど「ふぐだけは別」なんだそうで、大好きなのね。

だから今回は「ヨメさんのためにとらふぐコースを食べに行った」って感じ。

吉成のフェイスブックはここ。

Yoshinari Restaurant、クアラルンプール - 「いいね!」1,455件 · 24人が話題にしています …

とらふぐコースはこれ。

まずは生ビールで乾杯。最近、巷では「サッポロビール」が頑張っていて、あちこちの店で「アサヒからサッポロへ乗り換えするケース」が出ている様子。

その後、すぐにてっさ(刺し身)が運ばれてきた。いや~~、久しぶり。何年ぶりだろうか(今年の1月4日に創@ガーデンズで少量だけど食べたのを忘れてた)。ヨメさんのあれほど嬉しそうな顔を見るのは久しぶり。

てっさには「ふぐねぎ」と呼ばれる「細いネギ」が大事だと思うのだけれど、それは無かった。ふぐねぎを巻いて食べたかった~。

そして、煮こごり、追加で頼んだタラの白子、イワシの刺身。

このイワシの刺身は半端じゃなく美味しかった。イワシも久しぶり~。

どうも「アジ」や「本マグロ」もあるというので、それも追加。

ただこのアジはローカルのアジで、やっぱりイマイチでした。ただ「日本のアジが美味しい時期には日本から仕入れる」とのこと。シェフの古本さんはこの辺の「旬」にも拘る人で、「貝類が美味しい時期には貝類を日本から入れる」とのこと。私の大好きな「赤貝」も時期にはコースメニューに載せるらしい。

本マグロの刺身盛り合わせの写真を撮るのを忘れましたが、ま、冷凍はしていないとはいうものの、期待したほどではなかった。

ひれ酒。これは結構美味しかった。何十年ぶりだろうか。

そしててっちり(鍋)。

私はふぐは鍋が一番美味しいと思う。古本さんも「これがメイン」と言っていたけれどそのとおりだと思う。

日本酒も1合つづ頼めるのでかなりの種類を飲みました。こうやって1合づつ頼めるのはいろいろ試せていいと思う。

こうやって書いてしまうとあっという間ですが、2時間掛けて食べて飲んでおしゃべりしていい気分。

ヨメさんは終始上機嫌で、あれほど嬉しそうでおしゃべりなヨメさんって久しぶり。

とらふぐコースって2~3人前とのことで、大食い家族の我が家としては量が心配だったのですが、皆がお腹いっぱい。苦しくなるくらい食べました。食べ過ぎ~~~。そして飲み過ぎ~~~。

で、会計となったわけですが、追加注文やお酒も結構飲んだので、1700リンギ(約5万4千円)超えになってしまった。3人でこの金額って我が家としてはかなり珍しい金額で、普段はこういうお金の使い方はしない、出来ない。今回は特別。

店を出てからGrabの車を待つ間に、「良く食べたね~。飲んだね~」と話をしながら、「点数をつけるとしたら何点?」という話に。ま、これはどんな店でも、店を出てから家族で点数を言い合うのは我が家のお約束。

息子が最初に言いだしたのですが、点数としてはかなり厳しい点数。あえてそれは書きませんが、私も同じ点数。ここで驚いたのは上機嫌だったヨメさんです。私や息子よりかな~~り厳しい点数をつけた。

なんで?って話になったのですが、やっぱりマレーシアでとらふぐってのは無理があるんじゃないかってことなのね。お店が悪いとか、腕がないとかそういうことじゃなくて、そもそもマレーシアでとらふぐを食べようなんて思っちゃいけないのかもしれない。ふぐ好きのヨメさんだからこそ、そういう点数になったのだろうと思う。

また「とらふぐ」と言っても「活」で輸入されるわけじゃなくて、多分、解体した「身欠き」という状態で入ってくるのだろうし、そもそもそこに限界があるのかもしれない。ふぐ好きって「活魚」を食べることが多いから、違いがはっきりわかっちゃうのかもね。(私には良くわからない)(笑)

でも吉成のシェフである古本(こもと)さんの拘りようというのはよく分かるし、店がイマイチなのではなくて「私達の選択ミス」ってことだろうと思いました。

でも最後の「おじや」は美味しかったのでオッケイ。

やっぱりこのお店は良いと思います。

決して高級店ではないし、「お金持ちでもない普通の人達にリーズナブルな価格で手をかけた料理を出したい」というところに拘っているのね。だから素材にしても決して「最高級のもの」を出そうとはしていないし、逆にそういうものをだすことに興味がないようなシェフ。

この辺は私も良く理解できるし、素材も「ローカルの素材」を出来るだけ使おうと努力しているのね。それは当たり前といえば当たり前で、日本からの良い素材ばかりにすれば「良いもの」ができるにしてもそれじゃ価格は跳ね上がるし、そういう良さをこの店は狙っていないとシェフの古本さんは断言する。

でもやっぱり「ローカルのアジ」は新鮮さでは日本産に負けないものを見つけて提供しているとは言うけれど、はっきり言って全然美味しくないのね。これは私もグアムやオーストラリア、そしてマレーシアでも何度も経験しているけれど「アジが美味しくない」のが当たり前の世界。それだけ日本の魚介類って凄いってことなんだけれど(その時期に良いものしか流通させない)、海外、それも南洋の魚が美味しいということはまず無いと私は思う。

そんな話を古本さんとも話していたのだけれど、「マレーシアには美味しいマグロもある」と言うのね。でもそれは毎日のようにマーケットに行く古本さんでも「たった一度の経験」だという。

これって私がかつてNSKで見つけた「スマガツオ」を思い起こしました。これほど美味しいスマガツオは食べたことはないと思うくらい美味しかったのだけれど、長年、探し回っても「たった一度きり」だったわけです。そういうのに巡り合うのは交通事故みたいなものなのね。

その時のスマガツオ。

彼は「素材にこだわらない」ということではないけれど、「日本の最上の物を使おう」という考え方は全く無いのね。逆に、「ローカルのもものでもここまで美味しく出来る」「旬のものを出す」ということにプライドを持っていて、「金持ちでもなんでも無いローカルの若い人たちに和食を提供したい」という考え方が中心にある。

私はこういう考え方には感銘を受けるし、ゴールドコーストでもシドニーでもニュージーランドでもそういう日本人の職人っていたのを思い出します。でも非常に稀で、彼らは自分の足で良いものを探してくるのね(これってかなり難しい)。日系の和食材輸入商に注文を出すだけ、というのとは大きな違いがある。そして「できるだけ安く、和食らしく手をかけたものを提供したい」と考える職人さんも間違い無くいる。

私は吉成の古本さんもそういうタイプだと思うから、私も応援したいと思うわけです。

ただし、「価格は正直」でもあるわけで、古本さんの志は素晴らしいと思うけれど、料理の内容に大きな期待をしてはならないと思います。それは当たり前のことで、そうじゃなければ「高級店」の意味がなくなる。

当然、客もいろいろいますから、客が望めばなんでも取り扱うけれど、それは自分としては面白くないとはっきり言う。今回のとらふぐコースも同じで、「簡単だ」というのね。どんな美味しい魚だとしても、例えば切って出すだけの刺し身は面白くもなんとも無いと。

だから彼の店では「リーズナブルな価格のコース」に注力している。

毎月メニューは変わりますが、ここに彼はやりがいを感じているのはメニューを見ても伝わってきます。

たとえば1月のメニュー。

2月のメニュー。

これとは別にアラカルトメニューがあって、それをネットに公開していないけれど、結構いろいろ種類がある。刺身類は常時3種類置いてるそうで、単品でも面白そうなのは結構あって、私みたいなわがままな客にも一応対応はしているけれど、「コースメニューを堪能して欲しい」と彼は言う。

「要望があれば何でも対応します」と彼は言うけれど、「本当はやりたくない」と暗に言いたいのも伝わってくるのね。(笑)

美味しい刺身類をいろいろ食べたいのなら、「そういう店に行ってください」とも言うし。そしてそれは「事実」であって、「安くて美味しいものを食べよう」と調子の良いことを考えても無理だろうと思う。でも吉成は「コスパの良い店」だとは思う。

古本さんは「自信がある人」にも見えるけれど、「自分がやりたいように、全力を尽くすことを楽しんでいる」のは間違いがないと思いました。「自分の世界」を作って大事にしている人。

そういう職人気質って私は好きだし、私の要望は横に置いといて、「彼のやりたいように任せてみる」のも良いと思いました。

ああ、毎月のコースとは別に、なにか好きなものを選んだ上での「おまかせ」もやると言っていました。でもまだスタッフが育っていないので「客とのコミュニケーションが取れないから難しい」とも言っていた。

これって「え?」と思いますよね。そもそも「おまかせ」なんですから客とのコミュニケーションも何もないじゃないですか。でもね、古本さんと話をしてわかったことは、「客の好みを考えた上でのおまかせ」ってことなのね。

これを聞いて私は嬉しくなっちゃいました。おまかせの店って多いけれど、それって「店の都合でメニューを組み立てる」ってことですよね。それっておまかせというより、ただのコース料理。でも私の考えるおまかせとは、【私に合わせた、私が喜ぶようなメニューを組み立てるのをまかせる】という意味なのね。それが本来のおまかせじゃないですか。一般的なおまかせって私にしてみると「押し付け」でしかないのね。好きでもないものを並べられて「さぁどうだ?」なんて顔をされても困るだけ。

そもそも「通い慣れた店」って何も注文しなくても「サッと私の好きなものを出してくれる」のは街の小さな飲み屋でも同じだし、「今日はXXXXの良いのが入ってます」という時には、私がそれを好きなのを知っていて言うのね。私が好きじゃないものなのに「良いものが入ってます」なんてのはプロじゃない。

そういう意味でも吉成の古本さんとは気が合いそうです。

今、フト昔大好きだった溜池にあったステーキハウスを思い出します。魚介類も扱っていて、ステーキを食べに行ってもフルコースみたいなお店。そこへ行くと、私は「お腹のすき具合を言うだけ」だったのね。そしてメニューは私が好きな物を中心に、量も考えて組み立ててくれる。

その店に通うようになったキッカケも思い出します。かつて友人にそこへ連れて行ってもらったのですが、その後、半年ぐらいしてからでしょうか。良い店だったので自分で行ってみたんですよ。そしてステーキを注文して、焼き具合を言おうと思ったら、【承知しております。ミディアムレアのレア寄りですね?】という答え。

驚きましたよ~。一度しか行ったことのない店なのに、私の好きな焼き方を記憶していたんですから。でもこういう文化って日本のナイトクラブの黒服にもあって、一度来た客の名前は忘れないとか、ホテルのドアマンも顧客の名前は覚えていて、客が店やホテルに入る瞬間、名前と共に声を掛けるのね。だからごっそりチップで稼げるし、でも名前を覚えるのは最初の一歩でしかない。

マレーシアのマンダリンオリエンタルホテルでもエレベーターの前にいるスタッフに名前で呼ばれて驚いたことがあります。チェックイン時に客の名前がすぐ伝達されて、その客の動きを目で追っていたんでしょう。で、このステーキハウスのシェフは半端じゃないと思って通うようになりましたが、そのシェフも変わり者で、場所柄、商社マンの客が多かったのね。で、「ニューヨークのXXXという店の美味しさが忘れられない」なんて話を聞くと、店をちょっと閉めてニューヨークに行って食べてくるような人。気になって仕事に手がつけられないのかもね。(笑)

私にとってあれほどのプロ意識を持ったシェフに会ったのは彼が最初で最後でした。

それでいてその店は高くなかったんですよ。でも食材も良いものばかり仕入れるし、そんな商売をしているから常に大赤字だったみたいで、数年後には閉店してしまった。

そんなことを思い出させてくれる吉成。これからも機会があれば通ってみたい店です。

でも「大きすぎる期待」を持ってはならないとも思う。

 

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