スバンジャヤにある炭家(Sumika)ですが、行きたい行きたいと思いつつチャンスがありませんでした。何ヶ月か前にトライしたのですが、開店と同時の6時だったのに「予約で一杯」と断れたことがありました。
今日は夕方4時頃に思い立ち、電話をしてみた所、予約が取れたのでヨメさんと二人で行ってみることに。
大雨というより暴風雨みたいで雷は凄いし、あちこち水が出てスバンジャヤに着くまでが大変でした。前が見えないくらいの雨で、道の所々の大木が倒れていたり、ハイウェイが1車線しか通れなくなっていたり。こんな大雨に遭遇したのはKLに来てから二度目。
予約の6時に15分ぐらい遅れて店に入りましたが、こんな大雨なのにすでに6割ぐらい客が入っていてびっくり。繁盛店なんですね~~。開店15分で、もう忙しそうにマスターが焼いていました。
この炭家は多くのブログで絶賛されていましたので楽しみにしていたのですが、お通しの枝豆がかなり疲れていたのでスタートから疑心暗鬼に。(笑)
キャベツが出てきたので、このマスターは九州出身なのかな?とヨメさんと話していました。
メニューを見るとやっぱり専門店なのがわかります。セセリ、血管がありましたし、牛、豚を含めて焼き物のオンパレード。そして値段がかなりこなれています。安い。
このお店の場所はスバンジャヤ。店は二階(こちらでは1F)で、店の作りをみてもすぐわかりましたが、「極力コストを下げ、無駄なことはせずに【安く提供する】」という方針が見て取れます。この地域の近くには日本企業も多くあるようで、仕事帰りでも気楽に食べて飲めるような店を目指したんでしょうね。お酒も安い。
でもお客さんの半数以上は中国人で、地元にも受け入れられて成功しているんですね。
でもビールは二種類しかなくて、カールスバーグが17リンギ。アサヒが21リンギ。焼酎のイイチコがボトルで165リンギ。税込みですから良いと思います。
そして店のスタッフの動きが良いのが目立ちます。こういうお店って珍しいはず。マスターも大きな声を出して九州弁でどんどん指示を出す。良いテンポで皆が動いていて気持ちが良いと思いました。
とりあえず、初めてですので鶏の焼き鳥を一本ずつ頼んでみました。でも(嫌いな)胸肉はパス。
久しぶりの豚足。柔らかく茹でたものをカリカリに焼いてあるのは博多風と同じ。
でも惜しいと思いました。ヨメさんは博多風にこだわりがあるのですが、もっと柔らかく茹で上げてトロトロにするんです。そして皮はパリパリに焼いてその違いが面白いのね。噛むとパリっとして次にトロリが来るわけですね。でもこの豚足は茹で方がちょっと足りない感じ。そして酢醤油も足りない感じ。
それをヨメさんに言ったところ、豚足はすぐにキャベツ(酢醤油の味付け)の上に乗せるんだそうです。そうするとキャベツも美味しくなるんだと。
でも私にはなんだかイマイチわけがわからず。酢醤油が欲しいと思ったのですが、テーブルにある薬味の一つが醤油入れ。これってきっと酢醤油よとヨメさんが言ったものの、味を見たら醤油でした。掛けなくてよかった。(笑)
ヨメさん曰く、博多だと「酢醤油の瓶」が並んでいるのが普通だそうです。だからこの店は博多式じゃないかもね、なんて言っておりました。(あとで長崎だというのがわかった)
美味しいことは美味しいのですが、多くのブログでの絶賛するレポートを読み、期待値がかなり大きくなっていたのでしょう。その期待値から比べると「思ったほどじゃないかな」と思いました。
でも普通の和食店で食べる焼鳥とは全く違っていて、間違いなく美味しい。
ただ最近は、焼鳥専門店が何箇所も出来ていてそれぞれ個性を出して頑張っているので、トップを独走という感じではないと思います。
「焼き鳥」にどういうイメージを持っているかは人それぞれですが、私達が昔から持っている「庶民の焼き鳥」という意味においては間違いなく良いと思います。でも鶏鬨やふく田、小池商店などそれぞれ美味しいので(ふく田のことはあまり覚えていない)、炭家が味で他店を圧倒というのは難しいにしろ、「庶民の焼き鳥」とジャンルを絞れば一番かもしれない。コスパはかなり良いはずだし。
でもあえて欠点をいうと、忙しいせいもあるんでしょう、塩の振り方が雑だと思いました。
というのはタレものは良いのですが、塩ものが最初「塩を振ってない」と思ったんです。ヨメさんと「珍しいねぇ、こういうお店。でもこれも良いかも」と話していたのですが、次々に出てくる塩ものを食べるとちゃんと塩が振ってある。でもそれぞれ塩加減が微妙に違うのがわかりました。
これって結構困るんですね。私は塩を振っていないものと思って、塩を掛けたらしょっぱすぎたり。(笑)
だからまずはひとくち食べて塩加減を確かめてから、塩を足すなんてことをやっていました。
食べながらやっぱり頭に浮かんでくるのは、パブリカにある酉玉です。
焼き鳥屋という分け方では同じですが、でもまるで内容が違うと思いました。酉玉は一つ一つが繊細で、手を掛けているのがはっきりわかる。そして味付け(塩など)も特製の塩を使ったり、完成度が高いのね。
じゃ、酉玉が良いのかっていうとそうでもなくて、焼き鳥屋という範疇の「違うジャンル」みたいな感じです。だからどちらを選ぶということもなく、両方とも良いし、両方とも通いたい店だと思います。
みんなで焼き鳥を食べて飲んで盛り上がっててのが、あるいは家族でってのが炭家で、酉玉は静かに一本一本味わって、美味しい日本酒をチビリチビリ飲むって感じ。
ただ炭家の問題は、我が家からかなり遠いってこと。焼き鳥を食べにモントキアラから40分以上掛かかると思うとドッと疲れが出てきます。
そういう意味では、ふく田、鶏鬨はデサスリハタマスですし、小池商店はバンサですから、そしてそれぞれ良さがあって、「炭家の圧勝」ってわけでもないですから考えてしまいます。つまり、これらの焼き鳥屋は私に言わせると同じジャンルなんです。
でも酉玉は全く別格。格が上というつもりはないのですが、他の店では経験したことがない、「口に入れたときに感動する」のは酉玉だけ。また、他店には無い様々な部位がありますし、その代表はチョウチンでしょう。
私はセセリが大好きなのですが、炭家でも一番最初にセセリを頼みましたが、普通に美味しいと思っただけ。でも酉玉はセセリに二種類あって、そろばんってのがあるのですが、これを口に入れた時の感動は炭家には無いと思いました。
でも私は酉玉では「かしわ」「ネギマ」「手羽」などは食べないのです。つまらないから。(笑)
でも今日、炭家ではネギマをおかわりしたし、かしわ、手羽も食べた。そして久しぶりに「豚足」も食べました。
この店の違いって私の説明で分かりますでしょうか。どちらが上かじゃなくて、違うジャンルの焼き鳥なんです。だからそれぞれが代替にはならず、「どちらかがあればいいね」ってことにもならない。
でもあえて言えば、酉玉のジャンルは酉玉だけで、炭家には競合店がある。
でもそれぞれの店がそれぞれの地域をバックグラウンドとして頑張ってるし、どこも美味しいと思うし、あえて自分の中で優劣を付ける必要もなく、その時その時、思いついた店に行くのが良いと思いました。そういう意味では客にとっては「KLの焼き鳥」は凄く面白くなったと思います。
地理的には我が家から一番遠いのが「炭家」で、それは我が家に取っては炭家の弱点。焼き鳥を食べに行こうか~~?と話が出た時に、「炭家」という選択はかなり難しいかもしれない。
でもしっかり「イイチコ」をボトルで入れてきたので、またそのうち行ってみようと思います。
実はですね、〆に何を食べようか考えていたんですよ。焼きおにぎりもいいなぁとか。でもまだ腹8分目にもなっていないし、メニューを見ても食べたいものはないし、とりあえず会計を済まして外にでることに。
あ、そうそう、炭家はクレジットカードが使えないのを知りませんでした。食べている途中でそれに気が付いて大慌てです。焼酎のボトルも入れちゃいましたし、我々は常にまとまったキャッシュを持つなんてことはしませんから。二人で財布を出して、細かいお札もかき集めて、やっと払えました。ギリギリセーフ。
帰り際にマスターと話をしたのですが、長崎出身の方なのがわかった。ヨメさんは福岡で九州人同士なにか話しておりました。マスターはかなり気さくで良い感じの人。
そうこうして店を出て家に帰る途中ですが、私はヨメさんに言ったんですよ。「まだ食べ足りないからもう一軒行こうよ」って。ヨメさんは「良いわよ。でもどこに行くの?」と。
どうしようか言いづらくて困ったのですが、はっきり言いました。「酉玉に行こう」って。(笑)
焼き鳥屋のハシゴなんかしたことはありませんが、美味しいと言われる炭家で食べて、同じ焼鳥屋でもジャンルが違うと言って良いような酉玉と立て続けに食べたら違いがはっきりわかるじゃないですか。
ところが~~~
「あんた、バカじゃないの。私はイヤよ!」
で酉玉行きはボツ。orz
「でも何かまだ食べ足りないなら、鮨家に行こうか?」とヨメさん。
敵は酒が飲めればどこでも良いわけで気軽なもんです。
焼き鳥の後の〆に寿司ねぇ・・・・、なんて考えていたのですが、ちらし寿司なら良いかなとひらめいて鮨家へ。(笑)
ヨメさんは酒を飲むだけで何も食べず。私はお茶を飲みつつちらし寿司(あまり美味しくなかった)。
焼き鳥の〆にちらし寿司も良いのがわかった。(笑)
いや~~~、満足満足。\(^o^)/
炭家(SUMIKA)
電話: 03 5632 9312