前に書いた日記で、いまだにマレーシアの物価は安いとウハウハ状態の知人がいると書きました。
こういう人たちって実は結構いるだろうと思うのですが、そんなことをブログにでも書こうものなら非難轟々ですから沈黙する、あえて書かないのが当たり前で、でも実際の生活を見ていればわかりますよね。
で、マレーシアの「食」に関する話ですが、私がその人をうらやましいなぁと思う一番の点なんですが、それは資産も可処分所得もあるとかないとかじゃなくて、その人の生き様そのものはそんなに驚くほどの裕福には見えないんですよ。パッと見は普通のMM2Hと同じで、凄いコンドに住んで、ウン千万もする車に乗ってという生活でもない。
ところがですね、私が「食べること」しか考えていませんからその辺の話題になったんです。どこが美味しいとかどこはたいしたことないとか。
そんな中でチョロっとその人が言ったんですよ。
「どんな店にいっても食べたいものを食べる。値段を見てやめようとか思ったことは【一度も】ない」って。
これぞ究極の贅沢だと思いました。私は食べることしか考えていないようなジジーなのはこのブログの読者はすでにご存知ですし、食べたいものが食べられる場所、国がベストだという論者ですから。(笑)
でもそれを聞いた私は「嘘~~~」とも思ったわけ。だって、一人前20万円ぐらいするアワビのメニューがある専門店に行ったことがあって、メニューを見てびっくりしている私にヨメさんは「あんた、顔が引きつってるわよ」と言うし、まさかこんなに高いとは思わなくて焦ってる私はウェイトレスに「次のページに安いものがあります」なんて言われちゃったし。
その時の写真。これ2008年でこの価格。5680RMって日本円でいくらなのか、5,6回計算しなおしちゃいましたよ。勘違いに決まってると思いましたから。
もちろん安いのを選んだわけです。それもオーストラリアから来たのにオーストラリア産よりも安いメキシコ産を選んだ私達。(笑)
あるいはフカヒレにしたって、フカヒレだか春雨だかわからないようなのがちょっと入ったスープじゃなくて、ちゃんとした「姿煮」をおいている店もあるじゃないですか。でもやっぱり高くて我々には手がない。食べたいけれど我慢。
でもそのウハウハだと言っている人は「そういうものを食べたいとは思わない」ことに気が付きました。賢いっ!って思います。(笑)
ところがその人と食事に行くとですね、生け簀がある中華料理屋で、ポンポン好きなモノを頼んで、マレーシアって安いよね~という。
なんだかわけがわからないのですが、「自分が欲しいものは安い」ってことなんですね。でも何千万もするポルシェを欲しいとは思わない、みたいな。(笑)
ここが幸せと感じるかどうかの大きな境目で、でも自分の欲望を抑えるのは私は難しいと思うわけです。食べたいものは食べたいですもの。それを食べたいと思わなくするのって簡単ではない。物欲だって同じで、高かろうと安かろうと欲しいなぁって思うものはいくらでも存在する。
つまり欲望とは自分のコントロール下にはないわけで、そういう自然体で生きて「何でも安い」って思えるって凄いことだと思うんです。これって偶然としか思えないのですが、そういう意味で、その人にとってマレーシアの「食」は完璧だということ。
ま、確かに生け簀のある中華料理屋で好きなモノをガンガン注文するぐらいですから、それなりに裕福なわけですが、もしそうじゃないにしても、つまりホーカーズ専門だったにしても、「好きなモノを好きなだけ食べる。安い!美味しい!最高!」って思う生き方が出来れば、それ以上の幸運は無いと思うのです。
だからマレーシアの物価が3分の1だろうが、もうそんなのは神話だろうが、それは人によって感じ方がまるで違うわけであって、他人のいうことを聞いても結局は何もわからない。自分はどう感じるのかは別問題、そんな気がします。我慢できるのか出来ないのか、幸せだと思うのか思わないのか、また拘りたいいろいろなことも、それって自分の問題でしか無くて、環境がどうかってのは全く関係がないのかもしれない。
ま、欲の皮が突っ張った私みたいなのはどこに行っても不満タラタラになるのが当たり前ってこともよーーーくわかる。(笑)
いろいろな方のブログを読んでいても、現実がどうかってのは全く関係なくて、その現実を「自分は」無理すること無く、我慢すること無く、受け入れることができて「マレーシアに来てよかった」という人は少なくない。でもそれとは逆で、「食」に関することだけでも不満がつのって帰る人も多くいるんでしょう。
私がマレーシアに旅行に行った時の話で忘れられないことがあるんですよ。ホテルで知り合った日本人観光客と行動を共にしたことがあるんですが、その人が「伊勢丹て凄いですよね」と言うんですわ。私達夫婦にしてみると伊勢丹って天国で宝の山に見えるんですが、実はその人は「凄い」って「酷い」という意味で使っていたのに気がついて驚きました。「あんなものしかおいてない」という意味(この人がオーストラリアに来たら心臓停止するはず)。
こういう感覚がその地での満足感を左右するわけで、それは努力しても無駄で、相性でしかないんでしょうね。そういう意味で、相性なんて異性関係と全く同じで、一緒に生活してみなくちゃわからない。(笑)
「食べる」という点ではマレーシアを天国だと思ってる私。和食も含めてです。日本に比べたら酷い・・なんてことは全く思いません。そこはきっと「勘違い」かもしれなくて、比較対象がオーストラリアだからそう思うだけかもしれませんが・・・・・(笑)
私にしてみれば一歩前進できればOKで、完璧は狙っていません。
マレーシア、楽しみだ・・・・。
お腹が空いてきた。