私は下手糞だけれど結構料理をします。ってしなくちゃならない環境とも言えるかな。
いやいや、料理というより化学実験というほうがいいか。ウチのカミサンは結構料理がうまいんですが、教えてもらうのが嫌なんです。わかりますよね?
夫婦でゴルフ、PC、車の運転を教えるなっていうでしょ?あれですよ、あれ。敵は日ごろの恨みを晴らすつもりなのか必ず喧嘩になります。
いいよ、勝手にやるから、黙ってろ(ばーか)となるのが毎度の話。
かといって女房と張り合うなんてバカなことはしたくないので、女房がしない、できない料理を目指しています。
前にもここに書いたことがあったかな。炊飯器クッキング。これって面倒くさがりの男には最高で、素材をぶち込んで炊飯スイッチを押すだけでそれなりのものが出来ちゃう。何度かやると結構良いものが出来ます。
私が得意なのは大根餅。ああああ、笑ったな?こら~~。
中華の飲茶に出てくるあの大根餅。あれが非常に美味しく出来ます。それとミートローフとかキッシュ。結構色んなものを作ります。
でもやっぱり味はイマイチかな。料理って手をかけないと美味しくならないから簡単料理って駄目かもしれない。なーんて思いつつもそれを認めると、ほらね~~なんて言うヤツが家にいますから、イマイチだと思いながら我慢してやってます。
圧力鍋も結構懲りました。これもまた女房はほとんど使わない調理器具。でもねぇ、圧力鍋って駄目ね。時間の短縮になるだけで味は駄目。特に圧力をかけるって事は高温調理でしょ?肉でも野菜でもグズグズに溶けちゃう。そりゃ圧力掛け過ぎだろ?っていうかもしれないけれどやっぱり高温調理は駄目ってのが私の結論。材料の味を全部取り出してスープを作るのには最適だと思うけど、素材の味をそれぞれ残したい調理には向いていないと思います。
で、次に凝りだしたのが、高温じゃ駄目ってことは低温ならどうなの?ってことで低温調理に科学的好奇心が目覚めてきました。
これの切っ掛けは鶏の白蒸しなんです。中華で出てくるでしょ?それこそなーんも手をかけないでただ蒸しただけの鶏。私、あれ大好物なんですよ。蒸すだけなら簡単だし、自分で作ろうと思うのだけれど、蒸すのは面倒からチン。
ところがねー、これも駄目なのね。肉汁は全部出ちゃってパッサパサ。じゃ、茹でようかと思っても同じ。やわらかくてジューシーにならない。
そんなときにやっと気が付いたんですよ。温度かぁって。
料理をする人にはそんなこと当たり前だろうけれど、もともと料理をしない私にはその辺のことにはなかなか気がつきませんでした。
で、いろいろ科学的に考えたわけです。たんぱく質が固まるのは何度で、肉汁がでてしまう分水作用は何度で始まるとか。それを調べた結果、結論は65度で調理。
しかし待てよ。65度で調理ってどうするんだ?
しょうがないので鍋に多めにお湯を入れて温度計で計るわけです。で、火をつけたり消したりして65度をキープ。鶏はジップロックに入れて空気はストローで吸いだします。
このときに思いっきり吸い込むと汁とか、調味料を入れた場合それを吸い込むことになるので注意ね。(バカだーー)
これがねーー。最高の鶏になりました。柔らかくてジューシーなんてもんじゃない。絶品のができました。
でもこれまた温度を測りながらじゃ面倒なんですね。で、フト気が付いた。炊飯器の保温はどうだ?って。
お湯を張って調べたところ、我が家の炊飯器の保温は70度ちょっとでした。でもこれなら楽チン。食材をジップロックに入れて空気を抜いてお湯を張った炊飯器に入れて保温スイッチを押すだけ。15分でOK。
じゃぁ、他の食材もその方が良いんじゃないかと、あれやこれや作り出したんですよ。カレーの煮込みも炊飯器の保温が一番だと。ところがですねぇ、ヨメさんの雷が落ちましたよ。ご飯が炊けないの、匂いがつくのとやかましい。
キッチンは敵の城ですから私は文句も言わずに撤退。さてどうしようと思ったところでスロークッカーなるものがあるのを発見。早速買ってきました。
ところがねー、これまた大雑把な調理器具で、温度調節がロー、ハイ、保温しかついていない。温度を測るとローは約70度。ハイは93度。保温は50度。
これをいじる頃には私の科学的料理の知識も深まってきて、この温度じゃ駄目だって思うようになってきました。やっぱりせめて5度ぐらいずつの調節。50度から95度くらいまでのが欲しい。
そんなに温度で違うかぁ?って思うでしょ?全然違うんですよ。10度違うとまるで出来上がりが違うの。私は肉料理が好きだから、どうしても65度キープってやつをやりたいんです。70度でもいいじゃないかと思うでしょうが、長時間煮込みを作るとこの5度の差が大きく違ってきます。70度だと温度が高すぎて肉が硬くなるんです。肉汁もかなり出てくる。でも65度ならばっちり。これで作った豚の角煮なんか最高です。圧力鍋で作ったときみたいに繊維が硬くならないで本当に柔らかくなる。
で、温度ですが、逆に温度が60度以下になってしまうと今度は雑菌が喜んで繁殖する温度になるから駄目なんですね。65度と言ったら65度なのだ。
じゃ、そういう器具があるかと探すとどこにも売っていない。うそだろうって思いましたよ。温度調節が出来ない調理器具なんて考えられません。
でもあることはありましたよ。プロ用の器具。いわゆる湯煎する調理器具ね。40-90度ぐらいまで一度単位で調節が出来る。これ欲しい・・・・・
ま、それは無理なので諦めましたが、スロークッカーの50度と70度を適当に切り替えて騙し騙しやっています。
しかしこの低温調理って本当に面白いです。ジップロックに入れて湯煎するから真空調理とも言うみたい。というか私の中ではこの二つはほとんど同じ意味です。で、これってそもそもフランスで始まったんですってね。フォアグラの調理に使ったそうです。フォアグラって脂だらけでしょ。あれ温度が高いと脂が抜けちゃうのね。低いと火が通らない。それで微妙な温度で料理をする真空調理なるものが始まったと聞きました。
これね、ローストビーフにも最高な調理方法だと気が付きました。
まず周りをフライパンで焼きますよね。で、普通はオーブンに入れるのだけれどこの火加減と時間がヒジョーーに難しいじゃないですか。ところがこの低温調理器があると簡単なのね。周りを焼いたやつをジップロックに入れてどうにか60度をキープしたお湯の中に入れる。するとピンク色で最高の焼き加減(?)になる。70度だと火が通っちゃう。
ところがこれも駄目だと思うようになりました。切り口を見ると不自然なんですよ。周りは焼けてて中はピンク一色。美味しいけど変でしょ?
そこで考えたのは50度の保温で調理。するとピンクというか赤というか生というか微妙な焼け具合になります。これは真ん中の焼け具合としてはこれでOKで、プロのホームページを見たら、赤いところの温度は50-55度で仕上げるとの事。だからこれで良し!
ところが回りは焼けてて中は全部半生ってのは駄目なのはこれも同じ。で、スロークッカーのメモリをローの70度にする。そして待つこと20分。
周りは焼けていて、中に向かって段々と赤くなる見ても食べても最高のローストビーフの出来上がり。
これってうまい人はオーブンでやるわけですね。で、温度計で肉の内部の温度を計ったりする。ところがスロークッカーの保温(50度)とロー(70度)を使えばいつでも簡単にそして同じものが作れる。大発見!!
てな具合で毎日実験、いや料理をやっています。
今日作ったのは牛のタン。大きなやつがなんとスペシャルで2ドル50かな。安いですよーー。それに塩をごしごしすりこんでジップロック。それと牛の頬肉。これもコラーゲンたっぷりでトロトロになるのね。これも大好物。これは調味料はなしでやっぱりジップロック。この二つの袋を一つのスロークッカーに放り込んでお湯を張って、ロー(70度)で約8時間煮込みました。
まずは下茹でしたりアク取りはどうするんだ?なんてことは聞かないでくださいね。今日はどちらもパスです。
牛タンは水であらってアクを落とし、そして皮をむきます。しっかり茹でると簡単に皮がむけるのね。味見をしたら良い塩加減で美味しかったー。タンってでかくて細長いからそれを二つに切ってラップして冷蔵庫。これはちょっとしたときのおつまみ用。
頬肉は作っておいた野菜トマトスープの中に大きめに切って投入。そしてちょっと煮込んで火を消して味をしみこませる。明日の朝ごはん用です。というか下手すると昼も同じか・・・・。
こんな感じでほぼ毎日料理していますが、これらは全て低糖質メニューです。お腹いっぱい食べても血糖値は110以上にはなりません。糖質も一日10グラム以下の状態。
明日はパンでも焼こうかな。大豆粉、グルテン粉でパンを焼きます。小麦粉は一切使わず。パンなのに糖質は非常に低いので血糖値も全くと言っていいほど動きません。
あれれ、何で低糖質の食事にしているのか書きましたっけ?
私が糖尿病予備軍なのは書きましたが、それが理由ではありません。いくら糖尿病予備軍だとしてもここまで血糖値を低く抑える必要はありませんから。ではなぜ糖質を抑えているのか?それはダイエット。
もう10キロ痩せました。でもまだあと20キロ痩せるつもり。(笑)
(後記)低温調理(器具)に関してはまとめたものがありますので、こちら(クリック)をご覧ください。
(後記)スロークッカーはまるで使えないというのが2014年9月になってやっとわかりました。誤解があったようです。くわしいことはここを参照(クリック)