世の中の大波乱 「なぜ暴落・暴騰時は大チャンスなのか」【相場】

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長期投資をしていて一番困るのが「大ニュース、大事故、テロ、天変地異」ですよね。

私の記憶でもブラックマンデーから始まって、それはそれはいろいろありました。911の同時多発テロ、リーマンショック、311東日本大震災、イギリスのEU離脱国民投票、トランプ大統領当選など、中小の出来事を入れたら数え切れない、思い出せないぐらい。

大体こういう時の動きは「暴落」であって「暴騰」ってほとんど無いんですね。そして長期投資って「買って保持する」のが普通ですから、大損はあっても大儲けは無い。

こういう時に大きなポジションを持っていると真っ青どころじゃなくて、慌てふためいて、さぁ売るべきか、我慢するべきか本当に悩みます。困るのは暴落も一過性なのか、それが大きな動きの序章なのかわからないってこと。

911とか311もそうで、大変なことが起きたのはわかるけれど、その被害がどれだけ広がって恐ろしいことになるのか、それとも短期間に収束するのかがわからない。だから皆、テレビやラジオ、ネットにかじりついて情報収集をするわけですが、市場は大混乱。入ってくるニュース一つ一つに反応するし、どうしたらよいのかわからないんですよね。

とりあえず手仕舞いでしょう、なんて言われても損が大きく出ていたらそんな簡単に投げられないし、問題が収束すればまた一気に戻ることもあるわけだから保持するべきかもしれない。

私の場合は理由がどうあろうと「買う時に決めていた損切りポイントを超えたら無条件に撤退する」ってのは絶対のお約束です。場合によってはショート(空売り)ポジションをとったり、反転時が見えればそこから買いに入ったりってことなんですが、平常心を失ってしまうのが普通ですからなかなか思うようには動けませんね。でも決め事は必ず守るのが私の信条。

さて、デイトレだとどういうことになるんでしょうか。

私は何度か、大波乱こそ大きく儲けるチャンスと書きましたが、どういうことなのかそれを説明します。

近年の大きな出来事では「トランプ大統領の当選」がありますし、あの時のことは誰でも覚えていますよね。

「ヒラリーが勝つだろうし、万が一、トランプが当選したら市場は落胆して暴落する」と多くの人が考えていたはず。私もそう思っていました。

ところがトランプが当選し、予想通り「暴落」。

ここまでは多くの人の予想通りに市場は動いた。ここで持ち株を手放したなんて人は世界中にごっそりいるはず。(だから暴落する)

ところがその後、「トランプも良いんじゃね?」ということで、今度は大暴騰となりました。

これを「一日単位の動き」で追っていくと、まさにジェットコースターみたいなもので何が何だかわからないうちに、気がつくと市場は買い一色。

トランプ当選を聞いて売った人は大慌てでしょう。

その時のダウの動きを見てみましょう。日足です。

トランプ当選の発表で暴落しましたが、こうやってみるとその動き以上に後の上げのほうが目立ちますね。

ではもう少し細かく「トランプ当選の瞬間」を見てみましょう。4時間足。私は大きな流れはいつも4時間足で見ています。

こうやって一日を分解してみると、市場の動きに乗ろうと思えば乗れたのがわかるはず。でもそれはマーケットを常時見張っている人にしかできない。

さてこの時の動きをデイトレーダーはどう見ているのか。5分足で見てみましょう。

暴落と言っても、ある一瞬で下がるんじゃないんですね。これだけ時間を掛けて下がりますから「大きな下げトレンド」を形成します。また時間のチェックをしていませんが、下がりだした時にはまだ「トランプ優勢」のニュースは流れていなかったかもしれない。こういう時に「早耳筋」が動き出しただけで市場は(デイトレとしては充分に)大きく動くので、きっちりトレンドが出来るんですね。

デイトレーダーとしては「一体何があったんだ?」なんてわけがわからなくてもトレンドに着いていくわけで、もしかしたら大統領選に合わせてテロが起きたのかもしれないし、ヒラリー暗殺かもしれない。一体どうした?何があったんだ?まさかトランプが当選するわけがないと思っているわけで、でも「眼の前の事実は下げトレンド」なんですね。ですからそれが何よりも一番大事なことで、その理由なんて調べることもありませんし、調べる時間もないわけですよ。いつもの通り、トレンドに沿ってポジションを取るだけ。

その内、ガンガン下がりだしたころにニュースがポツポツ入ってくる。それは電話だったりツイッターだったり、「え~~?まさかトランプが?嘘でしょ?」なんて思っている頃にメディアが大騒ぎする。そんな流れでしょうか。売りが売りを呼んで下げが大きくなる。こういうことが数分から数十分、あるいは数時間の間に起きるわけです。

つまり、デイトレーダーにしてみれば、何が起きたか知る必要もないわけで、市場の動きに乗るだけなんですね。理由を探していたら間に合わないんですよ。そしてそのニュースを知った頃にはもう大きな利が乗っているということが起きる。

その後は、トランプが大統領になったからには世界的な暴落となって、大波乱が起こるどころじゃないだろうと、世間が大騒ぎを始めた頃に下げも止まってくる。

下げたものは上がる。上がったものは下がるのがこの世の決まりではありますが、下げ止まっても「まさか上昇はしないだろう」と普通の人は考えるわけですよ。だからトランプ当選のニュースで売った人は、「あれれ?」と思いながら見ているしかできないはず。

デイトレーダーとて同じで、トランプが大統領になったとすれば、まさかすぐに上昇に転じるなんて想像もしないのが普通でしょう。

でもチャート上では、下げ一服でまた下げるだろうと思ったところで、下げずに上昇が続き「上昇トレンドができたのがはっきり見えてくる」。でもこの時に、「この上昇トレンドはどこまで続くのか」なんてことは考えないんです。考えたってわかるわけがないんですから。

やるべきことは一つだけ。その動きに乗るだけなんですね。先程はトランプ当選のニュースを知らずに「下げトレンドが見えたからそれに乗ったケース」なわけで、次の上昇トレンドも「もしかしたら自分が知らない、想像もしなかったことが起きたのかもしれない」わけですから、とりあえず動きには乗る。上昇に転じた理由はあとで調べれば良いだけの話。

そしてその上昇波はとんでもない大きさに育ってどんどん上がっていった。でもそれは結果論なんですね。ここまで上がらずにまたトレンドが下げに転じれば売りポジションを持つだけなんですよ。

実際にこの時の動きもちょうど真ん中あたりで「(私の読み方だと)下げに転じる動き」があるじゃないですか。だからここで「ショートする」のもアリだと思うんですよ(より大きなトレンドを見ると【上昇継続中】でここはそれぞれの手法で見方は分かれる)。でも大きな下げ波動にはならずすぐに「上昇トレンドに戻った」だけのこと。そうしたらすぐに「乗り換えすれば良い」だけ。

デイトレの場合はこういうストーリーになるわけです。ただし、それはトレーダーそれぞれの手法によるわけで、逆張りが好きな人は全く違うストーリーになるんですね。

でもデイトレの準備をしていなければ、出撃することもなく見ているだけですが、こういう大きなイベントがある時にはモニターの前に座って値動きを見ているのが普通ですね。イギリスのEU離脱投票の時もそう。

イギリスの場合も同じで、「大波乱に見える」けれど、デイトレーダーの目線で値動きを追っていると「大きなトレンドができた」だけなんですね。そして「そのトレンドができた理由は無視する」わけです。「どうして?どうして?」なんて何が起きたか調べていたら間に合いませんし、何が起きたにしろ、目の前の動きは「事実」なんですから、それだけで充分なんですよ。

そしてその後にどこの誰がそれをどう解説して今後の予想をしようとそんなのも関係ないのね。分析や解説に従って未来の値が動くわけじゃないんですから。

「事実は今現在の値動きのみ」ということ。

これは今、注目されているビットコインや他の仮想通貨、あるいはアメリカがなぜかドル安方向に動いていることもそうで、「値動きの理由」なんてどうでも良いんですよ。色んな人が色んなことを言いますが、きっと「誰かは当たる」んでしょう。

ここで問題は、「自分はその誰かと同じに当てることが出来るのかどうか」ってこと。

一生懸命努力すればわかるようになる?だとすれば寝ずに何十年も勉強し、研究している人は世の中にいくらでもいるんだから、そういう人たちは皆大儲けしていることになるし、天才とも言える人たちを多く抱えている名だたる大企業が「為替で損をする」なんてことは起こり得ないんですね。でもなぜか多くの人は「変な自信を持つ」のね。きっと俺の読みは正しいはずだと。勝ってる人も負けてる人も「同じように考えている」。

今日はデイトレーダーだったら、ということで書きましたが、これは中長期投資でも同じだというのがわかりますよね。

自分の全ての能力を総動員して出した予想、予測でも、明日に何が起きるかなんて誰にもわからないわけです。なおかつ新たなことが次々と起こり、新たな情報も入ってきて、値は上だ下だと延々と動き続ける。こんなことが事前に予想できたり、最終的にどういう結果になるかなんてわかるほうが不思議じゃないですかね。でも世の中のトレーダーの多くは「競馬の予想屋」みたいに、ああじゃこうじゃと理由をつけて将来を見てきたようなことを言う。

これって野球のバッターが「次は内角低めのストレートが来る」と勝手に想像して、もしそれが統計としては正しいとしても、バッターが「目をつぶって実際の球を見ていない」のと同じだと思うんですよ。これじゃ実際に「ストレート」が来ても外角低めだったら空振りする。だからトレードで言えば、「ファンダメンタルズを重視するトレーダーでも【チャートを無視はできない】」ってことじゃないですかね。私はチャートアナリストで、「全てはチャートに出る」という考え方でファンダメンタルズは(ほぼ)無視しますが(というと嘘になるか)、ファンダメンタルズ重視でもチャートでタイミングを見るのは常識じゃないでしょうか。

トランプ当選の時の「下げ」に関しては「そこで売る」のは大正解だと思います。実際に大きく下げたのですからそれが続くかもしれない。でも多くの予想に反して反転して【暴騰】した。ここで「売らなかった人は大儲けできた」わけですが、そういう結果論じゃなくて「なぜ暴落時に売らなかったのか」が大事なんですね。「トランプ氏になったら上がる」と読んでいたのなら暴落時に買い増しをするはずだし、売りもしない、買い増しもしないでただ見ていただけだとするなら、「運を天に任せて放置したら【勝っちゃった】だけ」なのね。でも本人は儲かった、俺は凄いと大喜びするわけです。

私はこういう人より、トランプが勝ったので「売った人」の方がまともだと思うんですよ。そしてそういう判断ができる人は「次の上げトレンドにも乗れる」んじゃないですかね。だからあの時に売ってしまってその後は見ていただけだとしても、そういう人は「後一歩踏み出せばよかった」だけのことで、放置して利益を出した人より将来的に伸びるのは明白だと思っています。流れ(現実)を無視するギャンブラーは必ずいつか負けますから。

我々には「過去と現在」だけははっきりわかるわけですから、「この動きが続くかもしれない」と思ってそれに乗れば良いんじゃないですかね。私のトレードは「慣性の法則」に従っているだけです。(笑)

川の水に流される木の葉のように、流れに身を任す

これが相場の真髄だと思います。

この川はどこまで行くのか、どこで曲がるのか、右に曲がるのか?左か?曲がるとすればその理由は?どの辺りで曲がるのか?なんて考える必要もないんじゃないでしょうか。

「将来を読む」から外れることが起きるわけで、将来を読まないと決めてしまえば流れるに乗れるわけで、後は「乗り降りのタイミングだけ」なんですね。そしてその「タイミングを取る術(何もしないで見逃す術も含む)」を覚えてしまえば、いつでもどこでも対象が何でも関係なくなる。

「神の領域である未来を予想する」のと「眼の前の動きのタイミングを取るだけ」とどっちが簡単、安全だと思います?

 
 
 

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