生卵は安全か?

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日本人と生卵。これは切っても切れない縁があると思うわけで、さぁ、マレーシアではどうなっているのか、それが気になりだしました。

私が歩いてきた海外は、グアム、アメリカ、オーストラリアですが、どこでも生卵は駄目と言われていました。サルモネラ菌ですね。でもそんなのは全く気にする性格じゃないので普通に大好きな卵掛けご飯を食べてきましたし、納豆に生卵なんてのも毎度の話。でも幸いなことにあたったことはありませんでした。また、あたったという話も聞いたことがない。また、海外旅行で行った東南アジアを含む各国で生卵を平気で食べてきました。

では、マレーシア。

私のマレーシアでの交友範囲なんてのは無いも同然ですが、卵であたったという話は聞いたこともなく、ブログを調べてみてもあたったという記述は発見できず。では大丈夫なのか?と思うわけですが、よくよく読んでみると、生卵は食べない、敬遠してるという人が多そう。

これって生卵大好き派の私としては気になるのでいろいろ調べてみました。で、巷で言われていることは、

○ カンポンエッグは大丈夫(理由わからず。単なる噂?)
○ ジャスコでは日本からの輸入卵を扱っている(過去形?)
○ シンガポールには除菌卵がありそれを輸入して売っている(どこ?)
○ オーガニックショップで生で食べられるという卵を売っている(Country Farms。バンサビレッジ、1ウタマ)

これらの情報はここが詳しい。。

apakhabarさんの「マレーシア転勤妻日記」 ←クリック

こういうのもあった。

マレーシアロングステイ生活のメモ  ←クリック

これは Pasteurized Shell Egg パスチャライズドシェルエッグと呼ばれ、白身が白濁しているとのこと。

Pasteurized Shell Eggのメーカー ←クリック

まず、日本の卵はどうして大丈夫なのかというのを知る必要があると思います。また、サルモネラ菌とはなんなのか、どうしたらそれを殺菌できるのか。

鶏卵とサルモネラ菌  ←クリック

殺菌工程の一例  ←クリック

これらを読んでわかることは、かなり大ざっぱに言うと、鶏卵の殻、つまり外側に菌が付いているケース(オンエッグ)が多いということ。鶏卵の中に菌が入っているケース(インエッグ)は%が少ないらしい。

で、洗浄、殺菌をするわけだけれど、それに使われるのは塩素であり、オゾンであり、各社いろいろやっている。ただ、重要なのはこの殻を洗浄殺菌しても、菌が卵の中に入っていたらアウトってことですね。で、殻の外も中も殺菌しようというのが、低温殺菌。

上のリンクを見てみるとわかるように、サルモネラ菌は62度、30分で死滅するらしいのでそれを利用する。この温度が上がると、温泉卵状態になって白身は固まるわけだけれど、この方法を取ると白身が白濁するというのもわかる。

まぁ、以上のことから、安全性の意味に於いてはこの低温殺菌されたものが一番だろうとは思うけれど、問題は果たしてそれがどこに売られていて、いくらぐらいなのか。調べる場所としてはジャスコ。またワンウタマ、バンサビレッジに店舗があるオーガニックショップの卵は生でもOKとは言うものの、どういう処理をされているのかはわからず。

しかし、日本料理屋ですき焼きを食べる時には普通に生卵が出てくるとか、マレー料理でも生卵が乗って出てくるものがあるとか、またオムレツや他の料理で充分に加熱されていないものが出されるケースも多々あるようで、普通の店がわざわざ殺菌処理をされている高価な鶏卵を使うとは思えず、実際には普通の卵が使用されているのではないかと思えてしまう。

また、鶏卵の殻にサルモネラ菌が付着しているケースが多いとなると、本来、鶏卵を触ったら手を洗いましょうとか、フキンや調理器具経由からの感染もあることから、卵を食べなければ大丈夫ということではなくて、屋台など鶏卵を扱っている店の扱い方一つで感染する危険性が充分あることになるはず。そもそも、鶏卵を割る時に注意が必要だと言われているくらいで、殻こそが注意するべき対象。

私も鶏卵にはサルモネラ菌の危険があるのは知っていたものの、まさか殻が危ないなんてことは知らず、そうだとするならば、生で食べる食べないどころか、卵を食べなくても鶏卵がそこに存在するということだけで充分な危険があるってことでしょ?

つまり、殻が問題であるならば、生卵は食べられるかという問いはナンセンスな問いであることになる。生で食べるどころか、鶏卵そのものが危険であり、当然買うべきではないし、冷蔵庫に入れておくだけでも危ない。鶏卵を触った手で子どものおやつでも作ろうものなら、子どもは感染する危険がある。

そう考えてみると、鶏卵を扱っている一般の店が慎重に鶏卵を扱っているとはどうにも私には考えられないわけで、屋台での外食などでサルモネラ菌による食中毒になった話を聞いたことがない私としては、そもそもたいして危険があるわけではないと考える方が妥当ということになってしまう。

これらのことから判断すると、生卵を食べても問題なしという私の結論が出てきそう。ま、あえて気をつけるとしたら何ができるか考えてみた。

○ 白身が白濁している低温殺菌処理をされている鶏卵がどこでも手に入り、値段もリーズナブルで、味に問題がなければそれが一番。

○ 普通に売られている鶏卵を使う場合は、
    ○ 殻からの感染に注意する。
    ○ 出来るだけ新鮮な鶏卵を探す。
    ○ 冷蔵庫で保存された鶏卵を探す。(37度で2倍にサルモネラ菌は増え、7時間で感染には充分な数になる)
    ○ 消毒をする。

そして消毒方法としては、私が自分で出来ると思うのは、

○ 沸騰した熱湯に鶏卵を入れ、数十秒で取りだして冷却。
○ アルコール製剤で消毒。
○ 強酸性水で消毒。

アルコール製剤はいろいろあるようで、これは鶏卵に限らず、家の除菌に使える。またサルモネラ菌はアルコール製剤で瞬時に死滅するとのこと。

強酸性水はアルカリイオン水生成機で得ることが出来る。(私はこれを家庭菜園の消毒に利用)

まぁ、こんなことを考えていくと、どうにかなりそうな気がしてきます。サルモネラ菌は主に殻に着いていることを念頭に置き、そしてその除菌に心がければ大丈夫かもしれない。卵を買ってきたら、アルコール除菌剤をちょっと振りかけてそのまま冷蔵庫へ入れればOKという感じでしょうか。

卵料理を扱っている店でちょっと聞いてみたら良いですね。どんな答えが返ってくるのか・・・。

調べる過程で面白い事を発見。アルコールでの消毒だけれど、アルコールの純度が高ければ高いほど良いというわけではなく、

「アルコールの殺菌最適濃度は70~80%です。80%以上になると逆に殺菌力が低下します。このことは、1910年代から経験的に明らかにされてきました。ごく最近、アルコール濃度が70%の時、アルコールと水との分子組成が1:1となり、疎水基が平面上に並んで広い疎水面を作り、細胞膜を破壊してタンパク質を溶出させるので、殺菌効果を示す。」

とのこと。ロンリコ151という75.5度の酒がありますが、あれがあればいいってことかも。カクテルも美味しいしぃ~ ^^v

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早速、上に書いた低温殺菌済みの卵を入手した方から連絡がありました。Pasteurized Shell Eggね。買った場所は、USJのジャイアンツだそうです。どこでも手にはいるようならいいなぁ。

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ところで、雑学としてPasteurized Shell Eggを調べてみました。日本人は生卵を常食しますが、卵掛けご飯は極端にしても、欧米でも半熟卵などは普通に食べられているわけで、各地でサルモネラ菌による食中毒が起きていた。で、アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)が動いた。

まず、一般に注意を呼びかけ、卵に「危険」であることの表示を義務づけた。2001年のこと。
「As of September 4, 2001, the FDA requires all retail shell egg cartons to carry an egg safety warning to the public: To prevent illness from bacteria: keep eggs refrigerated, cook until yolks are firm, and cook foods containing eggs thoroughly. 」
こうなると業界は動き出さざるを得なくなり、安全な卵の生産に拍車がかかり、Pasteurized Shell Eggが広く世の中に出回ることになった。Pasteurized Shell Eggの場合は上記の「危険」表示は免除され、安全な卵としての競争力が確認された。

その動きは各国に飛び火し、今ではPasteurized Shell Eggは多くの国で生産されているとのこと。

マレーシアのこの卵はPasteurizationの特許を持っている韓国企業とマレーシア企業との合弁会社で処理されている。2007年より操業開始。現在の処理能力は年間7200万個。鶏肉と同様に、この卵をシンガポールや近隣諸国へ輸出しようと活動中。

当然、普及を狙ってコストが一般の卵に近くなるような努力はされるのと共に、この手の処理がされていない鶏卵の生産業者も黙って見ているわけにも行かず、この処理はしないにしても衛生面での向上を計り、それを前面に出して競争が行われる方向へ動くはずでしょう。

今時、日本でサルモネラ菌を気にして卵を食べない人はほとんどいないはずだけれど、そうなるまでの歴史はあったはずで、今、世界が同じような方向へ動きだしたところ。いつの日か、生卵は大丈夫?なんて聞くことは無くなる時代になるかも。

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Pasteurized Shell Eggですが、その後、コールドストレージにもあったとの報告を頂いております。

あちこちにありそうですね。

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