温泉卵

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我が家の常備食として温泉卵があります。温度卵というべき?

私は卵が大好きで、映画のロッキーみたいに生卵を4個ぐらい飲んじゃうなんてことはありませんが、ゆで卵の2,3個はペロリですし、おでんの味の染みたゆで卵、ラーメン屋の味付け卵も大好きです。卵掛けご飯も大好物。

で、温泉(温度)卵ですが、これって卵掛けご飯にも使えるし、カレーやラーメンのトッピング、日本ソバにも良いし、万能卵と言えると思います。ヨメさんは私ほど卵好きではありませんが、温泉卵と半熟卵の味付けはいつも作って置いといて欲しいと言います。

ということで、温泉卵を作りました。

これも簡単なようで結構難しくて、それぞれ好みの硬さもありますからそれに合わせて作るとなると大変です。

以前はテレビの裏技を見てカップラーメンの容器を使ったり、あるいは熱湯で何分、その後放置して何分とかやりましたが、作るたびに出来上がりはバラバラ。またこれならOKと思っても数が変ると温度の変化で出来上がりがバラバラとなかなか思うように行きませんでした。

で、これって失敗すると、あとはゆで卵にするしかないんですね。だから温泉卵なら温泉卵できっちり作りたいと、凝り性の私はいろいろ実験しました。

で、今はたとえ3,4個でも20個でも安定した出来上がりの温泉卵が出来るようになりました。

我が家は白身はかなり柔らかく、でも黄身はちょっと固まっているぐらいが好きです。ですから、茹でる温度は普通よりちょっと低めかもしれません。

大きな鍋にお湯をたっぷり入れて作ります。お湯が少ないと温度変化が大きいので温度管理が面倒だからです。

卵は常温にしておきます。冷蔵庫から出してすぐだと冷たすぎてこれまた温度調節が難しくなりますから。

72度で20分。これが我が家の温泉卵の温度と時間です。

いろいろ実験してわかったことは、温度は白身の硬さに関係して、時間は黄身の硬さに関係するということ。

理屈で考えてもそれはすぐわかることで、基本的には

○ 黄身は65度で固まる
○ 白身は75度で固まる。ただし白身成分の一部は68度。

つまり65度以上、75度未満でちょうど良い温泉卵になると考えられます。我が家は72度ですから黄身が固まるには十分な温度。つまり長く置きすぎるとしっかり硬くなってしまう温度。でも白身は一部しか固まらない温度。それを考えての72度20分ということです。

出来上がりはこれ。

私は卵は好きでも、実は白身が嫌いで、出来ることなら黄身だけ食べたいタイプです。それも硬い白身は全く駄目で(匂いも駄目)なので温泉卵も白身は柔らか目が好きです。

黄身はこんな感じでちょっと固め。いじくったので汚いですが。( ̄- ̄;)

我が家としてはこれがベストですが、お客様が来たときに出すのはオーソドックスなのにします。つまり白身はもうちょっと形になっていて、逆に黄身はもう少し柔らかめ。

それは75度の17分で良い感じになると思います。

またいつものウンチクを書きますが、この温度を一定に保つってのも意外に難しいと思います。前は3,4分おきに温度をチェックしつつ、火を掛けたり消したり、またしっかり混ぜたりしていたのですが、毎度作っているとそういうのも面倒になるんですね。だからお湯をたっぷりにして気が向いたら出来る前に一度ぐらいはチェックするという程度。

でもそういう風にしてからはやっぱり出来方が安定しないのがわかります。

ある日、変だなぁと思って付きっ切りで温度計で温度を計ったのですが、鍋の中の温度って結構偏りがあるんですね。お湯なんだから対流しているはずで、温度は同じかと思うと上と下とで2,3度は違う。ま、考えてみればお風呂もそうで、意外と湯船の中の温度差って大きい。それとお風呂に入っていると熱いお湯でもだんだん慣れてくる。それって身体の周りに温度の低いお湯の層ができるわけで、混ぜるとドキッとするぐらい風呂自体は熱いのがわかる。単に茹でるだけでもそれと全く同じで、やっぱり混ぜなければ駄目という当たり前のことに気が付きました。

普通の料理ならまだしも温泉卵で2,3度って出来上がりが変りますからやっぱり混ぜて一定の温度にしないとうまくないんですね。

この温度差って大きいと思ったのがスープを作っていたときです。具が山ほど入りますので、お湯と違って対流も大きくないのでしょう。底と表面とは15度違うなんてこともありました。

これも普通ならそれでいいのでしょうが、低温調理をやって想定温度が15度違ったらまるで駄目ですから、こまめに面倒を見てやらないと駄目。

そんな話をヨメさんにしたところ、だから~、料理って絶対に目を離したら駄目なのよ、と偉そうに言っておりました。でもこれってまさに経験から学んだことで、付きっ切りで混ぜろってのはこういうことなんですね。料理をする人に取っては当たり前のことでも、趣味でいじるだけの私にはその理屈がわかりませんでした。

そんなことを考えていると、やっぱり蒸気って凄いなと思うようになりました。私は蒸すのが下手で、蒸すって常にシューシュー蒸気が出ている状態を維持するものかと思っていましたが、どうもうまく料理できなくてヨメさんに相談したところ、当たり前じゃない、どうして火を調節しないのよ、バカね、と言われてしまったことがあります。

バカはないだろ~~って喧嘩になりそうでしたが、言われてみればその通りで、蒸気って水が沸騰したものですから100度なんだろうという先入観がありました。でも蒸気とて火加減を調節して噴出量を変えれば温度が変るのは当たり前なんですね。それを知らずに蒸気をガンガン当てて茶碗蒸しがうまくできない(やるたびにスが立つ 笑)と悩んでいた私は確かにバカだったと思います。(笑)

温泉卵も同じで、これってもしかしたらお湯じゃなくて蒸気の方がうまく行くかもしれませんね。蒸気のほうが安定して同じ温度をくまなく回せるはず。でもその代わり温度調節が難しそう。

また低温調理の鶏にしてもそうですが、中華料理屋ではあれは蒸しているはず。どんな料理でもそうですが、必ず火加減を調節しながら調理するわけで、あの柔らかくてジューシーな鶏にしても、蒸気をきっちり調節していつも変らず美味しい鶏に仕上げる職人がいるのを想像すると、料理の奥深さを感じます。

また中華を食べに行って、これって何だろうって思ったことがあるのですが、Double boiled なんとかってのがあるんですね。調理法ですが、ダブルボイルドって何だろう、二度茹でるのか?何のために?なんて考えながら調べてみてびっくり。

これも湯煎みたいな調理法なのですね。私はやったことがありませんが、チョコレートを溶かすのって難しいらしく、またバターが多く入ってるスープやソース類とか、熱を柔らかく均等に通さないと焦げてしまうとか、変質してしまう食材に対してそのダブルボイルドってのを使うんですってね。燕の巣とかフカヒレがそうだとのこと。

調理器具はこんな感じ。

私の実家は飲食店なのですが、お恥ずかしいことにこういう調理器具は見たことがありませんでした。また家でこういうのを使うという話も聞いたことがなし。

でも要はこの下の写真と同じ事で、いわゆる湯煎に近いのでしょう。

中華のメニューを見るとこのDouble boiledというのが結構ありますから、中華料理では当たり前に使うんでしょうね。ちょっと調べてみましたら、例えば漢方の薬は時間を掛けて煮出しますが、それと同じように時間を掛けて、しかしたくさんの湯の中に入れる、あるいは蒸気に当てることなくして調理することによって、その素材がもつ味なり有効成分がきっちり出てくるという考え方があるということらしい。

煮るにもグツグツとコトコトとありますが、それ以上にもっと優しく火を通すってやつだと思いました。

日本には湯煎という考え方はあるけれど、それを家庭料理で長時間やるというのは聞いたことがないのでさすが中国4000年は違うと感心しました。この調理法ってやっぱり湯煎のイメージと違うし、日本語ではっきりした言い方ってあるのでしょうか。

でもこれって考えてみると、最近やっている低温調理がまさにそれで、素材をそのままお湯の中に入れることなく、真空パックあるいはジップロックに入れた状態でお湯の中で一定の温度に保つという点で全く同じ。

つまりやり方こそ違うけれど、中国料理では理論的に同じ事を何千年の歴史の中でやっていたということなんですね。これって凄いと思いました。低温調理は焼く、煮る、蒸すに続く第4の調理方法だなんていうプロがいますが、それを言うと中国人に笑われそうです。

実は低温調理のことを調べると、その発祥はフランスであると言われているのがわかります。フォアグラですが、あれって火が強いとどんどん脂が出ちゃう。だからそれなりの温度でゆっくり調理しないと駄目で、それが発端だったという話。

ところがどっこい、中国では当たり前にやっていたということ。面白いなぁ。

私が中華を考えるとき、素材とか味とかそういう観点からしか見ませんが、そうじゃなくて調理方法から見る目を欲しいと思いました。これって自分の家の料理にも応用できるネタがいくらでもありそうです。

蒸し料理もそうですよね。日本には蒸し料理ってそんなに多く無いし、いや、料理屋には多くても家庭で頻繁にやる調理法じゃないはずだし、これって真剣に研究してみたらまだまだ未知の家庭料理の世界が広がるかもしれない。そんな気がしました。和食の蒸し料理じゃなくて、中華から学ぶ蒸し料理という感じ。

でも私としては経験だ勘だといわれるのは嫌で、是非、科学的にアプローチして素人でも簡単にできるような方法でいろいろやってみたいです。

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