オーストラリアの物価ってマレーシアに比べて本当に高いのか? & どこに住むのが良いのか? & お金の話

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オーストラリアの物価が安いなんて考える人はごく少数派だろうし、私もオーストラリアの物価は異常なほどに高いとブログに書き続けてきました。

でも今回、オーストラリア脱出後の初めて、二年ぶりのオーストラリア訪問で感じることはちょっと違うんですわ。

シドニーに着いてからまずスーパーに行って必要な飲み物だのなんじゃかんじゃと買い物をしたわけですが、Airbnbで借りたコンドと同じブロックにあるColesというオーストラリアの二大スーパーの一つであるスーパーを見て回って感じたことは、「あれれ、安いじゃん」ってこと。「こんなだったっけ?」と思いました。

マレーシアでいつも行くスーパーのB.I.G.やビレッジグローサーと比べて「安いんじゃない?」とさえ思ったんですよ。まさかねぇ。

でもよーく見てみるとマレーシアより安いものがいくらでもあるのね。野菜、肉はもちろんのこと、日曜必需品も決して高いとは思わない。

考えてみれば、マレーシアのスーパーで買うものの中にはオーストラリア産も結構あります。まず「牛肉」がそうだし、「野菜」もそう。そして日用品も使い慣れたブランドを主に買いますので「オーストラリアと同じもの」を結構買ってる。

オーストラリアって農業国だし海産物も豊富だし、思い出したことは世界企業の多くの考え方として「マレーシアとオーストラリアは同じ商圏」ということ。つまり世界戦略としては「同じものを送り込んでいる」ケースが多い。

ってことはオーストラリア産のもの、同じものが多いとなれば、「オーストラリアの方が安い」ものが結構あるんじゃないですかね。

という視点でオーストラリアのスーパーに並ぶものを見ながらマレーシアのスーパーを思い出すと「全然、高くない」「安いものも多い」と思ったんです。

パッと見た感じのスーパーは似たようなもの。品揃えも似てる。

でも野菜ものはオーストラリアのほうが安い。この葉物だけれど、高いもので2.25ドル。180円ぐらい。でもマレーシアでは8リンギ程度で220円みたいな。

当たり前と言えば当たり前だけれど、牛肉も安い。大きな違いは「種類」だと思います。部位もいろいろでブロックが多い。

そして豚ですが、オーストラリアから豚がマレーシアに輸出されているようだけれど、このスーパーの価格は似たようなもの。キロ単価は14ドルで1130円ぐらい。マレーシアでは(私の行くスーパーでは)キロ単価は1000~1200円て感じ。豚も牛と同じで、様々な部位、ブロックが売られていて、私としてはこういう方が嬉しい。

和食材関係ではこのスーパーには殆どなかったけれど、オーストラリアの場合は「日系の日本食材店」が各地にあるのが普通で、品揃えはマレーシアよりかなり良いと思います。マレーシアだと一つの棚、冷凍庫の一つが日本食品みたいな感じですが、オーストラリアの和食材店では一店舗まるまる和食材ですから(アメリカの和食材店は日本のスーパーとほぼ同じでとんでもなく凄い)。またオーストラリア産に限らず、世界中から和食材が直接入ってきていてそれらも並べられている。価格はマレーシアと似たようなもので、一般的には「日本の3倍程度」と言われる。またお米はオーストラリア産のコシヒカリ、アメリカ産のコシヒカリを含めた様々な日本銘柄、飲食店で使う普通のジャポニカ米などかなり豊富で安い。

これらから言えることは「家で自炊するなら、オーストラリアのほうが安く、そして種類は豊富」ということになります。

これって今まで考えたこともなくて、自分でもほんとかよ?と思ったくらい。

またオーストラリア人は主食という概念は日本人とは違うものの、小麦粉(パンやパスタ)、ジャガイモを結構食べる。面白いのは田舎のスーパーに行くと、入り口に20キロとかもっと大きな袋に入った小麦粉やジャガイモが並べられているんです。あれが古くからのオーストラリア人の食べ物なんだなと思うわけで、パンやパスタも自家製で、ジャガイモを食べていれば「食費は驚くほど安い」はず。そしてそういうスーパーには「新鮮な海鮮モノ」は皆無で(内陸部の田舎)、冷凍庫にほんの少々海産物がある程度。それもフライすれば良い、チンすれば良いみたいなものばかり。それは肉類も同じで、上の写真のように肉がずら~~と並んでいるスーパーって田舎に行くと無いんです。

でも「ソーセージとハム」だけはごっそりあって、肉類は冷凍品だったり。

多くの日本人が「オーストラリア人と言えばBBQでしょ」なんて思う人が多いと思います。私もそう思っていました。ところがですね、一般家庭のBBQを知ったら普通の日本人ならかなりびっくりするはずなのね。だって、焼くものは「人数分のソーセージとそれを挟んで食べるパン」なんてことが普通にありますから。我々が想像する、肉類をいろいろ焼いて、海産物もあって・・・なんていうオーストラリア人のBBQを私は一度も経験したことがありません。でもそれは今とは違う昔のまだ貧しい頃のオーストラリアの話し。今はきっと違うと思う。

また多少はいろいろ焼くBBQでも牛のステーキの数がイヤに少なく感じたので聞いてみたところ、「ステーキは大人用。子供はソーセージが一般的」ですと。たとえ「牛肉の国」でもステーキは贅沢品だということ。

だから日本みたいにBBQで大きな魚をまるまる一尾焼くとか、ホイル焼きだとかそういうBBQに遭遇したことがありません。でもま、釣り好きとか沿岸部の都市ではBBQに魚介類も出てくるんじゃないですかね。基本的にイギリス系のオーストラリア人はほとんど魚を食べないのが普通。でもギリシャ系、イタリア系は多く、彼らは魚介類を好む。でも日本みたいな魚介類に対するコダワリは無いに等しいと私は思う。これはシドニーの世界第二位の規模を持つ「魚市場」に行っても感じるはず。

こんな時代に、我々日本人が集まるとどんなBBQをやっていたか。そりゃ日本的に肉もソーセージも魚介類もなんでもアリアリで、特に1990年前後は物価もめちゃくちゃ安かったので、「活伊勢海老」「活アワビ」なんてのも焼いていました。手のひら大の半端じゃなく大きなアワビ(800グラムぐらい)が1700円ぐらいで買えたんですから。

ま、基本的にはオーストラリア人って食べ物は質素で、また日本人みたいに食べることに興味もないんじゃないかと思える人が多く(一般的なオーストラリア人が家でどんな料理をするか日本人が知ったら驚くはず)、「どんなレストランに招待しても【フライドチキン】を頼むオージーも私の会社のスタッフにいた」くらい。

そんな感じで、「オージー流の質素な食生活」をすれば、日本人には考えられないようなお金しか掛からないはず。マレーシアで言えば、ナシレマ、経済飯を中心に食べるような。

ま、そんな感じで、「オーストラリアの物価は高い」というのはある一面だけだと思いました。

そして忘れてはならないのは、オーストラリア人の平均収入は日本人の2倍にはなっているんですね。30代でも年に1000万円オーバーを稼ぐサラリーマンはいくらでもいるし(20代でもそこそこいる)、夫婦共働きで40前後になればダブルインカムで年収3000万クラスも多いハズ。こういうオーストラリアで、上に書いたような食品の価格ってことは、オーストラリア人のエンゲル係数(収入に対する食費の割合)はとんでもなく低いってことになる。一般的なオーストラリア人は「外食は贅沢」という昔の日本人と似たような考えを持つ人はかなり多い。

ところが~~~~~~~~~~~~~~~~~

人件費が高いってことは、人件費が掛かるものは「とんでもなく高くなる」ってことですね。

これって我々が「マレーシアの物価は安い」という状況の中でも同じで、我々から見た人件費は安いからマレーシアのレストランで食事をしても安いですが、ではマレーシア人の一般的収入からみたらとんでもなく高い、というのと同じ。

そして今回、我々が滞在したのはシドニーで、オーストラリアでは一番物価が高い場所と言っても過言ではない。不動産も同じ。だからレストランで食べると、日本人から見ると「高いな~~~」と感じる。そこそこの、でも本マグロとかは無い「回転寿司」で10皿食べたら5000円ぐらいにはなってしまう。まぁまぁの店だと何料理でも一人1万円は覚悟しないとならない(でもなんでこんなに安いの?なんていう店もあるけれど、まさに大都市特有の多様化が進んでいるということでしょう)

物価の高さでぶったまげるのは、私の場合は駐車料金なんですよ。

ゴールドコーストってかつてはめちゃくちゃ安くて、公共の駐車場に駐車したら数時間でも100円、200円だったのが、近年は高くなってきた。でも大都市って全く違っていて、ゴールドコーストから100キロのブリスベン、オーストラリアの第三の都市でも、2,3時間車を止めたら3000円以上だったなんてことが普通に起きます。

今回驚いたのがこれです。

あるホテルの「バレーパーキング」の料金。60ってもちろん60ドルで、5000円ぐらい。(@_@)

マレーシアの60リンギ(1700円程度)だとしてもそんなに高い料金を私は知らなくて、普通、高いところでも30リンギ(800円程度)で、安いところは5リンギ(140円程度)ですもんね。ところがオーストラリアでは5000円!!!!

でもこの写真を撮っていたらホテルマンが声を掛けてきて「これって安いんですよ」ですと。この広告って「うちはこれだけ安い!!」という広告なのね。ま、確かに24時間止められれば安いかもしれないわけで、普通に駐車場に24時間入れたら間違いなく1万円は超えてしまう。

だから「オーストラリアに行ったらレンタカーを借りて・・」なんてのは都市部ではとんでもないことになります。でも田舎なら全く問題はないし(ゴールドコーストも大丈夫)、車がないとどうにもならず。

私の次男坊ですが、「会社に近いところに住むのが楽」だと言って、シドニーのど真ん中に住んでいるんですが、中級クラスのコンドのワンルームで週に650ドル。駐車料金が週に100ドルなので、自動車は売ろうかと考えていると言っていました。つまり、マレーシアのそこそこのコンドのワンルームだったら1500リンギ(4万円程度)も出せば借りられるのではないかと思いますが、それってシドニーでは駐車場のレント代にしかならず、次男坊は古いコンドのワンルームで月に26万円程度は払っているということ。(@_@)

ゴールドコーストって大都市に比べるとやっぱり物価は安くて(それでも私には我慢できない)、コンドのレントがこんなに高いってことは無いはず。でも3BRのそこそこのコンドならゴールドコーストでもこういう金額は当たり前。

よくこんな物価で生きていられると思いますが、普通に働いて「日本の二倍の収入を得られる」国ならどうにかなるってことですよね。

しかし昔は安かった~~~~~。

私がゴールドコースト永住を考えて調査をしていた1980年代後半なんて、「4人家族で月に15万円あれば【借家でも】生活できる」という現地の日本人の情報を見て感動していたくらいです。

でも1991年にゴールドコーストに渡った時はもうすでにそんな金額で生活なんて絶対に無理で、でもそれでも物価そのものは安いと思いました。子供二人を私立の学校に通わせて、上に書いたように友人が集まってしょっちゅうやるBBQでは伊勢海老だアワビを食べ、外食も家族で頻繁に行ったし、会社の帰りには行きつけの店で刺し身でいっぱい飲んでから帰るなんて生活をしていて、それでも月に50万(当時の日本で言えば私の年代の一般的な収入)は掛かりませんでしたから(家は持ち家)。日本ではかなり前でもこの金額でこの生活は無理だったはず。

ところが日本が長いデフレに苦しんでいる間に、オーストラリアはどんどん発展したんですね。シドニーオリンピックも物価上昇には大きく関係していて、その後は悲惨なことになりました。まず子供を私立に入れると一人年間250万円は掛かるようになってしまった(以前は30万程度)。でも学校には我が家みたいな二人兄弟が通ってるなんてのは普通で、3人なんてもいるんですね。授業料だけで年間750万円なんて信じられない額を「当たり前のように支払えるオーストラリア人家族」が増えてきた。(当然、授業料が払えず公立に替える家庭も少なくない)

またかつてはオーストラリアには「ボロ車」が多くて、ボンネットやドア一枚だけ「色が違う」とか、後部座席の窓ガラスが割れていて「ビニールを貼っていた」なんて車も結構あった。50代のバリバリのサラリーマンが、「カローラ」「サニー」を大事にピカピカにして乗っていた時代。でもゴールドコーストって不思議な街で、当時は「ロールスロイスの保有割合が世界一」だったり、車がとんでもなく高価な時代でも3000万円クラス(日本の2倍の価格)の車もごっそり走っていた。またウォーターフロントの家には「ヘリポート」があったり、水上飛行機を係留したり、我が家の対面にあった小さな家ですが、川側に回り込んだらなんと「(ヨットではない複数マストの)帆船」を持っていたり。金持ちは半端じゃ無いのはマレーシアと同じ。

ところがあっという間に、若い人でもベンツやBMWを乗り回し、ちょっと良い家庭では大型の高級ベンツ、BMWを複数台持つなんても当たり前になってきて、知らないうちに「ポンコツに乗るのは日本人」という時代になった。(笑)

でもオーストラリアって「自宅で質素な食事」をしているととんでもなく食費が安く抑えられる国なんですね。だから生き延びるのは決して難しくない。

ところが~~~~

私は今、このブログで書かなかった大きな問題がある。それは所得税。最高税率は日本と似たようなものですが、その率が変わる額が違うのね。ちょっと稼ぐと税金が大きくのしかかってくる。

今回、2年ぶりのオーストラリアをじっくり見てわかったのは、「私が我慢できなかったのはこの税率だった」ってこと。物価そのものは高いにしても生活費を安く抑える方法はいくらでもあるのは日本と同じですし、オーストラリアの物価が高いと言ってもヨーロッパのいくつかの国みたいに「とんでもなく物価が高い」ってほどでもない。

でも税金はどうにもならない。ましてやややこしい仕事をしていてうまい具合に経費を落とせるような仕事ならまだしも、我が家みたいに損益がはっきりわかる収入だと落とせる経費もたかが知れているんですね。オーストラリアに大きな資産を持ち込んで、かつては定期預金でも10%程度の利息は付きましたし、その後でも7%程度で回せる時代は長く続きましたから、\(^o^)/をしていた日本人も少なくない。でも彼らも所得税はかなりの重荷になるのは同じ。

でも税金のことを忘れていた日本人も多い。まさか50%も取られると思っていたらあんな好き勝手な優雅な生活なんかしなかったはず。

オーストラリア人はどう考えているかですが、そもそもインフレ率が歴史的に高い国ですから「貯蓄は損」という考え方があるんですね。また「収入は生活費として使う」のも歴史的なものがあるんでしょう。だから基本的に日本人みたいに貯蓄をしない。でもオーストラリアって社会主義国に見える面もあって、社会保障がしっかりしていて老後も安心ならお金を貯め込む必要はなくなりますよね。また苦労して溜め込んでも目減りが凄いから不動産や「物」、あるいは投資案件にお金を回す。

でも人間って面白いもんで、定期の利息が10%ってだけで日本人は舞い上がっちゃうのね。マレーシアでも3%4%で舞い上がる人がいますが、それと同じ。残念ながらインフレ率の高い国、発展スピードが早い国の現地人の賢さを持ち合わせている日本人は決して多くは無い。だから現金を溜め込んで、ちょっと利息が高いだけで喜んじゃう。

でも10%あれば・・と思うじゃないですか。でも所得税でその半分は持っていかれて、つまり5%で生活し、そしてそして、ここが何よりも大事ですが、金利が高いってことはインフレ率が高いわけで、「どうやってインフレと戦うのか」という観点が欠けていたら、長期の金利生活なんて簡単に破綻するんですね。例えば収入としては10%の利息があっても、5%分は税金。残りの5%を全部使ってしまったら、「毎年とんでもない高率のインフレの率で【資産が目減りする】」わけです。オーストラリアの当時のインフレ率を7%だとするならば、収入が10%あって、税金が5%分、残りの5%を使い切ってしまったら、「たった十年で自分の資産の価値は半減する」ということ。20年経ったら4分の1です。

この計算で行くと、7%分は使わずに溜め込まなければ「資産の価値を維持できない」わけですが、税引き後の手取りは5%しかない。これでは「金利を全て溜め込んでも資産価値は目減りし続ける」ということになる。

オーストラリアって相続税・贈与税がない国ですが、こういう所得に関する税金も考え合わせないと意味がないんですね。

面白いもんで、やっぱり「外国の生活環境の良さに憧れる」日本人は多くて、(無用の長物である)ウォーターフロントの家を買い、(無用の長物である)プール付きの家にし、「俺もプール付きの家に住めるようになった・・・」とやっと海外に対する憧れ、嫉妬、そんなのを乗り越えることができた自分に酔うわけですが、これだけじゃ終わらない。

「ウォーターフロントの家も良いけれど、なんで我が家の桟橋には船がない?絵にならないじゃないか」と。(笑)

そこでこれまた無用の長物である「クルーザー」を買ってしまう。こんな日本人が本当に多かったんですよ。物価は安いし、利息は半端じゃなく多いし(使い切れないという人も居た)、自分の夢を完成するにはクルーザーが必要だなんて、日本では海遊びをしたこともない人が(小さなモーターボートではない)大きなクルーザーを買って、【家の前に浮かべる】。

こんな生活が長続きするわけもなく、数年でクルーザーは投げ売りし、投資利回りも下がってきて、やっぱり税金を払わないとならないことに気がついて(かつては納税しない人は多かった)、家を売り、今まで遊んでいたのに旅行業界でアルバイトを始めたり(ツアーガイドとか)。

それでもどんどん生活は厳しくなって、「今、日本に帰れば再起は可能だ」と読んだ人はさっさと帰った。でも居座ったかつてのお金持ちの人たちの多くは「普通、あるいはそれ以下の生活」になった。(笑)

で、中には「マレーシアに逃げなくては将来がない」なんて考える日本人も出てくるわけです。(笑)

今日、この日記にいろいろなことを書きましたが、これから考えられることを箇条書きにしてみましょう。

◯ 若くてスキルがある人たちは「オーストラリアに渡り、ちゃんとした仕事を得ればかなり良い生活が出来る」。永住権の取得ももちろん可能。社会保障は税金が高い分、素晴らしく、日本の比ではない。

◯ 金をごっそり持っていても「所得税が大きい」ので利子生活は無理。(原資の価値がどんどん減っても良いのなら別)

◯ 日本レベルの「年金」だけで生活するのは難しい。でも「持ち家」があれば、大都市のど真ん中が好きだという変わり者は別にして(ゴールドコーストでも)夫婦二人の生活は可能なはず。オーストラリアには「企業年金」を含めて多い収入がある日本人の老人、あるいは夫婦ともども公務員でごっそり年金をもらってロングステイをしている日本人夫婦はそれなりに多い。でも彼らがちゃんと納税しているのかどうかは知らない。これっておかしな話で、「納税するのが当たり前」のはずなんですが、オーストラリアの銀行に勤めている日本人担当が「年金生活の退職者は納税する必要はありません」と公言していた時代もあった。

ですから「オーストラリアへ渡って隠居生活」って結構難しいわけです。オーストラリアには「退職者用ビザ」がありましたが、いつの頃からかそれがなくなったのはそれなりの理由があるんでしょうね。

ただし、「オーストラリアに納税しないで済む方法があるのなら、面白いことになる」のも間違いがないんじゃないですかね。

まずそれには

◯ オーストラリアの非居住者の状態を保つ(納税義務はない)。

◯ 何らかの名目で経費として落とせる部分が大きければそれも良し。私の知人で、香港に資金を送り、そこから「借金」という形を取ってオーストラリアで投資をするツワモノもいました。利益のうちの大きな部分は「支払利息」として香港に送っていたってこと。

◯ 海外に投資会社を作り、そこで出た利益のうち、最低限オーストラリアで必要な金額だけを報酬として受け取る。この方法を取れば全収入に課税されることはありませんが、まさにこれって「タックスヘイブンを利用して納税額を減らす方法」で、今では簡単にはできないはず。

ま、ひとそれぞれ環境が違いますからなんとも言えないですが、オーストラリアが好きでも「オーストラリアの居住者とならない」選択をするというのはいつの時代にも有効なはず。

でも子どもたちを留学させたい、当然、母親も同行するとしたら?なんてこともあるわけですが、そういう場合には「稼ぐご主人はマレーシア在住」で、「家族はオーストラリア在住」という形を取れるはず。ただ永住をしたいのか、子供の留学が主なのか、ここでも色々なケースがあるわけですが、「オーストラリアの家族は【仕送りで生活する】形をとる」手は使えるはず。でも家族全員がオーストラリアに住みながら、オーストラリアに納税しないってのは無理じゃないですかね。

年寄りのロングステイで、オーストラリア大好きだとしても「オーストラリア在住は一年の半分以下とする」ようにして、そして収入には税金が掛からないようなマレーシア在住を生活の拠点とするしかないんじゃないかなぁ。

あるいは脱税するか。(笑)

資産をオーストラリアに持ち込まず、海外においたまま運用しても、「利益や資産の一部をオーストラリアに送金した時に捕捉される」のが普通です(小さな額の送金でも税務署の調べが入る)。オーストラリアの税制は「全世界所得に課税」されますから、海外に資産を置いているのが発覚すれば当然、それからの収入全てはオーストラリアに申告する必要が出てくる。またこれはこのブログでも何度か書いた、OECDの国同士で始まった「個人の金融資産情報の交換」でもあぶり出されますから、簡単に考えないほうが良いんじゃないですかね。

やっぱり私が思うベストは「マレーシアの居住者となり、マレーシアの納税義務者となる。そして他の国の納税義務者にはならない」ことじゃないですかね。

日本の場合には183日ルールがありませんが、オーストラリアには183日ルールがありますし、オーストラリアの納税義務者から外れるのはさほどややこしくないと思います。つまり「毎年、オーストラリアに遊びに来る」という形を維持する。

でもその期間は一年のうち、半年以内であって、後はマレーシアに住むなり、日本が良い時期には日本に行くなり、たまにはオーストラリアじゃなくてハワイでもアメリカ西海岸でも良いし、豪華客船で3ヶ月過ごすなんてのも自由自在。税金で収入の半分を取られることを考えたら、その税金分だけでどれだけのことができるか?ここが重要だと思います。

マレーシアのロングステイが良いのは、「物価の安さ」だとか「気候」だとか言われていますが、お金持ち、あるいは金融資産の運用で収入を得ている人たち、あるいはそこまでいかなくても「年金プラスアルファ」がある人たちなら、マレーシアのMM2Hを取り、生活の拠点をマレーシアに置くだけで、「とんでもなく有利な、自由な生活が出来る」ってことじゃないですかね。

MM2Hの年寄りをケチくさいとバカにする(日本人の)若者が多いのはジャランジャランなどの掲示板を見ているとわかりますが、実はMM2Hで来ている多くの日本人はかなり余裕のある人たちが多く(今の若者は普通にサラリーマンをしていたら残念ながらそういうふうには成れない)、それどころかとんでもない大金持ちもかなり入ってきているのはMM2Hのエージェントの話を聞いていてもわかる。

つまり私の意見としては、ここのブログはマレーシア関連だけじゃなくてオーストラリア関連に興味がある読者もいますが、「どれほどオーストラリアが好きでも【マレーシアに拠点を置くべき】」だと私は思うってこと。ハワイが好き、カナダが好きってのも同じで、とにかく「マレーシアを拠点する」と大きなアドバンテージがあるんじゃないでしょうか。

でも「仕事をして稼がなければならない状態」だとするならば、日本に限らず世界各国、古今東西行われていた「稼げるところに行く」のが常識だと私は思っていて、「物価が安い」だの「生活しやすい」だのでマレーシアを選ぶとかなりうまくないと考えています。でもマレーシアで「稼げるネタ」を見つけて頑張る場合は話が別。

また世界のどこに住んでも同じ収入を得られるのであるならば、やっぱりマレーシアに決まりじゃないですかね。

ドバイやグランドケイマンに住むのも良いかもしれませんが・・・。(笑)

金で幸せは買えない。でも金がないと壊れてしまう大事なものは多い。結婚生活も、健康も、子育ても同じ。ましてや老後生活なんて・・・。

物価が安いとか、住みやすいとか、マレーシアという国そのものが好きとか、住む理由はいろいろあると思いますが、「金」と仲良くせずに生きた場合、将来どうなるのかは子供でもわかるはず。

今の年寄りMM2Hを見て、適当に生きているとか、ケチだとか言うのは簡単だけれど、そういう年寄りが今の状態を得るためにどれだけのことをしてきたのかを、若者は真摯に考えるべきだと思います。ましてや時代の経済環境はどんどん劣悪になっているわけだから、今まで会社に身を捧げ長年働き続けた老人と同じことをしたとしても、同じような老後を手に入れることは絶対にできないのは明白。

好きなことを好きなようにやって流されて生きて幸せになれる人って、私は宝くじの確率より低いと思う。

でも何でも出来る若い時に好きなことをやって、その「思い出を大事にして生きる」のも一つの生き方だとは思います。

 
 
 

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