やっぱり「牛肉」は高いし、「欲しい肉」は売ってなかったり・・

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我が家が食べる「肉類」は鶏肉が一番多いですかね。唐揚げも好きだし照り焼きやシチューでも鶏肉は大活躍。でも日本みたいに「美味しい鶏肉」って売って無くて、というか料理店では「こんな美味しい鶏肉があるんだ?」なんて思うこともあるけれど、私達がそれと同じ鶏肉を手に入れるのはほぼ無理。

そういえば私達が大好きな焼き鳥店である「酉玉@パブリカ」はかな~~り美味しいと思うのですが、聞いたところ「普通のブロイラーを使ってます」とのこと。でも毎日仕入れていて、次の日には使わないんですと。昔から「鶏は朝締めが美味しい」というのはそういうことなんでしょうね。(ということは仕入れのない日曜日は行かないほうが良いということになる。笑)

マレーシアでは「生きている鶏を売っていて、その場で締めてもらう」という文化はまだ色濃く残っているようで(法律では禁止)、マーケットに行くと「裏の方で締めている」なんてこともあるそう。つまりマーケットなら新鮮な鶏肉は手に入るってことなんでしょう。また歴史的にブロイラーが広まる以前に良く食べられていた種類もまだ多く売っているようで、そういうのを手に入れればよいのでしょうが、マーケットに行かない我が家には縁が無い。

豚肉も同じで、いろいろな種類がないのね(シンガポールでは日本の銘柄豚も売ってる)。特にスーパーで買う場合にはかなり扱う豚肉が限られていて、いつもいくB.I.G.では「小型の豚肉」しかなくて、確かに柔らかくて評判は良いのだろうとは思うけれど、「美味しい角煮を作りたい」なんて思ってもそれに合う(皮付き)分厚いバラ肉を探すのは簡単ではない。

でもそれもまたマーケットに行けば解決するだろうけれど、マーケットは我が家には敷居が高くてなかなか行く気にはなれず。

ま、「マレーシアには食材も調味料も和製調味料もなんでもある」というのは間違いがないのだけれど、「ちょっと変わったもの」となると突然、「大きな壁にぶち当たる」のね。だから私みたいな「変わり者」は【欲しいものがどれも売っていない】なんてことになる。

それは牛肉も同じで、確かにいろいろな牛、部位も手に入れられるようになったのは良いことなんだけれど、「本当に欲しいものがない」のね。これじゃなにもないのと同じ。

我が家はオーストラリアという牛肉の国に25年も住んでいたから、やっぱり牛肉がないと食生活が成り立たないのだけれど、今、我が家の冷蔵庫冷凍庫に牛肉はなにもない状態。

ヨメさんは「ステーキを食べたい」というし、私も「ローストビーフを食べたい」と思うし、「ユッケ用の牛肉は常備したい」と思っているのに冷蔵庫冷凍庫には無い。牛丼も大好きだけれど、牛丼用の牛肉もない。

ということで、それらに合う牛肉を買おうといろいろと調べているのだけれど、我が家に合うものがない。先ほど、薄切りにすれば「牛丼」にはばっちりの「WagyuのBrisket(肩バラ)」があったのだけれど「6キロ以上の塊」で、撃沈。(┰_┰)

当然、和牛やWagyuのスライス肉は売っているけれど、「この値段の牛肉で牛丼を作るかぁ?」と思うわけで、やっぱり私としては「コスパが重要」ですから、和牛やWagyuの良い肉で牛丼は作りたくない。でも「WagyuのBrisket(肩バラ)」ならグラム単価はかなり安いし、あの「脂身が多い」ところに牛丼らしさも出てくると思うのね。そしてやっぱり「Wagyuである」のは重要で、やっぱり美味しい。でもまさか「しゃぶしゃぶ用の牛肉」で牛丼を作るなんて馬鹿なことはしたくない。

マレーシアでは日本からの和牛の良い肉も入っているし、オーストリアからWagyuもあれば、アンガス牛もあるし、無印牛もあれば、ブラジル産、アルゼンチン産、インド産、ローカルの牛でもいろいろある。

ところが「輸入肉が多い」ということは【売れ筋しか輸入しない】ということでもあるのね。だから日本みたいに、あるいはオーストラリアみたいに「生産国では牛のどんな部位でも売っている」ということがない。逆を返せば「売れ筋ではない肉を安く売ることもない」ってこと。

牛肉の輸入と言ってもいろいろな形があるわけで、私達は「吊り下げられた大きな牛肉の塊り」を想像するけれど、それは「大卸」ではそういう牛肉を扱うけれど、それをブロックごとに分けて卸したり販売、輸出するのが主流で、輸入肉もそういう「ブロックごと」で入ってくるのが多い。

こういう枝肉で輸入されるケースは少ないらしい。

ほとんどの肉はこういう部位ごとの塊で輸入される。これはリブロース。こういう塊を私達も買うことは可能だけれど、ブロックは5キロ以上なんてのが普通。でもこういうのを手に入れれば、リブアイ、マキ、カブりと様々な美味しさの違うところが楽しめる。

つまりそれらは「リブロース」であったり、「サーロイン」「テンダーロイン」であったり、モモ肉も「大きな塊」で入ってくるわけで、私みたいに「オイスターブレード(ミスジ)(腕肉の一部)」が欲しいなんて思っても、非常にマイナーな部位だから輸入量は少ない。本来、どんな牛でも必ずある部位なのにね。

昔から「ランプキャップ(イチボ)」が好きだったのだけれど、最近は世界的にイチボが流行っているようで「ピカーニャ」とブラジル式の呼び名で流通していろことが多いけれど、やっぱりそれとて「マイナーな部位」でしかなくて、どこでも売っているなんてことはありえない。

また売っていたとしても和牛なのか、Wagyuなのか、アンガス牛、無印牛なのかで全く肉質も価格も違うわけで、和牛やWagyuなら「赤身と言われる部位でもサシが入っている」けれど、アンガス牛や無印牛だと「サシも入っていない赤身肉」で、それはそれで好きな人は多いにしても、我が家は「多少サシが入っているのが良い」から、Wagyuのが欲しい。

和牛の「ランプキャップ(イチボ)」。

アンガス牛の「ランプキャップ(イチボ)」。同じ部位でも全くの別物。

これは近年、我が家が気に入っているモモ肉のTopround(内もも)も同じで、和牛、Wagyuだから「サシも入っていて柔らかくて美味しい」けれど、アンガス牛や健康的だと最近言われている「牧草飼育」の肉だと、味は良くても固くなりやすくてやっぱりイマイチ。

だから和牛かWagyuの「ランプキャップ(イチボ)」や「Topround(内もも)」を探すのだけれど、「たまに見つかることはある」程度で、いつも売っているわけじゃない。また「かぶり」と呼ばれる部位には「リブロースのかぶり」もあって(イチボもかぶりの一種)、それもよいのだけれど、これまたなかなか見つからない。

また「サシが入っていると美味しい」のは間違いがないと思うのだけれど、A5じゃ「サシが入りすぎ」だし、それはWagyuも同じで、MB8~9、MB4~6、みたいにサシの入り方のランクがあって、「それが低いほうが良い」と思うのだけれど、世の中は「サシが入っている方が良い」、つまり和牛で言えばA5、Wagyuで言えばMB8以上が良いとされ、そういうものばかり売っている。

でも近年、リブロースでもサーロイン、テンダーロインでもオーストラリアからのWagyuの場合、サシの入り方の違うものを用意している専門店も出てきたのは良いと思う。

例えばこんな。こういうサシの入り方の違う肉を選べれば、塊で買ってシャブシャブ用にスライスしてもらえば、かなり「自分の家に合ったもの」を手に入れることが可能。ただしマレーシアはどの業者も「しゃぶしゃぶ用」と言いつつ【日本のしゃぶしゃぶ肉の薄さを知らない】のが普通で、厚すぎるのね。だから特別に「可能な限り薄くして欲しい」と頼まないと「厚めのしゃぶしゃぶ肉」になってしまう。

だから自分で好きなようにスライスできればシャブシャブだろうがすき焼きステーキでも可能だから「電動スライサー」を買ったんですよ。様々な肉を塊で買うことは可能だし、電動スライサーがあれば世界が広がると思った。でもプロがスライスする「シャブシャブの薄さ」ってこの手の家庭用の良いやつでも「全く駄目」なのが買ってからわかったド素人。(┰_┰)

プロと素人の大きな違いがこんなところでも思い知らされた。こういうことってミンチを作る電動ミンサーも同じで、普通に売っている家庭用の安物じゃ役に立たないのね。

上記の肉を売っている店は「Feast Market」。

ただこういうサシの入り方の違う牛肉はWagyuだけで、日本からの和牛でA5、A4、A3とか取り揃えているような店は見たことがない。というかそれは「日本の事情」があるようで、日本の和牛は「A5ばかり売れる」市場のようで、生産者も困っていると聞いたことがある。

ま、事情はどこも同じで、それが売れ筋ならしょうがないのだけれど、私にしてみると「欲しいものがない」ということになるのね。日本の牛肉オタクは「メス」「オス(去勢牛)」「メス(経産牛)」か、産地やブランドの違いも気にするみたいだけれど、それを言い出したらマレーシアで買える肉は「無い」かもね。

私は当然、そこまでの拘りなんか全く無いにしても、いろいろ探すうちにどうでもよくなって、どこのスーパーでも売っている様な肉で良いやと、スーパーでアンガス牛の塊を買ってローストビーフにしたり。これはこれで良いのだけれど満足度100%にはならない。

でも肉によって「火の入れ方、焼き方」を変えたりソースをちゃんと考えれば美味しいことは美味しいのは、長い間のオーストラリア時代の試行錯誤でわかった。ただ重要なことは、「作る前にちょっと切って食べてみて、どう調理するか決める」べきで、「出来上がりを想像して肉を買うと失敗する」ケースも多々ある。でもま、私がローストビーフが好きなのは「ローストビーフならどんな肉でもどうにかなる」からなのね。でもローストビーフならOKでもステーキにすると悲しい肉があったりするから難しいと思う。

たとえば、この写真の上の肉はローストビーフでかなり美味しかったけれど、ステーキにしたら全然美味しくない肉。

この肉はステーキにしても美味しい。

日本なら、精肉店の店頭に無くても注文をすれば簡単に手に入る牛肉がマレーシアでは「宝探しのように探し回らないと手に入らない」のね。

オーストラリアは「赤身の肉」「サシが入っていない肉」の需要が大きいけれど、近年は「穀物飼育」「和牛とのあいのこWagyu」も市場に出るようになって、こんな「オイスターブレード(ミスジ)」も手に入った。

この「オイスターブレード(ミスジ)」はWagyuだけれど、1キロ2500円という信じられないような安さ。

ま、マレーシアではまだまだ牛肉は庶民の食べ物として浸透していないと思うし、自国での生産量も少ないし、様々な部位や種類の需要がないのはわかるのだけれど、私としてはかなり残念だと思う。これは日本も同じで、「売れる部位」って決まっていて、私みたいに「あの部位、この部位」を欲しがる人は極少数派の様子。だから「売れ筋ではない部位は安い」ということがあるのだけれど、そこに面白さがあるのを気づく人は少ない様子。これは「食べ方」「調理法」の幅が狭いことも関係していると思う。

とまぁ、マレーシアで肉類も欲しいものを手に入れるのは簡単ではなくて、それは海産物も同じ。というか海産物は良いものがあるのに、刺し身で食べる習慣がないから「コールドチェーン」が発達しないのね。新鮮なまま輸送し販売するというシステムがない。でもそれはかつてのオーストラリアも同じで、真鯛でもガンガン穫れるのに、漁師は穫れた真鯛を炎天下の船の上に平気で放置したままだった時代もある。(笑)

マレーシアもそういう意味で進化はしていると思うけれど、そこそこのレベルになるのにはまだ10年、20年は掛かりそう。

ま、ピンからキリまでなんでもある日本が異常なんだろうとは思うけれど、やっぱり日本って凄いよね~~。

 

 

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