我が家の定番であり、しつこいぐらいにブログに書くサウジャナホテル内の「Ti Chen=ティーチェン」で定例の「家族ランチ」を食べてきました。
これほど通った飲食店って、もしかしたら私の人生の中でも「Ti Chen=ティーチェン」しかないかもしれませんし、「中華料理店」としては間違いなく一位。そしてこの10年以上(マレーシアに移る前から通っていた)の経験は本当にいろいろでした。
何を食べても美味しくてメチャ安だった頃から、美味しくなくなって距離をおいていた時代もあったし、また美味しくなった、不味くなった、美味しくなったを繰り返し、とんでもない大幅な値上げがあったり、それでいてまた美味しくなくなったり、でも「美味しくなって値下げもした」のが今の状態。
そして今回ですが、「より一層、美味しくなった」と思いました。
こんな店。下の画像をクリックすると膨大な数の画像が見れます。
昔に比べるとかなり値上がりしましたし、それは最近、値下げが行われてもまだ高いままで、KLの「麗苑@リッツカールトン」よりも高い。というか、麗苑が変わってしまったというべきかもしれない。かつてはKLの5本の指に入るぐらい美味しいと思っていた店ですが、今ではどこかのモールの中に入っている中華料理店と良い勝負ぐらいになったと思っています。
ティーチェンですが、一時はとんでもなく高くなって驚いていた我が家ですが、最近は「注文の仕方」も覚えて、そしていつも行くのは「ランチ」ですから、「高価な一品料理は避ける」ようにすればどうにかなるのがわかってきました。
注文したのはほぼ「いつもの点心」が中心です。
それぞれが見た目は同じでも「美味しくなっている」のは間違いがなくて、私の一番好きでどこでも必ず頼む「ハーガォ(エビ餃子)」は一回り大きくなり、なおかつ今まで以上に美味しくて本当にびっくり。また「ライチ」みたいに赤い点心も、歯ごたえが逸脱していて美味しかった。
また「なんで焼売にアワビなんか乗せるんだよ」と思っていた焼売ですが、とんでもなく美味しくてびっくり。
「メニューにないもの」も勧められて何品か頼みましたが、美味しいと思ったのが「海鮮チャークェチャォ」です。味付けは薄味で私の好みだったのですが、入っている「海鮮の火の通り方」が凄いと思ったんですよ。この手の料理には必ず入っている「イカ」ですが、普通「しっかり火が通っている」けれど、この料理の場合、決して「半生」ではないけれど、微妙に「火が通り過ぎていない」のがひとくち食べた時にわかるぐらいで、なんとも言えないみずみずしさと美味しさを感じました。エビも同様で普通は「ああ、エビね」と思う程度なのが、「なんでこのエビ美味しいの?」みたいな。
我が家の定番の「燻製カモ」も同じで、「今日のはちょっと生っぽい感じ」という家族も居たのですが、私にしてみれば「ここまで絶妙な火入れをするか~?」と思わずにっこりするようなカモでした。
でも「鶏の低温調理オタク」の私に言わせると、この「火入れ」って【胸肉にはバッチリ】だけれど、「赤肉(もも)」には合わないのね。生すぎる。「鶏の低温調理」も突き詰めると、「胸、もも、皮」の「ちょうどよい温度はそれぞれ違う」のがわかるはずで、だからプロたちは「丸々一羽の蒸し鶏、それは実際には茹でる」わけですが、その時にややこしいやり方をするのね。それを考えていない蒸し鶏は「皮はブヨンブヨンで気持ち悪い」とか「胸肉が微妙に固い」様になるし、そういうのを経験した人は多いはず。ユーチューブの料理動画でもその辺を詳しく説明する中国人料理人もいる、奥の深い世界。
鴨料理も、西洋料理では胸肉はミディアムレアのロースト、もも肉はコンフィ(煮込み)が多いのはそれが理由じゃないですかね。それぞれ「ベストの火入れ、美味しさが違う」わけで、逆に「胸肉のコンフィ」って美味しそうには思えない。それは牛肉も同じじゃないですかね。「テンダーロインの煮込み」「スネ肉のミディアムレアのロースト」って私は知らない。
今回の料理はどれも「今までとはちょっと違う」わけで、それは点心も同じで、「シェフが変わったのかな?」なんて話も出たのですが、点心シェフのあの有名なおデブちゃんはいましたし、一品料理のシェフに関してはあえて聞くこともしませんでしたが、料理の見た目そのものはほとんど変わっていないことから、シェフが変わったということはないのかもしれない。
ただ、「いつもより美味しくない」というのもありまして、それは「酸辣湯=サンラータン」でした。
でも総合点では「満塁ホームラン」みたいな感じで、家族全員、一体どうしてこんなに美味しくなったんだろうねと不思議に思ったランチでした。それとこの店は「ハラル」なわけで、豚肉は使っていない。そして「酒も使っていない」ってことですよね。それでこれだけ美味しい味を出せるのか、本当に不思議だねと。
こういう美味しさが続くならまたすぐにでも行きたいと思いますが、これがまたマレーシアの面白いところで、「次のことはだれにもわからない」のね。
次のティーチェン行きはいつになるかわかりませんが、「なんでこんなになっちゃんたんだ?」なんて皆でがっかりするようなことになるかもしれない。
でもそれも「楽しみの内」と思えるようにならないとマレーシアではやってられないんじゃないかと思う。
料理もやっぱり「一期一会」の世界なんでしょうね。
いや~~、しかし本当に美味しかった~~~~。
ご馳走様~~。有難う~~~~~~~。
でもこの店を友人知人、読者にオススメできるかというと、難しいと思っています。
「三球三振、アウト!」のこともあるから。(笑)