シドニーから遊びに来ていた次男坊家族ですが、毎日、行動を共にしていたし、同じホテルに私達も泊まったし、食事もあちこちに行きました。
ところで高級店や高級寿司店、和食店でも「おまかせ」みたいな店にはまず我が家は行きません。
我が家はグルメじゃないし、高級店は「分不相応」と思うのね。懐石料理みたいな料理はもちろん大好き(特にヨメさん)ですが、食文化が日本とは全く違うゴールドコーストに25年住んでいるうちに、考え方、生活習慣がオーストラリア人的になったような気もしています。彼らは基本的には質素で贅沢をしないのね。ま、私達が住んでいた頃(1991年~)はオーストラリア経済も今とは大違いで決して裕福ではなかったし。だから飛び抜けて良い店、高い店って非常に少なかったのね。シドニーやメルボルンはまた違うけれど・・。
マレーシアに来てからは「お金さえ出せば良い店はある」とは思うし、今でも是非とも行ってみたい和食店、鮨店もあるんですよ。でもなかなかそういうお店には縁がないというか、積極的に行ってみようとはならない。まぁ、金銭感覚としては基本的にケチなのはオーストラリア人に似たのかもしれない。(笑)
そもそも良い店に行くと「君たちが来る店じゃないよ」と言われているような気さえしてきます。なんとも言えない違和感があるのね。
我が家は良い店とは縁が無かった時代が長かったこともあって、【良いものを食べてもわからない】かもしれないのね。あるいは「私達が良いと思うレベルが今風ではない」のかもしれない。鮨じゃ刺し身じゃといつも私は騒いでいるけれど、マグロ好きだからと言って決して「大間のマグロ」を食べたいとかそういうことは全く無くて、日本のそこそこの回転寿司レベルで十分なんですから。(笑)
でもなぜかガーデンズモールにある【創おまかせダイニング】には定期的に行きます。
この店って名の通り「おまかせ」のお店なんだけれど、価格的には非常に頑張っているお店だと思うし、「ここは高級店ですよ」みたいな押し付けとか、余計なプライドみたいなものを全く感じさせない店なのね。ただただ、淡々とやるべきことをしていますという職人気質を感じる店。長屋住まいのクマさん、八さんでもウェルカム。気兼ねなくどうぞみたいなお店。
それってきっと「職人、シェフが前面に出てこない店」だからそう感じるのかもね。最近はどこでも「XXXの店」みたいに本来裏方である職人が前に出て、それが【売り】になっている店が多いですよね。かつて有名だった「川越シェフの店」とか、最近不倫で大騒ぎになった広末涼子のお相手の鳥羽周作氏の店とか。ゴードン・ラムゼイ、ジミーオリバーの店とか、裏方がいつのまにかエンターテイナーみたいになっている店って私はあまり好きじゃないのね。どちらかと言えば、「気さくな女将と無口な職人の小料理屋」みたいなのが好き。
やっぱり主役は客であって、あるいは【客が連れてくる客】であって、客が店そのもの、裏方の職人を中心に考えてしまうようなことがあっては絶対にならないと思うわけです。もちろん有名人を追いかけるが如く、そういう店、巷での有名店が好きな人はそれはそれで良いわけで・・。
そしてですね、この店って出し物がちょっと変わっていて、わかりやすく言えば「おままごと」みたいなんですよ。【量が少ないけれど種類が多い】のね。最初の頃は出されたものを見て「うわっ、ちいさっ!」なんて思ったのですが、これだけの種類が普通の大きさだったら大食いの私でも食べ切れないぐらいの種類が出てくるのね。
そしてその小さいそれぞれにちゃんと手が入っている。量が少ないだけじゃない。私達はそういうのってこの店でしか経験がないかもしれない。
シドニーではそこそこ贅沢もしているような次男坊家族ですが、こういう店って彼らも経験がないはずなのね。だから行くことに。【創おまかせダイニング@Gardens Mall 】。
SOU OMAKASE DINING…
コースは何種類かあって、私はいつもは「寿司コース」なんだけれど、アワビ大好き人間のヨメさんがアワビアワビと騒ぐし、なんとなく皆もそれに釣られて「アワビコース」に。でもアワビの調理法とかメインを和牛、マグロなど選べるから問題はなし。私はどっちにしても「お寿司を追加注文する」ので絶対に満足できるのは確定済み。(笑)
今回は「見た目」で感動するような料理はありませんでした。でもそれぞれにきっちり仕事がなされていて美味しいのはいつの通り。
これでほぼ終わりなので、お寿司の追加を。すると皆が「俺も、私も」と20巻以上の追加となりましたが、そもそもお好みで料理を出す店じゃないから「ストックに制限がある」のね。またかつては「様々なネタ」があったのですが、今回は「定番」しかなくてちょっとがっかり。でもしょうがないですね。繁盛店ではないというのもこういう余裕の無さに出てきてしまう。
写真は撮りませんでしたが、こういうネタもあるのか~~じゃなくて、さっき食べたのをリピートしたみたいな感じでしかない。
決して満足しなかったなんてことはないのだけれど、最近、私の好きな店がどんどん劣化しているのと同じように、この店も「時代の流れと戦っている」のを感じました。
このお店で使っている「箸」はダイソーの箸で、我が家と同じだし・・・・・・・・
頑張ってほしいと思います。