オーストラリアはこれから冬。アンコウが捕れる時期なんでしょうか。どの魚屋に行ってもアンコウがある。
でもアンコウとは書いていない。当たり前だ。こちらではMonk Fish。
文句ばかり言っていそうな顔をしているけれど、当然、こんな姿では売られていない。(笑)
写真はありませんが、魚屋にならんでいるのは切り身だけ。
もったいないですよね。アンコウの7つ道具と言われるように、アンコウって捨てるところがないくらい食べるところがあって、その部位それぞれが美味しいのにね。特に気になるのが肝。これも大量に捨てているんでしょう。
不思議なことっていっぱいあって、オーストラリアは牛で有名。もちろん豚もいれば鶏もいるけれど、それらの内蔵ってどうなっちゃってるんでしょうか。こちらのスーパーで見る内蔵といえば肝臓ぐらいで、たまに心臓とか腎臓がある。鶏のハツや肝もあることはあるけれど置いていないのが普通。でも量としてはすごい量なはずで、みんなどこへ行っちゃうんでしょうか。
それは牛肉も同じで、棚に並んでいる肉って部位が決まっている。売れ筋も決まっている。じゃぁ、そうじゃない部位はどこへ行った?
そういえば、もう40年近く前のことだけれど、アメリカはシアトルで釣り好きの現地の親戚と鮭釣りの乗合船に乗ったことがあります。普通、彼らが鮭釣をする時には、鮭が湾に入ってきてそこで食べて体力をつけ、一気に川に上る前に釣るんだけれど、その時は、乗合船で沖に出ました。釣りのライセンスの関係で一人一日2匹と決まっているので、船としては人数x2が釣れた時点で終了。釣れなかった人は釣れた人からわけてもらう。
鮭なんか大きいですから、釣り人がそれぞれ自分が釣ったのをバケツやクーラーに入れて・・・なんてことはしないんですね。全てまとめて船の大きなクーラーに入れちゃう。それだと誰の鮭だかわからなくなるから、鮭の頭の部分にナイフで釣った人がわかるような目印を付けるわけです。
で、ぶったまげたのが、船が港に帰る間に、船に乗って雑用をするベイトボーイと呼ばれる若者がいるんだけれど(餌をつけたり、釣れた魚を外してくれたり)、彼は船が港に帰るまでに、釣れた全ての鮭を綺麗にするわけですよ。つまり、内臓を出して洗ってくれる。それらは船の外に捨てますので、カモメが何十羽も着いて飛んでいる。イクラの食べ放題ですわ。毎日とんでもない金額のイクラが捨てられていたんですねぇ。
イクラって考えてみればなるほどなんだけれど、そういう沖合で釣れた鮭のイクラは、いわゆる筋子のアレで粒が小さいのね。イクラの一個一個が成熟しきっていない。だから我々が食べるイクラの場合は、湾の中に回遊してきてこれから遡上する直前の鮭のイクラだってこと。鮭が川に登ってしまうと、イクラのツブツブの皮が固くなってもうイクラとしては価値がないのね。釣り餌になる。
オーストラリアやニュージーランドで鮭の養殖が盛んだけれど、出回っているイクラなんて微々たるもの。まさか多くは捨てちゃっているなんてことがあるのかな?
でもそれって日本も同じで、売れないもの、値がつかないものは捨てちゃうのね。豆腐を作るときで出来るオカラが産業廃棄物で、捨てるのにお金がかかるなんて異常だわ。
いつか罰が当たるような気がしないでもない。
ということで(笑)、アンコウを買ってきたんですが、天ぷらにしたら美味しかった~~。鍋も良いとは思うのだけれど、切り身しか無いってのが面白く無いですよね。アンコウ鍋の感じがしなさそう。
前は唐揚げにしたけれど、アンコウは油で揚げたほうが美味しいみたい。焼いたり煮付けたりだとちょっとアンモニアの匂いがするのね。要は魚屋に並んだ時点でもう古いってことなんでしょう。日本で楽天で買って食べたアンコウがアンモニア臭いなんて経験は一度もないし。
今調べてみたら、アンコウは下処理をしないとアンモニア臭いそう。(新しければ臭くないと思うんだけどなぁ)
「あんこう鍋を作る際には作る30分前ぐらいから塩をふっておきます。沸騰したお湯にあんこうを入れて白くなるまでさっとゆがきます。あんこうはザルにあげて水できれいにぬめりをとります。」ですと。
そういえば、この前テレビを見てびっくりしたのですが、タラってタラらしい匂いというか味がするじゃないですか。ところがあれって古いからそういう味がするんですってね。釣れたばかりのタラにはあの匂いも味もないとのこと。タラには自分自身を消化してしまう酵素があって、死んだ瞬間それが働いて、一気に味が落ちるそうです。私達がタラの匂い、味だと思っていたのはタラが腐りかけている腐敗臭だとのこと。だから都会人が知っているタラと産地のタラ(一本釣り)は全くの別物ですとさ。新鮮なタラを食べてみたいなぁ・・・・・。