「イポーの美味しいモヤシ」の秘密

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秘密なんて大げさですが、確かにイポーのモヤシは美味しい。ではなぜ美味しいのか。

巷では「イポーの水は美味しいから」だと思われている様子。

ま、野菜はモヤシに限らず水分が多いですから美味しい水で育てれば美味しくなるのは間違いがないと思いますが、イポーのモヤシに関しては私は水は関係ないと思っています。

そもそもどういうモヤシが美味しいのか。

これは使いみちに寄って違うでしょうし、地方によっても考え方は変わると思います。

ただ一般的に言われていることは

◯ 茎が太くてシャキシャキしている

◯ ヒゲ(根)が短い

ここが重要なポイントだと私は思うし、生産農家もそれを目指しているはず。

イポーのモヤシはまさにそういうモヤシですが、これは美味しい水を使えば出来るのかというとそうじゃないんですね。じゃぁどうするのか。これは世界中のモヤシ農家が同じことを考えていて、また専門家が「薬品」「ホルモン」などを使って「美味しいモヤシ」を作ろうと日々研究をしているのはネットの中をちょっと検索するだけでもわかります。

ただ、太く、そして根を小さくするノウハウはかなり昔から知られていて、それは「エチレンガス」を使う方法。

どうもこれは業界の常識と言って良いらしく、日本のモヤシもほとんどがエチレンガス+アルゴンガスで調整されているらしい。

そもそもモヤシは「もやしっ子のような」という比喩があるように、ヒョロヒョロとして弱々しいのが普通。ところがこれだと見栄えが悪いんですね。そして食感も良くない。

これをどうにかできれば、そしてなおかつ邪魔なヒゲ(根)をどうにかできれば商品価値が上がるのはわかりきったこと。だからエチレンガスを使う。

ダボは全くいつものことながら知ったかぶりをして~~って思うでしょ?(笑)

ですからここで証拠を出そうと思います。

残念ながら我が家には大豆もグリーンマッペ(緑豆)もブラックマッペ(黒豆)もないのでモヤシを作ることは出来ません。でもカイワレ大根はいつも作っていますし、「エチレンで育ちが変わる」のは同じことですのでカイワレ大根で実験をしてみました。

エチレンはどうやって入手する?

実はエチレンガスは簡単に手に入るんですね。それは「リンゴを使う」ってこと。冷蔵庫に果物をしまう時に、「リンゴと一緒」にしまうと「熟すのが早い」のは普通の奥様方でも知っていること。バナナはすぐ黒くなるし、逆に硬いアボカドなどはリンゴと一緒にしておくとすぐに熟す。

この作用がエチレンガスによるもので、リンゴは多くのエチレンガスを出すということ。

ガスというと、え?と思うかもしれませんが、エチレンは植物からすれば自らも生成する「ホルモン」の1つであって、量の多い少ないはあるものの多くの植物は自分でそれを作って利用しているわけです。

こんな実験をしてみました。

2つのカップに同じ量の土と水を入れます。

同じ量の「大根」の種を蒔きます。

1つはこのまま。もう一つは「リンゴと一緒にして」袋に入れます。

左側はそのままのもの。右側にはリンゴも一緒に入れてあります。

これをカイワレやモヤシを作るのと同じように、暗所に置きます。これが2月の20日。

そして5日後の2月25日。今日ですが、このようになっていました。

何もしていない方はいつものようにヒョロヒョロと伸びています。

しかしリンゴと一緒に袋に入れておいた方は、リンゴが出すエチレンガスによりこのようになりました。

わかりやすいように並べてみます。

エチレンガスの影響を受けた方の特徴ですが

◯ 太く短くシャキシャキしている

◯ ヒゲ(根)が短い

つまり、イポーのモヤシと同じってことですね。これはイポーで食べたモヤシです。

こういうモヤシは他の地方、国では作らないのかってことですが、どこでもエチレンガスを使うのは常識であるものの、ここまで極端にする例は少ないようです。でも「モヤシの画像」で検索してみるとかなり近い形状の物は出てきますので、生産者の考え方1つなんでしょうね。

さて、エチレンガスを使って矮化させると問題があるのかどうか。

この辺をネットで検索してみると、人体に影響が出ることはなさそう。でもエチレンガスを使うと「食味が落ちる」と書いている業者もいます。また業者の中にはモヤシに対する思い入れが強い業者もいて、本来のモヤシを作りたい、それが本当は一番美味しいのにと情熱を持つ人もいたのには感心しました。でもエチレンを使わないとならないジレンマに悩んでいる様子。

たかがモヤシかもしれませんが、モヤシに人生をかけている人もいるんですね。それも大勢に流されること無く「あるべきモヤシ」の探求を続けている姿には心打たれます。

まぼろしの「もやし」求めて・・・ -3ページ目

モヤシとエチレンの関係はネットを検索するといくらでも出てきます。そして「美味しいモヤシ」を求める熱い人達もいる。でも彼らはエチレンやホルモン、薬品を使って「見た目の良い、太くてシャキシャキして、根も小さい」モヤシを作ろうとしているんじゃないんですね。ある意味、イポーのモヤシの様に「極端に矮化したモヤシ」は珍しく、人の手によってそのような奇形を作っていかにもそれが素晴らしいものの様に喧伝すること無く、素のままの良さを追い求めている人たちがいる。

今回なぜモヤシのことにこだわったかというと、薬品やガスを使って奇形を作り、これが素晴らしいモヤシだと「名産」として売る人たち、そしてその人たちの口車に簡単に乗せられて「水が美味しいからだ」なんて盲目的に信じている人たち。でもそれらとは対象的に、本物のモヤシ作りに執念を燃やす人たちがいる。

私は、小手先の奇策に溺れること無く真正面から「良いもの」を作ろうとする人たちに心を奪われました。

そのことをこのブログに書いておきたかった。

確かに美味しければ良いんですよ。どこの誰がどんなインチキをしようが、美味しければ良い。

でもねぇ、人の根底に流れる「思い」ってを私は大事にしたいんですよ。売れれば良い、儲かれば良いってもんじゃないし、薬品(ガス)で作った奇形のモヤシに私もエールを贈りたいとは思わない。

ま、価値観はいろいろ、面白いですね~。

ああ、それとですね、イポーのモヤシは私はエチレンガスで作っていると確信していますが、もしかしたら違う可能性もあるんですね。

それは数年前、中国で結構問題になったことですが、(あの中国でさえ)使用禁止にした特殊な薬品を使って

◯ 真っ白で雪のような色

◯ 太くてシャキシャキしている

◯ 根がほとんどない

こういうモヤシを作っていた業者が大量に摘発されたんですね。でもイタチごっこで捕まえても捕まえてもどこからかまた出て来るとのこと。

まさか、イポーのモヤシがそれと同類でないことを祈るばかりなり。

 
 
 

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