オージーってミートパイが好きみたいで、あちこちで売っているし、専門店もある。
でもねぇ、なんか違うんだよなぁ、って思う。まず使っている肉がいかにも安い肉で臭いと感じることが多いです。それと中身の餡を小麦粉でまとめるのが普通のようですが、これがドロっとしてるんですね。日本で言う餡かけだとして片栗粉を入れすぎだろ?みたいな感じ。
でもオージーにしてみると、あの肉の味、匂いがかつての良き時代を思い出させるのかもしれないし、あのドロっとしたグレービーみたいな餡が好きなんでしょう。
とは言うものの、最近は随分変わってきたようで、そこそこ美味しくて評判の良いPie Faceというチェーン店は善戦しているし、先日たまたま肉屋で買ったミートパイも美味しいのでびっくり。
オージーミートパイはほとんどがこういう感じ。
じゃぁ、自分のこれだ!ってのを作ってみようと思いました。
ダボ流オージースタイルステーキミートパイ。(笑)
日本のミートパイのレシピを見ると、ほとんどがスパゲティミートソースの流れというか、ミートソースが余ったからミートパイを作ってみたみたいな感じ。でもオージーミートパイってそういう感じじゃないんですね。なんて説明すればよいのか、もっと肉が主張しているし、味は決してイタリアンではない。
ということで、まずはかなり安いステーキ肉を買ってきました。ミートパイには脂や筋が多いほうが良いと思います。
それをまず焼きます。本当はグリルで焼いたほうがよいと思うのだけれど、煙を出すわけにはいかないのでフライパン。
しっかり焼き目を付けてから脂と筋を分けます。焼いてから切らずに、切ってから焼いても良いのですが、火が通っている方が切り分けやすい、脂と筋を取りやすいのでそうしただけです。
この脂と筋をフライパンでしっかり焼きます。カリカリになるぐらい。その間に肉を1センチ角に切ります。
細切れの肉と脂・筋はボールに入れておき、フライパンの油はほとんど捨てて、まず刻んだガーリックを炒めます。良い香りがしてきたところでみじん切りの玉葱を投入。色が透明になるまで炒めたらみじん切りの人参とマシュルームを投入。この時、人参は少なめにしないと後で人参ばかり?みたいな感じになるし、逆にマシュルームはこんなに入れるのか?っていうぐらい入れた方が良いのね。
それを延々、飽きずに炒めます。30分ぐらいで全体がネットリして来る頃にはとんでも無く美味しくなっているはず。でもここまでは調味料の類は一切いれません。
ここで牛ストックと肉、カリカリに炒めた脂・筋を投入。
全体が沈むようにストック、あるいはお湯を足して、ここから弱火でしっかり煮込みます。30分もすると良い香りが漂ってきます。
ここでトマトピューレを投入し(生のトマトのほうが遥かに美味しいはず)、またしっかり煮込みます。これでもかというぐらい煮込みますとかなりネットリしてきます。
ここで初めて味付けです。でも香辛料ぐらいで、いろいろ入れる必要がないくらい良い味が出ているはず。私の秘密兵器(笑)である中国向けクノールの椎茸ブイヨンと黒胡椒を多めに、あとは適当に味見をしながら好きなように味付け。
そして10分も煮込めばかなり水分も飛んで良い感じになります。そしてそこに少量の水溶き片栗粉を回し入れ、さらに数分煮込んで完成。あとは冷ましておきます。
これをパイ生地に包むのですが、普通はショートクラスト(単層)の生地でパイ用の器を使いますが、我が家にはそれがないのと、冷凍庫にあるのはパフ(多層)だったので、普通に包むことにしました。
ところで生地には二種類あるので、Short Crust(単層)かPuff(多層)か買う時には必ず確認すること。(って常識ですかね。でも私がそれを知ったのは数年前。ショートクラストの存在を知りませんでした。 (^_^;))
まずは大きめに包んで焼いてみました。200度で15分、その後180度で10分程度。表面には卵液を塗り、水蒸気が出る穴、あるいは切り目を入れる。
長男の友人が来ていましたので、二人に食べさせましたが、美味しい美味しいと大喜びでした。肉の感じがうまく行っている様子。肉は肉としてステーキのようにしっかり主張し(焦げ目をつけるのは重要。メイラード反応ね。(笑))、しかしじっくり煮込んであるので柔らかい。
次に、チーズを入れて焼いてみました。
やっぱりこの方が段違いに美味しい~~~。
ところがですね、今回のは私にしてみると失敗作。餡を煮こむ時にトマトピューレとトマトペースト(ペーストは全く不要でした)を入れたんです。味見をした時にはこんな感じかな?と思ったのですが、しっかり煮詰まったらトマト味がメチャしつこくなってしまいました。当たり前ですよねぇ。煮詰まるのを勘定に入れてなかったアホ。それとですね。砂糖は一切いれていませんが、美味しいオレンジ風味の蜂蜜がありまして、それを入れたのですが、それも入れすぎ。甘いなんてもんじゃない。
でもま、息子もその友人もオーストラリアの甘い味付けに慣れているんでしょうか、美味しい美味しいとガッツイて食べてくれたので、私としては嬉しかったです。 ヽ(^。^)ノ