必見!海外に出た老人達が経験したこと

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NHKで12月25日に放映したある番組があるのですが、見たいと思ったときにはすでに遅し、見逃してしまいました。

でもそれがネットにありました。\(^_^)/

番組名は「追跡!真相ファイル 海外での老後をなぜ選んだのか」です。場所はフィリピンですが、様々な問題が出ています。年齢とか渡った時期から行って、マレーシアより歴史があるのかもしれません。つまり、まだマレーシアに関しては渡ったばかりの人ばかりであれも楽しい、これも楽しいとマレーシア賛歌を歌っている人が多いですが、その内、いろんな問題も他国と同じに出てくると私は思っています。

NHKのページはここ  ←クリック  

このブログでいつも書いていることがこの動画に表されていると思いました。

オーストラリアはゴールドコーストに移住してきてすでに20年以上経ちますが、まさかここで介護生活を送ろうと思ってくる人はいないにしろ、夢と希望に溢れて渡ってくる人(ロングステイじゃなくてオーストラリアの土になるつもりで来た、いわゆる永住組み)たちがごっそりいました。私の家族も同じ。ところがですね、5-7年経った頃から様子がおかしくなってくるんですね。ポツポツ帰る人が増えてくる。まぁ、その理由はいろいろあるでしょうが私の周りでは一番がやっぱり経済的理由。その他、人間関係、家庭内の問題。

21年経った今、あの頃の人たちは一体どこへいったのだろうという感じです。残っている人たちは決して多くはない。(でも新規に渡ってくる人も少なくない)

前にも書きましたが、経済的な問題としてインフレが大きいと思います。でも今のインフレが始まる前からもう駄目だと帰る人たちもいましたし、帰る理由をインフレだ税金が高いとかオーストラリアのせいにしてもそれが真実かどうか。

生き残っている人たちにはいくつかの特徴があると思ってます。

○ 金持ち (笑)
○ 働き(収入)がある。(永住権があるので起業や就労は自由)
○ かなり質素な生活

逆を言えば、帰った人が多いと言うことは、将来の予想がかなり甘い人(私もそれ)が多いということでしょう。夢の強さに負けるんだろうと思います。

永住権保持者ですからオーストラリア人とほぼ同じ条件で生活が出来ます。起業も就労も自由ですし、失業保険はほぼ期間無制限で出ますし、65歳になれば老齢年金(掛金不要)がもらえる。そしてしっかりした健康保険もある。

これならどうにかなりそうでしょ?

でも海外で生活するってやっぱりそう簡単にはいかない。それなりの「オーストラリアで通用する」知識や技術、また学歴もなければ就職だって出来ませんもの。

それでもまだ若ければどうにかなると思うんです。良い夢を見させてもらったと日本に引き上げて、やり直しも出来るでしょう。でも今回の動画の様に、歳を取っている状態で予想外の事が起きたらどうなるのか。

マレーシア関連の盛り上がりようは半端じゃないと思いますが、物価は安いし、好きなゴルフもしょっちゅう出来るし、日本人もいっぱいいて楽しいし、助け合いグループがいくらでもあるし安心、てな考え方で大丈夫か。

多分、大丈夫だと思うんです。数年間のロングステイならば。

私が心配なのは、マレーシアマレーシアと多くのジジババが渡りますが、それぞれの考え方にはばらつきがあるってこと。つまり、数年のロングステイをしたいという人。マレーシアを最後の地にしたいと思う人。そして最近増えてきているのがマレーシアに歳を取った親を連れて行って介護をしようという人。また日本の自宅はいつでも帰れるように残している人。日本の資産を全て処分してマレーシアに渡る人(私たちはこれ)。こういう様々な人がごちゃ混ぜになってみんなでマレーシア賛歌の大合唱をしているように私には見えるんです。

海外でのロングステイをマラソンに例えて書いたことがありますが、スタートしてから5キロ10キロの辺りは皆さんニコニコしながら、そしてお互い声を掛けながら嬉しそうに走っているかもしれませんが、その中にはフルマラソンを走るつもりの人もいれば、年少者、高齢者、初心者様の12キロマラソンに参加している人もいる。あるいは超初心者用の5キロマラソンをテクテク歩きながら参加してる人も居る。中にはこのマラソンでの成績に拘って真剣に走る人もいる。そしてそれぞれの体力も経験も違う。そういう人たちが団子になって走っている様がいわゆるロングステイなんだろうと思うんです。そしてその中で情報交換が行われている。フルマラソンを3時間で走る人が5キロしか走るつもりの無い人から助言をもらったり、それぞれゴールが違うのにスタート時点では一緒に走りましょうね~なんて盛り上がってる。これって何か変な感じがするんですよ。それぞれ必要な知識や情報、技術って違うはずなのに、それぞれがそもそも何が必要なのかがわかっていないみたいな。

だから途中で「こんなはずじゃ・・・」と序盤で脱落する人が出ても全く不思議じゃないし、後半の35キロを超えた辺りで悠々と走ってる人は珍しいだろうし、自分の目標が5キロ完走なのか12キロ完走なのか、またフルマラソンをどう走り切るつもりなのか。最後は這いつくばって死にそうになってでもゴールインすれば良いのか、それともそこそこのレコードを目指して走るのか、それぞれが自分の体力、経験に合わせた目標を持っているのか。そこが気になるところですし、意外と自分の事はわかっていない、将来に起こるであろう出来事を想定していない、あるいは過小評価してるとか、まぁ、その辺が普通の人間だと思うわけです。だから完走者は結構少ない。実は私も同じでオーストラリアマラソンからは脱落です。今までに消えていった多くの友人達もそうだったのだろうと思います。ゴールじゃなくてとにかく走ることに価値を見出していたんですね。これじゃ、後にどんなになってもしょうがない。

私は「運」というのを非常に強く感じるタイプで、それは「縁」でもあるし、それがあるかないかの差で人生が決まるような気がしないでもないのですが、でも無鉄砲な計画でうまく行くことはあり得ない。(ハイ、反省しています)

この動画を見ていて思い出したのは、前にも書いたことがありますが、私の非常に親しかった日本人のこと。来た当時はかなり裕福そうで夫婦でベンツ二台(小ベンツじゃない)乗り回して、中心地で大きな店も経営していたのですが、長い間に段々と衰退して行って、とうとう離婚。後にちょっとした手伝いみたいな仕事をしながら命を繋いでいましたが、ご主人は最後は小さなアパートで一人寂しく亡くなりました。彼が小さな店を始めた当時、私の事務所がすぐ近くにあったもんで、しょっちゅう遊びに来るんですよ。それはそれで良いのですが、「こんなはずじゃなかった」「今更帰れない」と泣き出すんです。昔は肩で風を切って歩くような人だったのがここまで変わるかと思いましたっけ。また、「もうゴルフはやらない」とゴルフ場の池に自分のゴルフバックを投げ込んで捨てたなんてこともありましたっけ。

これって他人事じゃなくて、私も「運」に見放されたら同じようになったかもしれません。10桁の資産をオーストラリアに持ち込みながらあっという間に無くしてしまった人もいたし、まぁ、本当に小説にしたら面白そうな話がいろいろありました。

ただオーストラリアのケースがちょっと違うのは、私が話しているのは「永住権保持者」のケースです。当時の我々の年代(もっと上が圧倒的に多いけれど)は事業移民と言われていて、オーストラリアで事業をするという約束で永住権を手に入れたんです。でも今と違って基準が緩やかで、実際には事業をしなくても永住権を取り上げられることも無かった。でも、多くの人は「事業家」として「海外で成功」する夢を持っていたんですね。止めればいいのにワイナリー(ワインを造る農場と工場)を買ったり、不動産開発に手を出したり、今思えば笑ってしまうようなことを皆、真剣にやってました(私も同じ)。

その中で騙されたなんて話はいくらでもあったし、騙されなくてもポッと海外に出てやったこともない事業で成功するほど世の中甘くないんですよね。

ところがですね。永住権者とは別に「退職者ビザ」で来た人も結構いたんですね。この退職者ビザってMM2Hに似ていて、住んでいても良いのだけれど就労は駄目、保険も自腹、社会保障は全くなしってビザでカテゴリーとしては「テンポラリーレジデンス」、あくまで移住者、永住者ではなくてテンポラリーの居住者という位置づけですが、このカテゴリーでビザを取ってオーストラリアに来た人たちはいわゆるロングステイ組、退職者組と言っていいはず。彼らの多くはこちらで事業をしよう、勤めようなんて考えは一切ないんですね。だから自分の資産から生まれる所得なり、年金なりで慎ましく生きている人たちが結構います。

で、こういう人たちは「帰らなければならない」状態に合うことってほとんど無いんですね。まぁ、当時はこの退職者ビザでも最低5千万円の資産がなければ駄目ってやつで、裕福な人が多かったのかもしれませんが、こういう人たちは日本にも財産も家屋敷もあるんでしょう。私はあまり退職者ビザの方で何か問題が起きて帰ったみたいな話は聞いたことがありません。

で、私もいつの間にかそういう歳になり、また退職者ビザみたいなMM2Hでマレーシアに渡るわけですが、どうすれば生き延びられるのか、どうなったら帰らなければならないのかはわかるわけです。それは簡単なことで上に書いたことをまた書きますが、

○ 金持ち (笑)
○ 働き(収入)がある。
○ かなり質素な生活

これしかないってことなんですね。マレーシアが安い安いと言いますが、調べてみればすぐにわかることは、日本に家を残したままマレーシアに渡って行ったり来たりなんて、日本で住んでいるよりよっぽどお金がかかるという当たり前のこと。安く過ごすなら田舎に行くのがベスト。また年金で生活が出来るというけれど、それはちゃんとした会社で勤め上げてそれなりの年金をもらってる人の話で、国民年金でどうにかなるって話でもない。それプラス為替の変動、発展を続けるマレーシアのインフレ、日本の将来、そんな不確定要素の上になりたったご褒美人生。

じゃぁ、完全に移住しちゃえば?って話になるわけですが、こうなると違う問題が山積みなんですね。MM2Hは永住権じゃないってこと。社会保障は全く無いし。今回紹介した動画がまさにそれなわけです。

またマレーシアでのロングステイを薦めるロングステイ財団ですが、彼らはMM2Hでマレーシアで永住できるとは言わないんですね。あくまでロングステイ。なぜ彼らがそこに拘るのか、それを理解することは非常に重要だと思います。(ロングステイ財団のこの建前を批判する人がかなり多いのが私には不思議)

ここで一つ皆さん、考えていることがあるでしょ~?私も動画を見ながらアレレと思ったことがあります。それは国民健康保険の事。やっぱり番組では法律に従ったことしかいえないのは当たり前で、フィリピンに渡った人たちの「多くは」住民票を抜いて健康保険が使えないと紹介しています。

でも、住民票を抜かないで海外に住んだら大丈夫なんですね。これって本当は調べてみるとわかりますが、法律違反です。住民票を抜かなければならない。ところがですね、役所で聞いてみると「抜かないで良い」という答えが返ってくるケースが多いと聞いています。どこの役所も住民イコールお金ですし、住民を増やしたい、保険の加入者を増やしたいという思惑があるのでしょう。だから抜かなくても良いと言われたという人が多くいます。

でもそこにも私は嘘があると思っていて、役所に「海外に永住します」と言えば、では抜いてくださいと言うでしょう。でも「ロングステイです」と言えば抜かなくて良いというはず。この辺の言い方で彼らの応対も変わって来るはず。

つまり住民票は残したままで海外に出ている人が多く居る。では年金の税金は?となりますが、本来住民なんですから納税義務がある。ところが社会保険庁には海外に出ると届けるんですね。違うことをそれぞれとど役所の横の繋がりがないから大丈夫だとのこと。

これって犯罪でしょう。

ダボの野郎、余計なことを書きやがってと思う人はきっと多く居るでしょうね。でもそんなことまでして生きていこうという方がどこかおかしい。それがご褒美人生?これが裏技?こういうケチ臭いことをするから、若者や駐在組みに陰口も叩かれることに繋がるんだと思ってます。

私はそういうことが大嫌いな性格ですから、うまくやれば・・・みたいな話は私には絶対にしないでくださいね~~。(笑)

ああ、そうそう、海外での老後生活は良い話ばかりじゃないっていう書籍があります。前にも紹介しましたが、これ。

年金夫婦の海外移住  ← クリック

それといつも不思議に思うことがあります。海外に出ている人って、自分は幸せで、皆さんも是非いらっしゃーいという感じの人が多いのね。なんでなんだろう。これって不安の裏返し?それとも新車を買って、格好いいでしょ~~?っていうのと同じ?幸せを分けてあげたい?

自分が好きで住んで幸せならそれでいいだけのはずで、なんでおいでおいで~って言うんだろう。たとえば東京に住んでいる人で、東京っていいよ~、楽しいよ~、おいで~~って言わないもんね。そういう人に会ったことがない。でも海外に住んでいる人はそれを言う。

なんだかスマップのファンクラブが熱狂的なファンの働きで大きくなるような、何か現実味の無い不思議なものを感じるんですよ。行ってどうするってことよりも行くことそのものに価値を見出しているような。熱病がどんどん伝播しているような、そんな感じ。

だから私は海外生活なんかに夢を持たないほうがよっぽど安泰な生活が出来ると言いたくなる訳です。どうせ住むんじゃない遊びなんだから行きたいときに行きたいところへ行くのが一番。でもこんなことを言うと嫌な顔をされるのね。ファンクラブの文句を言ってはいけないのと同じ。(笑)

オーストラリアに関して聞かれることがありますが、オーストラリアに住む?よーーく考えたほうが良いと思います、と答えています。また旅行だとしたら、オーストラリアはやめてニュージーランドにした方がかなり面白いと思います、といいます。(笑)

まぁ、夢を追うことの代償ってそれなりに大きいってことでしょう。でもリスクばかり考えて何もしない人生なんか全くおもしろくもなんともないし、恋愛と同じで燃えているときが一番楽しいのは間違いがない。

だからやっぱりいつも書いているように、自己責任において、そしてリスクから逃げるのではなくて、リスクはコントロールするべきものだという考え方が大事なんだろうと思います。あれもできない、これもできないと考えるのではなくて、できるまでやってみるぐらいの気迫があっても良いんじゃないかと思うんですが、どうもその点において、多くのジジババはそういう意味でのパワーが無いように感じます。それでいて、エイヤッってなもんで日本の財産を処分して海外に出てしまうなんていう大冒険は平気なのね。本当に不思議。

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それと前にも書きましたが、友人に聞いた話。

日本人会に行ったときに、あるご老人が「もう食えない。やっていけない。どうにかならないか。」と事務の方に泣きついていたところに遭遇したそうです。

こういうのって他人事だと思うとうまくなくて、冷静にいろいろ想定してみると、もしあれがああなって、これがこうなると自分もそうなるであろうというのは想像できるはずなんですね。私もそうです。絶対に起きては困ることがいくつかあって、もしそれが重なるようなことがあれば間違いなくアウト。

こんなことばかり書いている私も疲れるんですが、あちこちのブログ、掲示板、SNSを読んでいますと皆さんの楽しい話ばかり聞いて舞い上がってしまってその気になって、この人、これでマレーシアに行って大丈夫なんだろうか、って思う人もいなくはないんです。世の中では、いかにも簡単に誰でも海外に出てご褒美人生を過ごせるような説明をする人、マスコミが少なくありませんからうまくないと思ってます。

でもやりたいことを止める必要なんかないわけで、やればいいのだけれど、冷静なシミュレーションと、万が一のときの逃げ道は必ず作っておいたほうがいいですよね。若者と違うんですから。

でもこんなことを書いても無駄なんですよね。俺は(私は)違う、大丈夫だと思ってる人がほとんど。オーストラリアへ渡ってきた人たちもみんな同じだと思います。私も楽勝だと思ったもの。(笑)

でもねぇ、年月ってわからないんですよね。2,3年での変化なんかないのも一緒で、せいぜい5年以上経たないと大きな変化は見えない。でもこれが10年、20年となると、想定外の事の方が多くなる。困ったもんだ。

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