NHKスペシャル「新富裕層VS国家」

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最高に面白い番組が放映されました。NHKスペシャルの「新富裕層VS国家」という番組。8月19日だったかな。

これが面白いと聞いてネットに上がってくるのを待っていましたが、とうとう乗りました。

ま、正直なところ私の様な年代にはもう遅いと言うか関係が薄れてきた内容です。でも若者、これから海外に出て生きて行こうとする人たちには非常に参考になるし、今、世界で何が起きているかを知る意味でも非常に興味深いし、考えさせられるところ満載だと思います。

世界に富裕層が生まれてきた原因として、この番組では「国」が作ったと何度もでて来ます。それは優遇税のこと。(海外に出る最大の要因には間違いがないけど)

でも私はそれは違うと思っていまして、もっと大事なことがある。それは昔と違った層の人たちが金を稼げる社会構造になってきたということだと思っています。それはこの映像の中でも言われている

1 仕事のグローバル化
2 金融業界の成長
3 IT業界の成長

ではないでしょうか。またこれに付け加えるとすれば独立・起業を狙う人たちが増えたとも言えるのでしょうが、それは大昔から同じで今に始まったことでは無いと、生まれては消えていく中小企業が乱立する世界にいた私には感じます。

これらの特徴として伸びる企業のスピードが半端じゃないんですね。金融界もそうで、ヘッジファンドじゃなんじゃ大げさに考えなくても、我々レベルの投資家、それは株でも先物でもFXでもそうですが、利益を出す方法を知った人たちはあっという間に巨万の富を稼げる世界だということだと思うんです。日本でも若くして数百億の資産を株で作った人がマスコミにも出てきますが、彼の仲間内だけでも似たような人たちがどんどん生まれているのは我々の耳にも入ってくる。ましてや10桁11桁は大げさにしても9桁レベルの資産を構築した人はいくらでもいる。

こんなことは昔ではありえないですよね。起業してうまく行っても、では売り上げを、利益を10倍にしようなんてことはそう簡単にできることじゃない。ところがあの金融界の「投資」に関してはそれが出き得る世界。

この映像に出てきた日本人も、なんだ、俺と同じ様な感じでやっているんだ?と思った人は多いはずで、でも儲けた金額が多分違うんでしょう。(笑)

プエルトリコに移住したというアメリカ人も全く同じ様に私には見えます。

ITの世界は私にはわかりませんが、なんだかわけのわからん若い大金持ちがこんな辺鄙なゴールドコーストにも居て、当たると凄い世界なんでしょうね。

で、彼らが考えることは(誰でも同じだろうけれど)税金のこと。

儲ける人たちが考えることは古今東西同じですが、住む場所を変えても全く同じことが出来る仕事であるというのが大きなポイントだと思います。これは近年始まった話ではなくて、昔から私の周りでは「香港に移る」というのがチラホラありました。我々が覚えていることといえば、潰れてしまいましたがスーパーのヤオハンが香港に本社を移した。これだけで税金が変わってしまうのだから面白い(恐ろしい)と思います。

かなり昔ですが本田宗一郎氏が健在で現役の頃に「これ以上法人税を上げるなら海外に出るぞ」と言い出して世間が騒いだこともありました。

でも、普通の一般人が税金が理由で海外に拠点を移すというのは、ほんの一握りのお金持ちの行動で、社会問題となるようなことはなかった。

でもそれは進んでいたんですね。

非居住者の相続・贈与税に関して5年縛りがあるのはこのブログに何度も書いていますが、海外を利用した節税が一般にも浸透してきた結果がこれだと思います。また企業も、昔の様に大手のほとんどはグランドケイマンにトンネル会社を持っているなんて時代もありましたが、今でもグローバル企業は利益を出す場所を変えることによって節税しているのは大問題になっているのは周知の事実。

ま、金持ちが海外に出るのが加速しているという現状。

これが良いことか悪いことか、企業の責任とか倫理を言ってもしょうがないと思います。大金持ちがもっと大金持ちになりたいのか、この守銭奴が!と言いたくなりますが、海外に出るのは防衛の為に出るというのも事実で、自国に残っていたら生き残れない実情もあるのでしょう。

でもねぇ。

私はこの映像に出てくるプエルトリコに出て行った投資家の考え方には違和感を感じます。まさに資本主義、自由主義の国、アメリカだと思いました。それと彼の欺瞞みたいなものも感じます。莫大な利益があるのに税金がたったの20%で文句を言う?

金持ちは「これだけ働いて稼いだのだから」というけれど、じゃぁ、利益は全て自分のものになってもおかしくないと考えるとしたら世も末だと思います。

アメリカンドリームという言葉がありますが、あれは誰にでもチャンスがあるとかそういうことではなくて、私が注目していたのは民衆が成功者を称えるという部分でした。でもこの映像にあるように、今は称えることはない。

なぜか?

それは富を独り占めにする傾向が強まったからだと思っています。アメリカンドリームがもてはやされたバックには、仲間内から成功者が出れば、彼は自分達にも恩恵を与えてくれるという部分があったからだと私は思うんです。他人が成功して、それを心から喜べる人ってそんなに多くはないし、民衆が褒め称えるなんてことは有り得ない。でも、かつての成功者は「還元」ということを知っていたのだと私は思っています。だから民衆も支持した。

でももうそういう時代じゃないのかも知れませんね。アメリカンドリームを称えた民衆が今ではウォールストリートでデモをするようになった。

もちろん彼らは金持ち優遇政策(税制含め)に反対しているだけだという考え方もあるとは思いますが、「金」に対する意識が変わってきたのを感じます。

映像の中のアメリカ人はまさにそれで、自分が富を得たのは自分の力であると確信しているのがわかります。だから税金を払いたくない。

世の中がスムーズに動くには「富の再分配」が行われないとどうにもならないのはわかりきっているのに、自分はその輪から出ようとするし、そこになんら問題はないと考えるのは私は問題だと感じます。

なーーんちゃって良い人を気取るわけじゃありませんし、良く巷で言う「感謝しながら生きましょう」なんて臭いことを言おうとは思っていませんが、でも自分が今あるのは本当に自分の力だけに寄るというのは本当か?と思うんです。

この辺の考え方に歳もかなり関係していると思うのですが、私自身としては、今自分があるのは自分の力じゃないと感じるのです。多くの人の助けがあって今の自分がいる。そして日本に生まれたからこそ今があると確信しています。もし私がバングラディッシュとかアフリカのある地域に生まれたとしたら今の私は絶対に間違いなく存在しない。これが私の日本に対する感謝の一番の理由なんですが、また多くの人に迷惑を掛けてきたけれど、それをきっちり受け止めて私を育ててくれた人たちがいる。それが自分の仕事だと言い切る人さえいた。

こういう環境にあった偶然、出会い、そんなものを無視して、「俺は凄いんだ」と言い切れる自信過剰、自画自賛には私はどうも抵抗したくなります。

でも私がマレーシアに行く理由は何かといえば、このブログに何度も書いているように「節税」ですから偉そうなことはいえません。

ま、こんな私の考え方はどうでも良いことなのですが、自分で富を独り占めしたいと思おうと、他に何か志があろうと、海外でも同じ様に出来る仕事であれば海外に出たほうが有利であるというのは間違いがなく、この動きは加速こそすれ、減衰することはないはずで、その動きが良いの悪いの言う前に、私はその動きに乗れるものなら乗るべきだという考え方です。

そしてこの映像ではシンガポールが注目されていますが、やっぱりこの映像を見て感じる通り、第一段階の成功を収めて、次のステップとしてシンガポールに渡るという傾向が強いと思います。裸でシンガポールに行くという話しでは無い。

そこまでの成功はしていないけれど、自由な世界で羽ばたいてみたいと考えた場合、私はマレーシアは面白い国じゃないかと思います。私はマレーシアの詳しいことはわかりませんが、私の「勘」がマレーシアに行くとギャーギャー騒ぐのを感じます。(笑)

また、ロングステイヤーから見ても、今更一財産作ってやろうなんて意気込みがある年寄りは少ないにしても、マレーシアだからこそ今までやれなかった、諦めていた事が出来る可能性は大いにあると思うのです。私もそんな感じで、人生最後の仕事を完成させたいという強い思いが生まれてきました。

でも、それをバックアップする体制がマレーシアに存在するかと言うとそこは疑問。

大手企業はごっそりマレーシアに進出していますが、小さな小さな企業をバックアップするような体制があるのかどうか。あるいは投資から入るにしても、小投資家向けのちゃんとした投資コンサルタント、情報提供サービスがいるのか、その辺は疑問に感じています。

まだまだ奥さんの片手間、素人が始めた仕事、サービスに頼るしかないような感じがするのです。これもしょうがないと言えばしょうがないですが、市場としてどれほどポテンシャルがあろうと中小の進出は難しい、あるいは投資にしても見極めが難しいということだと思っています。

悪く言えば、ちょっとした知識・ノウハウ・経験の差があるだけのカモ同士で物事を進める危険性があると思うのです。また情報量も非常に少ない。逆に、多少でも力があるところは、一緒に投資をしていこう伸びようということではなくて、その地のポテンシャルに寄ってくる人たちをカモにして儲けてやろうという方向に動くことが多いと思います。これに関してはゴールドコーストにおいてもコンサルタントと言う名の血を吸うヒルみたいのがいましたし、弁護士とて彼らが考えるのは自分の儲けだけみたいなものを多く感じてきました。この辺に異論はあるところだとは思いますが。

さて、マレーシアはどうなのでしょうか。私にはさっぱりわかりませんが、ネットで調べる限りでは暗闇の中という印象しかありません。それだけに自分に情報収集能力、判断力がある人にとってはヒジョーーーに面白い場所なんでしょうが、私は全くその手じゃない。(笑)

こういうのってベトナムもそうですが、進出したいのはやまやまだけれど投資決定ができるだけの情報インフラが完備していないと言われるのと同じ様な感じを受けます。大手ならいざ知らず、小市民が何かしようとしても情報さえ得るのが難しい。

こういう言い方って情報、サービス提供をしている方々には非常に無礼な言い方なのはわかりますが、マレーシアだからその程度の仕事でどうにかなっているのでは?と思うケースは少なくないと思うんです。

海外生活の夢を見て、その夢を実現したくてマレーシアに渡ってくる、そもそも金儲けを目的には考えていない人たちが主な顧客の場合はそれで良いのかもしれませんが、この映像の様に、プロ、あるいは半プロも、そして、さてこの限られた資産をどう運用しようじゃなくて、しっかり資本もつぎ込んでビジネスとしてやってみようと考える人たちがこれからどんどん渡ってくるであろうマレーシアでは、もう一歩も二歩も突っ込んだサービスが必要だと思ってます。

これは私の様な雑魚にも、また今でも多くいる不動産投資をしてみようと思う人にとっても有用で、言われるがままを信じて買う、投資するなんてこともなくなるんじゃないでしょうか。(不動産に限ったことを言っているわけではないです)

こんな話をマレーシアに興味の無い人と話すと、そもそもマレーシアでって思う方が間違えじゃないの?なんて言われます。隣だからと言ってシンガポールみたいな環境があると思う方がおかしいと。

そう言われてしまうと元も子もないのですが、マレーシアはシンガポールに似た方向性では無いにしても投資優遇策はこのまま続くと私は思っていますし、まだまだ伸びて面白い将来が待っているような気が私はします。

私は人間が住みたい場所があるのと同じ様に、お金が住みやすい場所(国)があると考えていて、その国は一緒であるはずがないと思っています。ですからマレーシアに住むからと言ってマレーシアに投資する必要は全く無いのですが、やっぱりマレーシアに肩入れしたいという思いがあります。

銀行(や会計士事務所)を通じでまずは情報を集めるというのが基本中の基本だと思ってはいるのですが、どうも私の知る限りの銀行(ってHSBC、シティぐらいですが)から欲しい情報は取れないし、それどころか担当者の力量もシンガポール支店の担当者と比べると???なので私は全くあてにしていません。それどころかわけのわからん仕組み債ばかり売ろうとするし、とありあえず客から儲けてやろうと言う商売っ気がありすぎ。

ま、まだまだマレーシアはわからないことばかりですが、これからの伸びには期待している私。

ちなみに、映像の中では触れていませんでしたが、アメリカ人は日本人の様に海外に拠点を移しても節税が出来ないんですね。税制の違いで、アメリカは属人主義。アメリカ人である限りアメリカに対しての納税義務がある(フィリピンも同じ)。ところが日本は属地主義で日本人でも日本の居住者なければ日本に納税義務が無い(日本に源泉のある所得とかは別の話)。だからアメリカ人の場合は外国に帰化しないとならない。あるいは永住権があればそれを放棄しないとならない。

ただそうすれば納税義務から逃れられるのならばそうしようじゃないかという人も多くいて、正確にはなんというのか忘れましたが、国外に出るときにみなし課税みたいなことが始まったんですね。

日本はどうなるかわかりませんが、属人主義になることはないだろうと聞いたことがあります。これは税制の憲法みたいな部分で簡単に変えられるとは思えないと。ただ、相続税・贈与税の5年縛りが出来たように、小さな変更で一網打尽にしたい意向はあるんじゃないでしょうか。映像でも出ていましたが、国としても野放しに出来る話じゃないと思います。

たとえば日本に残している資産の種類と額を考慮に入れるとか。つまり自分や自分の家族の居住用資産が日本にある場合は駄目とか、生活の原資になるものの源泉はどこかとか。つまり、海外移住はOKだけれど、いわゆるロングステイは駄目という考え方。これは満更ありえないとは私は思っていなくて、例えば今の時点でも、一年中世界中を旅していたとしても日本の居住者の扱いを受ける。その他、海外に住んでいても日本の居住者と言う見方は今の時点でもあるわけで(たとえば留学生とか)、そういう考え方の範囲を広げるだけで多くの人が居住者として判定され納税義務が課せられる時代が来るかもしれない。

ま、将来のことはわかりませんが、税金をシビアに考えないとならない人は、住民票のこと、国民健康保険のことも含めて、今の時点でも非居住者とは何かってところをしっかり理解する必要があるんじゃないでしょうか。住民票を抜いて海外に半年以上住んでいればどうにかなるほど簡単なのかどうか。

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