豆腐を作るにはニガリが必要ですが、海外でどうやってニガリを手に入れるのか悩む方は多いはず。私もそう。
そもそも豆腐を作る、つまり豆乳を固めるには何が必要かですが、豆腐屋さんもいろいろ使っているんですね。ニガリはその一つでしか無くて、こだわりの豆腐屋さんは「天然ニガリ」に凝っていたり。安い豆腐は化学薬品を使っていたり。またニガリとして販売されているものも中身は薬品だったり、天然にがりに薬品を混ぜていたり様々なようです。
またニガリも豆腐を作るためだけじゃないわけで、ミネラルが豊富ですからごはんを炊くのに使ったり、料理に入れたり、またお風呂に入れたり。だから単にニガリなら良いかというとそうでもなくて、いろいろ種類、含有量の違いがあるとのこと。豆腐を固めるだけならニガリに含有されている「塩化マグネシウム」だけがあればOKだし、その含有量が少ないと豆腐は固まらない。
豆腐を固めるだけならいわゆる「凝固剤」があれば良くて、ニガリに含まれている「塩化マグネシウム」はそのうちのひとつでしかなく、その他、「硫酸カルシウム」「グルコノデルタラクトン」「塩化カルシウム」「硫酸マグネシウム」など様々な物が使われている。
この中の「硫酸カルシウム」ですが、これは保水力が非常に高いので豆腐屋さんではかなり使われているとのこと。つまり、薄い豆乳でもちゃんと固まる。これが大豆の味が薄い豆腐の正体なんだそうです。本来なら1丁しか作れない量でも2倍3倍の量の豆腐が出来る。ただ、これはニガリ(塩化マグネシウム)より凝固反応が遅いため扱いやすく、普通の量を固めれば美味しい豆腐になる。
その他いろいろ成分によって特徴があるそうですが、やっぱり美味しい豆腐、豊富なミネラルにこだわると天然にがりが良いとのこと。
でもそれが手に入らない場合はどうするか。まぁ、豆腐って今どきどこでも売っているわけですから普通の豆腐を作るならあえて凝固剤を探して作る必要もないはず。でも美味しい豆腐がない地域もありますから、自分で作りたい要望はあるのだろうと思います。
海外で凝固剤を探すとしたら、これで探すと何かしらあるのがわかりました。
凝固剤(COAGULANTS)
- Nigari Magnesium Crystals
- Epsom Salts (magnesium sulfate)
- Lake Crystal natural lake salt
- gypsum (calcium sulphate)
- magnesium chloride
- glucono deltalactone
- food-grade gypsum 石膏粉 Gypsum powder
「Tofuを作りたいのだけれど、Soymilkを固める薬品はないか?」みたいな聞き方をすると、豆腐に疎い外国人はなんのことだかわからないようです。かなりいろいろ置いている健康食品店でもこのように聞いたところ、「寒天」を出してきたところもあります。(笑)
当然「ニガリ」なんて言ってわかるはずもなく、でもニガリの成分である「凝固剤(COAGULANTS)としての塩化マグネシウム(magnesium chloride)」はあるか?」と聞けば見つかるかもしれません。また「硫酸マグネシウム」はスーパー、健康食品店、薬局でも手に入るとのこと。Epsom Saltというケースが多いようで、多くは美容のために使うらしい。ただ、お風呂に使う商品もあるので、食用で問題がないかのチェックが必要でしょう。
また中国食材店でも無いと言われましたが、これも聞き方がわるかったのかもしれません。中国では凝固剤として石膏を使うことも多いようで「石膏粉」はあるか?と聞けばわかるのかもしれませんね。石膏と聞くと骨折した時のギブスを思い出しますが、アジアでは昔から「生薬」として使われていて「食用」のものを探せば良いとのこと。
これはカルシウム分が凝固剤として働くわけですが、上記の薬品名でも見つからない場合、自作もできるようです。
ネットを探したところ、なんと海水から作った強者もいるようですが(海水を煮詰めて最後の最後に塩が沈殿して残った上澄みを使う)、卵の殻を酢に3-4日漬けておくとカルシウム分が溶け出すので、その液体を濾して使えばOKとのこと。また豆腐とはタンパク質を凝固させたものですから、レモン汁や酢そのもので固めることもできるそうです。
凝固剤さえあれば固まるわけですが、それぞれ特徴があるのでそれは調べてみると面白いと思います。私の感想としてはそりゃ天然にがりが欲しいですが、扱いの簡単さとか絹ごし豆腐に合うものもあるようで、天然にがり以外はダメだとは思いませんでした。
また近所のお店で「ニガリ」が売っているわけもありませんが、通販を見ると「Nigari」を売っている現地業者はいくらでもあるのがわかりました。
Enjoy your happy home made Tofu life !!
いつも行く健康食品店で上に書いた
- Epsom Salts (magnesium sulfate) 硫酸マグネシウム含む
- Magnesium Chloride 塩化マグネシウム これがニガリの主成分
を買ってきました。先日、豆乳から豆腐を作る添加物はないのかと聞いたら「無い」と言っていたのに。これで豆腐を作るのだよと教えてやりました(笑)。さすが健康食店の連中はみんなエキスパートで興味津々。一体どう作るのか根掘り葉掘り聞かれましたので、いかにもプロの如くウンチクを垂れてきました。 (^_^)v
Epsom Saltsはかなり一般的なようで、多くはお風呂に使うらしいですが(日本ではほとんど知られていないが肌の為に良いと欧米ではかなり有名だとのこと)、当然、食べ物にも使う人はいると。値段は安いなんてもんじゃ無くて、両手に溢れるぐらいの量で200円ぐらいかな。舐めてみたら苦いのなんの。でも全くしょっぱくない。この硫酸マグネシウムは豆乳を凝固させるときに水分も一緒に固めるほど保水力がたかいとのこと。絹ごし豆腐にはばっちりかもね。
Magnesium Chloride 塩化マグネシウムは何に使うのか知りませんが、ビタミンやミネラルを売る棚に普通に並んでいました。これが日本で言う天然にがりの主成分で、これを使えばにがりと同じことができるのかもね。ただミネラルは入っていない。
Epsom Saltですが、調べてみると美容や健康に素晴らしく良い様子。お肌にも良いらしいので風呂用にヨメサンに買ってやるつもり。