集団的自衛権論議の理解を深める

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しかしまぁ、国会っておかしな連中ばかり集まっているんじゃないかと私は感じています。

民主党は「徴兵」まで言い出して若者や子を持つ親たちの不安を煽る。将来的にそうなる危険性があるということなんでしょうが、そんな「お化けがでるぞ」みたいな脅しを使う論法って最悪だと思いました。

では安倍さんは安倍さんで、どうも歯切れの悪いものを感じますし、一体みんなで何やってんだ?という印象。

でもそれって、そもそも存在するはずがない自衛隊を認めてきて、PKOもやるようになって、憲法と実情との乖離を「解釈」で埋めてきたツケだと私は思うんですよ。また有事が起きるとすれば、あるいは脅威があるとすればそれは中国なわけだけれど、それを口に出して言えないし、具体的な話をすれば問題が国際的にも大きくなるから、「もしも」論で話すしか無くて、我々には見えづらくなっている一因のような気がします。

また法案も全部で400ページに渡るようで、それを我々が精査することは不可能。だからマスコミや評論家の話を聞くしか無いけれど、そこには「思惑」が含まれているのがミエミエだし、信用はできない。

困りましたねぇ。

そんな時に、「平和安全法制討論会」がありました。これは賛成派と反対派と同じ数だけ揃っていますし、それぞれ論客ですからかなり面白いと思いましたし、どこが問題なのか、またなぜ賛成なのか、どうして反対なのかが見えてきました。また自分にも誤解があったのが良くわかりました。

私が感じたことは、私は賛成派ですが、反対派が非常に情緒的だと思ったこと。そして理想論者というか、ある意味、理想郷を作ることを諦めていないというか、そんな感じも受けました。ただ逆を言えば論理破綻しているようにも感じます。理想ありきで、誰しもがそれに向かうべきだという大前提があって、ではそれを聞かない国や組織にどう対向するかという話になると、やっぱり「話し合い」という言い方をする。

ここで彼らが一つわかっていないと思ったのは、理想とか善悪は共通事項じゃないってこと。それらが共通な世界においてのみ話し合いが有効であって、価値観の違う者同士で話し合いで解決するのは難しいこともあるってことを無視しているように感じました。

私は話し合いが無意味だというのではなくて、例えば武器を持って他人の家に押し込んだ強盗がいたとして、まずは話し合いをするにしても、最終的には武力を行使しなくてはならないこともあるのは間違いなくあるわけで、その場に駆けつけた警察官が丸腰であったり、他の警察官に危害が及ぶときに見ているわけにはいかないのと私は全く同じだと思うんですよ。

戦争をしたがっているとか、バカなことをいう人が多いですが、戦争をしたい人達がいるのは間違いがないにしろ、日本がそういう国だとは思いません。でも戦争を否定する人でも「自衛は良い」という。

私はここは非常に難しい点だと思っていて、すべての戦争は「自衛」であるとどの国も理由をつけるんですね。

ま、殴られれば殴り返すけれど、こちらからは殴らないってことを決めれば良いだけの話のようにも思えますが、でも「あいつが先に手を出した」状況を自作自演するのも歴史が証明していますから難しい所。

だから戦争そのものを否定しなければならないという論法が出て来るのでしょうが、でも「自衛でもダメだ」とは言わない。この矛盾の存在を認めて、どこかで自分の理想論にけじめを付けないと何も出来ないと思うんですよ。

実は私もこの法案が通ると「アメリカの戦争に巻き込まれる」という不安を持っています。仲間を助けるのが集団的自衛の根本ですから。

でも動画を見ていて、アメリカを助けるための戦闘に日本が参加するのかという点においては、ちゃんと歯止めがある法律だというのもわかりました。あくまで日本が危険にさらされているケースではない限り、アメリカが起こした戦争に日本は加わらないようになっているらしい。

でもシーレーンが封鎖されただけでも「日本の危機」と判断するようなことを安倍さんはいうわけだから、結局は「盟友のアメリカが攻撃されることそのものが日本の驚異」といえばその通りになってしまうように私は感じます。

ですから民主党にしてもメディアにしても「不安を煽る卑怯なやり方」とは思うけれど、彼らのいうことには一理もないとも思わない。

しかし憲法改正に関しては、自衛隊の存在そのものを考えても、解釈で対応するというのはもうやめたほうが良いと思ってるし、改憲はいつかやらなければしょうがないんでしょうね。ではどこをどう変えるか?

本来なら今回の法案にしても、憲法を変えてから議論すべきというのもスジが通っているように感じますが、改憲は今の法案どころじゃないややこしさになるでしょうし、解決するつもりが今の問題の先送りに結果的になってしまうような気がします。

でも出席者の中で中国は驚異ではない、という考え方があるのにはびっくりしました。そしてもし尖閣に偽装漁民などによる占拠がなされたらどうするべきかという質問にははっきり答えられないのね。それでいて「自衛の戦い」には民兵組織を作って戦うなんて時代錯誤のことをいう。

もしそういう時が来たら、国民は民兵なんて冗談じゃない、自衛隊は何をしているんだと騒ぐに決まっているし、自衛隊に力がなければ民兵組織を作るしか無いんでしょうが、募集して集まるんですかね。そしてそんな素人集団が戦えると思っているんでしょうか。

結局、自分の理想、戦争は駄目という一点にこだわっているだけで、現実的解決策は何ら考えていないのと同じで、こういう思想を持つ人達が国を導いたら大変なことになると思いました。メディアも同じ。

こういう人たちが反対派を引っ張っているかと思うとがっかりなんてもんじゃありません。

そういう意味では、価値がある討論会ではあるけれど、(私にとっては)反対派の甘さが浮き彫りになっただけでした。不安をコントロールできない人たちだと思いました。だから不安を生じるものは全て否定しているとしか思えません。でも有事の際にそれで済むのか。済むわけはないから、驚異も存在しないという逃げ道を考える傾向もあるんじゃないかと思いました。

チベットやウイグルは(中国の)国内問題だと切り捨てる考え方もびっくりで、そのくせ尖閣に何かあったら警察権を使うとか、世界の場にそれを持ちだして・・なんてわけのわからないことをいう。

実は、今回の討論会で、反対派が私を変えてくれることをかなり期待していたんですよ。でも残念ながらそうはならず、子供の不安と理想論を聞かされて終わったような感じ。

もうちょっとまともな反対派っていないんだろうか。

 
 
 

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