日本人会

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どこの国、地域だろうと、私は、基本的には日本人会は存在するべきだと思います。必要がない人、関わりたくない人は無視すればいいし、必要な人は利用すれば良いし。でも存在しなかった場合、利用することは不可能になる。それだけの単純な理由です。

私としては、日本人会大好きです。ゴールドコーストに日本人会があって本当に良かったと思うし、もしなかったらどうなっていたか、想像しただけでも怖ろしいくらいです。しかし、当地ゴールドコーストでも昔から日本人会不要論を言う方も少なくないし、今でも入っていない人の方が多いはず。一時は日本人会が消えていく危険があった時期さえありました。

海外赴任者の場合、それこそ数年の腰掛けですから日本人会なんか必要ないんじゃないかと私は思うくらいで、日本を離れた移民だからこそ日本人会の重要性を感じます。

日本人学校(ゴールドコーストでは日本語補習校)の必要性と日本人会の必要性はイコールではないわけですが、日本人学校の母体としての日本人会が必要である事以外に企業組に取ってはどうでもいいような気がします。家族サービスが必要なら、商工会議所があるわけですから、その中でその部門を持つのが良いのかもしれない。または有料の地域サービスを利用するとか、私的な集まりでも十分かも知れない。

で、仲良しサービスを日本人会の中でやるばあい、それが公的な物かどうかという点が問題になることがあるはずです。特定の個人やグループの思惑で全てが動いてしまったら大変なことになりますから。今回の事で、まるで関係のない私が余計なことを言いたくなったのもここなわけです。勝手にグループを作って勝手にやるなら、他人が口を出すことではないけれど、日本人会の看板を後ろに背負って活動する場合に、俺たちが決めたことに口を出すな!っていうのは通用しないんですね。自分たちで全てをコントロールしたいのなら、日本人会の枠から完全に独立する必要があるはず。公私の区別はちゃんとするべき。

ま、そのことはおいといて、

移民にとって大きな気がかりなのは子供の教育だと思います。日本との関わりを全く持たなくても良いという人もいますが、私のように、子供達には日本人としてのアイデンティティを絶対に失って欲しくない、日本文化との関わりを多く持たせたいという考えの親も多くいます。そういう意味で、ゴールドコーストの子供達は全員現地校へ通うわけですので、日本人会は日本との接点として大きな役割を持ってやってきました。お正月の餅つきも、七夕も、毎年盛大に開かれる日本式お祭りも、日本人会がなければできませんでした。子供達も日本人会を通して多くの友人を作り、楽しんでいたのは間違いがありません。うちの子供達も日本会が大好きですし、催し物にも仲間を誘い自ら積極的に参加しています。そこには強制がないんです。本当に楽しんでる。

ゴールドコースト日本人会発会の原点で活動した方々のほとんどが移住組であったというのが他地域との大きな違いかも知れませんが、日本文化の継承、日本文化のオーストラリアでのアピールも日本人会の存在理由の側面として重用視されていました。また、オーストラリア自体が当然住民サービスをしているわけですが、マイノリティである日本人移民がそれを有効に使えるような橋渡し、またオーストラリア当局に日本人としての要望を正式に申し入れたり、改善してもらったり、地域社会との交流も活発でした。これは非常に重要であると思います。

世の中には個人で騒いでも無視されることが多くありますが、団体で交渉する場合には相手も取り上げるということは当然あるわけで、そういう意味でも日本人会の存在価値は高く、今まで歴代の会長やスタッフ達がどれだけ苦労してきたか見てきましたし、そして彼らの功績は高いと私は考えています。と同時に、領事館のバックアップもちゃんと存在していた。(ブリスベン領事館の領事はいい人が多くいました。個人的に付き合わせてもらった方も数人いました。お上というイメージは無く、一緒に悩んで動いてくれた印象が強く残っています。)

またあらゆる危機管理の中継点としての日本人会の存在価値も非常に高いと思います。今では知りませんが、かつては旅行者やワーホリ相手までサービスの幅を広げて、何かあったときの駆け込み寺としての機能もありました。これは特にお年寄りや、言葉の不自由な方、来たばかりの方には大きな拠り所であると思います。あと、無視されがちですが、大使館や領事館から地域の日本人住民に何かの連絡を取る場合に、日本人会という組織がないとどうにもならないんですね。平和であるとそんなことはどうでもいいと思ってしまいがちですが、かつては緊急時の連絡網なんてのもありました。テロや災害がいつ起きるかどうか誰にもわかりませんし、SARSの様なことを想定しても、組織で助け合う必要があると私は考えています。

そんなこんなで、私は日本人会は大事だと思っています。今現在は全く関わりも持たずに、会費だけ払って遠くから見ているだけですが・・・

ただ、前にも書きましたが、駐在組と移民組とは同じ日本人でありながらまるで違う考え方、要求がありますので、それが同じ日本人という枠組みの中でちゃんとやっていけるのかどうか疑問を感じることは少なくありません。当地ゴールドコーストでは移民組が圧倒的に多く、移民組の論理で動いて来ましたが、駐在組が多い場合には、彼らの目は日本を向いているわけですから、移住組から言うと、彼らの論理で動かれると非常にうまくないと私は考えています。ですので、多くの地域がそうであるように、駐在組と移民組は別組織にするというのは理が通っているのではないかと今でも考えています。

そして近年、各地で状況が複雑になってきた。駐在組、移民組の他に、長期滞在組という、旅行者でもない、移民でもない、中途半端な立場の方が増えてきた。この人達は、その地域に片足を突っ込んでいるだけで、自分たちが欲する美味しいところだけ取って行く人たち。地域との接点が無くても構わないし、面倒なことがあれば、そして嫌になれば帰ればいいだけの人。地域の接点を持とうとする方々も多いですが、それは彼らの意志によって好きな接点を持つだけで、持ちたくない接点は持たないという気楽な人たち。

これを悪いと言うんじゃありません。私も現在はその部類ですし、気楽に好きなように生きるのもいいと思います。旅の恥はかき捨て的な事を平気でやる人は論外ですが・・・・

今後そういう方々が増えるにあたり、地元としてはどういう受け皿が必要になってくるのかを真剣に考える時が来ていると思います。放っておけばいいとは思いません。もし、移住組の日本人クラブ的なものがあればそこに吸収されていくのが良いと、私は思いますが、マレーシアには駐在組がデンと居座る日本人会しかない。さて、どうなるんでしょうか。私もこれからマレーシアに渡ることを考えた場合、ここがちょっと気になりだして、これ関係の話題をここに書くようになったわけです。

その長期滞在組が多くなってくると、きっと日本人会には負担になるかもしれませんね。余計な問題を抱えるだけになるかもしれませんし。かと言って有志に任せておいて、好きにやってくれと突き放すといろいろ問題も起きてくるでしょう。では、完全に独立した組織にしたらどうかという考え方も出てくるかも知れませんが、私自身はそういう組織があったらどうしましょう。ちょっと様子を見ないとなんとも言えないです。お年寄りだけが集まって、それぞれが我が儘を言いたい放題、それをかつての現役時代の論理を持ち込んでねじ伏せようとする管理好きな役員の台頭。そんな図が見えてくるような気がしてしょうがありません。現実的に各地の日本人会や日本人クラブでさえ、その傾向は少なからずあるようですし。

そんな組織なら無い方が、また、そういう組織には関わらない方が自由でいられて、本来の目的がかなうのかもしれないなんて思う人が出てきても不思議ではありません。実際に、ゴールドコーストでも日本人会、日本人に一定の距離を保とうとしている日本人が多いのはまさにそれだと思います。(地元の日本人とは付き合わずに、日本人はネット中心になる? www)

レバタラを言ってもしょうがありませんが、事前に枠組みをしっかり考えて良い組織が出来てきたらいいと思っています。何かがあったときの拠り所。これは絶対にあった方が良いと思います。そういう意味でも、マレーシアにはそれに近い組織が今存在するわけで、今後が楽しみです。

あるいは、誰かが公的な組織としての日本人クラブを立ち上げる動きが出てくるのか・・・

私としては、きっちり金銭を払って専門のサービスを受けることになるかもしれません。そのサービスも契約でどこからどこまでの範囲とはっきり決まっている方がわかりやすいし、面倒な人間関係に煩わしい思いをすることもないし、良いような気がします。

と言いつつ、みんなで手弁当で集まっていろいろ悩みながらやっていくというのも楽しみのひとつだし、そういう良い思い出と仲間達を私はゴールドコーストで一杯作りました。でも、もうしたくありません。それが出来るのは若いときだけかもしれません。体力的な問題もありますが、精神的に歳を取ると、なかなかそういう組織で動くのが下手になってくる自覚があります。若い人が回りに増えてくると、彼らの行動や発想に小言も言いたくなるし、かといって五月蝿いオヤジだと思われるのも嫌だし。今の私は、次の世代が彼ら流のやりかたで頑張っているので遠くから見ているだけです。かつてゴールドコーストには、寄付をお願いすると文句も言わずに黙ってお金を出してくれる良いオヤジさんがいっぱいいました。

私もこれからはそうやって生きていこうと思っています。

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