全世界で課税逃れ対策が進む

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前にタックスヘイブンに関して書きましたが、やっぱり今回のパナマ文書の衝撃は大きいようですね。G20でも税逃れ対策を強化することで合意があった。

【主張】G20共同声明 税逃れ防ぐ枠組み広げよ(1/2ページ) – 産経ニュース

アメリカって税制が「属人主義」で「アメリカ人はどこの居住者だろうと本国に納税しなければならない」と決まっていますので(日本は属地主義で居住国の税制に従う)、昔からアメリカが厳しかったわけですが、世界各国も歩調を合わすことになるんでしょうね。日本は日本でタックスヘイブンの利用に関しては前に書いたように対策をしていまして、そう簡単に租税回避は出来ないようになっていました。でも次から次へと新しい手法が出てくるので、今でも数年に一度ぐらいの頻度で対策がいろいろ出されている様子。

ただこればかりは個々の国が頑張っても、タックスヘイブンと呼ばれる国、あるいは地域の協力がないとどうにもならないわけで、今回は世界が歩調を合わそうということになりましたので、変化がでてくるんじゃないでしょうかね。

私がこういうことを書くと、「なーるほど、では気をつけないとですね」なんて一体何を考えているのか?と思う人が出てくるんですよ(笑)。でも私は逆で、どんどん厳しくやれという立場ですのでお間違えの無いように。

脱税は犯罪、節税は合法。アタリマエのことですが、租税回避を企む人と合法的にやろうとあの手この手を考えている人も、外から見ると同じに見えるんですよ。ここが私が気になる点で、真面目にやろうと思ってるのに変に疑われたり、「同じ穴のムジナか」なんて思われたらとんでもないですもんね。タックスヘイブンの利用も同じで、タックスヘイブンを利用しているというだけで「犯罪人」に思われたら本当に困る。

マレーシア絡みの読者が多いこのブログですが、マレーシアはラブアン島という島にオフショア税制を取り入れた。これってまさにタックスヘイブンそのものですし、マレーシアそのものも無税ではないものの、「海外での所得には課税しない」とか「金融資産から生まれる利子などには課税しない」とか優遇税制があるわけで、これがあるだけでタックスヘイブンのカテゴリーになる。そういう意味では香港もシンガポールも同じ。またそういう優遇税制を持つ国、地域はいろいろある。オーストラリアだって相続・贈与税がないというだけで、オーストラリアにそれの目的で渡る人もいるくらい。これを脱税でもしているかのがごとく言われたら困りますよねぇ。マレーシアのラブアン島に会社を作った人だってたくさんいるでしょうに。でも外から見ると「何を企んでいるのかな~~~?」って見える。(笑)

でも今回はそういうタックスヘイブンも「うちは関係ないね」とはいえない状況になってきたわけで、「口座情報の交換」も進むのでしょう。ま、これに関しては前からG20で決まっていたことですが、今回はそれをもう一歩踏み込んで、そして来年度からはそれを実施する国がありますので(オーストラリア、マレーシア等)、タイミングとしては良いですし、今まで「他国に口座を持っていれば大丈夫だろう」なんて簡単に思っていた人たちも炙りだされることになるんでしょう。

でも口座の持ち主がわからない特殊口座は今も存在しますし、それらが今後どうなるかそれにも注目したいと思うし、それをどうにかしないと意味がないような気もするわけです。つまりですね、「やる気満々の人(笑)」はそういう口座を使うのが常識ですし、まさにここに大物が隠れているはずなんですね。香港やシンガポール、マレーシアに自分の名前の口座を持ったまま旨いことをやろうなんて思っているのは初心者と言って良いのかもしれない。でもそれがとんでもない人数なのは間違いがなくて、まずは外堀から徐々に埋めていくってことなんだろうと思っています。

マイナンバー制度もどうなるのかわかりませんが、アメリカのソシアルセキュリティナンバー、オーストラリアのタックスファイルナンバーも同じで、もうすでにある口座に対して、その番号の提示を言われるようになりましたので(私の事例は前にブログに書いた通り)、日本の居住者であるなら「マイナンバー」、オーストラリア居住者なら「タックスファイルナンバー」などを口座を開く時点で普通に要求されるようになるんでしょう。これは居住国のナンバーということであって、何人かは関係なく、居住国にそういうナンバー制度があればそれを出さなくてはならないとなるはず。つまり、日本の居住者であるのに「俺はマイナンバーは無いよ」というのが通用しなくなるんでしょう。でも日本の非居住者であれば関係なくて、居住国のナンバーを聞かれる。

でもそうして作った口座でも「居住国を変えた」場合にはどうなるのか。当然それを銀行に届ける必要がありますが、届けないとすれば前の居住国のままってことになるんでしょう。これって特恵税制がある国に住んでいた人の殆どが考えることで、知らん顔していればその口座は表に出てこない。でもそんなことはどの国の当局もよーくわかっているわけで、何らかの処置をするようになるんでしょうね。銀行も厳しいところでは厳格にそのルールを守るようになっているのかもしれない。ま、銀行にしても証券会社にしても、住所変更届を出さないでそのまんまなんてのが出来ない時代にはなるんでしょう。

前にMM2Hの方で、「万が一の時には修正申告をすれば良いんだよ」と私に言った人がいます。これってスピード違反、駐車違反と同じような考えかたですが、それで良いんですかね。ま、雑魚は放置するのがどの国も同じですが、その万が一の時にはかつてペナン在住だった日本人のようにマスコミにも名前が出ちゃうことになるかもしれない。

それとですね、5年縛りがありますよね。日本の非居住者になっても5年間は「相続・贈与の申告義務が日本にある」ってやつ。つまり5年間は日本にいるのと全く同じ扱い。

これをもし簡単に考えて、例えば息子の名義で定期を作るとか、再婚した相手の名前で不動産を買うとか、これって贈与ですから、日本の当局に知れれば当然「贈与税を払ってください」となる。修正申告をすれば良いという人でも「贈与税の税率の凄さ」は知っているはずで、そう簡単にはいかないと思います。

この5年縛りの怖いところは、知らず知らずそれをやってしまうということだと思います。私も息子の名義で定期預金を作りましたが、当然、私達が日本の居住者だったら贈与になるわけです。でもオーストラリアの居住者である私たちは日本の税法は関係なく、オーストラリアの税法に従うわけです。そしてオーストラリアには贈与・相続の概念が税法上にそもそもないので、息子の名で定期を作ろうが、ヨメさんの名義で不動産を買っても全く問題がない。でも日本から来た人は「5年以内の場合は」それをやったらうまくない。

これは会社を作るのも同じで、簡単に会社が作れるからといって会社をこしらえてしまうと、さてその株主はどこからのその原資を持ってきたのか。息子に会社を作ってやるとか共同経営者にするにしても、息子に半分の権利をやるなんてことはできないわけです。もちろん資本金の小さな会社なら良いですが、大きければ、「息子さんの資金の出処は?」となる。あるいは息子の会社にそれなりの額を振り込んだ場合、ちゃんと貸金処理をしないでいると、これまた贈与になる。

夫婦でマレーシアに渡り、銀行も不動産も共有名義にするケースは多いと思いますが、私は本来これとてうまくないと思っています。持ち分が半分半分だとしたら、もちろんその「お金はどうしたんですか?」ってことになりますから。また共有名義にしてどちらかに不幸があったとしましょう。それが5年以内なら日本と同じように相続の申告が必要ですよね。でもその時に半分しかしなかったらどうなるんでしょうね。あるいは申告をしなかった場合、「マレーシアは相続税がないから申告の必要はないと思っていた」って言い訳が通用するのかどうか。

ま、こまいことを上げればキリがないわけですが、法律があるのだから法律通りにやれば何の問題もないってことじゃないですかね。5年経てば贈与も相続も問題なく、マレーシアの税法に従えば良いだけの話。

ま、毎度のことで話が長くなりましたが、今回のパナマ文書でどういう問題が浮き彫りになっているのか、いろいろまとめたサイトがありますので紹介します。へーーと思うことばかり。

税逃れする富豪たち!トヨタ5年間無税!タックスヘイブンで税逃れする大企業の姿!格差社会の元凶 – NAVER まとめ

このタックスヘイブン問題ってテロ問題と密接にリンクしていて、ISISの資金、北朝鮮もいろいろ言われていますね。ま、そんなこともまとめてこういう解説もある。

ま、小手先のインチキを考えること無く、節税は合法的にやりたいと思います。道はいくらでもあるんですから。そして節税が出来る環境にあるのならそれをやるべきだとも思っています。

 
 
 

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