「伊勢丹theジャパンストア@Lot10」は素晴らしい~~~~

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Lot10の伊勢丹theジャパンストアに行ってきました。私は何度か行っていますが、ヨメさんは初めて。

素晴らしいですね~~~。伊勢丹theジャパンストアって。

ブキビンタンってゴチャゴチャしてて暑くて、歩いていると結構疲れるんですね。そんな時にLot10の伊勢丹theジャパンストアに入ると

◯ 広々として
◯ 静かで
◯ 涼しい~~~~

地下でいろいろ売っているところで冷たーーい「100Plus」を買って一休み。

良いですね~~~。素晴らしい~~~~。

各階の従業員たちもみんなリラックスしていて仲間内で楽しそうにお喋りをしている。

こんな素晴らしい空間をあのゴチャゴチャしたブキビンタンに作った伊勢丹は偉い!!

なーんて嫌味を言いたくなる伊勢丹theジャパンストアですが、着いたのは4時半頃かな。まぁ気持ちが良いくらいガラガラで、店内をゆっくり見ましたが、一体伊勢丹はこの店で何をしたいのかってのがよくわからないとっても不思議な店。

「雅」「粋」「繊」「素」を全面に出して日本の良さを表現するってのも良いんでしょうが、ポツンとベルトが置いてあったり。それのどこが良いのかの説明はないし、そもそも「雅」「粋」「繊」「素」なんてのは今の日本人の若者でさえもピンと来ないものだろうに、それを海外でわかりやすい説明もなく、それを表しているとする「商品」をポツンとおいて・・・。

芸術品ならそれも良いと思うんですよ。画廊やギャラリーみたいに。でもとんでもない価格がついているわけのわからない商品で、これを見て「雅」「粋」「繊」「素」を理解する人って少ないんじゃないですかね。不可解だ・・・って思うんじゃなかろうか。

いやいや、きっと私が無粋で非文化的だから理解できないんでしょう。

なんだか全館「見栄を張ってる」様に見える割には、一階の良い場所にわけのわからん洋服をごっそり並べて「70%オフ」ってなんなんだ?伊勢丹の中に「そごう」があるみたい。これって駄目でしょ~~~~。しかもG階。上の方のバーゲンをやる展示会場じゃないっつーの。

これは地階の食品売場、レストラン街も同じで、「日本の良いものだけ」を並べているのかと思うと、セブンイレブンで売っているようなものがあったり、製品化のコンセプトが面白いだけのわけがわからない商品、安物も一緒に並んでいるのね。肉類や寿司、刺し身も同様で、良いものなら良いものだけ並べないと、そういう物を買いたい人としては「一緒に並べて欲しくない」と思うはず。

1万円の和牛と250円の安いスープ用の肉、切り落としを同じショーケースに入れてるって、一体どういう客をターゲットにしているのかもわからない。これは寿司、刺し身も同じ。

でもあれって「伊勢丹」が音頭を取って高い理想とコンセプトをぶちまけて、それに追従した納入業者がどうにか売上を取ろうとする苦肉の策かもしれないけれど、ベンツと軽トラックを一緒に並べて売る「愚」を感じましたわ。

流通業界にいる人間がこんな売り方をするとは思えない。

とにかく暇で客がまったくいない。

不思議なもので「買い物嫌い」のヨメさんがあの地下で40分以上じっくり見ていたのは驚きでした。買い物という日頃の行動が嫌いなだけで、やっぱり商品には興味があるんでしょうね。

で、私に見つけたら買っておいてくれといつも言っている「白・黒ゴマペースト」「かんずり」「赤柚子胡椒」を目ざとく見つけてニヤニヤしておりました。ああいうところってやっぱり主婦だと思うのは、私は「見つけたら買っといてね」と言われている商品なのに棚をずーっと見ても見落としているのね。でもヨメさんはしっかり見つけるってことは「全ての商品」を見ているってことなんでしょうね。私はさーーっと視線を流してみるだけで一つ一つは見ないし吟味もしない、考えもしない。買おうとも思わない。(笑)

別々に見ていたのですが、ヨメさんが私を呼ぶんですよ。「買いたいのがあるんだけれど、高いのよ。買っても良い?」ですと。

何かと思ったら「味噌溶き器」なんですわ。網目の深いオタマみたいなやつ。

いくらかと思ったら100リンギぐらいする。2500円。

ま、ああいうのは今の時代はダイソーで買う時代なんでしょうが、それを今まで見つけられなかったから伊勢丹で買おうと思ったんでしょう。でもその値段がする様なものには見えない。

「いいじゃーん、買えば~~?」

というしかない。(T_T)

その他、細々とした「ソース」「タレ」「ペースト」みたいなものをいろいろカゴに入れていましたっけ。

そしてキャッシャーに向かい、恐怖の一瞬。

う~~~~~~む、めまいがして倒れそうでした。

今度「Lot10に行こう」と言われたらどうにか言い訳を考えて阻止せねば!!

その後、一階ずつ上に登り、各フロアーをしっかり隅から隅まで見て回りました。

長男 「親父~~、ちょっとこっちに来て」

ダボ 「ん?」

長男 「このTシャツいくらだと思う?」

ダボ 「そうだなぁ、ここは高いから・・・・、200リンギット(5000円程度)ぐらい?」

長男 「残念でした~。正札を見てみ」

ダボ 「・・・・・・・2800リンギットって・・・・7~8万円ってことか?」

長男 「だね」

ダボ 「・・・・・・・・・」

しかしまぁ、変な店で、ビニール素材のキャリーバッグが3万円ぐらいしたり、わけがわからない。我々には全く良さがわからず。

これって日本を26年離れていて浦島太郎になっているからなんですかね。高い理由が全く理解できない。

でも昔から伊勢丹って高いけれど良い物を置いているってイメージがあって、30年前のある日のことを思い出していました。新宿の伊勢丹に行った時ですが、紳士服売り場でかなり良さげな「ジャケット」が目に止まったんです。近くで見て触ってもいい感じで、これほしいなぁと思って値札を見たら35000円ぐらい。買おうか・・・と思ってもう一度値札を見たら35万だった。(笑)

とんでもなく高いと思いましたし、もちろん買える価格じゃなくて買いませんでしたが、そのジャケットの良さは遠くから見てもわかるのね。

ところが今日のLot10、伊勢丹の商品ってどれを見てもその価格に見合うほど良いとは私は思えないんですよ。「雅」「粋」「繊」「素」がわからなくなってしまったんですかね。

一体この店ってなんなんだと思って調べてみたら、はは~~んと思うところがある。

あのKLCCやワンウタマにある伊勢丹とは別の組織なのね。

そしてこの伊勢丹の株の49%はなんと日本の政府系の「クールジャパン機構」が持っている。伊勢丹が51%で、三越伊勢丹ホールディングスとクールジャパン機構の合弁会社ICJ Department Store(Malaysia)とのこと。日本の税金を使って「クールジャパン」を世界に知らしめるのが目的ってことなんですね。

なるほどねぇ、いくら三越伊勢丹が落ちぶれても「販売部」がちゃんと噛んでいればこんな店作りはしないと思うのだけれど、この店は「2011年から経済産業省が推進する、日本の地方産品やファッションなどのコンテンツを世界に発信する「クールジャパン」の一環。」ですと。

思わず笑いが出て来てしまいました。

「目標年商は約35億円、年間来客数は約140万人、平均客単価は約6000円を想定する。」のだそうです。これで成功するなら海外に進出する日本企業の殆どは勝ち組になるわ。いやいや売上そのものは関係ないんですなんていいそうだ。

こういうプロジェクトの責任者って経産省側はどういう役人なのかわかりませんが、まぁ、日本の各地に金をばらまいて「箱物」を作るのと同じレベルなんでしょうね。コンセプトが先にあって、現場は二の次。でもそのコンセプトを具現化できれば彼らの目標は達成するはずで、目標年商35億なんてのはただの数字で、それが達成できようができまいが「誰も責任を取らない」プロジェクトなんでしょうね。

私は日本に一円たりとも税金を払っていないから文句は言いませんが、これってないよな~~~~~。

クールジャパン機構の太田伸之社長は「クールジャパンの取り組みを具体化し、日本の美意識を伝える上で、プラットフォームとしての施設が必要と考えていた。できれば全館クールジャパンのような施設が欲しかった。今回の店舗は、90%以上(輸入制限で扱えない商品を除く)の商品が、made in japan、made by japanの商品だ。地方の作り手も紹介し、日本の地方から4分の1以上の商品を集めた。クールジャパンの活動を地方活性化にもつなげていきたい」とあいさつした。

参照:流通ニュース

日本の美意識ですって?へ~~~~、これがそうなんだ?

私はこれを聞いて、東京オリンピックのロゴやボランティアの制服を思い出しましたよ。

東京オリンピックのボランティアの制服。どうにかしてくれ~~~~~~~~~。恥ずかしい~~~~~~。

民間に任せれば良いのに・・・・。これは「森氏」か「舛添氏」の趣味なのか。

あれってないよな~~って思ったのはこの伊勢丹と同じで、店作りや品揃えは「新進のデザイナー、コンサルタント」に任せたんでしょうね。

昨今の日本のその手のデザインとかコンセプトにはかなり大きな違和感を感じるのですが、もう私の時代ではないってことなんだと思うようにしています。

でもま、かなり前にこの地下の寿司屋でスタッフの対応に腹を立てた私ですが、これも納得できましたよ。伊勢丹だってまともな営業を考えているはずもなく、考えているにしても販売部のやり手が来ているわけでもないのでしょうし、正社員にしても派遣社員(テナントの社員)、パートにしても現場の社員教育がアウトなのもよくわかる気がします。というかそういうのが分かる人が来ているんだろうか。「マレーシア人を教育しても無理なんですよ」っていうタイプの人かな。

KLCCやワンウタマの伊勢丹とはまるで違う組織みたいですし、あっちの伊勢丹のスタッフ達はニヤニヤ笑いながらLot10の伊勢丹の行方を見ているのかもね。(笑)

私は同じ日本人として、この伊勢丹を見ると「恥ずかしい」と思う。こんなのが日本だと思われたら迷惑千万。

私は日本製品の良さって「生活や文化に基づいた高品質」だと思っていて、日本でもとんがりすぎていて需要が限られているであろうものをたくさん並べて「凄いだろう。エッヘン」みたいな店は最悪だと思いますわ。使いみちもない、需要もない「最先端技術」の展示会みたい。でもやっているほうは自信満々。これって「滑稽」以外の何物でもない。そしてそういう「ナルシズム」みたいなものを海外で展開して「ディスイズジャパン」なんてやられたら、恥ずかしいとしか言いようがないじゃないですか。

この伊勢丹を見たマレーシアの人たちは「やっぱり日本に旅行で行くのはやめようか」って思うかもだ。(笑)

「雅」「粋」「繊」「素」を全面に出すのは良いと思うんですよ。でもそういう「商品」は長い歴史と文化伝統が背景にあるわけでしょ。「もっと良いものはあるか?という需要側」と「こんなのはどうですか?と提案する供給側」がそのやり取りの長い年月を掛けて製品はできあがるもので、突然「こんなんどうですか?」と出てきたわけじゃない。

世の中には「良いもの」っていくらでもあって、でもそれが受け入れられて生き残るかどうか。ここが問題なんですよね。出すのが遅けれ相手にされないし、早すぎても注目を浴びない。他より一歩前に出るのは良いけれど、三歩出たら出過ぎでやっぱり注目は浴びない。大事なのは「ニーズの把握」が基本中の基本で、その次に初めて「提案」があってそれを受け入れてもらえれば成功、素通りされれば失敗。「良いもの」ってそれの繰り返しで作られ、育って市場に残るもののはずなんですね。でしょ?

【「売り手」が考える良いものをいくら並べても全く意味がない、自己満足でしか無い】ってことをLot10の伊勢丹はわかっていないと思いましたわ。これって基本中の基本でしょう。いや、伊勢丹はそんなことはよーく知っているはずで・・・・・。

しかもですよ、ここは外国。日本の歴史と伝統の中から生まれた「日本の良さを持つ商品」をですね、全く違う価値観、文化を持つ人達にどうやって理解してもらうんですかね。

海外に出たらその国の「言語」を使わなければ「話は通じない」ですよね。それと全く同じで、まずはその地の人達にわかるようなところから入って行って、徐々に理解を深めてもらうのが当たり前で、マレーシアにはマレーシア流の「日本の紹介の仕方」があるはずなんですね。結果的にそれが日本人から見ると「ちょっと違うんでね?」と思うようなものでも、地元の人には「わかりやすい」って方法を取らないと失敗する。

日本の老舗和食店、繁盛店がそのまま海外で展開すると失敗するってのはまさにそれですよね。ここで大事なのは「高価だから受け入れられない」ってことじゃなくて、「価格にかかわらずそのものが受け入れられていない」ことを理解できるかどうかでしょ。

この伊勢丹を見ていると「日本の良さを日本語で、日本流で説明」して、それをマレーシアの人たちは「意味がわからず」ポカーンとしているのを感じます。

喜んでいるのは経産省の「クールジャパン」を推進する側だけで、付き合わされた伊勢丹も業者も頭を抱えているんじゃないですかね。

間違いなくコンサルタントがついているはずだけれど、「企画書」と「会議議事録」を是非見てみたいなぁ・・・。私が見たい部分は「売上確保」と「(客の)動員」方法のところ。

私が思うに「お上の意向」に添って下々の伊勢丹や業者が動いて、当初から投資金は「捨て金」のつもりじゃないかと・・・。「経産省の顔を立てる」のが一番の目的だったりね。「マレーシアの人々に日本を理解してもらう」という目標の優先順位は実はずーっと下の方かもしれない。「売上確保」はさらに下のように見えます。

こういうのって「働く人々」にも伝わるはずで、店のスタッフに覇気が見れないのもそういうことじゃないかと思ったり。皆さん、スタッフ同士でおしゃべりして楽しそうだけど・・。もらえるものをもらえればそれで良いってことなのかもね。で、日本人スタッフは早く任期が終わって帰ることしか考えていないとか。

そういうのが見えてくる店だと思いました。(こういう会社、部門は世の中に結構ある)

政府は金だけだして民間に任せれば良いのに、それが出来ないんですかね。

この件は経産省ですが、外務省も今わけのわからないことを始めたのをご存知ですか?慰安婦、南京に関して海外が言いたいことを言いやりたいことをやっていますが、「外務省は一体何をしているんだ」という声が大きい。他国がやっているように海外でロビー活動を活発化させるべきだとか、(日系の)市民運動家のバックアップ体制を作ってくれとか言われている。

そこで外務省に予算をつけて何を始めたか。

経産省と同じようなことを始めたらしいんですよ。世界中に「ジャパンハウス」みたいなものを作って「日本を理解してもらう」のが目的だと。

日本って本当に「箱物」を作るのが好きなんですね。形を整えてそれで終わり?

困ったもんだ。

 
 
 

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