移住とか留学という言葉があやふやな時代

随分前ですが、「移住してきました」という夫婦に会ったことがあります。移住したきたというのだから移住したのでしょうが、どうも話がかみ合わないんですよ。

なんか変だなぁと思って聞いてみたら、永住権を持っていないっていうんです。永住権も無いのにどうして移住っていうのかと思ったんですが、その人達は退職者用の滞在ビザも持っていないと。実は観光ビザによる長期滞在だったんですね。それを繰り返している。

ったく、ややこしいことを言うな!と思いました。

別にどう言おうとその人達の勝手なんですが、それぞれ持っているビザとか住む形態によって抱える問題がまるで違うわけですよ。だから同じ問題を共有できないのね。同じ話題さえ共有できない。ま、普通の表面的なお付き合いをする分にはまるで関係が無いのですが、何かあったらすぐ帰ってしまう人と、どうにかしてその地にしがみついてでも生きていかなくてはならない立場の差ってあるわけです。一緒にゴルフをしたり、食事に行く付き合いなら問題は何も無いのですが、子供の話や将来の話になると共通の話題がないんですね。ジジババになると年金とか保険、保健医療の話題が増えますが、もちろんここでも共通点が無い。だからどうしても遊びの話題、一般的な話題しかなくなってしまう。

同じその地に長年住んでいてもこういうことってよくあることで、永住者と転勤組というのが良い例。3年から5年ぐらいで日本へ帰ってしまう人たちとその地に一生住もうしている人たちと抱える問題が全く違う。またバックに親方日の丸が付いている人たちと、自営組との差でもあるんですね。こういうごちゃ混ぜの人たちが、日本人会の運営とか日本語補習校のあり方を話し合ったときにどれほどぶつかり合いがあるかわかるでしょうか。でもどちらが正しいのかって話じゃ無いんですね。どちらも正しい。だから困るんですね。

これはマレーシアも同じだと思います。パッと見た目では同じ日本人。住んでる期間も似たようなもの。でも住む形態がまるでちがうなんてことがある。MM2Hもいれば、駐在組もいて、単身渡ってきて仕事を始めた人、就職を見つけた人、あるいは現地人と結婚した人、これら全く違う問題を抱えていて、やっぱりそのグループで固まるようになるのはしょうがないと思います。遊びは別ですよ。でも生活の話題になると問題点も考え方も違いますから深い話はできない。

こういうところへ、上に書いたように「移住してきました」という人が現れるとどうなると思います?混乱するんですよ。

本人は移住のつもりでもその国は移住許可は出していないんですね。MM2Hも移住許可じゃありません。でも本人がそのつもりになるのはそれで構わないのかもしれませんが、移住者達は混乱します。まさか移住してきた人たちが、気に入らないとか飽きたとか言って3年で帰っちゃうとは思わないわけですよ。また収入がどこにあるのか、親方日の丸で良い給料をもらっているのか、現地レベルの収入しか無いのか、日本の年金なのか、現地の年金なのか、それだけでも抱える問題が違うわけでしょ?

普通日本に住んでいますとこういうそれぞれの大きな違いがありませんから、その人達がどういう立場の人でも、まぁ普通につきあえる。でも海外ではまるで違うタイプがごちゃ混ぜですから話が全く合わないと言うことが起きるんですね。その地に骨を埋めようとしている人たちと観光客と話が合うわけがないですよね。それと同じ事が起きる。

だから私として自分の立場は正確に言って欲しいんですよ。

同じ永住者でも、国籍も変えようとする人もいれば、その内、日本に帰ろうとする人もいる。こういう違いでも話ってかみ合わないんですよ。また私たちみたいに第三国へ出ようとするわけのわからないのもいて、その地で生活をするという一番大事な点で共通点がないのね。いや、共通点が無いと言うより、根本的な考え方に違いがあるんです。だから相手がどういう立場なのか、どういう考え方を持っているのか、それを一番最初に確認するのが普通だと私は思っています。これは多分みんな同じだと思うのですが、そんな中に「移住してきました」という「旅行者」が入ってくるとわけがわからなくなって混乱するのがわかりますよね。 (笑)

これって冗談じゃ無くて、例えば役所に行かなくてはならない、あるいは警察のお世話になるときに「移住です」というと相手は間違いなく「Immigrant」あるいは「Migrant」として処理します。でも実際はその許可さえ持っていないとなったらかなりややこしいことになるのはおわかりになると思います。それぞれの持っているビザでその国から与えられている権利も違うわけですから。下手をすると「だまそうとした」「虚偽の申告」で引っ張られる可能性だってあるってこと。マレーシアのMM2Hは移住許可ではありませんから気をつけた方が良いと思います。「移住です」という人はそれを英語でなんというのか、その辺もしっかり考えてみる必要があるということ。

どこの国に限ったことではありませんが「移住」という言葉を「引っ越ししてきた」だけで使う人が結構いるのがわかりますが、是非その辺は再考して頂きたいと思っています。これは日本に住んでいても同じで、隣に外人が引っ越ししてきて「移住してきました」というのと「3年の短期滞在です」というのとまるで受ける感じが違いますよね。それと同じ事。

それと最近「留学」の定義が随分変わってきたようで、ちょっと長めの旅行に出て、現地で2週間語学学校に行ったとします。これも最近は「留学」と呼ぶようで、わけがわからない。

これも学生の中では「留学生」として一緒になってしまうとややこしくなるんですね。みんな進学とか就職、ビザの問題を抱えているのが普通なのにその中に全く共通項が無い人が入ってくるわけですから。だから彼らはちゃんと区別して付き合っている。私の子供達の話を聞いていても、同じ日本人、同じ年頃でも、いろんな立場の人がいるわけです。中にはワーキングホリデーという1-2年の特別な滞在許可を持って入ってきている若者もいる。一生懸命遊び、一生懸命仕事をする子達も一杯いますが、日本では風俗でお金を貯めて長期間遊びに来たような女の子もいるわけです。また地元の医者に聞きますと日本人女性の「堕胎」の多さにびっくりしたり、まぁ、何をやっているのかわからないようなのも多い。だからうちの子供達もどうしたってグループを作って、似たような環境の子供達と一緒になって、違う環境の子達とは全く接点が無いような生き方をしているんですね。

留学も上に書いた移住と同じで、「留学経験あり」と履歴書に書いた場合、読んだ方はどう考えるかは簡単に想像できますよね。まさか2週間語学学校へ行っただけなんて普通、想像さえしませんから。

やっぱり「移住」とか「留学」という言葉でも本来の意味があるわけですから、「使いたいから使う」のではなくて、言葉はちゃんと使い分けるべきだと私は思うわけです。

 

 
    

     
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