焼き鳥店の「酉玉@パブリカ」の大ファンの私ですが、美味しいのには理由があるんですね。
例えば大好物の「鶏皮」ですが、酉玉の鶏皮って他店と違ってかなり美味しいと思います。で、見た目も違うのね。なんだか小さな皮をいくつも集めたように見える。
わかりやすいように、鶏皮を二種類頼みました。あ、そうそう、鶏皮にも二種類あるんですよ。メニューには乗っていませんが焼き手のF氏が客の様子を見ながら変えているんでしょう。
これらは両方共「鶏皮」でいつも私が食べるのは下の方。
パッと見ると上のほうが普通の鶏皮に見えますよね。これは「首の皮」だそうです。これも裏についている脂を綺麗に掃除していますが、串にさすのが難しいとのこと。で、下の小さな皮をいくつも集めたような見えるものですが、これはなんと手羽先の皮なんだそうです。手羽先ってあの先っぽの尖った小さなやつです。あれの皮が一番美味しいとのことですが、手羽先の先っぽから小さな皮を一枚ずつ剥がして、串一本作るのに7本の手羽が必要だとのこと。
だから本数に限りがあるので、これとは別に「首の皮」の「鶏皮」も用意しているとのこと。これって食べてみると全くの別物ですが、どちらが美味しいかと優劣つけるべきものとは私には思えず、昔から好きだった「鶏皮らしい鶏皮」である上の首の皮も良いと思います。
でも鶏皮って脂っこくて・・・という人も多いハズで、そういう人には下の手羽先の皮の方が断然美味しいと感じるんじゃないですかね。
また我らの好物のこれも同じく手が込んでいる。
心残り。ハツ(心臓)に着いている血管のところだけを集めたもの。
私が一番好きな「そろばん」ですが、これはせせりの一部。美味しいところだけ集めてあって、他店のセセリよりかさっぱりしていると思います。
銀皮は砂肝のあの銀の皮ということになっていますが、どうも本当は違うらしい。他店で食べる銀皮はまさに砂肝の真ん中にある分厚い皮で、固くてそれの歯ごたえは良いものの味はたいしてないのね。でも酉玉の銀皮はあの硬い部分では無いらしい。でもコリコリした歯ごたえはあって美味しい。これも小さな部分を集めたもので、手がかかっているのがわかる。
ボンジリもそうで、普通ボンジリというとかなり脂っこいですが、これは脂の部分を削いであるらしい。一つ一つそんな面倒なことをして小さな部位を集めて一本の串にしている。
これまた私の好きな「鳥の足(モミジ)」ですが、骨を抜いてあります。あのモミジが生の状態でどうやって骨抜きするのか不思議なくらい。
他の串も、ピンセットと手術用のメスで下処理しているんじゃないの?なんて言いたくなるくらい細かいことをやっているのね。
これまた大好きな「チョウチン」ですが、わざわざ肉の部分に「レバー」と「セセリ」を付けて、卵と一緒に食べると違う味が楽しめるように串を作ってる。
まぁあれもこれも良くぞここまで手を掛けているなと感心しますが、ちゃんとそれは味の違いとなって出てるんですね。だから他店で焼き鳥を食べると「大雑把」な感じを受けます。脂が着いていたり余計な部分があったり。だから歩留まりで言うと酉玉の焼き鳥は悪いはずで、値段がちょっと高いだけですから良いと思います。
でもいつも書きますが、「ネギマ」とか「手羽」とか普通の焼き鳥を酉玉で食べようとは思わないのね。面白くもなんともない普通だから。(笑)
ただ酉玉はどんなに忙しくても焼き手のF氏が一本一本丁寧に焼いていて、そこがあのSS15の有名店と違う所だとも思っています。SS15の店はいつも大混雑でかなりの量の焼き鳥を一人で捌いているんですね。だから塩のふりぐあいが均一じゃなかったりなんてことが普通に起きる。だからあそこはダメだなんてことはなくて、それこそ焼き鳥をガッツリ食べて飲みたい時にはSS15の店のほうが良いと思っています。
でも一本一本、味を楽しみながら食べるのはやっぱり酉玉で、右に出る店はないだろうなって感じ。ただしお酒が高いのと、メニューの幅がないのね。だから鶏鬨やらふく田やら小池商店の方がオケージョンによっては良いと思う。
「酉玉@パブリカ」良いと思うなあ。
ああ、メニューが変わったのはいつからでしたっけ。牛タン、カモ、牛肉が増えています。牛タンは美味しかったなぁ。カモは・・・まどうでも良いかな。(笑)
牛は裏メニューがあって「日本の和牛」があります。メニューには乗っていませんが、和牛はリブアイの「かぶり」の部分。