フィリピンの事を調べてみました

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老後を海外で送ろうとする人たちに人気のある国がいくつかありますが、その中で今まで詳しく調べたことがなかったフィリピンについてちょっと調べてみました。

○ 制限付き永住権が取れる。そのビザはSRRVと呼ばれる。
○ 35歳以上から取得可能。
○ 35歳以上50歳未満は5万USドルを規定の銀行に定期預金する。
○ 50歳以上は2万USドルを規定の銀行に定期預金する。
○ 50歳以上で年金受給が単身月800USドル。妻帯者月1000USドル以上の場合は1万USドルの定期預金。
○ その預金はPRA(フィリピン退職庁)との共同名義
○ 6ヶ月後にその定期を解約することが出来る。
○ 査証発給日から30日間以内であれば預金をコンドミニアム購入、20年以上の貸家、ゴルフ会員権購入、上場企業の株式購入等に使用可能。(これを投資転換という)
○ 投資転換時に調査管理費として50歳以上=年間500ドル、50歳未満=年間750ドルの支払いが必要。
○ 但し3000ドルは死亡時の埋葬費用としての預金維持が必要。
○ 海外からの年金受給は無税。
○ 海外での所得は無税(未確認情報)
○ 日本人の当ビザの取得者は年間100人程度。累積推定1500人。
○ 物価は日本の5分の1

おおざっぱなところは上記の通り。ハードルはかなり低く設定されており、老後を楽しもうという人たちとは別に、介護目的で渡る人も多く、すでに何カ所かのそれなりの規模のホームが稼働している。

私自身はフィリピンには何度も渡航経験があり、良い国だとは思うものの、警官がポン引きをしたり拳銃を平気で売るような社会に不安を感じます。渡る国を考えた場合、消去法で国を消していった時に、最後に残ったのがマレーシアとフィリピンでした。そしてフィリピンを最後に消去。理由は治安の悪さです。そして物価が安いと言うより、貧しさが気になりました。あまりにも貧しい国で良いことはないと思います。

ただ、フィリピン人自体は日本でのイメージとは随分違い、敬虔なクリスチャンも多く大家族主義で、年寄りを敬い、子供を非常に大事にする気持ちが強く、とても真面目な人たちであるという印象は持っています。そしてアジアの中のラテン系民族でもあり、かなり陽気で楽しい人たち。私はグアムがどこの国よりも一番好きな国(場所)なのですが、文化的にグアムとフィリピンはスペイン統治時代の物が色濃く残っており、非常によく似ていると思います。言語も似ている。

私は治安が問題だと思うのだけれど、知り合いで二人移住者がいますが、彼らに言わせるとそういう場所が存在するのはどこの国も同じで、普通に生活する分には全く問題がないと言っております。この辺に関しては、もうすでに日本でも凶悪な事件が起こるようになってきていて、どこの国なら安全とか危険とか、そういう考え方はもう通用する時代ではないのかもしれません。

老人介護施設に関しては、すでに稼働しているところが何カ所かありますが、当然これは私企業の経営で、ホームページを見る限りはどうも繁盛しているようには見えず、長い目で見て安全なのかどうかは大いに疑問だと思いました。日本においてもコムスンの破綻などがありましたが、海外で日本人相手の施設が破綻しようと、それが社会問題になるわけもなく、その時が来たら単に追い出されるだけであろうと思いました。それを言い出すと日本国内も海外も同じかも知れないけれど、海外の場合、その企業の信頼性など計るすべもなく、何かあっても泣き寝入りするしかないのだろうと思います。

また、介護費用も安いと宣伝しているけれど、介護が必要な時に、単に寝ているだけの容体ならまだしも、様々な病気を併発している可能性は高く、その治療が安価に受けることが可能なのかどうか、そして先進国なら治療するような老人の病気でも後進国では放置するのが常識ということもあるだろうし、心配は尽きません。その点はオーストラリアでも同じで、日本で普通に行われている延命治療はしないのが当たり前という文化があり、ましてやフィリピンを考えた場合、本人も家族も納得できる治療が受けられない可能性は大きいかもしれない。また、その手の施設を監督する省庁があって、うまい具合に管理され、それなりの基準を保てるのかどうかも疑問。

その手の施設の多くは地方にあり、大都市特有の危険が少ない場所であると言えるかも知れない。そして老後を過ごすには良いのかもしれないけれど、逆を言えば、家族が近くに住めるような場所ではないとも言えそう。いわゆる体のいい姥捨て山かもしれない。

老後の事を真剣に考えるのであるならば、やっぱり国がちゃんとした保障をしている国の永住権が取れる事、それも制限付きではなくて、市民権を持っている人たち、いわゆるその国の国民と同じ保障を受ける権利がある国へ渡ることが必要だと思います。介護は当然のこととして、その国の国民保険を使い、かつ老齢年金ももらえる国がやっぱり良いのかもしれない。私はまだその時を考える年齢にはなっていませんが、そういう国へ渡れないのであるなら、全ては自己の資産が老後の優劣を決定してしまうのはしょうがないことだろうと思いました。

私がオーストラリアの永住権に拘るのはここのところなんです。オーストラリアの場合、社会保障が日本に比べるとかなり進んでいます。たとえば、
○ 失業保険に年数制限がなく、何年でももらえる。
○ 65歳から老齢年金がもらえる。
この上記の二つに関しては、掛け金拠出型ではないというところ。つまり、失業保険、年金に関して、だれも掛け金を支払っていないと言うことです。そのかわり、財産、収入によって老齢年金の額は変わり、裕福な人には出さず、貧しい人に厚く出すという、理にかなった年金です。日本のように掛け金も払えないくらい貧しい人には、その年金さえでないというのとまるで逆です。

かつてはこの年金だけで老後を生きることが出来たようですが、最近はそういうこともなくなってきたようで、老人の生活苦による自殺が増えているそうです。ただ、こちらの人たちは日本人のように貯蓄をしっかりするという考えが基本的に希薄で、本当に一銭も持っていないような人がゴマンといます。それは働く年代も同じで、銀行の口座には雀の涙だけという人が少なくない。

でも本来、仕事をして得る収入は今を生きるためのもので、そこから税金を払っているわけだから、老後は国が面倒を見るのが当然という事だったのだろうと思います。今ではスーパーアニュエーションという年金にプラスされるものに加入する義務ができています。

国民保険に関しては、ある一定以上の収入がある人はその収入の1.5%を税金と共に支払います。公立の病院に行く限りはほとんど無料で済みます。これに上乗せする形の保険の加入も進んでいて、それに入っていれば私立病院で治療を受けてもかなり安く済みます。

ですから、私としてはこの恩恵を受けられる権利である、永住権をどうしても捨てるわけにはいかないのです。

そもそも、最後の時期を海外で過ごそうなんてことを考えさせる国がおかしいんですよね。

ま、最後をどうするかというのは私にはまだまだきっと先のことだろうと思うけれど、それまでの20年30年をどうするか考えた場合、フィリピンに数年渡ってみるのも面白そうだと思いました。そういう意味ではタイにも行ってみたいし、日本人コミュニティーができあがりつつあるというインドネシアも興味があります。短期の退職者ビザではあるけれど、近年それがスタートした台湾も面白そう。かつて仕事で台湾には何度か行きましたが、まず日本人が行かないような奥地に行っても日本人を歓迎してくれる彼らに感激した思い出があります。いつか長期で住んでみたい国の一つ。

あっちもこっちも行きたい所ばかりで、その年数を足したら私の寿命が100年あっても足りそうにないのが一番の悩み。

いろいろ調べている間に、外務省が出している海外在留邦人数調査統計を見つけました。これらの数字は大使館、あるいは領事館に在留届を出している日本人だけの統計で、その在留届さえ出していない日本人が多く存在することを考えると、この数字の意味が薄れてしまうものの、在留届を出す人の割合が各国同じだという前提で考えれば、それなりに意味があるのかもしません。

実際にこの数字を見てみると、自分が感じているものと数字とは随分違うことにびっくりしました。アジアではシンガポールがダントツに凄いと言うこと。そして次はタイ。この二国は巷では日本人が減っているというものの、統計ではどんどん増えているのが意外でした。そしてフィリピンの人数が多いのも意外。

こんな数字の羅列でもいろいろ見えてくるから面白いです。

海外在留邦人数調査統計はここ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/07/pdfs/1.pdf

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