自分に合う飲食店が見つからない理由がよ~~くわかった

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マレーシアに20年以上在住し、ず~~っと飲食関係の仕事をしている大西さんという方がいます。私がマレーシアに来た10年前に、初めて知り合ったマレーシア在住の日本人で、それから今でもお付き合いをさせてもらっています。

その大西さんのブログに面白いことが書いてあったんですよ。大西さんのブログ(マレーシア生活に 役立たつ情報満載!マーボー大西です)

彼は今、大手の飲食店チェーンで「商品開発」をしているのですが、当然、新しい商品は社内テストをパスしないと製品化されない。ではパスするにはどういう基準をクリアしないとならないのか。「美味しい」だけじゃ駄目なんですね。また美味しいってのは個人の主観でしかなくてそれを基準にして大規模チェーンに新商品として出すことは出来ない。だから「データが全て」なんだそう。

そのデータの内容は大西さんのブログには書いてなかったのですが、「この新商品が売れるであろう【理由】」をデータで示さないとだめだってことなんですね。

そしてまた大西さんは、板前やシェフに関してこんな事も書いている。

料理人も(使えるのは)実際30代までだと思いますよっぽど料理が好きで勉強ガリガリしてる人いがいは、経験の長い料理人っておいしいけど料理が古いんですよね。「で、これ食べにまたここに来るの?」って聞きたくなる。じゃあ、40代50代の板前はダメかと言うとそうじゃなくてその年代のお客さんに支持されるんですが、その年なると飲まなくなるし外食自体少なくなって売上貢献悪くなっちゃうんですよね。

つまり飲食業界も「時代の流れ」を無視はできないってことだろうと思うのですが、私が求めているのは「伝統」とか「オーセンティック、トラディショナル」とか「昔の美味しさ」なわけですよ。

でも世間は時代が豊かになり、多くのバリエーションも出てきたし、「本場の味」も当たり前で、フュージョン料理も出てきて今に至る。

さて、今、レストランの一番のお客は一体どんな料理を求めているのか。これを無視したら店は潰れるってことですよね。

大西さんが書いているように、「40代50代の板前はダメかと言うとそうじゃなくてその年代のお客さんに支持されるんですが、その年なると飲まなくなるし外食自体少なくなって売上貢献悪くなっちゃうんですよね。」ってのは間違いなくあるんでしょう。ましてやその年代より古い私が欲しい料理って、まさに60代以上の高齢者しか喜ばない料理かもしれない。そんな料理をつくるのはきっと「老人ホーム」ぐらいなもので、多くの客層に受け入れられることはないんでしょう。

でも「伝統料理」ってあるわけで、懐石料理も伝統を大事にするにしてもフュージョン系の料理も混ざる時代になっている。でもなんで寿司屋で和牛が出てきてウニやキャビアが乗ってるんだ?馬鹿野郎~なんて思うわけです。庶民的な寿司屋では昔だったら見向きもしない様な素材が普通に使われているし。

ましてやここは海外なわけで、「マレーシア人が何を求めているか」が何よりも重要で、日本人の、それも老人が喜ぶ料理を作ろうとする職人がいたら「大馬鹿者」としか言いようがないですよねぇ。

これは中華料理にもそれが見えると私は思っていて、ホテルの中華でも「新時代」を感じさせる料理が多いし、香港でミシュランの星を取った点心屋がミッドバレーにオープンしたと聞いて行ってみましたが、正直なところ「なんだ?これ」と思いました。つまり古い私に言わせると「あんなの点心じゃない」ってことになるのね。そのレポートをブログにも書きましたが、「奇をてらった料理」としか思えない。

これはどんな分野の料理でも同じことが言えるんでしょう。でもどの店も「時流に乗っている」ってことじゃないですかね。五月蝿い年寄りなんてどこも顧客として想定していない。(笑)

だから「気に入った店がない」ということになる。それでいて「素材」に関して五月蝿いのは年寄りの共通点で、「マレーシアの野菜は新鮮で美味しい」なんて若い人が言うのを聞くと「ああ、この人は日本の野菜の美味しさを知らないんだろうな」なんて思う。当然、魚介類も同じで、かつての日本は「日本産の美味しい魚介類」を皆が普通に食べていたから、「現代の見た目だけは同じような海外産」で美味しいと思うことってそうそうないのね。

ましてやマレーシアではコールドチェーンも確立しておらず、漁師から店頭に並ぶまでの「扱い方」は原始的というしかないし、そして「良いものを選び分別し価格をつける【仲買機能もない】」のだからローカルの美味しい魚介類を手に入れるのは「運任せ」にしかならないんでしょう。でも逆に「とんでもなく美味しい魚介類が激安で売っていることもある」ということが起きる。

多分、私にはオーナーシェフが60代で、頑固で時代遅れの店として有名なぐらいがちょうど良いのかもしれない。(笑)

でもねぇ、海外にも私が驚くような和食店も存在するのね。それって決して高級店という意味じゃなくて、かつてニュージーランドのクライストチャーチで若いオーナーシェフの寿司屋があって、使う魚介類はローカルものだけなのにこんな美味しい寿司は何年ぶりだろうなんて思う店があった。去年の12月に行ったシドニーにもそういう寿司屋があったんですよ。私にしてみればオーストラリアで手に入る魚介類は素人としてはかなり詳しい方だと思っていたのですが、なんとその店で扱う魚介類はローカルものなのに私が聞いたこともない食べたこともないレベルの高い魚介類を扱っていて本当に驚いたことがありました。やっぱりプロが本気を出せばそんなことも出来るってのがわかったし、逆を言えば多くのプロは「妥協しているだけ」だと思いましたっけ。

マレーシアで私が尊敬の念さえ感じる店ってまだ二軒しかありません。一つはLOT10の「博多水炊き とり田」であり、一つはパブリカの焼き鳥屋の「酉玉」ぐらい。中華で言えば、最近は行っていないけれどブキビンタンにあるマリオットホテルの「上海」かなぁ。そこそこ美味しい店はあるにしても「感激する店」って殆ど無い。

そりゃ一人飲み代も入れて4万でも5万でも出せば、感動するほど美味しい店ってあるんでしょうが、そういう店は私とは生きる世界が違うと思うわけで、半ズボンでも気軽に行けて、財布にも優しくて、そして感動も与えてくれる店じゃないとねぇ。そういう店ってきっと探せばあるんだろうとは思うけれど、もうその探す気は我が家にはほとんどないと言っても良いかも。

それより、いかに自宅で良い素材を手に入れて満足できる料理を作るか、その方に興味があるし、それが近道だと思っています。でも残念ながら私にはまともな料理を作る技術がない。

ヨメさん?

彼女はその点、利口というか常識的と言うか、「美味しいものを食べたいのなら良いお店に行けばいいじゃない」と簡単に言う。(笑)

じゃぁ、支払いはお前がしてくれよな、なんて言いたいけれど、財布は一緒。(T_T)

 
 
 

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