マレーシアへ来て驚いたことの一つとして、豚肉が結構美味しくて、そして「角煮」を簡単に作れるということ。
ゴールドコーストにいるときにどれほど角煮に悩まされたか、それはこのブログにも延々と書いてきましたが、マレーシアの豚肉ではいとも簡単に作れちゃう。あの何年間は良い豚肉をあちこち探し周り、低温調理をしたり、最初は蒸してあとで煮込んだり、その逆をやってみたり、考えつくことはなんでもしましたっけ。
結局わかったのは「バラ肉でもいろいろある」ってことで、板状のバラ肉の「薄くて皮が柔らかいもの」を使って、そして低温調理を5,6時間やって、それを煮込んだらどうにか私の望むものが出来るようになりました。
その過程をブログに書き続けてきましたが、オーストラリアの豚肉事情を知らない方に「猿でも簡単にできる」みたいなコメントももらいましたっけ。「なんでこんな簡単にできるもので悩むんだ?このバカ」みたいな。(笑)
でもマレーシアへ来て、こちらの豚肉を使ったら「猿でも簡単に作れる」のがわかった。(笑)
スーパーで売っている普通のバラ肉を、「単純に煮込むだけ」でできちゃう。蒸すだの、低温調理だの、そんなことをする必要は全く無い。
スーパーで買った「切ってあるバラ肉」を「Dark + Light醤油」「酒」「ミリン」「オイスターソース」、そしてネギ、ニンニク、ショウガを入れて、コトコト5時間煮たらかなーり良いものができちゃう。95度ぐらいのオーブンに放り込んでおくだけでも大丈夫。
これを汁ごと冷蔵庫に入れておけば、家で作るラーメンもかなり美味しく食べられる。って私はほとんどラーメンは食べませんが・・。
でも逆に、とあるKLCCにある中華店で有名な角煮とか、あちこちに支店がある有名な店の角煮とかが大したことないのはなんなんだろうか。
特にあのKLCCの店で有名だと言われた角煮を食べた時には、「肉の繊維が硬く」て全く美味しくないと思ったっけ。あの肉質は「圧力鍋」を使うとああなっちゃうことが多いのは、家庭の主婦なら誰でも知っていて、「失敗作」のはず。
でもなぁ、マレーシアって豚肉が安いし、東坡肉(トンポーロー)も安いから手間を掛けないのが当たり前なのかと思ったり。
いまだに「これはすごい」と思う本格的な東坡肉(トンポーロー)は食べたことがない。
私の角煮づくりも、その原点って昔よく食べた五反田の「上海園」の東坡肉(トンポーロー)を再現したいと思ったからで、私としては「箸でも崩れて持てない」ぐらい柔らかいのが好き。でも繊維が硬いのは駄目。
ゴールドコーストで苦労している内に、あの上海園のトンポーローをいつの間にか忘れていて、「とりあえず妥協できるのが作れればいいや」と思うようになってしまった。
それは今も同じで、いつのまにかあの絶品を追いかけることはしていない。
でもこの程度の角煮が簡単に作れるのなら、ちゃんと手をかければあの絶品トンポーローも作れるのかもしれない。
その内、やってみますかね。