タパスってご存知だろうか。
先日行った日本人経営のフランス料理のレポートにも書きましたが、Tapasの語源はスペイン語らしい(Tapaが複数でTapas)。これって日本語に訳すと「小皿料理」になるのかな?前菜みたいな、酒の肴みたいな感じ。
で、ノンベェとしてはそういう料理が一番嬉しいわけで、そういう話だけはどういうわけか息の合うヨメさんとタパスはいいねぇ、なんて話をしておりました。
「食べたいなぁ・・・」
話が盛り上がればそりゃどうしたって食べたいと思うわけで、じゃ、行くべか?と話は簡単に決まりました。
さて、どこへ行く?
タパスという言葉からすぐ思い浮かぶのはスペイン料理。まぁ、それも良いですが、この前のフランス料理のココットにまた行っても良いねとの話も出ましたが、今回はスペイン料理に決定。
サーファーズパラダイスに「La Paella」というスペイン料理の店があります。前回行ったマレーシア料理のすぐ横。ここには10数年前に何度か行ったことがあるのですが、小さな店なのに週末にはなんとここでフラメンコのダンスがライブで行われるという面白い店でした。
「久しぶりに行ってみるべぇ。パエリアも食べたいね」ってなもんでサーファーズパラダイスに突撃。
なんてことのない小さな小さな店で、店の前の通りに何卓かテーブルも出していて、たまには外もいいかな?なんて思うのですが、目の前はゴールドコーストハイウェイで車も人も多く通るのでパス。
今回も開店直後を急襲しました。夕食は遅い時間からゆっくり取るのが普通の国ですから、開店と同時に入ればたいていの店は予約がなくてもOK。
店のつくりが変わっていました。店の中なのに、外にいるような雰囲気が作られています。で、聞いたところ、前のオーナーが亡くなり代が替わっているとのこと。そしてフラメンコのライブも今はやっていない。
オーストラリアのレストランってろくな店がありませんから、注文をするときに非常に気を使います。下手に多く頼むと恐ろしいことになりますので、少なめ少なめに頼んで、もしOKなら追加で頼むという方法を取る(一度に全部頼まない)のが我が家の習慣になっています。
で、メニューにはタパス、一品料理が並んでいますが、どんなものでどんな量なのかが全くわからず。
あーでもないこーでもないとヨメさんと話していたのですが、タパスセットみたいなものがあるのを発見。6種類付いていて16,7ドル。一品でも12,3ドルするのに6品揃ってその料金というのは多分量も少なく、返っていろいろ試したい我々には好都合だとそれを注文。
ところが来たのがこれ。かなり量がある。
これでこの値段なら安いねぇ、とニコニコしながら食べ始めましたが、味は結構いけると思いました。チョリソやミートボールが普通のオーストラリアの店(スーパーで売ってる缶詰の味)と違います。ヨーロッパ、スペインを感じました。
パンはこれ。オーストラリアで美味しいパンと出会うのは至難の業で、このパンもフスマを食べているようでした。でもタパスの汁につけて食べたら結構美味しかった。オリーブオイルをたっぷり使っていますので見た目は油だらけですが、口に入れると全くその感じがなく、この店はスペイン料理だと主張している様でした。
タパスのメニューの中から気になったナスの一品料理を注文。
まず見た目が想像していたものとは全く違っていて、口に入れたらもっとびっくり。砂糖がまぶしてありました。味は・・・・。なんてことなかったです。
我々の気分としてはまぁまぁの出足。でも段々とテンションが下がってきまして、「じゃぁ、パエリアを食べようか」ともう酒を飲む体勢も解除。
このパエリアは美味しいと思いました。ま、こんなもんじゃないのかなぁ。
パエリアって作ろうと思えば簡単に作れそうですが、でも自宅で作ると駄目なんですよね。どうしても日ごろ使っている調味料を使いますから、味が決まっちゃうのね。で、これなら普通に鍋にして、最後にオジヤにしたほうが良いねとなってしまう。自宅に様々な調味料があったりパエリアに合う出汁が作れる環境のある家庭ならまだしも、我が家ではやっぱりこの味は出せない。美味しいと思いました。
でもこれまた量が多い。4人じゃ足りないかもしれないけれど、3人でも十分な感じ。でもこれで26,7ドルって安いと思いました。
ご飯ものを食べてしまえば当然お酒も終わりで、3分の1残ったパエリアをテイクアウェイできるようにしてもらい、清算。
ところが、私が想像していた料金とはかなりの差がある。トータルで160ドル(ビール・ワイン含む)。
おかしいなぁ、と思いつつビルを見ていて気がついたこと。それはタパスの16,7ドルとかパエリアの26、7ドルって一人分の料金だということ。だからこれを倍にしないとならない。
うーむ、あのタパスセットが32ドル。パエリアが55ドル。
やっぱりサーファーズパラダイスの店は高いのぉ。
というかもうこれがゴールドコーストの標準なのか。
特にパエリアってどういう食材をどのくらい使ってどう作るのかはわかりますから、55ドルって高いと思います。食材だけで言えば、日本の鍋の1人前にも満たない量ですし、後はスープとお米ですもんねぇ。我々日本人は鍋のあとのオジヤを知っていますから、そもそも高い料金を取れる料理じゃないと思ってしまうのかもね。料金は味で決まると考えれば、そして観光客が多いサーファーズの町を考えれば妥当なのかもしれない。
美味しかった~~。そして値段も安かった~~。と、これの相乗効果で満足が得られるわけで、味はそこそこ、下手すりゃ最悪、ところが値段だけは一人前なのがゴールドコースト。
まぁ、文句ばかり言ってもしょうがないわけですが、ゴールドコーストから離れるときが来たってことなんですかね。
ところで、帰りに回り道をして帰りました。タパスなら面白い店があるという情報を得ていたからです。場所はコンドとさほど離れていない。場所としてはサウスポートからラブラドール方向へ行き、マクドナルドや平録寿司の手前の道(川の手前)を左(西)へ向かいます。あの辺りは何もないはずなんですが、1キロくらい進みますと店が並んでいる一角があります。Musgrave AvenueのChirn Parkと呼ばれる場所。そこにある店なのですが、Tonicという店。
レストランというより飲む場所かな。場所だけチェックで外から見ただけですが雰囲気も今風で良いと思いました。ここにそのうち行ってみようと思います。タパスがいろいろあるようです。
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この店こそまさに辺鄙な場所ですが、どうもこの数年、良い店がどんどんサーファーズから出て行っているという話を聞きます。観光客も減り、景気が悪いのにサーファーズの家賃は馬鹿高いままでかなり経営も厳しいとのこと。ところが繁華街から離れてしまえばそれこそ家賃は3分の1とか4分の1以下で、ランニングコストがまるで違うとのこと。で、やっぱり美味しければ遠くても客は行くわけで、そういう店が増えているとの話。
まぁ、あの夜でも飲茶の店もそうですし、イポーサテレストランしかり、そしてフランス料理のココットなど、昔の感覚で言うとお腹をいっぱいにする店はあってもおいしい店がないみたいな感じの場所にどんどん良い店が出来ている。