20代、30代でリタイアする「FIREムーブメント」にやっぱり警鐘を鳴らしたいなぁ

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前にもちょっと書いたことがありますが、巷では「FIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的に独立して早期​退職する)」が流行っているとのこと。

それを推進、推奨する人の考え方を見ていると、大体が1-2億円あればよいだろうという内容。結論からいうと、そんなレベルで一生遊んで暮らせるなんてとんでもない錯覚だと私は思う(死ぬまでに使い切るつもりなら大丈夫かもね)。大事なのは「資産の額」ではなくて、毎年、必ず「その年、その年の【自分の年齢の】平均年収のX倍は稼げるのか否か」(Xの数値は人それぞれで、0.5’でも良いし3でも構わない)(自分がどういう生活をしたいのかで決まる)だけと言っていいはず。

私にしてみると、「金利生活者」を含めて【仕事をしないで生きようとする人たち】は今更始まったわけじゃなくて、大昔からそれを目標にする人たちは多かったのね。実は今、68歳になる私もそのうちの一人。(笑)

で、自分でも30代に仕事も資産も全部整理して、オーストラリアに家族で渡ったわけですが、私の場合は「一切仕事をせずに生きる」という考え方はなくて、もともと商売好きですから「オーストラリアで起業する」のが大前提でした(永住ビザもそういうビザ)。ただし、見知らぬ土地で「全力投球するのは危険」なのは当たり前ですから、「遊び半分」というと違いますが、ま、趣味と実益を両立させて「無理をしない経営」を目指していました。で、日本からの中古車輸入販売と電話関係の仕事を始めた。

オーストラリアで子育てをしながらチンタラ生きていましたが、当時のオーストラリアは移住ブームがあって1980年代~90年代は「お金を持っている人たち」が随分オーストラリアに渡ったのね。私の知人もそういう人たちが多く、正確な数字はわかりませんが、1億以内という人は少なかったと思う(多くの人はそれなりに高価な一軒家を買っていたから)。数十億円を持ち込んだ家族も知り合いでした。(でもアメリカ本土やハワイに行く人達より、オーストラリア組は小粒が多い。というかアメリカ・ハワイ組は異常な金持ちが多いと思った。そもそもアメリカの永住権(投資がらみ)を取るのにかなりの金額が必要。)

私がゴールドコーストに渡った当時(1991年)は、銀行の定期預金が年率10%の利子が付きました。凄いですよね。1億あれば年収1千万円、10億あれば年収1億ですから。また当時のオーストラリアの物価はかなり安くて、後のマレーシア移住ブームで言われた「物価が3分の1」というのにかなり似ていたと思う。不動産も安くて、ウォーターフロントの一軒家(プール付きは当たり前)でも2~3千万円で買えたんですから。

皆さん舞い上がっていましたよ。私もだけど。(笑)

我が家はこんな感じでした。ベッドルームからの眺め。

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でも世の中の環境ってどんどん変わるのね。

1 インフレ
2 生活レベルが上がる(生活環境も良くなる)
3 子供の教育費が恐ろしいスピードで上がる
(4 そして絶対に忘れてはならないのが税金)

この3つ(4つ)に勝たないとならないのね。でも多くのFIREを薦める人たちは1のインフレしか考えていない人が多いと感じる。(その想定さえ甘い人は多い)(世界は日本と違ってインフレに晒されたのを実感としてわからないのだろうと思う)

そりゃ、たった一人で10年でも20年でも「同じ生活を続ける」のなら大丈夫かもしれないけれど、それは「変わらない」のではなくて【世の中に置いていかれる】ことを意味するのね。

私達はイギリスで始まった産業革命を体験していない。当たり前ですが、大きな波って必ず来るのね。

私が子供の頃は、テレビも洗濯機も冷蔵庫もない時代。電話もなくて「呼び出し」という家庭も多かった。今の若い人は「呼び出し」って何か知らないかもね。いわゆる自分は電話を持っていないから、隣に住んでいる人の電話を借りるってやつです。この呼び出しもちゃんと市民権を持っていて、「名刺の電話番号のところに(呼)」と正々堂々と書いている人もいた時代。

もしその当時にFIREを目指して、早期退職したらどうなっていたか簡単に想像がつきますよね。

かつては「自家用車」を持っている人はいないのが普通だったし、海外旅行なんてのは特別な人達がすることで「洋行帰り」なんて言葉が普通に使われていた(そもそも自由な海外旅行が許されたのは1964年。しかも年に一回だけ。持ち出し可能外貨は500ドルまで)。また「留学」なんてのは本当に大変なことで、エリート中のエリート。大金持ちの話でしかなかった。

そして時代は変わり、自家用車は増え、コピー機やFAX、その他、便利なもの物があふれる時代になり、皆が中流意識を持つようになった。当時は「これからもっと社会が発展する」なんてことは想像が難しかったんですよ。

そしてパソコンが普及し、携帯電話も普及し、それも「家族一人一人が持つ時代」へと移った。「海外ロングステイ」じゃ「留学」じゃなんてのも珍しいことではなくなった。

さて、これからはどんな変化が起きるんでしょうか。

こういう変化が世の中に起きると、当然、「お金がかかる」のね。そして社会は便利になって効率も上がるから「収入も増える」のが普通。

私が経験した印象的なインフレは、大卒の初任給が2万ぐらいだったのが、あっという間に5万円になったことかな。

そして不動産も値上がりが続き、バブルも来た。サラリーマンがローンで1500万円で買った私鉄沿線の一軒家が5000万だ、1億だという時代もあった。

こういう変化って「誰にも予想は出来ない」のね。

もしその時に、自分がFIREだとしたら、どうなっているか想像できます?持ち家があればウハウハですが、賃貸だとしたら「どこか安いところへ流れていくしか無い」ことが起きる。また、サラリーマンはどんどん給料が上がるのに、自営業はそうは簡単に収入は増えなかった。

私が移り住んだオーストラリアでもそれが起きました。インフレは凄く、どんどんお金が掛かるようになった。でも普通に働いている人たちは「収入も増える」から大きな問題ではないのかもしれない。ちなみに我が家の次男坊はシドニーでサラリーマンをやっていますが、31歳で年収17万ドル。これって日本じゃ破格ですが、今のオーストラリアでは驚くほどの額じゃないのね。(日本だけが世界に取り残されている)

G7の一人あたりGDPの変化。

ところがですね、「過去に大金を持ち込んで遊んでいた人たち」は大騒ぎになったわけです。なおかつ、「定期金利も段々と低くなってきた」から収入も減る。子供を持っていた人は真っ青になったはず。例えば我が家には二人の男の子がいますが、私立学校の小学部でも二人で年間50万円ぐらいだったんですよ。それがどんどん値上がりして、100万以上になった。ましてや子供は育つわけで、学年が上がればもっと高くなるわけです。今は同じ学校でも高校生になると一人年間200万円は掛かるはず。私の子どもたちの頃は二人で年間150万円ぐらいで済んだ。ラッキーでした。

こういう生活の変化とか、子供に掛かるお金の変化ってインフレ率なんか見ても全くわからないのね。米や牛乳、パンの値段なんか驚くほどの値上がりはない。

今住んでいるマレーシアも同じで、「インフレ率は2%」だとしましょうよ。ところが住んでいる都会ってどんどん進化するのね。古くて安いお店は無くなって、どんどん新しくてモダンな店が周りに増えてくる。近所は野原だったのに大型の近代的なモールが出来たり。そして当然、食事や商品もグレードアップしたものが溢れ、その価格も大幅アップするわけです。だからそれに合わせて稼がないと、インフレ率どころじゃない環境の変化に追いつけなくなって「田舎に移り住む」とか場合によってはもっと生活費の安い国へ移るしかなくなるのが普通。

この時に「おかしいなぁ、インフレ率は2%なのに、体感的には10%に近い」なんて思うのが普通。

当然、世界が驚く新技術や新製品が出てきても、世の中に同期して収入も増えないとそれらを手に入れることは出来ない。

世の中がどんどん進化して、今じゃ「携帯を持っていない人はいない」のと同じ様に、「XXXXXは必須」という時代は来るんじゃないですかね。私は「一家に一台、ヒューマノイド型の多目的ロボット」の時代はすぐに来ると思っています。期待と言うべきか。(笑)

でもそういう時代の変化と同じ様に儲けられない人は、取り残されていくだけ。

では資産をどのくらいの%で回せれば良いのかですが、「長い目で見ると全くわからない」というのが正解でしょう。でもこの先、数年で物価が二倍、生活費は三倍になるようなことは多分、起きないかもしれないと思う程度で、10年、20年先となったらまるでわからない。日本みたいに長いデフレの時代に入るかも、それもわからない。

FIREの問題はですね、もし「このままじゃヤバい」と思った時に、【もう元には戻れない】のね。ここが重要なポイント。

例えば就職するにしても「今までプラプラ遊んでいた40代、50代を雇う会社はない」と言っても良いはずで、底辺の生活を受け入れるしかなくなるかもしれない。

私がゴールドコーストで見てきたのはまさにそれなんですよ。何億もの資産を持ち込んでブイブイ言わせていたかなり親しかった友人が、最終的には資産も食い尽くし、奥さんにも捨てられ、【今更、日本に帰ることも出来なくなって(面子ね)】最後は一人安アパートで孤独死をしたなんて例もありました。当然、私の知っている多くの人たちは「日本に引き上げた」。でも今はどうしているかは知らない。オーストラリアに残ってちゃんと生活を維持している友人も多いけれど、そういう人たちはFIREじゃないのね。ちゃんと普通に仕事を持って、普通に生きている人たち。

きっと今のオーストラリアに、30年前に1-2億持ち込んで、今でもそのまま遊んでる人って皆無じゃないかなぁ。でも質素に生活し、なおかつ「所得税を払わない(脱税)」のなら可能かも。

FIREは今始まったわけじゃなくて、「仕事もやめて悠々自適に生活したい」なんて思うのは「人類の歴史」と同じくらいの歴史があるんじゃないですかね。そしてそれに成功した人の数はほんの一握りの人たちじゃない?5年10年という短い期間ならそれは可能でも、未来永劫となるとかな~~~~り難しいはず。

ま、できると思うならやってみてください、としか言いようがありません。

ただし、FIREでも大丈夫なケースもあるのね。

FIREを実行するために必要だと自分が思う金額が2億円だとしましょうよ。

まず、その2億を手に入れなくては何も始まらないわけですが、「その2億を自分で稼いだ人」はFIREに移行しても大丈夫でしょう。FIREと言えども稼ぐことを続けるのは可能でしょうから。

ところがうまくないのは「親の遺産」とか、「不動産を売ってまとまった額を手にした」人たちで、「自分で2億を稼ぐ方法を知らない」人たち。

オーストラリアでもよくあったケースですが、「親を説得して資産を現金化し、家族で渡ってきたケース」。こういう人たちの末路は厳しかったと思います。上に書いた、数十億の資産を持ち込んだ家族もそうでした。最終的には殆どを失った。お金がありすぎて、「いっぱしの投資家になった気分」になるんでしょう。大型の投資案件に資産を突っ込んでうまくいかず、次のにはもっとつぎ込んで取り戻そうとする、なんて悪循環にハマっていました。すっからかんになるのに10年は掛からなかったと思う。(彼らは不動産投資と言うか、リゾート開発にまで首を突っ込んでいた。当然、そんな仕事はしたことがない人たち)

FIREになってから「資産を回して稼ごう」なんてのもタラレバの話でしか無くて、そんな素人が突然投資家になったつもりになってどうにかなる世の中じゃないのね。

でも「どうにかなる」と思っちゃう。それも金利が高いと「それだけでも生きられる計算が成り立つ」なんてこともあるから困るのね。オーストラリアは一時期、定期金利でも10%の時代があったから、それに釣られちゃった人たちの数はハンパじゃない。

今、マレーシアに来て、金利が下がってあたふたしている人たちは結構多いかもしれませんね。でも不動産投資もしているから・・・なんて自分で言い訳をしたり。それも「自分で」「不動産投資で」儲けた資産を持っているのなら良いんですよ。ノウハウはあるでしょうから。

でも「棚からぼたもち」のお金を持ち込んだ人たちは「計算通りには行かない」のをいつの日か実感する時が来ると思ったほうが良いかもね。でもその時に、元の鞘には戻れない。

つまりですね、「いつでもどこでも【稼げる能力】が重要」なのは間違いがなくて、【まとまったお金があるから、それを運用して・・】なんてことが通用するほど世の中は甘くないってことでしょう。逆を言えば、稼げる能力があれば億単位のお金なんかいらない。「大きなお金」ってそれが「何かをもたらしてくれるような気がする」だけで、実際には大して役に立たないと考えるべきかもしれない。私の知人で上場企業の創業者の息子で、とんでもない額の遺産を相続したのがいるのですが、彼はもしそれを減らしたら、自分にはそれを取り戻す技量がないのがわかっているので、半端じゃなくケチで臆病になり、病人みたいです。

株式投資で「年間5%の利益が出れば良い」なんていう人もいますが、損することは考えないのか?と思うわけです。もし株式で3割、資産を減らしたとしたらどうします?その残った資産を毎年5%増やせば良い?そんな事を考えていると、また3割損失を出すなんてことも普通に起きるのが投資の世界。株式投資が元本保証なら良いですが。

そもそも税金を払って、インフレ分(環境の変化も考慮する)は手を付けずに溜め込んで、その残りで家族が何年、何十年と生きていくことの難しさって想像できませんかね?ちょっと小さな変化が世の中に起きただけで吹き飛ばされるのがわかりませんかね?

この数年、アベノミクスが始まってから「株式でそこそこ儲けた人」って少なくないわけで、変に自信を持っている人が多いと感じます。でもそういう人たちは、たとえばバブルが弾けてずーっと下がり続ける株式市場でも自分は儲けを出せるのか、想像してみるべきじゃないですかね。

これは1985年ごろから今までの日本の株価平均、日経225の変化です。この数年は株式投資でうまく利益を出せた人が多いのはわかりますが、その時、その時、【冬の時代】があるのがわかるはず。そういう時、巷では「株式投資は難しい」「株に投資するのはやめるべきだ」とか、そういう風潮になります。でも値上がりが続いている頃は「本屋には株式投資の書籍があふれる」「ネットでも株式投資で成功したという事例が増える」「貴方もすぐに始めるべきだ」となります。

「私は日本株に投資するのではないから・・」という人は、では外国株なら上がり続けるんですか?あるいは上がり続ける国、業種、企業を見分けることができる?本当ですか?

 

どんな時代でも株式投資で利益をコンスタントに出すことが可能だと思いますか?1980年代に株式投資で大金を掴んで「自信満々だった人たち」のその後は想像できます?

でもま、とにかくやってみるのは良いかもね。

普通の人には出来ない生活を「少なくとも5年、10年はできるかもしれない」のだから。良い思い出を作ることはできるはず。

でも遠い未来がどうなるかは誰にもわからない。

やっぱりFIREを目指すのであれば、こういう時代になっても生きていける計画がほしいですよね。

私が子供の頃はテレビも洗濯機も冷蔵庫も無い時代ですから、今の時代がまさに上の図のような「未来」なんですよ。

世界には「日本を飛び出た当時は良かった」けれど、その後、目立たないようにひっそりと生きている日本人がごっそりいるのを忘れてはならないと思います。または「自称コンサルタント」になって「海外移住のお手伝い」「注意点をお教えします」なんてことを始めたり、あるいはどこにでもいる「夢を見てガードが甘くなっている日本人」につけ込んで「投資詐欺」をしたり。こういう人はゴールドコーストにもいました(500万円の価値しか無い湿地帯を2億で買ってしまった友人もいた)。表向きは「土産物屋」だったり「ツアーガイド」だったり。またちゃんとした弁護士でも「不安を煽って」、必要もないのに「顧問弁護士として毎月課金」したり。1980年代、90年代はカモはいくらでも次から次へと上陸してきましたから、彼らも良い商売になったでしょう。

でも人間って夢を見るのが好きな動物。その夢に酔ってしまって「現実が見えない」のもごくごく普通に起きるってことを忘れてはならないでしょう。

こういう人たちって、海外に出るとごっそりいるのに気がつくはず。話をちょっとすれば「気分がうわずってる」のがすぐ分かる人って多いですよね。「海外移住~~~♫」なんてね。そんなのは10年もすれば、「だからなんだよ」って冷静になるのが普通。「驚き」や「感動」は「ふつうのコト」に変わり、段々と身に迫る危険も見えるようになってきて、そして「失ったものもある」のに気がつくのね。

でもま、夢を見て、それを実現することの気持ちよさって半端じゃないのもわかる。しかし「冷静な自分」を常に残しておかないと恐ろしいことになるのは間違いない。

こういう偉そうに書く私もFIREを目指したものの「負け組」でしかなくて、永住の地と選んだゴールドコーストを出るしかなかった。もちろんゴールドコーストで「生き残りだけ」を考えるのならば問題はないのですが、私の人生の目標は「【生き残れば良い】ではない」ので、新たな夢をいだきつつ、今、マレーシアで頑張っています。

マレーシアの最大の良さですが、我が家にとっては「我が家の所得には一切課税されない」という点。今まで払っていた税金分は全て手取りとして残る。なおかつそれを再投資できるんですから。これってとんでもなく大きなアドバンテージ。

ああ、FIREを言う人達の多くは「資産を何%で回せば」みたいなことはいうけれど、税金にまで言及する人はほぼ皆無なのね。これってメチャクチャで、例えば上に書いたオーストラリアで10%の定期預金があっても、累進課税でしっかり税金を取られるわけですよ(総合課税)。だから収入によって手取りは変わるけれど、手取りで考えれば、10%の表面利率でも、実際は5%~7%になるということ。3%の表面利率なら、1.5%~2%程度になってしまうということ。これでインフレや生活費のアップに耐えて、子育てをしながら生き延びれると思います?そして、今のオーストラリアではその表面利率3%の定期もなければ債権もない。

でもだからこそ「所得税が掛からない」のは益々重要になるわけで、マレーシアの優位性というのが飛び出ているのがわかる。

そして生活費はゴールドコースト時に比べたら大幅に安い。ちなみに我が家は「ゴールドコーストと同じ生活費でどれほどの生活ができるか」という考え方でやっていますので、そこそこ良い生活が出来ている実感があります。

だからFIREを目指してマレーシアに住むのは良いと思う。税金が高いところではかな~~り難しいけれど、マレーシアならどうにかなるかも。

こういう国って世界を見渡しても、私はマレーシアしか知りません。所得税がないところ、あるいは税金が極端に安いところはありますが、ビザ取得が簡単でなかったり、制約が多かったり、生活費が高かったり、日本から遠い、和食は諦めるしかないとか。私の従兄弟は投資業なんですが、香港の永住権を取って最初は喜んでいましたが、あまりの生活費の高さに音を上げて、家族の希望もあって今はイギリスに渡ってしまった。

とにかく「いつでもどこでも【稼げる能力】は必須」で、それなくしてFIREを実行するのは、私は自殺行為だと思う。

「金利生活」なんてのは、あれは映画の世界の話だと思って間違いがないと思います。現実的には彼らの殆どは「優秀な投資家である」というのを忘れてはならないし、そして「投資で儲ける」のが簡単で、素人にもできるのなら、世の中には貧乏人はいなくなるのね。貧乏人は「投資をする原資がないから稼げない」んじゃなくて、お金があっても投資で食うのって半端じゃなく難しいんですよ。

だから私はFIREを目指す若者には警鐘をならしたい。

でも逆にそういう若者に大きな声援を送りたいジジーでもあるということ。押さえるべきところを押さえていれば、想像もできなかった自由な生活が待っている、かもしれない・・・。

FIREという概念は、「誰しもが必ず罹る熱病」であって、それを成功させる秘訣は「自分が想像しているものとは別のところにあるのかもしれない」と想像するのが良いと思ってます。

ま、世の中は歴史的にも「自ら稼ぐこと無く生きることができるほど簡単には出来ていない」ってことじゃないかと。自分は小舟に乗って「大海に出る」のを想像すれば良いんじゃないですかね。天気もよく凪の時もあれば、暴風雨に七転八倒する時もある。それを自分は乗り越えるだけの技量があるのか、船は荒波に耐えられるだけ丈夫なのか。水や食料は十分にあるのか。少なくとも「誰か助けてくれ~」と叫んでも、その声は誰にも届かないってことだけは忘れるべきじゃないんじゃないですかね。「サラリーマン時代がいかに精神的にも楽だったか」に気がついても、その時はもう遅い。

そもそも世の中の多くの人は、「不平不満はあってもサラリーマンであることを維持する」のはなぜなんですかね。

もしかするとFIREなんか考えずに、「サラリーマンとしてより良く生きることができる環境を探す」のが正しいのかもしれない。

いや、やっぱりFIREでしょ、と思うなら、かなりの覚悟が必要なのは明白。ちょっとやそっとの資金で末永く安泰に生きていけると思ったら大間違い。公園の池にあるボートを繰るのはうまくても、それで太平洋に出るのは自殺行為。

「FIREに必要だと思う1億なり2億なりを自分で稼いだ人」はチャレンジしてみるのは良いと思う。でもその経験すら無くトライするのはただの夢見るHorse & Deerかもね。

そもそも「どうなったらFIREが可能か?」と考えるんじゃなくて、「現在、将来に渡ってどうやって稼ぐか?」が何よりも大事じゃないですか。それが出来て、予想も立って、そして「生き方の選択肢としてFIREがある」んじゃない?

後先が逆。

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