前々から欲しいと思っていたんですよ。
これ。
注射器ですが、肉用です。楽しみです。
日本では広く使われている手法だとは思わないのですが、オーストラリアみたいな肉大国では「ブライン漬けしたブロック」が多く売られています。いわゆる「塩漬け」の仲間みたいなもんですが、こういうことをしないと食べられない肉が多く存在するんですね。でもブライン液に漬け込むのって非常に時間がかかるわけですよ。これはハムも同じですが、時間の短縮はすなわち生産量のアップ、コスト削減、利益の増大につながるわけで、いつのころからか「ブライン液を注入する」ようになったのね。我々が普通に食べているハムの多くはそれ。
オーストラリアは肉のブロックが多く売られていますが、いつのまにやらそういう「処理済み」のブロックが多くなってきました。何ら処理していないブロックを探すほうが難しいくらい。
理由は簡単で、まず処理済みのほうが安いこと、美味しいこと、種類がたくさんあるから。
例えばこんなの。ゴールドコースト時代の画像ですが、このようなものが多く売られています。もも肉ですが、1キロで1500円ぐらい。ローストビーフ用です。
当然、周りにもいろいろ塗ったくってありまして、これは「オニオン、ガーリック」風味。こういうのがいろいろあります。
問題は肉の中にどんなブライン液が注入されているかですが、それはわからず。でもどういうものを注入するのかは一般的なブライン液の作り方を見ればわかるし、このような注射器を家庭で使うのも広まっていますからレシピを探すのは簡単。
え~~~、そんなことをするの?って思う方も多いと思いますが、これが今の世界の流れで、私たちは知らず知らずのうちにそういう肉を食べているんですね。生産工場ではこういう機械を使っているところは多い。ハム、鶏肉、鮭(スモークサーモン用)も同じ。
そもそもハムなんてどうして「肉そのものより安い」のか不思議に思いません?理由は簡単で「味もついた水分」を大量に注入しているから。ですからフライパンで焼くと水分がどんどん出てくるなんてことが安いハムでは起きるし、高いハムはそんな水っぽいこともないのは多くの方が経験しているはず。注入する水分も肉の重さの30%とか50%じゃなくて、酷いのはほぼ肉と同じ重さを注入したりするらしい。この辺のことは業界の裏事情とかいろいろ書いていますのでご興味がある方は検索してみてください。
そしてこの技術ですが、当然、鶏肉にも使いますし、私が驚いたのは「魚の干物」にも使われているとのこと。我々が「美味しいね~~~」なんて思う干物はこうやって味付けされている可能性すらある。当然、つけ汁を注入してから干すわけです。
でもま、私がやろうと思うのは、「牛、豚のブロック」と「鶏一羽まるごと」の場合だけ。塩水を注入するだけでもかなり違うんですね。塩がタンパク質を分解してアミノ酸にして美味しくなりますし、柔らかくなる。
それと「和牛の脂」を手に入れてあるので、それを注入するのもありだろうと思っています。そういうインチキ肉が市場に出回っていて、それを買うのは悔しいですが、自分でやる分には良いだろうと。
また大好きな「牛タン」ですが、これって「焼肉」にするのではなくて、茹でて酒の肴にしたり、煮込む場合、私は「塩漬け牛タン」の方が美味しいと思っています。まず柔らかさがまるで違うのね。
先日、牛タンを一本まるのまま入手しましたが、早速これにブライン液を注入してから調理しようと思っています。まるごとの鶏もこれでかなり美味しく出来るはず。
ま、邪道って言えば邪道なのかもしれませんが、美味しければそれで良し、だと思っています。
この注射器ってLazadaから通販で買ったのですが、25リンギでした。700円ぐらい?送料込み。こんなに安いのにわざわざ家まで宅配業者が持ってきてくれるんですね。マレーシアって面白い。(笑)
さぁて、まずは何を作ろうかな~~。楽しみ、楽しみ。