焼き鳥?やっぱりパブリカの【酉玉】でしょう。「鶏の首(せせり)」って美味しいですよね~。

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ある日のこと、ヨメさんが「鶏の首」を食べたいねと突然言い出しました。変わってるでしょ?

でも私にしてみると40年近く前にヨメさんの実家(福岡は浮羽)へ始めて行った時にその田舎では「頭付きの鰻」「獣臭いとんこつラーメン」「焼肉屋に行ったらホルモンしか無い」「外側はパリパリで中はトロットロの豚足」「自宅での飲み会には幼馴染の参加者がそれぞれ日本酒の一升瓶を3本持ってくる」とか、まぁびっくりすることばかりだったのですが、それを思い出します。地方色って面白いですよね。ヨメさんは年をとっても変わらないと言うか、思い出すんでしょう。

私の若い頃、鶏の首なんて見たこともなかったし、それを食べるなんて想像したことさえない。でもヨメさんの実家では「鶏をつぶして食べる」なんてのは普通のことで、鶏のどの部分がどう美味しいとか詳しい。(笑)

流石にヨメさんの20代のころは東京でファッション業界にいて(モデル&スタイリスト)、着飾って赤坂六本木を闊歩していた当時、ヨメさんがそんなものを食べるなんて想像もできませんでした。隠していたのね。「鶏の首?なにそれ?やだ~~~」みたいな。(笑)

でも今じゃ、ただの九州出身の60過ぎのバァさん。

鶏の首?それってセセリのことでしょ?なーんていうのは甘い!

これですよ、これ。犬の餌じゃなくて、人間が食べるのだ。

日本で私はこれを見たこともなかったんですが、オーストラリアのスーパーでは売っていたんですよ。肉売り場の端っこの「ペットの餌」みたいなのが並んでいる棚にありましたっけ。その棚には「牛の頬肉」「牛タン」もあった。どれもタダみたいな値段。(牛タンもまるまる一本が400円ぐらい)

ヨメさんと一緒に買い物に行った時に、「これ食べよう。美味しいのよ」と言って【鶏の首】をトローリーに入れた時にはびっくりしました。嘘だろ?とヨメさんの顔をしげしげと見つめてしまったのを思い出します。それももう25年ぐらい前の話。

でもその晩、生まれてはじめて食べた鶏の首ってメチャクチャ美味しかった。それ以来、私は鶏の首の大ファン。子どもたちも「普通の食べ物」だと思ってる。(笑)

焼き鳥屋に行っても一番好きなのは「セセリ」で、それはマレーシアに来てからも一緒。息子たちも同様。

鶏の首はまず下茹でしてから、新しく沸騰したお湯にお酒、多めのショウガを入れて茹でます。茹で上がったらボウルに入れてすぐに「ポン酢」を掛けて「水分が飛ぶぐらいまで混ぜ合わす」のポイントで、それに柚胡椒をつけて食べる。

でも肉らしい肉なんて着いていないのね。それこそ「とうもろこし」を食べるみたいに、首の周りに薄く着いた肉を齧るだけ。流石に骨は食べない。(笑)

美味しいんだな、これが。温かいうちに食べるのがベストで、一度冷蔵庫に入れてしまうと固くてイマイチになる。

これを美味しいね、美味しいねとみんなで齧り付く我が家。他人様が見たら驚く光景かもしれない。(笑)

鶏の首はどこでも売っているってほどじゃないにしても買うのは簡単。スーパーでも売っていることがあるし。

我が家が買ったのは「MCY Food Supply」というメチャクチャ安い鶏の専門店。

2キロでなんとたったの4リンギ。(これはスープ取りにも抜群)

ところがですね、これを食べると思い出すのが、パブリカの「酉玉」という焼き鳥屋。

ここの焼き鳥は本当に美味しかった。

ただ「普通の焼き鳥(かしわ、ねぎま、つくね等)」を我が家は食べずに、他の焼き鳥店にはない【部位】が好きでした。

それは「そろばん(首の肉であるせせりの一部)」であり、「提灯」であり、「心残り」であり、いわゆる「焼き鳥」を食べることはありませんでした。

そろばん。

提灯。

心残り。

鶏の首を食べながら、「酉玉が美味しかったね~」と家族で話していたのですが、酉玉は2020年の2月に焼き手だった「リキちゃん」が急遽日本に帰ることになって以来、一度も行っていません。もう1年半以上経つんだ・・・・。

焼き鳥ってやっぱり「焼き方」が何よりも大事じゃないんですかね。それも「焼き立て」を食べるから美味しいと思うわけです。それと気さくな「リキちゃん」とのお喋りが何よりも楽しかった。

2017年だったか、シドニーから遊びに来た次男坊に行きたい店を聞いたら「酉玉」と言ったのが忘れられません。

酉玉で使っている鶏って「普通のブロイラー」だそうで、特別な鶏ではないと言っていました。ただ「新鮮さが何よりも重要」で、朝ジメの鶏が基本。仕入れは基本的に毎日ですが、余ったものは2日目の終わりには捨てると言っていましたっけ。(スーパーで売っている鶏肉はお話にならないそうです)

でも信頼していた「リキちゃん」がいないローカルの店となった酉玉に行く気は起きませんでした。(その後、日本から焼き手が来ているのかどうかは知らない)

それでも「デリバリで食べてみようか」という話になって取ってみることに。

それぞれを焼きすぎないようにちょっと炙って食べましたが、想像したよりはかなり美味しかったです。焼き方も悪くない。

でもお店で焼きたてを食べるのに比べたら全くお話にならないわけですが、ま、しょうがない。

ただフト思ったのは、美味しい焼き鳥を食べているのではなくて、「酉玉という思い出を食べている」、そんな気がしたこと。

残念・・・・。

-----(追記)-----
 

実は酉玉の焼き手だったリキちゃんとは連絡をとっていまして、本日、久しぶりにLineで話をしました。

彼が急遽日本に帰ることになった病気の方ですが手術(8時間の大手術)もうまく行き問題はないそうですが、コロナ渦になっていろいろと苦労している様子。

マレーシアの酉玉がどういう状態になっているか(不評が色々とある)は彼も知っていましたし、いつか再びマレーシアに来て欲しいと私は願っているのですが、彼が今置かれた状況や条件などを加味すると、マレーシアに戻ることは無いだろうとのこと。

今後、酉玉がどうなるかは(複数いる)オーナーの考え方次第ですが(日本の酉玉はオーナーではない)、私としては「店を作るのはスタッフ」と考えていて、あまりにも私達家族はリキちゃんが好きすぎて、新たにちゃんとした職人が来るにしても(今は職人不在)、私は期待はしていません。

今思うと、私達家族はリキちゃんが好きだったのであって、酉玉が好きだったわけではないのがはっきりわかりました。

これって我が家の癖みたいなもので、気に入ったスタッフ(板前さんとか)が店を移動すると私達もそちらの店に行って、前の店には基本的に行かないというのが昔からのパターン。新しい店ではそのオーナーが基本方針を決めるわけで、スタッフが好き勝手なことはできないのは当然ですが、私達はそれでもフタッフを追いかけます。

良い店っていくらでもありますが、良い職人、スタッフに巡り合うことは本当に稀ですから。ましてや人間関係というか信頼関係というか、それを築くのも難しいわけで、逆に築いたものはいつまでも大事にしていきたいと考えています。

もし日本にいくことがあったとしても、私が行きたいのはリキちゃんが今勤めている居酒屋であって、決して日本の酉玉ではないのです。

我が家にとっての一番のご馳走は、「美味しい食事」ではなくて、スタッフの気遣い、優しさ、誠意、腕、そして「人間関係」。美味しさってのは我が家にとっては【二の次】かもしれない。

我が家は決してグルメではないのはそれが理由かもね。グルメに興味もないのだけれど、B級だのC級だのと卑下した言い方も好きではない。いつ食べても世界一美味しい「母が作る料理」みたいなのを追っているのかもね。(笑)

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