トレードは「専業」にしないほうが良いと思う

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ここのところトレードに関して書いていますが、想像以上の反響があって驚いています。

このブログではトレードに関して結構書いてきましたし、興味がある方とコメントやメールでやりとりをしたり、実際にお会いすることもあるんですが、今日は今まで多分、書いたことがないことを書いておこうと思います。

まず、トレードはちゃんと学び、しっかり練習し、冷静にそして論理的にやれば誰でも勝てるはずだと思ってはいるのですが、

○ ちゃんと学ぶ

○ しっかり練習する

○ 冷静かつ論理的にトレードする

ということそのものが出来ない人が多いと感じています。

その理由は簡単で「勝ちたい、儲けたいという気持ちが強すぎる」ってこと。

「よし!やってみよう」と思ってから「数カ月後にはごっそり稼げるかもしれない」なんて思っているんじゃないですかね。あるいは私がいつも使っているチャートやインジケータのセッティングを複製し使えば、「すぐに勝てる」と思う人が半端じゃなく多いのね。

そんなことがあるわけがないのは冷静に考えれば誰にでもわかるはずなんですね。例えば料理に目覚めて人が「有名で高価な包丁を買う」ことで一体何が起きるのか。あるいは私は「低温調理」が好きですが、では「ちゃんとした低温調理器を手に入れる」ことでどうにかなるのか。大工になろうとして「良いカンナを手にいれる」ことでどうなるのか?

カーレーサーになりたいと思って日産のGTRやポルシェを買ったらどうなるのか。高価な野球のバット、ミットを買えばイチローに近づけるのか?

これでどうにかなるのなら人生ってあまりにも簡単すぎるし、そんなことが起きた経験があるんでしょうか。

良い道具を使うのは大事だと思いますが、それを「どう使うのか」が大事だし、「どうしてその道具が良いのか」がわからないと道具って使えないんじゃないですかね。

とは言いながら、私自身「道具に凝るタイプ」ですし、何をやるにも「道具から入る」のが好き。安物のわけのわからない道具を使うと、うまくなるのに「余計な苦労をしないとならない」のが普通だと思うから。でもこの余計な苦労ってのが肥やしになるのも間違いがないんですね。難しいところだと思います。

またなんでも同じですが「独学」って効率が悪すぎるんですね。だから良いメンターに出会うことが何よりも大事だと思うのですが、メンターって「相手が誰でも同じやり方をする」ってことはありえないんですね。あくまで「個人レッスン」であるから「相手のレベルや癖、個性に合わせる」のが当たり前で、そうじゃなければ全く意味がないわけですよ。

実は私はこのブログを通して知り合い、そしてやる気のある方には「メール」を使ってどうにかトレードの大事なポイントを伝えることが出来ないかと、何人もの方々とやりとりしてきた過去があります。(今は一切しない)

最初は「私が考える大事な基本」を伝えて、それをその方が理解できているのか、疑問点があるのか、あるのならそれをどう解消するのかやるわけですが、そんな繰り返しをしてもすぐに勝てるようになるなんてことはありえないのね。まず基本的な考え方は大体理解したとして、私と同じチャート、同じインジケータのセッティングで「実際にどこで売買するのか」が次に大事になるわけですよ。

だから今度は私が質問する側に回るのね。

「どのポイントで売買するべきか、そしてそう思った理由。実際にどこで売買したのか」を聞くわけですが、これによって始めてその人の理解度とか癖がわかるわけですよ。

それにはその時点の「チャートと売買譜(売買データ)」を出してもらわないとどうにもならないのね。チャート上にここで買った、ここで売った。そしてそうするべきだと思った理由を書いて送ってもらえばかなりいろいろなことが見えてきて、さて、次のステップはどうするのかが見えてくるわけです。

ところがですね、それを送ってくれた人って皆無なんですよ。ゼロです。不思議でしょ?

私としては「大きくはっきり見えるチャートの画像」に、「売買ポイントをプロットして」「そしてそれぞれの売買理由」を書いてもらえばさほど時間をかけないで済むのですが、最悪の場合、「売買銘柄」「売買譜」だけでも、自分のチャートを見ながらどうにかなると思っていましたが、それも送ってこない。

多分、ちょろっとやってみて「全然、勝てないじゃないか」とやる気がなくなったのだろうと私は想像しています。新しいゴルフ道具を揃えて、ちょっと理屈だけかじって「コースに出てみたらまるっきりお話にならない」のと同じことが起きているんでしょう。

そこからどう立ち上がるのかがその人の将来を決めるわけで、それはその人の問題で、私の問題ではありませんから、私はそこで何も言わないし、その方からも連絡がなくなり自然消滅というパターン。

トレードって簡単だと思っていたんだ・・・と私は思うだけですぐに忘れることにしましたが、こういう例があまりにも多かったので、最近は一切面倒を見ようとは思わないし、実際にいつも隣に座っている長男に教えるのも簡単じゃないのがわかって、そもそも多くの人にうまくなって欲しい、勝って欲しいと思うことが、もしかしたら皆さんに余計な時間を無駄にするのを強いたのかもしれないと思うくらい。

だからもしやる気がある方は、「自分に合ったメンター」が絶対に必要だと思うし、独学だととんでもなく長い時間がかかると思ったほうが良いと思います。

そして私がやり取りした方々の中に「急いでいる人」もいたんですね。中には中小企業の経営をしているのだけれど、倒産目前なのでどうにかトレードで稼ぎたいなんて言ってきた方もいたんですよ。でもその方には「その焦りがある限り、勝てるようにはならないと思います」と冷たい返事を送りました。また「どうしてもトレードで勝ちたい」と思うのは「それなりの理由がある人が多い」のね。普通に仕事もうまく行っていて収入に問題がなければ、「トレードで利益を出したい」と考える人は少ないのが常識だと思います。

そういう焦りがあるから、まともに勉強や練習もせずに「結果を急ぐ」のだろうし、いつも書いているように私はトレードの勝敗を左右するのは「潜在意識」であり「欲望と恐怖」であると思っていますから、焦れば焦るほど勝てなくなるのは普通だと思っています。

仕事でもなんでも「自分を追い込む」のは大事だと思いますが、トレードの場合はそれは絶対に駄目だと思います。欲望と恐怖の影響って半端じゃなく大きいのね。だから多くの人は「システムトレード」を重視して「裁量を排除する」ようにするわけです。でもシステムをきっちり決めて、それに合致するパターンを待ち続けるのってかなり難しいのね。でも出撃を多くすると勝てなくなったり。だからシステムトレードってやっぱり最終的には「自動売買」ってことになるんじゃないですかね。

でも私の手法は、基本的ルールって大事にはするものの「裁量」の部分は捨てていないんですよ。でも裁量の部分は「出撃サインを取るのか見過ごすのか」の裁量であって、何のサインも出ていないところで売買したりすることは無し。また「撤退サイン」が出た場合はそれもサイン通りに動くべきで裁量はなし。だから一般的に言われている「裁量」とは違うかもしれないけれど、裁量だけでトレードするのはまさに「欲望と恐怖に振り回される」のが普通でかなり難しいのね。一般的なチャートもみないトレーダーはまさにその裁量だけで、つまり「思惑」「欲望」「恐怖」だけで売買するから勝てないのも当たり前なわけです。

「心の平穏を保つ」のは非常に大事で、そういう観点からも「トレードで稼がなくても構わない」人こそトレード向きなのかもしれません。

今年はXXXXは稼がないと大変だ、なんて思いながらトレードをして勝てるとは私は全く思わないのです。それどころか勝てる勝負も勝てなくなると思うくらい。

だから「トレードを専業としないほうが良い」ということになるのね。

言葉を変えれば、「トレードに依存する必要がない頃に【しっかり腕を磨くべき】」ってこと。収入もちゃんとある頃に「トレードを勉強してみよう」なんてのが一番良いんじゃないかと思う。「別に勝てなくても良いや」ぐらいの緩い気持ちでチャートを見たほうが大事なポイントが見える、そんな気がします。

あるいは「トレードの勉強」とは別に「精神的な強靭さを持つための訓練」をするといいのかもしれない。

私の持論ですが「武道の達人はトレードも上手い」というのがあって、私の友人の空手五段がトレードを始めた時に私は驚いたんですよ。普通ならビビるところでも彼はビビらないのね。聞いてみたところ「アドレナリンのコントールは出来るから」と言っていました。つまり「欲望と恐怖」をコントロールできるってこと。

私は今はゴルフをしませんが、かつてヘッドアップの癖がどうしても矯正できなかったんですよ。これって「ボールの行き先が気になる」から見たい気持ちを抑えられないわけで、「体の動きを矯正する」のではなくて「気持ちの持ち方を変えるべき」だと考え、座禅で乗り越えたなんてこともあったくらい。(笑)

トレード?たいして興味はないなぁ・・、ぐらいが本当はちょうどいいのかもしれない。でも勝ちだしたり、あるいは負けだすと深層心理が前に出てきて別人になるのね。

「欲望と恐怖」をコントロールできる人ならトレードって簡単なのかもしれない。

実はメディアにでもよく出てくるBNFという200億円以上、株式投資で儲けた青年ですが、テレビで彼が紹介されたのを見て驚いたんですよ。ちょっと変わっていて、どうも「お金をお金と考えていないフシ」があるのね。いつも淡々としている。これって凡人にはできないこと。

また何度かブログにも書いている、トレードで儲けてシドニーに移住してきた友人も、こういったら大変失礼だけれど、なんとなくBNF氏と似ているところを感じるんですよ。儲けてもはしゃがないし、X億を損してもケロっとしてるのね。変人なんてもんじゃないと、凡人の私は思いました。また非常に変わった手法で利益を出しているシスヤ氏が家族でゴールドコースト長期滞在に来た時に何度かお会いしてとことん話をしたのですが、やっぱり頭の良い人で「自分をコントールするすべ」を知っているのね。喜怒哀楽が激しい人じゃない。

そういえば、プロのトレーダーですが彼がイギリスで働いているころですが、当然、トレーダー仲間がオフィスにいるわけですよ。その彼いわく、「それぞれのトレーダーの顔色を見ただけでは彼らのポジションが現在プラスなのかマイナスなのか全くわからなかった」と。

ここに強さの秘密があるんじゃないですかね。

前にも書いたことがありますが、私の父は一時期、正真正銘の相場師だったことがあります。でも二度の失敗で相場の世界から離れましたが、父は昔からこう言っていたんですよ。

「相場は簡単だ。ただし、自分をコントロールできれば・・」

トレーダーって孤独な仕事ですし、この辺をちゃんと考えて自分の精神のメンテを考えないと長く続けられないと思います。また大事なことですが、トレーダーって「社会的貢献は何も無い」と言って良いと思うんです。私みたいに商人の家に育ちますと「お客様の笑顔のみが利益に結びつく」という考え方を徹底的に教え込まれますが、トレーダーって「何も残らない」のね。何を作り出すわけでもなければ、誰かを喜ばすこともない。

お金そのものをいじくり回して利益を追求するわけで、まだ「金貸し」の方が社会に貢献しているかもしれないくらい。定期を作ったり債券を買うのもまだ世の中のためになると思いますが、「値動きで利益を出すトレーダー」って一体なんなんだ?といつも自問自答しています。

普通、仕事の結果って「物」や「思い」で残るじゃないですか。でもトレーダーの結果って「預金通帳の残高のみ」なのね。これって実は結構精神的に辛いところもあって、「俺って本当にこんなことをしていて良いのか?」という思いがある。ま、その辺は性格の違いかもしれませんが、いわゆる「子供が親の仕事を聞かれて、胸を張って答えられる仕事ではない」と私は思うわけです。

だから私としては、トレードってのは「副業としては最適」だと思うけれど、専業となると新たな難しさ、問題も出てくると思います。あるいは若い時にやるべきことはやって実績も残して、残りの人生はトレードで一花咲かせてみるか?程度が良いんじゃないかと。

う~~む、そう考えるのは古いだけかもしれませんね。

ま、私としては漁師が船を出して漁をする。裏山に松茸を取りに行く。そんなのと同じ様なものだと考えるようにしていますが・・。(笑)

 
 
 

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