久しぶりにコンドの下にある焼き肉屋に長男と二人だけで行ってきました。JFX(ジャパンフードエクスプレス)という日式焼き肉ですが、私はこの店がゴールドコーストでは一番美味しいと思っています。和牛もあるし。
しかし本当に繁盛している店で、予約を入れないと駄目なんてのも普通。今日はなんてことのない水曜日なのにこの入り具合。こういうのは繁華街でもないしどこでも閑古鳥が鳴いているのが普通のゴールドコーストでは非常に珍しい。
食べたのは定番ですが、こんな感じ。最近は霜降りカルビだ特上ロースだなんてのは食べません。料金のこともありますが(笑)、脂が乗りすぎていてオエッとなることが多くなりました。ですからオーストラリアよりもっと霜降りが凄い日本では困るぐらい。日本の特上カルビなんて脂身か?なんて思うことがあります(笑)。これって歳も関係あるし、脂身を敬遠するオーストラリアに慣れちゃったってことなんでしょうね。
まずはタン塩。面白いもんで世界のどこでも焼き肉と言うとスタートはタン塩なのが我が家の決まり。おっと、その前に飲み物です。いつもは最初は生ビールというのもお決まりですが、ビールは糖質制限の大敵ですから最初から焼酎。韓国焼酎が切れていたので日本の焼酎をボトルで頼みました。水割りです。
真っ赤なのにびっくりしました。まさか焼酎も赤くないよね、なんて心配したのですが、焼酎そのものは普通。味?うーーむ、良くわかりません。普通かな?(笑)
タン塩。
中落ちカルビ(和牛)。
ハラミ(横隔膜)(和牛)。
豚トロ。
ホルモン(これ小腸ですよね?)。
肉が足りないので長男の好きなハラミを追加。
ご飯は糖質制限中なのでパス。またキムチの類も結構砂糖が入っているのでパス。長男も糖質制限っていいねぇなんて言っておりまして、(彼も痩せたいのでしょう)私の食事に良く付き合ってくれます。ですからご飯代わりにするのがサラダ。
豆腐サラダ。
二人で食べたのはこれが全て。スープも麺類もありません。本当は冷麺かビビン麺を食べたいのですが、糖質制限をするようにやってから食べる量も少なくなっています。ですからこれでお腹いっぱい。
当たり前だろ?なんて思いますかね。
食べる量に関して長男と話していたのですが、「オヤジは本当に食べなくなったね~」と感心していました。彼に言わせると「前は今日の3倍ぐらい食べて、いつも俺たち兄弟はドン引きしていたんだぜ」だとさ。(笑)
確かに「まだ食べるの?」なんて言われるのは毎度のことで、お店の人にも「まだ食べるんですか?」なんて聞かれたことが過去にありました。でも最近の大食い大会なんか見ていますと私の大食いなんか可愛いもんで、きっと私の食べる量なんてギャル曽根の3分の1ぐらいでしょ。でも最近の大食い大会は異常ですね。優勝圏内に入るには10キロ食べないと駄目。10キロの量がお腹にはいること自体が不思議ですが、あれって全部消化するんですかね。カロリーで言えば普通の人の20倍以上の5万カロリーを超えるはずで、もしそれを普通に消化して燃焼するとしたらフルマラソンを10回以上走らないと駄目なはず。あるいは時速100キロで1時間走るとか。(笑)
まぁまぁ美味しかったのですが、この量だけで二人で170ドルを超えました。なんかおかしいと思いませんか?いやこのお店JFXがおかしいと言っているのではなくて、この程度の飲み食いでこんな料金になるゴールドコーストってなんか変だと感じます。こういう料金なのに一番上に出した写真のように大繁盛。普通の若者が来て、肉じゃ海鮮じゃとテーブルいっぱいにして食べていて、きっと彼らは我々より支払っているはず。
不思議だ~~。
まだ年齢も高い普通に働いている人たちならそれもわかります。オーストラリアの平均収入って日本よりかなり高くなっていて(昔はかなり低かった)そこそこの年齢なら年収10万ドルなんてのは普通ですから。でも見るからに若い、学生のような人たちがよくこんな料金に耐えられるのかそれが私には理解の外。(そう言えば長男が友達と食事(近所の普通の店)に行って飲んで食って4人で450ドルだったと聞いてぶったまげたことがあります。まだ二十代ですよ)
ジジーの私としては世の中の動きに置いていかれているような気がいつもしています。
でもフト自分が若いころを思い出すと、年寄りってそうだったような気がします。いつも「高い高い」って言っていましたから。二十代だった私にしてみると「そんなに高いかなぁ」と思う料金でも年寄りはブツブツ言う。これって面白い現象ですよね。自分が普通に稼いで普通に生活し食べていた頃の値ごろ感をいつまでも引きずるんですかね。
でも収入が時代とともに上がっていればそんなことも感じないのでしょう。ところが収入は変わらない、それどころか退職して収入が減った場合はとんでもないことになるってことなんでしょうね。
でもこの20年間、デフレが当たり前の日本で過ごした人は運が良かったかもしれませんね。毎年毎年、高くなってきたなぁなんてことは感じないで生活できたのかも。
でもこれからは「普通」になるんでしょうね。それどころかインフレの始まりって特に給与所得者にとっては非常につらい時期だと思います。物価は上がる、アルバイトの時給も上がる。でも正社員の俺達の給料が上がるのは一番最後ですから。でもま、今までは「デフレの時には給与所得者が一番下がるのが遅い」という現象もあるわけで、今まで良い思いをしたのだからそれで良いのかもしれませんね。でも若者は大変だろうと思います。
どうも最近、私自身もお金に細かくなってきて、なんだか嫌な性格だなんて自分でも感じることが多いのですが、でもこのJFXってやっぱり高いんじゃないかなぁ。というか私は商人の出ですから、商店でもレストランでも「この店の売上は?」とか「原価は?」とかそういうのを考える癖がついています。で、焼肉屋ってどこでも「儲かってるなぁ」と思うことが多いです。だからメチャクチャに安い料金での食べ放題なんてのも出来るんだろうと。
例えば同じ写真を載せますが、これ。中落ちカルビです。この量って何グラムぐらいでしょうか。150グラムぐらい?200は無いですよね?これってこちらの焼肉屋としては上品な量というか少ないほうだと思います。これで21ドルです。
中落ちカルビってどの部位かというと、要はリブ(カルビ)の中でも骨と骨の間の肉ですよね。魚の骨にくっついた肉を中落ちというのと同じ。この肉のことを肉屋はブリスケットとかフィンガーリブとか言うはず。中落ちカルビでもカルビと名がつくとそこそこのコストだと思いがちですが、フィンガーリブ、まさに骨と骨の間の肉ってかなり安いんですね。ハラミ(横隔膜。部類としてはホルモンに分類される。スカートという)と同じ。
また一般的な需要も少ないはずで、この手の肉はスーパーはもちろん普通の肉屋でも置いていないのが普通。でも肉って本当に不思議で、ロースだヒレだと肉屋には並んでいますが、本来それの何倍もの肉が存在するんですよね。腰というかお尻というかランプでさえ置いていない店、少しだけしかない店が普通。モモ肉はどこへ行った~~なんて思うわけですが、煮込み用の肉だってたいした量は置いていない。ま、それだけソーセージとかハムとかに加工される部位が多いのでしょうが、この中落ちカルビなんて半端な肉を置いている店は皆無に等しい。でもアジア人が多い地域にはあるし、中国人の肉屋にもある。
これが中国人の肉屋で買ってきた中落ちカルビ。彼らはフィンガーリブ、ブリスケットと呼んでいます。
真空パックにして置いてあるということはそれだけ売れ行きも悪いってことだと私は想像しているのですが、これで1キロ9ドルです。グラム90円。
これで一人前200グラムで出すとすればコストは180円です。それに味をつけ手を加え、調理は客が勝手にやるわけですが、なぜか料金は10倍。(笑)
JFXの場合は中落ちカルビは中落ちカルビでも和牛ですからまるでコストは違うと思いますが、それでも一人前21ドルって凄いと思います。上の方の写真がそれ。
この肉ってサイコロになっています。こんな感じ。
これってまさに中落ちカルビ、フィンガーリブと呼ばれる部位だからでしょう。肉そのものは大きな指みたいな形。骨と骨の間の肉ですから。そして和牛といえどもやっと最近多くの肉屋やレストランが扱うようになりましたが、それはロース、テンダーロインが主であって、その他の部位は殆ど無いのが普通。まして和牛のフィンガーリブを買う客ってまさに高級焼肉屋ぐらいでしょう。需要はかなり少ないはず。カルビ(リブ)とて同じで、かなりの量が存在するのに一体どこに行ってしまうのか、どこでいくらで売られているのか気になってしょうがありません。(笑)
例えば前にも紹介した「和牛のブレード」という部位ですが、これを売っている肉屋は私は一件しか知りません。フェリーロードマート(高級スーパー)の中の肉屋です。
こういう肉ですが、前は1キロ19ドルぐらいだったのは今では24ドル。この肉はステーキにも出来る肉ですから24ドルというのは決して高くありません。普通の牛肉でもリブアイステーキはキロ30ドル前後ですから。和牛のリブアイですと80-180ドルぐらいの価格。ですからこのブレードはかなり安い。
つまり価格というのは需要と供給で決まるわけで、量はたっぷりあるのに需要が少ないとなれば、それが和牛だろうと安いのは当たり前。となると和牛といえども骨と骨の間の肉、フィンガーリブなんて普通の人は買いませんから、まして商売人が卸の価格で買うとなるとかなり安いはずなんですね。
儲かってますね~~~~。(笑)
和食店から見たら羨ましいなんてもんじゃないんじゃないでしょうか(笑)。手を掛けて新鮮さにも気を使って出しているのに、そしてたとえ原価に近い料金で出しても客には「高い!」と文句を言われるような世界ですから。
ま、そんなことを考えながら食べていました。
でもこういう性格って損ですね。美味しいものでも美味しくなくなってきますから。(笑)
しかし、こんな焼き肉のことを考えながらも、仕事をするならコストが関係ない仕事を選ぶべきだと思いました。客にもコストがわかるような物を売るのは本当に難しいと思います。美味しいのだからしょうがないというのは「客の諦め」であって、店が「美味しいのだから高くても良いでしょ?」というのは通用しない。でもコストがわからない商品、サービスっていろいろあるわけで、どうせ商売するならそういう物が良いと思いました。
かなり昔ですが、私の学生時代の友人が会社勤めをしていまして、「お前、どんな部署にいるの?」と聞いたら名刺を出しまして、そこには「価格戦略課」みたいな部署の名前。「何これ?」と聞いたらその会社で売っている製品の価格を決める部署なんだそうです。そして価格は市場調査によって決めるものだと彼は言うんですね。原価は関係ないと。へーーーと思いましたっけ。
私なんか根っからの商人ですから、すぐ原価+経費+利益みたいな考え方をしてしまいますが、彼はそれは違うと。コスト割れだろうがコストの50倍だろうが、売れる価格を付けるのが俺の仕事だと。なるほどねぇと思いましたっけ。
私もそんな仕事をしてみたかった。でも常に原価割れじゃないと売れなかったりね。 (笑)
ところで食後1時間後の血糖値ですが、104.4mg/dl。何時間も何も食べていない朝の「空腹時血糖値」とほぼ同じ。\(^o^)/