日本で美味しいものを食べてその余韻に酔いしれている私達ですが、帰ってきた次の日に長男の友人が「釣りに行ってきた」と獲物をごっそりクーラーボックスに入れて我が家にやってきました。
日本に行っている間にその友人の誕生日があって、彼に日本のウイスキーをお土産で買ってきたこともあって我が家で宴会。
最高に嬉しかったのがアオリイカです。体長30センチ以上。
そしてこちらではシマアジと呼ぶことがあるロウニンアジ(トラバリー)。写真を撮り忘れましたがこれまた30センチ以上のもの。
誰がそれらを卸すかで延々30分、言い合いが続きましたが私もヨメサンも疲れていて駄目。結局、釣ってきた彼が長男と一緒に卸すことに。
美味しかった~~。
アオリイカってこちらではたまーーーに(数年に一度くらいか)普通のイカに混じって売っているんですよ。値段は同じ。面白いでしょ?
肉厚があって甘くてちょっとネットリしてこんな高級なイカがいくらでもいるのに漁師は獲らないのね。需要がないってことなんでしょう。アオリイカより、イカリングにして揚げちゃうようなイカなら需要があるってこと。
ロウニンアジもそうで、これの刺し身なんか最高に美味しいと思うのだけれど、刺し身を食べないオージーにしてみると脂のノリが少なくて火を通すとパサパサになるから人気がないんでしょう。釣りの対象としては引きが強いので大人気ですが、食べる魚としてはそうでもない。だから漁師も獲らないのだろうと思います。
ゴールドコーストの海でさえ色んな種類の魚がいるんですよ。でも料理法が日本人みたいに多くないし、箸を使わない文化だからナイフとフォークで食べられる魚じゃないと駄目なのね。つまり大きな魚で3枚におろしても身が分厚くて立派な魚じゃないと駄目で、イワシみたいな小魚はまず食べない。イワシやアジは大物釣りの餌として使うだけ。
また岩場についた魚もいるわけですよ。カサゴやメバルみたいなのもいる。でもこの手の魚って焼いてナイフとフォークじゃ食べられませんよね。刺し身にするか、煮魚にして箸を使って食べないと食べられない。ましてや魚屋が頭や骨を落として綺麗にして売るのがあたりまえだから、その手の魚は歩留まりが悪くて駄目ということになる。
ある意味、そういう魚達は幸せですね。日本だったら獲られて食われてしまうのにオーストラリアでは生き延びられる。(笑)
そんな魚も自分で釣れば釣れるわけで、でもしっかりしたボートを持っていないと無理。そこらの岸辺から投げて釣るのは簡単ではないし。
結局、オーストラリアにろくなものがないというのも、それは日本人の感覚でしかなくて、また流通や市場が整備されていないのは需要がないからで、また新鮮なまま(活き締め血抜きにしてすぐ冷蔵)、ましてや生きたまま運ぶなんてこともしない。そんな魚を欲しがるニーズがそもそも存在しないんですから。もったいないですよね。目の前の海にはいくらでも美味しい魚がいるのに。