ドラゴンアイというと鼎泰豊と比べられることが多いし、どちらも大好きな小籠包がありますが、私はドラゴンアイの方が好きです。メニューに幅があるのとやっぱり広東風で味がしっかりしているから。(でも鼎泰豊には他店にはない日本風の肉まんがあるのね。あれは本当に美味しいと思う)
そしてドラゴンアイですがあちこちに店舗があるものの、その内の何軒かはちょっと高級志向というべきか「北京ダック」を売り物にしているのね。
前にパビリオンで食事をしようと思った時に「なんだかちょっと雰囲気が違うドラゴンアイ」に気がついて、店の中を見てみると北京ダックが吊るしてあって北京ダック用の「窯」があるのもわかりました。こりゃ面白いかもしれないとそこで北京ダックを食べたのがですが、そこそこ美味しくてコスパも良いと思いました(その時のレポート)。かつてはリッツ・カールトンの「麗苑」がダントツで良いと思っていたのですが、ある時「臭い北京ダック」を出されてからそれ以来行かなくなりました。また他の中華料理店でも美味しかったのがだめになったり、結構難しいですね。
でもパビリオンのドラゴンアイはそこそこ良い感じで何度か行きましたし、友人や客がマレーシアに遊びに来たときにはドラゴンアイのそのちょっと違う店に連れて行ってもほぼ間違いはないので良いと思っています。
そんなドラゴンアイですが、ワンウタマのドラゴンアイも新装開店で、パビリオンの店みたいに高級志向になった様子。やはり北京ダックに力を入れている。
私の母は90歳を超えていますが、昔から北京ダックが好きですので、皆で行ってみることに。ランチタイムです。
ワンウタマのドラゴンアイですが、場所は前と同じですが、改装してなんだか狭くなったような感じがします。そして内装もちょっと高級感ができたかな、みたいな感じ。やはりパビリオン店と同じく北京ダックが吊るしてありますし(白っぽいのがそれ)専用の窯も見えました。
いろいろ注文したのですが、いつもと違うドラゴンアイですし、あえて我々一般的な日本人好みの料理を中心にしてみました。
北京ダックはまるまる一羽だと他のものが食べられなくなるので半身にしました。そして注文後、すぐに北京ダックが来て、テーブルの横で切り分け始めました。
これって不思議で、注文後にすぐ出てくるわけがないんですね。つまり、作り置きしておいたものを出したということ。
それも忙しい時間帯なら良いと思うのですが、ランチの時間ですし、周りの客を見ても北京ダックなんか食べている客はいません。でも夜になるとかなり違うのかもしれない。パビリオン店は夜しかいったことがないのですが、客の約半数が北京ダックを食べていたというちょっと異常な光景でした。でもそれだけ評判が良いってことじゃないんですかね。
でもワンウタマのこの店はわからない。時間はランチ時間で北京ダックを食べる客は他にいない。そして出てきたのは作りおきのものに間違いなし。いつ焼いたものなんですかね~~。
この店では「皮だけ」と「肉付き」の二種類を出すようになっています。この切ったものを見ても、まずは肉付きを切り出しました。
ところが我が家は「皮だけ」が好きですので、全て皮だけにしてもらいました。
私達がパビリオン店で良いと思ったのは、「包む皮」なんですよ。カオヤーピン(薄い皮)ね。これが一枚一枚薄くて取りやすく、乾かないようになっていること。これって結構重要でカオヤーピンが厚手だったり粉っぽかったり、乾いていると美味しくないんですね。そういう点でドラゴンアイは良いと思います。
でもやっぱり作るタイミングがあるんでしょうね~。蒸しすぎなのか、ちょっとベチャっとした感じ。orz
定番の挟む野菜ですが、真ん中のはなんでしょうか。ピクルスになっているはずですが、私はいつもこれは食べません。
甘い海鮮醤みたいなのを付けるわけですが、こうやって自分で作ると好きなように調節できるので、包んで巻いてくれるサービス過剰の店はあまり好きじゃありません。
そこそこ良いとは思ったのですが、やっぱり作り置きですね。パリッとしていて北京ダックらしいのですが、硬かった。かなり前に焼いてあの保温器みたいなところで何時間も、もしかしたら一晩経ったものじゃないですかね。
でもランチの時間にこういうものを食べるほうがおかしいとも言えるわけで、これでこの店にマイナス点をつけることはできないと思います。高級ホテルの中の高級中華料理店じゃないんですから。
面白いと思ったのが息子で、「俺は北京ダックは皮だけじゃなくて肉が付いている方が良いなぁ」と言っていたこと。ま、これには私としては言いたいことがいろいろあるんですが、ま、好き嫌いだからしょうがないし、この店は半々で出すのが普通だから一般的にも良いんじゃないですかね。そもそも「皮だけを食べる」のとは調理法が違うのはダックを見ればわかりますし(皮を中心にする場合、空気を吹き込んで皮と肉を分離させる。だからパンパンに膨れる)、最近はこれが一般的なんでしょうね。
皆が美味しいと絶賛したのがこれ。「東坡肉 トンポーロー(豚の角煮)」です。
味付けが甘いのはどこも同じでしょうがありませんが、私はこの火の通し方、柔らかさに感動さえしました。こういうのを他の店で食べたことはありません。柔らかいのはかなり柔らかいのですが、豚肉の繊維も柔らかいんですよ。こういう角煮って角煮づくりが夢に出てくるほど凝った私でもまだ作れなくて、他店の角煮、あるいは角煮で有名な店でもここまで柔らかく煮ている店は知りません。ほとんどの美味しいと言われる店でも、いわゆる「圧力鍋」で煮たような「柔らかいけれど繊維は硬い」んですね。それなら誰にでも私にも作れる。(笑)
昔、日本で美味しい角煮を出す中華料理屋があって、聞いてみたら「ひたすら蒸す」と言っていましたが、豚肉そのものも違うのだろうし、下処理にノウハウもあるんじゃないですかね。あんなうまい具合に角煮を作れたら良いなぁ・・。でもヨメさんは「パパの角煮は柔らかすぎる」と言う。気の合わない夫婦。(笑)
そして久しぶりで懐かしい「エビチリ」。
これもまぁまぁ。しかし不思議なのは、エビチリって四川料理の「乾焼蝦仁」(カンシャオシャーレン)を日本では有名な鉄人の陳建一氏のお父さん、陳建民氏が日本人に合うように創作したものですよね。でもなぜか広東料理のそれって日本のエビチリに近いのね。なんで?
そしてこれまたお馴染みの「麻婆豆腐」。
これも無難な味。でも私の作る麻婆豆腐のほうが美味しいと家族が言ってくれた。それを言われれば私は嬉しいのですが、それもちょっと違うと思ったんですよ。私が作るのはかなり辛く仕上げますし、花椒(ホアジャオ)もそれなりに効かせます。つまり四川料理に結構近いのですが(でも四川料理のそれみたいにぶっ飛んではいない。中間ぐらいかな)、私が作る時には麻婆豆腐一品だけで食べるわけですよ。せいぜいそれにスープとか野菜炒めが付く程度。でもこうやっていろいろ並べて食べる場合、麻婆豆腐だけ四川料理みたいなんじゃ駄目なんですよね。やっぱり調和ってのが必要で、美味しいものを並べただけなら、それこそ天ぷらと寿司とステーキとエビチリも東坡肉(トンポーロー)も一緒に並べるか?ってのとおなじになっちゃう。
そういう意味で、一貫性、調和って大事で、このドラゴンアイって「そこそこオッケイ」で良いと思います。夜に行ったらちゃんとした物がでてくるのかもしれないし、でもマレーシアって同じ経営の店でも場所によって味が違うのが普通ですから、やっぱりパビリオン店に行くのが良いのかも。
でもま、北京ダックは「昨日焼いたやつ」みたいだったですが、ドラゴンアイってコスパから見ても良い店だと私は思います。鼎泰豊より好きです。鼎泰豊っていつも混んでいてガチャガチャしていて、「オメーら、早く食って帰れ!」みたいなサービスを感じるんですよ。ま、中華料理の繁盛店そのものなんですが、ドラゴンアイってそういう急かされる感は無い。それとも店によるのかな?
鼎泰豊といえば小籠包ですが、ここドラゴンアイでもやっぱり小籠包を頼んじゃいました。
良いと思うなぁ、ドラゴアイの小籠包。小籠包はどこが美味しいとか言えばキリがありませんが、ドラゴアイ、鼎泰豊、そしてそして絶対に外せないJWマリオットホテル内の「シャンハイ」。この三店舗で食べることが出来れば私は幸せ。
その他ですが、
そしてドラゴンアイでは必ず食べる。担々麺。(笑)
この担々麺ですが、「普通のドラゴンアイ」で食べると大雑把で丁寧さがないのね。やっぱりこれからはドラゴンアイならこの「高級志向のドラゴンアイ」の方が良いかもしれない。
美味しかったです。
やっぱりドラゴンアイは良いなぁ。これだけ食べても一人頭は大した金額にならないし、安心して食べられる。そしてメニューも豊富だから、また来ようって思う。
でもまたワンウタマ店に来るかと言うと疑問。どうせなら遠いけれどパビリオン店の方が安心だと思うなぁ。それも昼間じゃなくて夜ね。
確かワンウタマには姉妹店の「カントンアイ」もありましたよね。あそこで「お食事」というより「ご飯」を食べるのも良いと思う。